※本記事は、日清紡ホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
日清紡ホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は175名、グループ連結従業員数は17,811名です。
同社グループは、子会社92社、関連会社8社により構成されており、無線・通信、マイクロデバイス、ブレーキ、精密機器、化学品、繊維、不動産など多岐にわたる事業をグローバルに展開しています。日本無線や日清紡マイクロデバイスなどを中核会社として、社会インフラ関連製品から自動車部品、高機能化学品まで幅広い製品・サービスを提供しています。
主な国内グループ会社は、日本無線(無線・通信)、日清紡マイクロデバイス(マイクロ・デバイス)、日清紡ブレーキ(ブレーキ)、日清紡メカトロニクス(精密機器)、日清紡ケミカル(化学品)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
日清紡ホールディングスグループは、多様な事業を展開する持株会社として、グループ全体の人的資本の強化に注力しています。従業員一人ひとりの成長を支援し、多様な働き方を推進することで、変化に対応できる柔軟な組織づくりを目指していることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員が長期的に活躍できる環境を提供している傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定してキャリアを築いている従業員が多いことが示されています。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,587,846円 |
| 平均勤続年数 | 17.7年 |
| 平均年齢 | 43.2歳 |
| 単体従業員数 | 175人 |
| 連結従業員数 | 17,811人 |
| 単体のグループ内比率 | 1.0% |
同社および一部の連結子会社は、従業員の退職給付制度として、確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職給付制度の適用範囲は、同社および一部の連結子会社にわたります。退職一時金制度があり、退職給付として、給与と勤務期間、ポイント等に基づいた一時金が支給されます。
確定給付制度における退職給付債務は824億円、年金資産は814億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、長期人事戦略「Long-Term Vision」を策定し、「全ての従業員が変化を楽しみ、高い目標に果敢に挑む」従業員像を目指しています。事業戦略の実現と利益創出、社会貢献につながる「挑戦と変革」の実践による継続的な価値創出を重視しています。
優秀な人材の獲得と活躍促進のため、採用競争力のある給与水準の維持、職務内容を明確にする役割等級制度、勤務年数にかかわらず早期昇格を可能とする人事制度を運用しています。また、多様な働き方や職業観に対応する複線型人事制度も導入しています。
具体的な取り組みとしては、経営幹部後継者の育成を目的とした選抜型のリーダーシップ開発プログラムを実施しています。また、女性社員のキャリア形成を支援する「女性リーダー育成プログラム」や、管理職向けのアンコンシャスバイアス研修を通じて、ジェンダーギャップの解消を目指しています。
従業員の自律的なキャリア形成をサポートするため、年代別キャリア研修やキャリア相談窓口、グループ公募制、自己申告制度などを設けています。さらに、テレワーク制度やフレックス制度、時差出勤制度といった多様な働き方を可能にする制度の活用も促進しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。同社では性別による格差がない報酬制度を運用していますが、現時点では管理職や管理職一つ手前の等級に占める女性の割合が低いことから男女の賃金差異が生じています。パート・有期雇用従業員における男女の賃金差異の原因は、賃金が高いシニア社員層や嘱託社員における男女比率の違いです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 11.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 62.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 70.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期雇用従業員) | 33.7% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 日本無線
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 1.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 77.1% |
▼ 国際電気
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 2.1% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 66.7% |
▼ 日清紡マイクロデバイス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 3.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 52.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
日清紡ホールディングスは、事業持株会社として、無線・通信、マイクロデバイス、ブレーキ、精密機器、化学品、繊維、不動産など多岐にわたる事業をグローバルに展開しています。各事業領域において中核会社が一体的な活動を行い、幅広い産業分野に製品やサービスを提供することで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、多様な事業セグメントを通じて収益を創出しています。特に無線・通信事業が同社グループ全体の売上を牽引しており、次いでマイクロデバイス事業が大きな割合を占めています。
無線・通信
防災システムや監視システム、船舶用無線通信機器、車載用レーダ、防衛省向け特機などを製造・販売しています。ソリューション事業では自治体向け防災システムの受注が増加し、特機事業では防衛省向け装置の受注が増加しました。マリンシステム事業では商船新造船用機器やアフターマーケット向けの受注が好調に推移しています。運営は日本無線、国際電気などが行っています。
マイクロデバイス
アナログ半導体や小型・省電力の電源IC製品などの電子デバイス製品、マイクロ波製品などを製造・販売しています。産機製品は国内OA機器用製品の受注が増加しましたが、民生品や車載製品は低調に推移しました。不採算製品の販売縮小や固定費削減により損失が縮小しています。運営は日清紡マイクロデバイスなどが行っています。
ブレーキ
自動車ブレーキ用摩擦材などを製造・販売しています。日本や米国の拠点でカーメーカー向けの受注が回復し、増収・増益となりました。韓国拠点では減収ながらも採算改善活動により損失が縮小しています。運営は日清紡ブレーキなどが行っています。
精密機器
