【平均年収672万円】日本精蝋 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収672万円】日本精蝋 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

日本精蝋は、ワックスの専業メーカーとして、石油ワックスや各種ワックス、重油の製造・加工・販売を主たる事業としています。連結従業員数は272名で、直近期は減収減益となりました。


目次

※本記事は、日本精蝋株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本精蝋は、ワックスの専業メーカーとして、石油ワックス、各種ワックス及び重油の製造・加工・販売を主たる事業としています。同社グループは、連結子会社2社と非連結子会社2社で構成されています。

単体従業員数は222名、連結従業員数は272名です。セグメントはワックス及び関連製品の製造販売事業の1つです。

主な国内グループ会社は、テクノワックス(各種ワックスの・製造)などです。

2026年度からは徳山工場のリニューアルに取り組む予定であり、これに伴い旧設備の減損処理による特別損失を計上しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本精蝋は、わが国唯一のワックス専業メーカーとして、お客様と社会のニーズに応える製品提供をミッションとしています。従業員に対しては、働く喜びと心身に健康的な職場を提供することを目指し、多様な働き方や人材育成に力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の定着を重視し、長期的なキャリア形成を支援する環境を整えている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、安定して長く働く従業員が多いことがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,724,000円
平均勤続年数 18年4ヶ月
平均年齢 43歳6ヶ月
単体従業員数 222人
連結従業員数 272人
単体のグループ内比率 81.6%


同社グループは、従業員の退職給付に充てるため、積立型及び非積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は、同社及び連結子会社に適用されています。

退職一時金制度があり、勤務期間等に基づいた一時金が支給されます。当連結会計年度末における退職給付債務は14.0億円、年金資産は13.9億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


日本精蝋は、わが国唯一のワックス専業メーカーとして、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組むことをサステナビリティ基本方針としています。この方針に基づき、人材の育成と社内環境整備を重要な戦略の一つと位置付けています。

具体的には、心理的安全性の高い職場環境を整備し、人材の多様性を尊重する風土を醸成しています。自由闊達な議論を尊ぶ価値観を社内に根付かせ、次世代を担う自立した人材の育成を目指しています。

全従業員に働き甲斐と心身に健康な職場を提供するため、多様な働き方を推進しています。在宅勤務制度、フレックスタイム制度、短時間勤務制度、時間単位有給休暇などが導入されています。人事評価制度としては、役割とミッションに応じ報酬を決定する役割等級制度を採用しています。教育・研修制度では、ハラスメント研修、評価者研修、心理的安全性向上及び労働災害の防止を目的としたノンテクニカルスキル研修、安全教育などを実施しています。健康管理面では、ストレスチェック、産業医による随時面談、長時間労働リスクに配慮した労働時間管理の強化に取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

人的資本について


提出会社および国内子会社を対象とした集計値です。管理職に占める女性労働者の割合は、女性活躍推進法に基づき算出されています。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づき算出されています。

指標 目標 実績(当連結会計年度)
管理職に占める女性労働者の割合 2029年までに13%以上 10.5%
男性労働者の育児休業取得率 2029年までに80%以上 75.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本精蝋は、ワックスの専業メーカーとして、石油ワックス、各種ワックス、重油の製造・加工・販売を主たる事業としています。同社グループは、国内外で幅広い顧客に製品を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


日本精蝋グループは、ワックスの専業メーカーとして、石油ワックス、各種ワックス、重油の製造・加工・販売を主な事業としています。同社グループは、日本精蝋と連結子会社2社(テクノワックス、Nippon Seiro (Thailand) Co.,Ltd.)、非連結子会社2社(周和産業、日精興産)で構成されています。

同社グループは「ワックス及び関連製品の製造販売事業」の単一セグメントを展開しており、収益の大部分をワックス製品から得ています。ワックス製品は、世界経済の先行き不透明感を背景とした需要減退の影響を受けましたが、物流費等の高騰に伴う価格改定と高付加価値品販売への集中により販売単価は上昇する傾向にあります。

重油については、逆ザヤ取引となっているため削減を進めており、ワックス収率の向上と在庫削減に伴う生産数量の減少で、販売数量は減少しています。収益は、ワックス、重油、その他商品から構成されており、当連結会計年度の売上高はワックスが最も大きく、次いで重油、その他商品となっています。

地域別では日本が最大の市場であり、アジア(日本を除く)、北米、その他の地域にも展開しています。主要な顧客として安藤パラケミー株式会社への売上高が一定の割合を占めています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
ワックス 202億円 187億円
重油 17.0億円 9.3億円
その他 1.5億円 1.1億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


過去5期の業績を見ると、同社グループの売上高は変動が見られます。経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、過去に損失を計上した期もありましたが、直近2期は利益を確保しています。当連結会計年度は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前年同期に比べて減少しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 279億円 385億円 217億円 220億円 198億円
経常利益 4.7億円 △22.6億円 △7.8億円 16.8億円 6.8億円
経常利益率 1.7% △5.9% △3.6% 7.6% 3.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.4億円 △23.7億円 △12.2億円 17.8億円 7.0億円
1株当たり当期純利益(円) 22.50 △119.92 △61.87 89.96 35.33

