※本記事は、光ビジネスフォーム株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
光ビジネスフォームは、ビジネスフォーム等の製造販売およびデータプリントサービスを主とする印刷関連事業を展開しています。サプライ品や機器類の販売、情報処理に関するシステム開発も手掛けています。
同社の単体従業員数は391名です。同社は印刷関連事業の単一セグメントで事業を展開しています。
光ビジネスフォームは、ビジネスフォーム等の製造販売及びデータプリントサービスを主軸とする印刷関連事業を営んでおり、企業集団を構成する関係会社はありません。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
光ビジネスフォームは、ビジネスフォーム印刷を基盤に、デジタルソリューションへと事業を拡大している企業です。同社では、従業員の長期的な活躍を支える人事制度改革や多様な働き方の推進に力を入れています。安定した事業環境の中で、個人の成長と働きがいを重視する企業文化が特徴と言えるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
光ビジネスフォームでは、従業員の平均勤続年数が長く、安定してキャリアを築ける環境がうかがえます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が多数在籍していることが示唆されます。これは、長期的な視点で働き続けたいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,607,751円 |
| 平均勤続年数 | 15.3年 |
| 平均年齢 | 42.3歳 |
| 単体従業員数 | 391人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定給付型の退職給付制度を設けています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度であり、一般従業員を対象としています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は9.9億円、年金資産は19.5億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
光ビジネスフォームは、創業の精神と経営理念に基づき、変化するビジネスメディアにおいて革新的で最適なサービスを提供することで、社会課題解決に貢献するサステナビリティ経営を推進しています。その中で、人的資本の充実を重要な経営課題の一つと位置づけています。
同社では、2024年にメンバーシップ型とジョブ型双方の長所を取り入れた新人事制度への移行を完了し、2025年にはその理解と浸透を図っています。この制度は、従業員のインセンティブを高め、若年層の自発的な成長とキャリア層の自律的な貢献を促すことを目的としています。具体的には、2023年に評価制度を刷新し、2024年には等級・報酬制度の見直しを実施しました。
人材育成においては、中期経営計画で定めた重点分野に関する教育研修の継続的な拡充やキャリア採用を推進しています。また、フレックス制度の活用や育児休業の取得促進を含む「健康経営」を通じて、従業員の幸福(ウェルビーイング)の実現を目指しています。新入社員研修の充実や、マネジメント層のスキル向上・強化に向けた研修も実施し、多様な人材が働きがいをもって活躍できる企業文化の醸成に取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合および労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づき算出されています。男女の賃金の差異については、女性の平均勤続年数が男性よりも短いことや、女性管理職が少ないことなどが要因として挙げられていますが、賃金制度・体系において性別による処遇差はありません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 40.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 64.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 80.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 67.6% |
人的資本の充実に向けた施策の推進
同社は、社内における女性の活躍促進を含む多様性の確保を推進しています。育児休業については、女性の取得率は該当者なしの年度を除き毎年100%を達成し、復職率も100%を継続しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 13.2% |
| 男性育児休業取得率 | 40.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
光ビジネスフォームは、ビジネスフォーム等の製造販売とデータプリントサービスを主軸とする印刷関連事業を展開しています。企業集団を構成する関係会社はなく、同社単体で事業を運営しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、印刷関連事業を単一セグメントとしていますが、その中で「印刷関連」「DPP」「WEB」「BPO」の4つの分野に取り組んでいます。印刷関連分野では、社会情勢を踏まえた適正価格での販売を重視しています。DPP分野では、戸籍法やマイナ保険証などの法令・制度改正による特需を取り込み、費用対効果の高い印刷物やデジタルサービスを提供しています。長年にわたり個人情報を取り扱ってきた実績と信頼を強みとし、自治体との取り組みを強化しています。
また、WEB分野とBPO分野では、アウトソーシング事業の取り込みや、従来のビジネスフォーム印刷と情報処理の技術を総合的に組み合わせたサービスの提供を図っています。製造部門では、印刷機能を野田工場へ集約することで、運営コストの削減や生産効率・稼働率の向上に努めています。同社の販売実績を見ると、株式会社大和総研が主な相手先の一つとなっています。なお、本邦以外の外部顧客への売上高はありません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績は、売上高が前期に比べて減少しています。一方で、経常利益は増加傾向を示しており、当期純利益は減少となりました。全体としては減収・減益となっています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業活動で安定的に資金を生み出しつつ、将来への投資も行っている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、純資産は増加傾向にあります。手元資金の状況は、事業運営における柔軟性や不測の事態への対応力を示すものとなっています。当期のROE(自己資本利益率)は1.6%となっています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 93.4億円 | 93.7億円 |
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | 1.6% |
| 現金及び預金 | 38.1億円 | 33.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、営業活動によるキャッシュフローは前期から増加傾向にあり、本業で安定的に資金を生み出している状況です。投資活動によるキャッシュフローは、有形固定資産の取得や投資有価証券の取得による支出があり、将来に向けた投資が行われています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いや自己株式の取得、リース債務の返済により資金が減少しています。フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金が投資を上回る状況です。
