【平均年収482万円】第一屋製パン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収482万円】第一屋製パン 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

第一屋製パンは、パン類を中心とした食品事業と不動産事業を展開しています。連結従業員数は876名です。売上高は過去5期にわたり増加傾向にあり、直近期も増収となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。


目次

※本記事は、第一屋製パン株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


第一屋製パンは、パン類を中心とした食品の製造販売を主軸とする食品事業と、不動産賃貸を行う不動産事業を展開しています。同社グループは、第一屋製パンと3社の連結子会社、1社のその他の関係会社で構成されています。

単体従業員数は698名、連結従業員数は876名です。セグメントは食品事業、不動産事業の2つです。

主な国内グループ会社は、スリースター製菓、ベーカリープチ(パン類の製造販売)、ファースト・ロジスティックス(製品等の配送)などです。

なお、連結子会社のベーカリープチは、2022年12月末に第一屋製パンの横浜工場閉鎖に伴い、事業活動を停止しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


第一屋製パンは、長年にわたりパン製造・販売を手がける企業として、安定した事業基盤を築いています。同社グループでは、従業員が安心して長く働ける環境づくりに力を入れており、堅実なキャリア形成を目指す方にとって魅力的な職場と言えるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、従業員が長期にわたってキャリアを築いていることを示しており、安定した環境で働きたいと考える方にとって参考となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 4,818,818円
平均勤続年数 15年8ヶ月
平均年齢 40.0歳
単体従業員数 698人
連結従業員数 876人
単体のグループ内比率 79.7%


同社は、確定拠出年金制度と退職一時金制度を導入しており、連結子会社では退職一時金制度を設けています。退職給付制度は国内グループ会社を対象としています。

退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付制度における退職給付債務は22.1億円となっています。確定拠出制度への要拠出額は、当連結会計年度で44百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは「おいしさに まごころこめて」をモットーに、顧客や社会の課題解決に貢献し続けることを理念としています。求める人材像は、現状に満足せず、新しいことへのチャレンジや改善を図り、社内外のメンバーを巻き込み高めあうことで、社会や顧客のニーズに即した商品・サービス・提供価値を模索し実現し続ける人材です。

労働安全を第一に労働環境を整備し、システム改革を含めた抜本的な働き方改革や人事制度改革を進めています。公平公正な人事評価を行い、福利厚生の充実を図るとともに、会社業績に連動した社員の待遇改善やエンゲージメントを高めるための社内施策を推進しています。

人材育成においては、社員を無限の可能性を秘めた財産と位置づけ、チャレンジ精神、コミュニケーション、リーダーシップに基づき能力開発と向上に努める方針です。全部門が人材育成を部門目標として掲げ、管理職は人材育成、非管理職は自ら限界を作らずチャレンジする項目を目標として実践しています。女性の管理職への登用を推進するため、育児休暇や時短勤務等の制度を充実させ、ジェンダーの区別なく能力開発を支援しています。また、新卒採用だけでなく中途採用活動も年間を通して積極的に行い、従前のキャリアや専門的スキルを生かせる人材を管理職に登用しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異の主な要因は男性の管理職比率が高いこととされており、今後女性管理職の登用を推進する方針です。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 8.7%
男性労働者の育児休業取得率 80.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 70.6%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 77.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 80.5%

連結子会社の法定開示


主要事業会社2社の数値のみ掲載します。

▼ スリースター製菓

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 16.7%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 78.8%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 74.3%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 83.9%


▼ ファースト・ロジスティックス

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 0.0%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 89.4%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 87.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 101.0%

多様性・登用

指標 目標 実績(当連結会計年度)
管理職に占める女性労働者の割合 2027年までに10.0% 8.89%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


第一屋製パンは、パン類を中心とした食品の製造販売を主軸とする食品事業と、不動産賃貸を行う不動産事業を展開しています。これら二つの事業セグメントを通じて収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、パン類を中心とした食品の製造販売を主とする食品事業と、不動産賃貸を主とする不動産事業を営んでいます。市場の多様なニーズを捉えるため、人気企業とのコラボレーション商品や季節ごとの新商品を積極的に発売し、主力ブランドのリニューアルにも取り組んでいます。

食品事業

パン類を中心とする食品の製造販売を主としています。既存の自社ブランド商品のリニューアルや、石川県金沢市の企業とのコラボレーション商品開発に注力しています。ハンバーガーチェーン向けの業務用食材パンや、コンビニエンスストア向けの店内加工用食材の提供も行っています。
収益は、これらの食品の製造販売から得ています。

不動産事業

不動産賃貸を主とした事業活動を行っています。同社所有の土地を賃貸しており、横浜工場跡地にかかる賃料収入が主な収益源となっています。
収益は、不動産賃貸収入から得ています。

同社グループの事業は国内に限定されており、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。そのため、為替変動による影響は受けません。また、特定の顧客への売上高が連結損益計算書の10%以上を占めることはありません。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
食品事業 271億円 287億円
不動産事業 1.2億円 3.0億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去5期にわたり継続して増加傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、過去には損失を計上した期もありましたが、直近3期は黒字を維持しています。当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前期から減少しましたが、これは前期に計上された固定資産売却益という特別利益の反動によるものです。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 239億円 246億円 264億円 272億円 290億円
経常利益 △5.2億円 △5.5億円 6.2億円 6.0億円 4.5億円
経常利益率 △2.2% △2.3% 2.3% 2.2% 1.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 △7.4億円 △11.4億円 4.7億円 20.6億円 3.2億円
1株当たり当期純利益(円) △106.83 △165.50 68.51 296.82 46.34

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。これは、売上高の伸長が従業員数の増加を上回ったことを示しています。