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期に比べて減少しています。従業員1人あたり営業利益(連結)も、前期から減少する結果となりました。これらの指標の減少は、当連結会計年度の売上高および営業利益の減少傾向と連動しており、組織全体の効率性や収益体質に影響を与えている状況です。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 82.3百万円 72.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 8.4百万円 4.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループの財務状況は、安定した事業活動と健全な資金の流れを示しています。本業で生み出した資金を適切に運用し、財務基盤を強化している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの純資産は前期から増加しており、自己資本比率も上昇傾向を示しています。ROE(自己資本利益率)は前期から減少しましたが、依然として利益を効率的に生み出す能力があることを示しています。手元資金である現金及び預金も増加しており、不測の事態への耐性や将来の事業展開に向けた余力を確保している状況です。このような財務基盤は、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与すると考えられます。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 56.7億円 63.8億円
自己資本比率 19.1% 23.4%
ROE(自己資本利益率) 37.6% 11.6%
現金及び預金 23.0億円 28.3億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュ・フローはプラスであり、本業で安定的に資金を生み出していることを示しています。これは主に税金等調整前当期純利益や減価償却費、棚卸資産の減少が資金増加に寄与したことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスであり、有形及び無形固定資産の取得に資金を投じている状況です。

財務活動によるキャッシュ・フローもマイナスであり、短期借入金や長期借入金の返済を進めていることがわかります。これらの結果、フリーキャッシュ・フローはプラスとなっており、本業で得た資金で投資を賄い、さらに余剰資金がある状態です。このような資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を行い、財務基盤の健全性を維持していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 29.4億円 36.9億円
投資CF △1.5億円 △6.0億円
財務CF △23.7億円 △27.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 27.9億円 30.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、ワックス製造の主原料であるスラックワックスの供給元多様化を進めていますが、主要な供給元のトラブルが長引いた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、製品コストの大半を占める原料油価格は原油価格市況に連動するため、大幅かつ急激な市況変動があった場合も業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて計算されています。年金資産の運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合などは、将来の退職給付費用が増加し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本精蝋は、国内唯一のワックス専業メーカーとして、独自の技術と長年の経験を活かし、社会の発展に貢献することを目指しています。持続可能な社会の実現に向けた取り組みを通じて、企業としての価値を高めていくことを重視する会社です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、国内唯一のワックス専業メーカーとして、独自の技術により多種多様かつ高品質なワックス製品およびワックスを原料とする各種変性品を製造しています。永年にわたり蓄積された技術を基に、需要家へのきめ細かなサービス提供とあらゆる要望に応える販売開発活動に取り組んでいます。

近年は、加速する技術革新、環境問題、省エネルギーの観点から、情報化社会や環境問題に対応する素材、快適生活に役立つ素材の提供を目指しています。時代の要求に応じられる新製品を数多く創出・提供することで、社会・文化の発展に貢献することを基本方針としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社は「お客様と社会のニーズに応えるワックス製品を開発しご提供する」「全従業員に対し働く喜びと心身に健康的な日々の職場を提供する」「操業する地域社会の一員として安全と自然環境を守り共に成長していく」というミッションを掲げています。このミッション遂行が社会課題の解決にも寄与すると考えています。

心理的安全性の高い職場環境を整備し、人材の多様性を尊重するとともに、自由闊達な議論を尊ぶ価値観を社内に根付かせることを重視しています。また、ISO9001(品質管理)およびISO14001(環境管理)の認証を取得し、これらを有機的かつ効率的に結びつけた総合的なマネジメントシステムを構築しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、安全・安心な職場風土の醸成と次世代人材の育成を重要なテーマとしています。心理的安全性の高い職場環境を整備し、人材の多様性を尊重することで、次世代を担う自立した人材を育てることを目指しています。

また、全従業員に働き甲斐と心身に健康な職場を提供するため、継続的な環境整備と制度見直しを進めています。さらに、環境負荷低減と工場の高度化・強靭化にも継続的に取り組んでおり、自然災害に強く時代の要請に応える事業拠点を次の世代に残すことを目標としています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本精蝋は監査役会設置会社であり、委任型執行役員制度を導入しています。取締役会は経営戦略・方針の決定と業務執行の監督に専念し、経営執行会議が業務執行を統制する体制です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


筆頭株主は伊藤忠商事であり、事業会社が上位株主として名を連ねています。また、複数の金融機関も上位株主として同社を支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
伊藤忠商事 9.00%
西京銀行 4.88%
安藤パラケミー 4.31%
山九 4.06%
清水 潔 3.84%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


日本精蝋の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長 社長執行役員は瀧本丈平氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
瀧本 丈平 代表取締役社長 社長執行役員 1984年4月三菱化成工業入社、三菱化学執行役員ポリマー本部長、三菱ケミカル取締役常務執行役員などを経て、2024年7月より同社代表取締役社長 社長執行役員現職。
伊藤 宜広 取締役 常務執行役員 1989年4月伊藤忠商事入社、伊藤忠プラスチックス経営企画部長、伊藤忠マレーシア会社社長などを経て、2024年7月より同社取締役 常務執行役員現職。


社外取締役は、玉井裕人氏(元東亜石油代表取締役社長)、関端進氏(ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ取締役副社長)、武内秀明氏(武内法律事務所代表弁護士)です。

日本精蝋は監査役会設置会社であり、社外取締役が経営に対する的確な提言とガバナンス強化を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


報酬決定方針は株主総会決議に基づく年額報酬の範囲内で決定されています。取締役報酬は固定報酬のみで構成され、社外取締役も固定報酬のみが支給されています。役員持株会への拠出も行われており、社外取締役の入会は任意とされています。

2026年3月取締役会で適用される新たな報酬決定方針では、基本報酬、短期インセンティブとしての賞与、長期インセンティブとしての役員持株会で構成される体系に変更されます。賞与は連結営業利益や親会社株主に帰属する当期純利益に応じた業績連動と個人別評価で決定される予定です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 64百万円 21.3百万円
監査役(社外除く) 1名 10百万円 10.0百万円
社外役員 5名 27百万円 5.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。