【平均年収709万円】ザ・パック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収709万円】ザ・パック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

ザ・パックは、グループ各社とともに紙加工品や化成品などの製造・販売を主軸に、研究や物流、サービスなども含めた幅広い事業を展開しています。直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、ザ・パック株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


同社グループは、紙加工品、化成品、その他商品の製造・販売を主軸に事業を展開しています。研究、物流、サービスなども含め、幅広い活動を行っています。

単体従業員数は850名、連結従業員数は1,223名です。セグメントは紙加工品事業、化成品事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、当社、京浜特殊印刷、日幸印刷、パックタケヤマ、西日本印刷工業などです。

ザ・パックは、2025年2月26日付で光パックス石川の株式を取得し連結子会社化しました。また、2026年1月1日付で連結子会社である日幸印刷を吸収合併しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ザ・パックは、パッケージのトータルソリューションを提供する企業として、安定した事業基盤を持つ会社です。従業員の給与水準や働き方についても、長期的な視点での人材育成と環境整備に力を入れていることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあります。これは、社員が長期にわたってキャリアを築きやすい環境が整っていることを示しています。

項目 数値
平均年間給与 7,091,442円
平均勤続年数 16.3年
平均年齢 40.4歳
単体従業員数 850人
連結従業員数 1,223人
単体のグループ内比率 69.5%


同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付型と確定拠出型の制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。これらの制度は、同社および連結子会社に適用されています。

確定給付型の制度には、確定給付企業年金制度と退職一時金制度があります。同社はポイント制に基づき、連結子会社は給与と勤務期間に基づき一時金または年金を支給します。
なお、確定給付制度における退職給付債務は45.7億円、年金資産は52.8億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社は「人を大切にし、人を育てる」という経営理念を掲げ、人材を最優先すべき資本の一つと位置付けています。人事制度においては、「人が育つ環境を作る」「社員が安心して働ける環境を作る」「誰もが認める優秀な社員を育てる」「強い組織を作る」ことを目指しています。

中期経営計画では、個人と会社の成長と活性化を目指した人的資本戦略を策定しています。具体的には、「多様な人材の確保」「人材育成」「人員配置の適正化」「働く環境の整備」「従業員エンゲージメントの最大化」を図る取り組みを進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合(%) 8.8%
労働者の男女の賃金の差異(%)全労働者 59.2%
労働者の男女の賃金の差異(%)正規雇用労働者 74.4%
労働者の男女の賃金の差異(%)パート・有期労働者 56.9%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ ㈱パックタケヤマ

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合(%) 0.0%
男性労働者の育児休業取得率(%) 100.0%

人的資本


女性が活躍できる環境は、全ての社員にとって働きやすい環境であると同社は考えています。長く安心して勤められる職場環境を作るため、同社の課題を分析し、次の指標と目標を定めています。

指標 数値
正社員に占める女性の割合 24.9%
正社員(新規学卒)採用に占める女性の割合 41.2%
管理職(課長以上)に占める女性の割合 8.8%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ザ・パックは、紙加工品や化成品、その他の商品の製造・販売を主軸とする事業を展開しています。研究、物流、サービスなども含め、包装資材に関する幅広い活動を行っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、紙袋や紙器、段ボール、ポリ袋といった包装資材の製造・販売を中心に事業活動を展開しています。顧客のニーズに応じた多様な製品を提供し、収益を上げています。国内市場が売上高の90%以上を占めており、海外での事業展開も行っていますが、収益の大部分は国内から得られています。

紙加工品事業

この事業では、紙袋、紙器、段ボール、印刷といった製品の製造・販売を行っています。収益は、海外向けの紙袋販売が伸びる一方で国内向けが低調に推移し、紙器は食品関連やEC市場向けが堅調、段ボールはEC市場向けや輸送用が好調に推移したことから得ています。

化成品事業

化成品事業では、ポリ袋やテーラーバッグなどの化成品パッケージを提供しています。収益は、食品向けの軟包装が伸長したものの、プラスチック製持ち帰り用袋や衛生用品向けパッケージの販売が減少したことから得ています。

その他の事業セグメント

その他の事業では、PASシステム(包装資材その他の製造・調達から在庫管理、納品まで一括で請け負うアウトソーシングシステム)に係る用度品等の販売を行っています。収益は、用度品等の販売が減少したことから得ています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
紙加工品事業 731億円 758億円
その他の事業セグメント 148億円 140億円
化成品事業 135億円 133億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は継続して増加傾向にあります。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の当連結会計年度において減少に転じています。

