※本記事は、コンバム株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
コンバムは、真空機器及び関連製品の製造と国内外での販売を主な事業としています。圧縮空気を利用して真空を発生させる「コンバム(エジェクタ)」や、対象物を把持する真空吸着パッド、圧力センサなどを手掛けています。
単体従業員数は67名、連結従業員数は91名です。セグメントは日本、韓国、その他の3つです。
国内においてはコンバムが全ての製品開発と製造・販売を一手に担い、海外2社の連結子会社を通じてグローバルに事業を展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
コンバムは、製造業として専門性の高い事業を展開しています。従業員数は比較的小規模であり、個々の社員が幅広い業務に携わる環境が想定されます。給与水準や働き方については、この後の詳細なデータで確認できます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が比較的長く、従業員が安定して働き続ける傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が中心となって事業を支えていることがうかがえます。このような環境は、長期的なキャリア形成を考える上で参考となるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,732,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.9年 |
| 平均年齢 | 42.5歳 |
| 単体従業員数 | 67人 |
| 連結従業員数 | 91人 |
| 単体のグループ内比率 | 73.6% |
同社および連結子会社は、従業員の退職給付に充てるため、積立型および非積立型の確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)を採用しています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は132百万円、年金資産は46百万円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人材の多様性の確保を含む人材育成に関する具体的な方針や計画を現時点では策定していません。しかし、同社グループの実情を踏まえ、現実的かつ実効性のある方針を今後とりまとめ、作成を検討していく方針を示しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社は女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載を省略しています。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
コンバムは、真空機器及び関連製品の製造と国内外での販売を主な事業とする企業グループです。産業用ロボットや半導体製造装置関連、食品機械業界、各種自動機関連といった幅広い分野の需要に対応しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、真空機器及び関連製品の専門メーカーとして、製品の開発から製造、販売までを一貫して手掛けています。国内外の多様な産業分野に製品を提供することで収益を上げています。特に、電子部品・半導体製造装置関連の需要回復や、ロボット関連、食品機械業界、各種自動機関連の受注が堅調に推移しています。
開発面では、産業用ロボットや協働ロボットの普及拡大に対応した吸着ハンドのバリエーション拡充、半導体業界の回復を見越した新素材・新形状の吸着パッド開発など、将来的な需要拡大に備えた製品強化に取り組んでいます。同社グループの事業は、主に地域別のセグメントに区分されており、日本、韓国、その他の事業セグメントで構成されています。
日本
国内市場において、真空機器及び関連製品の製造・販売を行っています。半導体製造装置およびメンテナンスの需要は横ばいであるものの、生産設備の省人化や自動化の流れから、ロボットハンド関連製品の引き合いが増加しています。新製品投入と新規顧客の獲得を中心に営業活動を展開しています。収益は、真空機器及び関連製品の販売から得ています。運営は、コンバムが行っています。
韓国
韓国市場において、真空機器及び関連製品の販売を行っています。半導体製造装置およびメンテナンスの需要に回復の兆しが見られ、真空機器及び独自製品の開発を進めることで新規顧客の獲得と受注増加を図っています。収益は、真空機器及び関連製品の販売から得ています。運営は、CONVUM KOREA CO.,LTD.が行っています。
その他の事業セグメント
主にタイ市場において、真空機器及び関連製品の販売を行っています。タイおよび周辺諸国での自動化設備への拡販活動を推進し、現地Sier企業と連携して省力化に向けた設備への真空機器及びロボットハンドの製品投入を行っています。収益は、真空機器及び関連製品の販売から得ています。運営は、CONVUM(THAILAND)CO.,LTD.が行っています。
同社グループの売上高は、日本が最大の割合を占めており、次いで韓国、その他の事業セグメントが続きます。特定の顧客への販売も大きく、株式会社日伝とダイドー株式会社が主要な取引先となっています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 日本 | 14.8億円 | 15.6億円 |
| 韓国 | 3.3億円 | 3.7億円 |
| その他の事業セグメント | 38百万円 | 53百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は第73期、第74期と減少傾向にありましたが、直近の第75期では増加に転じています。経常利益は第72期をピークに減少傾向が続いており、直近の第75期も前期から減少しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、第73期に大きく減少したものの、その後は微増傾向で推移しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 24.7億円 | 23.8億円 | 19.2億円 | 18.5億円 | 19.8億円 |
| 経常利益 | 5.8億円 | 6.5億円 | 3.7億円 | 3.4億円 | 3.3億円 |
| 経常利益率 | 23.3% | 27.2% | 19.0% | 18.5% | 16.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.0億円 | 4.6億円 | 2.4億円 | 2.5億円 | 2.5億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 258.77 | 294.75 | 152.57 | 159.33 | 162.11 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から増加しています。一方で、従業員1人あたり営業利益(連結)は前期から減少しています。これらの数値は、同社グループの生産性が売上高の面では向上しているものの、利益の面では課題があることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 21.0百万円 | 21.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 3.5百万円 | 3.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
コンバムグループは、強固な財務基盤を維持しつつ、将来に向けた投資を積極的に行っている状況です。本業で得た資金を成長分野に投じていることが、キャッシュフローの動きから読み取れます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定している状況です。自己資本比率はプライム市場の製造業平均と比較しても非常に高い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回る水準で推移しています。手元資金は増加傾向にあり、不測の事態への耐性も備えていることが示されています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 59.7億円 | 60.4億円 |
| 自己資本比率 | 93.2% | 93.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 4.3% | 4.2% |