空調機器用ファンや自動車用ヘッドランプ周辺製品、電子制御ブレーキシステム用精密部品などを製造・販売しています。精密部品事業ではインド拠点の出荷が増加し、成形品事業では車載関連製品や医療関連製品の受注が好調に推移しました。運営は日清紡メカトロニクスなどが行っています。
化学品
断熱材などのウレタン製品、樹脂改質剤などの高機能化学品、燃料電池用カーボンセパレータなどを製造・販売しています。断熱製品や燃料電池用カーボンセパレータの受注が減少し、減収・損益悪化となりました。運営は日清紡ケミカルなどが行っています。
繊維
形態安定加工シャツやユニフォーム用製品、スパンデックス、エラストマー関連製品などを製造・販売しています。シャツ事業の受注低迷により減収・損益悪化となりましたが、ユニフォーム事業は企業別注品の受注が増加しました。運営は日清紡テキスタイルなどが行っています。
不動産
ビル・商業施設などの賃貸や不動産分譲などを行っています。大型商業施設の分譲規模の相違により、前期と比較して減収・減益となりました。
その他の事業セグメント
食品や産業資材などの商社機能を持つ事業を営んでいます。運営はニッシントーア・岩尾などが行っています。
同社グループの売上高は、日本が最も大きく、アジア、欧州、その他の地域がこれに続きます。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 無線・通信 | 2,345億円 | 2,518億円 |
| マイクロデバイス | 642億円 | 624億円 |
| ブレーキ | 582億円 | 578億円 |
| 精密機器 | 542億円 | 554億円 |
| 繊維 | 368億円 | 333億円 |
| 不動産 | 235億円 | 179億円 |
| その他の事業セグメント | 122億円 | 138億円 |
| 化学品 | 110億円 | 97.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、直近5年間で変動が見られますが、当連結会計年度は前期から増加しました。経常利益も変動しながら推移しており、当連結会計年度は前期から増加しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に損失を計上した期もありますが、当連結会計年度は前期から増加となりました。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,106億円 | 5,161億円 | 5,412億円 | 4,947億円 | 5,023億円 |
| 経常利益 | 254億円 | 204億円 | 158億円 | 244億円 | 293億円 |
| 経常利益率 | 5.0% | 4.0% | 2.9% | 4.9% | 5.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 248億円 | 197億円 | △200億円 | 103億円 | 139億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 149.08 | 121.06 | △127.61 | 65.40 | 89.07 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度に前期から増加しました。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、同社グループ全体の生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、事業活動の効率化や収益性の向上を示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 26.6百万円 | 28.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.9百万円 | 1.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務基盤は、安定した事業活動と効率的な資金運用によって支えられています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行われています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は当期で43.0%となっており、前期の39.7%から上昇しています。プライム市場の製造業平均と比較すると、やや低い水準にあります。
ROE(自己資本利益率)は当期で5.0%となり、前期の4.0%から改善しました。これはプライム市場平均を下回る水準です。手元資金である現金及び預金は当期末で456億円を確保しており、前期末の504億円から減少しています。これらの財務状況は、同社グループの事業活動を支える基盤となっています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 2,978億円 | 3,166億円 |
| 自己資本比率 | 39.7% | 43.0% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.0% | 5.0% |
| 現金及び預金 | 504億円 | 456億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは当期に493.4億円の増加となりました。これは前期の283.7億円から大幅に増加しており、税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加が主な要因です。
投資活動によるキャッシュフローは△108.4億円の減少となり、有形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。前期の△208.6億円の減少からマイナス幅が縮小しました。
この結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは384.9億円のプラスとなり、前期の75.1億円から大きく増加しています。これは、本業で安定的に資金を生み出し、その範囲内で投資を行えている状況を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは△462.0億円の減少となり、短期借入金の純減や長期借入金の返済、配当金の支払いが主な要因です。前期の△87.5億円の減少からマイナス幅が拡大しており、借入金の返済を進めていることがうかがえます。これらのキャッシュフローの状況は、同社グループが安定した事業活動を通じて資金を創出し、財務基盤の健全性を維持しながら、将来に向けた投資も行っていることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 283.7億円 | 493.4億円 |
| 投資CF | △208.6億円 | △108.4億円 |
| 財務CF | △87.5億円 | △462.0億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 75.1億円 | 384.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、製品市場・為替相場・原材料価格の変動をリスクとして認識しています。景気変動による製品市場の需給バランスの変化や、原材料価格の乱高下、為替変動が業績に影響を与える可能性があります。
