【平均年収447万円】旭松食品 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

【平均年収447万円】旭松食品 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2026年3月期)

旭松食品は、凍豆腐や加工食品などの食品製造販売をグループ各社とともに展開しています。食料品事業を単一セグメントとして展開しており、直近期は減収減益となりました。


目次

※本記事は、旭松食品株式会社 の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


旭松食品は、凍豆腐や加工食品などの食品製造販売を主な事業内容としています。同社グループは、旭松食品と子会社旭松フレッシュシステムで構成され、食料品事業を展開しています。

単体従業員数は232名、連結従業員数は257名です。セグメントは食料品事業の単一です。

主な国内グループ会社は、旭松フレッシュシステム(食料品事業)などです。

当連結会計年度において、同社グループは海外子会社である青島旭松康大食品有限公司および青島旭松康大進出口有限公司の持分一部を譲渡し、連結の範囲から除外しました。これにより、連結従業員数が減少しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


旭松食品グループは、食品製造を主な事業とする企業として、従業員の健康維持や働きがいのある職場づくりに力を入れています。人材育成にも注力し、多様な働き方を支援する制度を導入しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員が長期的に安定して働ける環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢から、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 4,468,000円
平均勤続年数 18.2年
平均年齢 42.1歳
単体従業員数 232人
連結従業員数 257人
単体のグループ内比率 90.3%


同社グループでは、退職給付制度として確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人材戦略を企業価値向上にとって重要な位置づけと認識し、安全・安心な製品の安定供給を実現するため、製造現場の技能維持・向上および品質管理人材の確保・育成を重視しています。業務に必要な資格取得補助や手当支給を通じて、人材確保に努めています。

従業員の給与は、役割・責任、業績への貢献度、能力発揮度を基本とし、企業業績や経済情勢、社会的な賃金水準の動向を総合的に勘案して決定されます。基本給は職能等級に応じた賃金表に基づき、人事考課等による昇給・昇格を通じて成果や成長が処遇に反映される仕組みです。賞与は企業業績と個人の貢献度を反映し、従業員のモチベーション向上と中長期的な人材定着を図っています。

また、同社グループは、入社時、若手社員、中堅社員、管理・監督職など勤務期間に応じた定期的な教育研修制度を設けています。各種ハラスメント研修や考課者研修、専門スキル習得、資格取得のための研修も実施しています。社員は年度目標設定時に人材育成目標または自己成長目標を必ず設定し、その達成度を評価する制度があります。

社内環境整備としては、従業員の健康保持・増進を重視し、健康経営優良法人の認定を継続して受けています。柔軟な働き方に対応するため、時間有給取得制度を導入しているほか、障がい者雇用を積極的に推進し、障がい者施設との協業も行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。

指標 数値
管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合 8.7%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(全従業員) 55.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(正規従業員) 70.0%
労働者の男女の賃金の額の差異(非正規従業員) 76.4%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


旭松食品は、凍豆腐や加工食品などの食品製造販売を主な事業としています。同社グループは、食料品事業の単一セグメントで事業活動を展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、凍豆腐や加工食品(即席みそ汁等)、その他食料品の製造販売を事業の柱としています。収益は、これらの商品を顧客へ一時点で移転することから得ています。運営は、旭松食品及び子会社の旭松フレッシュシステムが行っています。

同社グループの事業は、本邦の外部顧客への売上高が連結売上高の90%を超えており、国内市場に重点を置いています。主要な顧客として三菱商事、三井物産といった商社との取引があり、特定の顧客への収益集中が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの直近5期間の業績を見ると、売上高は概ね横ばいで推移していましたが、当連結会計年度には減少に転じました。利益面では、経常利益が変動しつつも当連結会計年度は減少しています。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から減少したものの、海外子会社の一部譲渡による特別利益の計上により、減少幅は抑えられています。

項目 2022年3月期 2023年3月期 2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期
売上高 80.3億円 79.4億円 81.0億円 80.2億円 76.9億円
経常利益 2.7億円 28百万円 2.9億円 3.1億円 2.1億円
経常利益率 3.3% 0.4% 3.6% 3.8% 2.7%
親会社株主に帰属する当期純利益 2.0億円 △69百万円 2.3億円 2.4億円 2.3億円
1株当たり当期純利益(円) 107.57 △37.51 126.46 129.34 124.37

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しています。一方、従業員1人あたりの営業利益は減少となりました。これは、販売数量の減少や製造コストの上昇が影響していると考えられます。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
従業員1人あたり売上高(連結) 25.9百万円 29.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.7百万円 0.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


旭松食品の財務状況は、安定した事業活動による資金創出と、それに伴う投資余力があることを示しています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も行われています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