これらの資金の流れは、同社が事業活動で着実に資金を創出し、必要な投資を行いながら、株主還元も実施していることを示しています。安定した資金運用は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる基盤であると言えます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.2億円 | 2.6億円 |
| 投資CF | 0.3億円 | △2.4億円 |
| 財務CF | 4.3億円 | △5.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.6億円 | 0.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、コンピュータ用事務帳票類等の従来型のビジネスフォーム市場がデジタル化・ネット化の進展により縮小傾向にあることをリスクとして認識しています。この市場変化への対応が業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内景気の変動や消費動向、それに伴う顧客サイドのビジネス環境により、受注量の減少や受注単価の低下等、業績に影響が生じる可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
光ビジネスフォームは、お客様の多様なニーズに迅速かつ柔軟に対応する「顧客中心主義」を掲げ、社会との調和を重視しながら持続的な企業価値向上を目指している会社です。情報化社会の進化と共に歩み、お客様の良きパートナーとして最適なサービスを提供することを追求しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「顧客中心主義」を経営方針の根幹に据え、お客様に最適な製品やサービスを“光のごとく速やかに”提供し、良きパートナーとして貢献することを目指しています。創業以来、コンピュータの進歩と共に歩み、システム開発からデータ出力、メーリングサービスまで、お客様の多種多様なニーズに対応してきました。
また、収益力の安定強化を通じて企業価値の持続的向上を追求し、公正で透明性の高い経営により社会と調和し、信頼される企業であり続けることを重視しています。中長期的には、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)の動きに合わせた「WEB」と「BPO」を重点分野として事業拡大を図る方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「顧客中心主義」のもと、お客様本位の姿勢で、最新の設備と技術を駆使した迅速かつ柔軟な対応を重視する企業風土です。顧客ニーズへのきめ細かな対応と、ニーズを先取する複合的な提案力を強みとしています。情報産業に携わる企業として、情報のセキュリティは不可欠と認識し、個人情報保護管理に万全の対処を行っています。
サステナビリティ経営を推進し、社会課題解決への貢献と、多様な人材が活躍できる企業文化の醸成を目指しています。社内に異なる経験や技能、属性を反映した多様な視点や価値観が存在することを強みと捉え、性別や国籍、採用ルートによらない管理職登用制度を設けています。新人事制度への移行や働き方改革、健康経営を通じて、従業員の自発的な成長と幸福(ウェルビーイング)の実現に取り組む姿勢です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、サイバー攻撃による個人情報漏洩事案の増加に対応するため、セキュリティ体制のさらなる強化を図ることを経営課題の一つとしています。また、人事制度改革や働き方改革、女性活躍推進、教育・研修の充実を通じて人的資本を強化することを重点テーマとしています。
これらの取り組みにより、従業員の自発的な成長を促し、企業の競争力向上と持続的な成長、企業価値の向上を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
光ビジネスフォームは、企業統治の体制として取締役会および監査役会制度を採用しています。取締役会は代表取締役社長を議長とし、監査役会は社外監査役を議長として構成されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
光ビジネスフォームの株主構成を見ると、筆頭株主はESG投資事業組合であり、内外カーボンインキやTHE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LIMITEDなどの機関投資家や事業会社が上位に名を連ねています。従業員持株会も大株主の一角を占めており、多様な主体によって支えられている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ESG投資事業組合 | 10.79% |
| 内外カーボンインキ | 10.22% |
| THE HONGKONG AND SHANGHAI BANKING CORPORATION LIMITED・HONG KONG PRIVATE BANKING DIVISION CLIENT A/C 8028・394841 | 6.17% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長は松本康宏氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 松本 康宏 | 代表取締役 社長 | 1984年同社入社後、新宿営業所長、執行役員を経て、2013年取締役営業副本部長に就任。2019年より代表取締役社長を務める。 |
| 大宮 健 | 専務取締役 経営企画室長 | みずほ信託銀行コンプライアンス統括部長を経て、2013年同社へ出向。2014年同社入社後、執行役員、取締役を歴任し、2025年より専務取締役経営企画室長を務める。 |
| 渡邊 宏志 | 常務取締役 営業本部長 | 1997年同社入社後、営業企画部長、営業副本部長を歴任。2021年取締役、2025年常務取締役営業本部長に就任し現職。 |
| 岡野 寛 | 取締役 管理本部長 兼 人事総務部長 兼 経理部長 | みずほ銀行目黒支店長、熊本支店長を経て、2022年同社へ出向。2023年同社入社後、執行役員人事総務部長、2025年より取締役管理本部長兼人事総務部長兼経理部長を務める。 |
社外取締役は、横山友之氏(横山経営会計事務所設立)、小河満美子氏(オランジェ代表取締役)です。
同社は監査役会設置会社です。経営監視機能の強化のため、監査役4名のうち3名を社外監査役とし、内部監査部門や会計監査人と連携して監視する体制を採っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益との連動を重視した体系となっています。社外取締役を除く取締役には、基本報酬、業績連動報酬、株式報酬が支給され、社外取締役および監査役には基本報酬のみが支払われます。報酬の種類ごとの比率の目安は、基本報酬が7割、業績連動報酬等が2割、非金銭報酬等が1割と定められています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 89百万円 | 17.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 3百万円 | 3.2百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 31百万円 | 5.1百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。