また、急速な技術革新もリスクとして挙げられています。技術革新による既存市場の急激な変化や、技術開発あるいは製品開発プランの進捗遅延が競争力低下につながる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、人財に関するリスクを認識しています。労働力人口の減少による人財不足や、業務のミスマッチなどによるモチベーション低下や人財流出が課題となる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
日清紡ホールディングスは、事業変革と再編を軸に、社会の安心・安全に貢献する企業グループを目指しています。持続可能な社会の実現と企業価値の向上を両立させるため、多様な価値観を尊重し、挑戦と変革を続ける企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、企業理念として「挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。」を掲げています。2030年の目指す姿としては「無線通信トータルエンジニアリングカンパニー」を掲げています。ソリューションを通じて人びとの安心・安全を提供し、社会に貢献することを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業理念の具現化を通して企業価値の向上を目指しています。行動指針として「環境負荷への認識と配慮」「コンプライアンスの徹底」「公正かつ透明な取引」を掲げています。
長期人事戦略「Long-Term Vision」では、2030年に「全ての従業員が変化を楽しみ、高い目標に果敢に挑む」姿を目指しています。従業員一人ひとりのスキルや専門性を最大限に活かし、変化に対応できる柔軟な人財運営を重視しています。
サステナビリティ推進計画では、「人権の尊重」「環境負荷に配慮したビジネスの展開」「人財マネジメントと育成」「コーポレート・ガバナンスの実効性向上」「責任あるサプライチェーンの構築」を重要テーマとして設定しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、「変革の設計図」に基づき、事業変革と再編を柱とした取り組みを進めています。具体的には、「無線・通信事業の構造改革」「マイクロデバイス事業の構造改革」「マテリアル事業への対処」に取り組んでいます。
次なる成長の柱と収益源の創造を目指し、フューチャー・イノベーション本部を設立しました。これにより、無線・通信技術を軸とした新規ビジネスモデルの創出を加速させています。
サステナビリティ推進計画を策定し、社会と事業のサステナビリティの実現を目指し、全従業員が目標達成に向けて活動しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
日清紡ホールディングスは、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離する執行役員制を導入しています。社外取締役や社外監査役を選任し、報酬委員会や指名委員会を設置することで、経営の効率性と透明性の向上を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行が筆頭株主であり、富国生命保険相互会社や日本カストディ銀行といった機関投資家や信託銀行が上位に名を連ねています。これは、幅広い機関投資家によって同社グループの資本が支えられていることを示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 14.74% |
| 富国生命保険相互会社(常任代理人 日本カストディ銀行) | 5.76% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.07% |
| 帝人 | 2.02% |
| 日清紡グループ従業員持株会 | 1.54% |
なお、マラソン・アセット・マネジメント・リミテッドは2025年2月14日現在で6,278千株(3.71%)を所有している旨が記載されていますが、同社として2025年12月31日現在の実質所有株式数の確認ができないため、上記大株主の状況には含められていません。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性10名・女性3名)で構成され、女性役員比率は23.0%です。代表取締役取締役社長は石井靖二氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 石井 靖二 | 代表取締役取締役社長 | 1988年4月同社入社。日清紡ブレーキ代表取締役社長などを経て、2025年3月より同社代表取締役社長現職。 |
| 小洗 健 | 取締役常務執行役員 | 1982年4月日本無線入社。同社代表取締役社長などを経て、2025年3月より同社取締役常務執行役員現職。 |
| 塚谷 修示 | 取締役常務執行役員 | 1986年4月同社入社。執行役員などを経て、2025年3月より同社取締役常務執行役員現職。 |
| 村上 雅洋 | 取締役会長 | 1982年4月同社入社。代表取締役社長などを経て、2025年3月より同社取締役会長現職。 |
社外取締役は、多賀啓二氏(元日本政策投資銀行取締役常務執行役員)、八木宏幸氏(元最高検察庁次長検事)、谷奈穂子氏(セミコンダクタポータル代表取締役社長)、リチャードダイク氏(テスト技術研究所代表取締役)、生野由紀氏(一橋大学大学院経営管理研究科国際企業戦略専攻客員准教授)です。
同社は監査役会設置会社であり、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離する執行役員制を採用しています。豊富な経験と知見を持つ社外取締役が客観的・中立的な立場から経営を監督し、社外監査役と常勤監査役が連携して業務の適正性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、取締役の報酬決定プロセスの透明性・客観性を高めるため、任意の報酬委員会を設置しています。取締役の報酬は、基本報酬(月額報酬)、賞与、株式報酬(譲渡制限付株式)で構成されており、社外取締役は基本報酬のみです。賞与は売上高、税引前当期純利益、営業キャッシュ・フローの3項目を業績指標とする成果インセンティブとして設計されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.9億円 | 38.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 40百万円 | 20.0百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 76百万円 | 10.9百万円 |
取締役の報酬等の総額には、使用人兼務取締役に対する給与相当額は含まれていません。各取締役(社外取締役を除く)に対する賞与は、売上高、税引前当期純利益、営業キャッシュ・フローの3項目を業績指標とする成果インセンティブとして設計されています。各取締役(社外取締役を除く)に対し、株式報酬として譲渡制限付株式を割り当てています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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