| 現金及び預金 | 28.0億円 | 30.1億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度のキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは資金収入となっています。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費の増加要因があった一方で、売上債権の増加額や法人税等の支払額が減少要因となったことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、定期預金の預入による支出や有形固定資産の取得による支出が、定期預金の払戻による収入を上回り、資金支出が大幅に増加しました。財務活動によるキャッシュフローも、配当金の支払額や自己株式取得による支出により資金支出が増加しています。この結果、フリーキャッシュフローはマイナスに転じており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況が示されています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 4.8億円 | 4.3億円 |
| 投資CF | △1.9億円 | △6.9億円 |
| 財務CF | △0.8億円 | △1.5億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.9億円 | △2.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主力製品であるコンバムや真空吸着パッドは、産業機械業界のユーザーからの短納期要求が極めて高く、需要予測が困難であるというリスクがあります。需要予測が外れた場合には、顧客の納期に間に合わず失注となる可能性が示されています。
また、同社グループの売上高のほとんどが販売店を経由した販売となっており、主要販売先の購買方針によって業績が影響を受ける場合があります。海外販売においても、海外販売店への支援が期待通りの成果をあげられない場合や、販売店の販売方針に変更があった場合に業績に影響を受ける可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業拡大を行う上で優秀な技術者の安定確保と育成が重要であると考えています。産業機器部品業界、特に真空機器及び関連製品においては、専門知識や技術、資格を有する人材が少なく、必要な人材の確保が計画通りに進まない可能性があります。
人材確保のために想定以上の費用が発生する可能性も指摘されています。このような状況が生じた場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
コンバムは、真空吸着機器のパイオニアとして、お客様のニーズに応え、社会の自動化・省力化に貢献することを目指しています。環境への配慮も重視し、持続可能な社会の実現に貢献する企業文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
コンバムは経営方針として「コンバム・パッドNo.1」と「お客様を大事にする」を掲げています。主力製品である真空発生器(コンバム)と吸着パッドにおいて、パイオニアメーカーとしてのノウハウと経験を活かし、新製品の開発と拡販を通じて業界No.1を目指し、売上拡大に努める方針です。
また、同社グループは、お客様のニーズを真摯に受け止め、真心をもって対応することで、自動化・省力化機器の発展に貢献し、お客様のお役に立てる企業となることを目指しています。中長期的な経営ビジョンとしては、各業界のお客様のニーズを見極めた新製品開発による顧客満足度向上とシェア拡大を推進しています。さらに、生産設備と人材への積極投資による最適な生産体制と利益拡大、労働生産の減少に対応したロボットハンド事業の拡大も目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
コンバムは、お客様のニーズを深く理解し、一つ一つに真心をもって対応することをグループ全体の行動方針としています。地球環境と調和した人間性豊かな社会の実現に貢献するため、品質向上と環境保全の取り組みを継続的に進めています。
製品開発においては、消費電力の削減を目的とした製品の開発・販売を通じて、環境に配慮した製品開発を目標としています。サステナビリティに関する基本方針は現状定めていませんが、「環境方針」をウェブサイトで開示しており、環境への配慮を重視する姿勢がうかがえます。人材の育成に関する具体的な方針や計画は現在作成中であり、同社グループの実情に合わせた実効性のある方針の策定を検討しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、真空吸着機器に特化した研究開発および新製品開発を継続的に推進しています。需要の増加が見込まれる日本のものづくりに対応するため、自動成形機や自動検査装置を中心とした生産工程の自動化・効率化を強化し、安定品質の確保とコスト改善に取り組んでいます。
開発面では、世界的なロボット需要の拡大を見据え、真空吸着技術を応用したロボットハンドのバリエーション拡大を進めています。また、環境対応型の新素材を用いた製品開発にも注力し、将来的な市場変化に対応できる体制づくりを目指しています。サステナビリティに関する基本方針の策定と併せて、リスク管理体制の見直しや、同社グループの実情に合わせた指標および目標の設定を検討していく方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
コンバムは、法令遵守と企業倫理を重視し、株主価値向上を経営上の重要課題としています。同社は監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会を通じて経営の健全性と迅速な意思決定を図る体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
コンバムの株主構成を見ると、筆頭株主は伊勢興産です。上位株主には、創業家と見られる個人株主やその関連会社が複数名を連ねており、同社の資本構成において一定の影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 伊勢興産 | 16.23% |
| 伊勢す が 子 | 8.29% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 6.73% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は佐藤穣氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 佐藤 穣 | 代表取締役社長 (経営管理室兼開発担当) | 1984年同社入社後、営業部部長、開発部長、執行役員などを歴任。CONVUM KOREA CO.,LTD.代表理事やCONVUM(THAILAND)CO.,LTD.代表取締役も務め、2024年3月より同社代表取締役社長(経営管理室兼開発担当)より現職。 |
| 國松 孝行 | 専務取締役 (営業担当) | 1996年同社入社後、経営管理部課長、営業部次長、営業部長などを歴任。CONVUM(THAILAND)CO.,LTD.代表取締役も務め、2024年3月より同社専務取締役(営業担当)より現職。 |
社外取締役は、杉山達郎氏(社会保険労務士・FP事務所オフィスアライト設立代表)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の監督と監査を担っています。社外取締役と社外監査役は独立役員として指定されており、取締役会の監督機能強化や経営の監視に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
コンバムの役員報酬は、持続的な成長と各役員の役割・責任、業績・成果を反映した体系となっています。具体的には、月額の固定報酬である基本報酬と、業績連動報酬である賞与で構成されています。社外取締役と監査役の報酬は、経営監視機能の確保のため基本報酬のみが支給される方針です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 43百万円 | 21.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.3百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 4百万円 | 1.2百万円 |
同社の役員報酬総額は56百万円であり、対象となる役員は合計6名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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