一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から減少しています。原材料価格やエネルギー価格の高騰、人件費、物流費の増加といったコスト上昇が影響し、売上高の増加に対して利益の伸びが抑制された状況がうかがえます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 31.3百万円 33.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 0.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性から、同社グループの現在地を端的に示します。
本業で稼いだ資金を将来の成長投資に充てている状況がうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率とROE、そして手元資金の状況から確認できます。
自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、財務の健全性を示しています。
ROEは前期から減少していますが、依然としてプラスを維持しています。
手元資金は前期から減少しており、今後の資金の動きに注目が集まります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 80.5億円 85.5億円
自己資本比率 51.0% 52.3%
ROE(自己資本利益率) 28.8% 3.9%
現金及び預金 39.6億円 30.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローは、本業で得た資金をどのように事業活動や投資活動、財務活動に配分しているかを示しています。
当期は営業活動によるキャッシュフローが前期から大きく減少し、投資活動によるキャッシュフローは支出に転じています。
これは主に、税金等調整前当期純利益の計上や減価償却費のプラス要因があった一方で、法人税等の支払額が増加したことによるものです。
また、将来の収益基盤強化を目的とした有形固定資産の取得による支出が投資活動によるキャッシュフローを減少させています。
財務活動によるキャッシュフローは、横浜工場跡地に関連する預り保証金の受入れにより収入に転じています。
これらの資金の流れから、同社グループは本業で得た資金を成長投資に充てつつ、財務活動で資金を調達している状況がうかがえます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 9.5億円 0.5億円
投資CF 39.0億円 △19.1億円
財務CF △38.4億円 4.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 48.5億円 △18.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、原材料の価格及びエネルギーコスト並びに運送コストの変動による影響を受ける可能性があります。
また、人口減少による需要減や消費者の節約志向・低価格志向を受け、同業他社との価格競争や販売シェア獲得競争により、パン市場は厳しい状況にあると認識しています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループの部門全般において、人員が過度に不足した場合、特に工場の操業や商品の配送において支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


第一屋製パンは、「おいしさに まごころこめて」をモットーに、お客様の期待を超える感動を届けることを目指している企業です。食を通じて社会の発展に貢献するという理念のもと、事業を展開しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「おいしさに まごころこめて」をモットーとし、お客様の期待を超える感動をお届けすることを目指しています。1947年創業の歴史で培われたパン及び菓子分野の技術力と商品力を基盤として、品質向上と原価低減を図り、食を通じたお客様への価値提供に努めています。今後はマーケティング力を強化し、独自技術で差別化した商品群を創造することで、安全で高品質な商品作りに努め、食を通じて社会の発展に貢献していく方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループが求める人材像は、「現状に満足せず、新しいことへのチャレンジや改善を図り、社内外のメンバーを巻き込み、高めあうことで、社会、顧客のニーズに即した商品・サービス・提供価値を模索、実現し続ける」ことです。社員を無限の可能性を秘めた財産と位置づけ、人材の能力開発と向上に努めることを人材育成方針としています。チャレンジ精神、コミュニケーション、リーダーシップに基づいた人材育成を実践しており、全部門が人材育成を目標として掲げています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、2026年度の基本方針を「成長を創る」とし、持続的な成長に向けて、積極的な設備投資及び新規事業への取り組みを実施していく方針です。食品事業では、多様化するニーズに即した高付加価値商品の開発や主力のロングセラーシリーズのブランド再構築、キャラクター商品の販路拡大を推進しています。また、生産部門では、DPS(Daiichi-pan Production System:第一パン生産方式)による徹底した効率化や経費抑制を引き続き進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


第一屋製パンは、監査役会設置会社制度を採用しており、代表取締役社長と取締役副社長直下に各部門が位置する文鎮型の組織体制で経営管理体制を整備しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


第一屋製パンの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である豊田通商です。その他、資産管理会社や個人株主、金融機関、複数の事業会社が上位株主として名を連ねています。特定の事業会社が筆頭株主であることから、経営に一定の影響力を持つ資本構成であると考えられます。

株主名 持株比率
豊田通商 33.43%
MF資産管理合同会社 4.33%
細貝理栄 4.26%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は細貝正統氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
細貝 正統 代表取締役社長 1998年㈱第一勧業銀行(現㈱みずほ銀行)入行後、2003年同社入社。管理本部部長付、執行役員経営企画室室長などを経て、2019年より同社代表取締役社長に現職。
黒土 尚紀 取締役副社長 1992年野崎産業㈱(現JFE商事㈱)入社後、2009年豊田通商㈱入社。食糧部糖質グループリーダー、食品原料部食品素材グループリーダーなどを経て、2025年より同社取締役副社長に現職。
佐藤 康一 取締役 1997年同社入社。商品本部商品開発部副部長、部長兼和洋菓子グループリーダーなどを経て、2025年より同社取締役兼商品開発部部長、2026年より同社取締役に現職。


社外取締役は、南浩二氏(豊田通商ライフスタイル本部COO フード&アグリビジネスSBU)、長谷川千鶴氏(弁護士法人御堂筋法律事務所パートナー弁護士)、貝沼利晃氏(豊田通商フードマテリアル部部付)です。

同社は監査役会設置会社制度を採用しています。社外取締役は、食品事業に関連する専門知識や企業経営の豊富な経験に基づき、客観的な視点から経営の監督を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう、株主利益と連動した報酬体系を基本方針としています。個々の取締役の報酬は、各職責を踏まえた適正な水準とすることを基本としています。当面は基本報酬(金銭報酬)のみの運用とし、役位、職責、在任年数、業績、従業員給与水準、他社水準を総合的に勘案して決定しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 32百万円 6.4百万円
監査役(社外除く) 1名 5百万円 5.0百万円
社外役員 4名 12百万円 3.0百万円


連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。