売上高は前期から増加しましたが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期から減少となりました。これは、積極的な設備投資や人的投資を進めたことなどが影響しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 797億円 891億円 977億円 1,015億円 1,031億円
経常利益 44.2億円 63.5億円 80.6億円 82.8億円 75.3億円
経常利益率 5.5% 7.1% 8.3% 8.2% 7.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 28.2億円 40.6億円 56.5億円 63.2億円 60.2億円
1株当たり当期純利益(円) 49.57 71.19 99.03 111.17 107.13

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期からわずかに減少しており、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少しています。これは、売上高は増加したものの、人件費や減価償却費の増加により営業利益が減少したことが影響していると考えられます。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 84.8百万円 84.3百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 6.7百万円 5.9百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、強固な財務基盤と安定した資金の流れを維持しています。これにより、事業活動に必要な資金を確保し、将来に向けた基盤を築いていることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ザ・パックの自己資本比率は73.9%となっており、プライム市場の製造業平均と比較して高い水準を示しています。これは、財務基盤が安定していることを示しています。ROE(自己資本利益率)は8.0%で、プライム市場平均を下回っていますが、前期からはわずかに減少しています。手元資金である現金及び預金は241億円に増加しており、不測の事態への耐性があることがうかがえます。これらの財務状況は、同社の事業継続性や雇用・給与の安定性につながる要素と言えます。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 745億円 770億円
自己資本比率 72.1% 73.9%
ROE(自己資本利益率) 8.7% 8.0%
現金及び預金 152億円 241億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ザ・パックグループの当期の営業活動によるキャッシュフローは68.6億円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費があった一方、法人税等の支払額や投資有価証券売却益があったことによるものです。前期と比較すると減少しています。投資活動によるキャッシュフローは35.1億円の収入となり、前期の支出から収入へと転換しました。これは主に有価証券の売却による収入があった一方、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出があったためです。財務活動によるキャッシュフローは35.5億円の支出となり、配当金の支払いや自己株式の取得による支出が増加しています。結果として、フリーキャッシュフローは103.8億円のプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る状況です。この資金状況は、同社グループが事業活動を通じて安定的に資金を生み出し、雇用や給与の安定性を支える基盤があることを示しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 71.0億円 68.6億円
投資CF △54.4億円 35.1億円
財務CF △30.4億円 △35.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 16.7億円 103.8億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、国内需要の減少や市況価格の下落が財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、原材料調達及び商品仕入において、石油価格の高騰などにより需要供給のバランスが崩れた場合も、業績に悪影響を及ぼすリスクがあるとしています。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、法令遵守等のコンプライアンスを行動規範に掲げ、教育・研修を通じて役員・従業員の意識向上とコンプライアンスを重視する組織風土の醸成に努めています。これは、組織文化や労働環境に関するリスクを最小化するための取り組みと言えます。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ザ・パックは、パッケージのトータルソリューション企業として社会に貢献することを目指し、持続可能な経営を推進しています。ここでは、同社がどのような価値観や文化を大切にし、どのような組織を目指しているのかをご紹介します。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ザ・パックは「愛し愛され」を社是とし、パーパス(存在意義)を「パッケージを通して社会を豊かに、人を笑顔に」と定めています。経営理念としては「人を大切にし、人を育てる」「どのような社会の変化にも対応する」「地球環境問題への取組みなど社会的責任を果たす」「パッケージのトータルソリューション企業として社会の発展と繁栄に貢献する」を掲げています。

同社グループは、これらの理念に基づき、パッケージの新たな価値を創造することでステークホルダーの多様な課題を解決し、持続可能で笑顔あふれる豊かな社会の実現を目指しています。環境・社会・経済に対して同社グループならではの価値を提供し、業績の継続的な成長と企業価値の向上を図ることを目指す方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ザ・パックは、経営理念に「人を大切にし、人を育てる」ことを掲げ、人材を最優先すべき資本の一つと位置付けています。社是である「愛し愛され」のもと、パーパス「パッケージを通して社会を豊かに、人を笑顔に」を実現するため、サステイナブル経営を実践しています。

同社グループは、どのような社会の変化にも対応できる体制を整え、持続的に成長することで、環境・社会・経済に対して独自の価値を提供していくことを重視しています。中期経営計画における人的資本戦略では、「多様な人材の確保」「人材育成」「人員配置の適正化」「働く環境の整備」「従業員エンゲージメントの最大化」を掲げ、個人と会社の成長と活性化を目指しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


ザ・パックは、成熟産業とされる業界において、新たな市場開拓や製品開発に注力し、事業拡大に努めています。また、原材料や物流費、エネルギー価格の上昇といった課題に対し、企画提案販売と品質管理の強化による適正価格での販売、業務改革による合理化を推進し、利益体質強化を図っています。

同社グループは、経営理念の一つである「地球環境問題への取組みなど社会的責任を果たす」を重視し、サステイナブル経営を推進しています。具体的には、森林保全活動や環境対応新商品・新技術の開発に積極的に取り組み、「ザ・パックフォレスト®環境基金」を通じた植林・森林保全活動をNPO法人と協働で進めています。また、国内の全工場と全事業所でISO14001およびISO9001認証を取得し、紙製パッケージ製造部門ではFSC® CoC認証、食品用紙器製造ラインではFSSC22000認証を取得しています。2023年にはサステイナブル委員会を設置し、地球環境問題への積極的な取り組みと社会貢献を継続していく方針です。さらに、老朽化した大阪工場と奈良工場の建替えを予定しており、作業環境の改善や自動化による生産性向上を目指しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ザ・パックは、監査役会設置会社として、経営効率の向上と企業倫理の確立を目指しています。社外役員の招聘に加え、指名・報酬委員会などを設置し、経営の透明性と客観性を確保する体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ザ・パックの株主構成を見ると、公益財団法人森田記念福祉財団が筆頭株主となっています。次いでザ・パック取引先持株会、そして海外の機関投資家が上位に名を連ねています。特定の事業会社や創業家が上位を占めるというよりは、幅広い主体によって支えられている資本構成です。

株主名 持株比率
公益財団法人森田記念福祉財団 11.24%
ザ・パック取引先持株会 6.90%
ビービーエイチ フオー フイデリテイ ロープライスド ストック フアンド(プリンシパル オールセクター サブポート フオリオ) 6.56%
日本マスタートラスト信託銀行(その他信託口) 5.11%
日本カストディ銀行(りそな銀行再信託分・北越コーポレーション退職給付信託口) 3.94%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


ザ・パックの役員は12名(男性11名・女性1名)で構成され、女性役員比率は8.3%です。代表取締役会長は瀧之上輝生氏、代表取締役社長は仲村直樹氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。

氏名 役職 主な経歴
瀧之上 輝生 代表取締役会長 1984年同社入社。大阪製造事業部長、取締役、製造本部副本部長、生産事業本部長、常務取締役、製造本部長、専務取締役、代表取締役副社長を経て、2025年3月より現職。
仲村 直樹 代表取締役社長 1989年同社入社。東京第一事業部三部部長、中四国事業部長、執行役員、関西第二事業部長、常務執行役員、西日本事業本部長、常務取締役を経て、2025年3月より現職。
芦田 則男 常務取締役 製造本部長 1986年同社入社。東京第四事業部長、執行役員、常務執行役員、東日本事業本部長、常務取締役、営業本部長を経て、2025年3月より現職。
渡辺 龍一 常務取締役 営業本部長 1987年同社入社。執行役員、東京第一事業部長、営業統括室長、東京第二事業部長、常務執行役員、東日本事業本部長を経て、2025年3月より現職。
下村 郁夫 取締役 コーポレート本部長 1989年同社入社。東京第三事業部三部部長、東京第二事業部長、執行役員、コーポレート本部副本部長を経て、2024年3月より現職。


社外取締役は、西尾宇一郎氏(新家工業社外取締役・ケイミュー社外監査役)、笠原かほる氏(モロゾフ社外取締役)、堂本玲二氏(Two Wheelsコンサルティング代表取締役)です。

同社は監査役会設置会社を採用しています。社外取締役は、専門知識と経験を活かし、客観的かつ中立的な立場から経営の監督機能を果たしています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ザ・パックの役員報酬制度は、職責や成果を反映した体系となっており、経営効率の向上と企業価値の継続的な向上を目指しています。取締役(社外取締役を除く)の報酬は、基本報酬、業績連動型の賞与、そして譲渡制限付株式報酬で構成されています。賞与は単年度の連結営業利益を指標とし、譲渡制限付株式報酬は中長期的な企業価値向上を目的としています。社外取締役と社外監査役は基本報酬のみが支給される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 7名 2.6億円 37.0百万円
監査役(社外除く) 3名 43百万円 14.3百万円
社外役員 6名 43百万円 7.2百万円


同社の役員報酬等の総額は3.45億円であり、対象となる役員の総数は16名です。

連結報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。