旭松食品の財務基盤は、高い自己資本比率と安定した手元資金によって特徴づけられています。当期の自己資本比率は81.4%であり、プライム市場の製造業平均(46.8%)と比較して高い水準を示しています。これは、外部からの借入に過度に依存せず、自社の資本で事業を運営していることを意味します。

ROE(自己資本利益率)は当期2.8%となっており、プライム市場平均(9.4%)を下回る水準です。手元資金である現金及び預金は当期末で19.6億円を確保しており、前期の21.0億円から減少しています。これらの財務状況は、事業運営の安定性を示す一方で、収益性の向上や資金効率の改善が今後の課題となる可能性を示唆しています。

指標 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
純資産 82.7億円 84.0億円
自己資本比率 80.0% 81.4%
ROE(自己資本利益率) 3.0% 2.8%
現金及び預金 21.0億円 19.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


旭松食品のキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを投資に回しつつも、手元に余剰資金を残している状況を示しています。当期の営業キャッシュフローは4.0億円のプラスとなっており、本業が着実に資金を創出していることがわかります。投資キャッシュフローは△0.7億円のマイナスであり、事業拡大や設備投資に資金を投じている状況です。

これらの結果、フリーキャッシュフローは3.3億円のプラスとなっており、事業活動で得た資金が投資を上回っていることを示しています。財務キャッシュフローは△50百万円のマイナスとなっており、借入金の返済や配当金の支払いなどが行われていると考えられます。全体として、旭松食品は本業で安定した資金を確保し、将来に向けた投資も行いつつ、健全な財務運営を維持していることがうかがえます。

項目 2025年3月期(前期) 2026年3月期(当期)
営業CF 4.8億円 4.0億円
投資CF △5.0億円 △0.7億円
財務CF △34百万円 △50百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) △17百万円 3.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、人口減少による総需要の減少、安全性確保によるコスト増、市場での安価販売競争など、様々な減益リスクに晒されています。また、主要原材料の調達を米国、中国等からの輸入に大きく依存しており、輸入制限や穀物・原油などの相場変動、為替相場の変動が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、国内の雇用の流動化の加速、賃金・給与の上昇、社会保険料負担の増大などにより、必要な人材の確保ができない可能性が高まっていることをリスクとして認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


旭松食品は、お客様の食生活の向上と健康を追求し、品質第一を掲げる企業です。持続可能な社会の実現と、社員一人ひとりの成長を重視する企業風土を醸成しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


旭松食品は、「お客様の生活文化の向上とともに歩み、より快適で健康な食生活を追求し、日々に新たに前進する」ことを企業理念としています。経営理念には「品質第一」「参画経営」「自主挑戦」を掲げ、安全で満足できる商品提供を通じて、お客様の信頼獲得を目指しています。

また、同社グループは「Soybeans for the Future(大豆で創造する持続可能な社会)」をパーパスとし、企業理念を軸にSDGsへの取り組みを推進しています。地球と身体に優しい製品開発を通じて、グローバルに貢献する企業を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


旭松食品は「品質第一」「参画経営」「自主挑戦」を経営理念として掲げ、社員一人ひとりが経営に参画し、自ら挑戦する姿勢を重視しています。お客様の安心・安全を最優先し、法令遵守と食品安全マネジメントシステムの継続的な改善を徹底する企業風土があります。

また、同社グループはESGを重視したサステナビリティ経営を推進し、「共通価値の創造(CSV経営)」を通じて社会と企業の利益を同時に追求しています。50年以上続くQC活動を通じて、全従業員が知識向上と自主的な改善活動に取り組むカルチャーが根付いています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


旭松食品は、地政学的リスクやエネルギー価格高騰、人件費・物流コスト上昇など、不安定な収益環境を経営課題として認識しています。これに対し、中長期的な経営戦略として「安心・安全を第一とした供給体制の確立と信用の醸成」を掲げ、全社的な安全意識の向上やFSSC22000、SDGsを基本とした経営を推進しています。

また、「将来に向けての人材確保」も重点テーマであり、働き方改革の推進、組織見直し、人事ローテーションによる人材育成、評価制度や教育体制の見直しに取り組んでいます。持続可能な経営と企業価値向上を目指し、SDGsに沿った取り組みを継続しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


旭松食品は、取締役・監査役制度を軸に、執行役員制度を採用することで迅速な経営意思決定と業務執行の監督機能の分離を図っています。これにより、公正な経営と企業価値の向上を目指すガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


旭松食品の株主構成を見ると、筆頭株主は金融機関である八十二長野銀行です。その他、代表取締役社長である木下博隆氏をはじめとする個人株主や複数の事業会社が上位に名を連ねています。

株主名 持株比率
八十二長野銀行 4.82%
木下博隆 3.01%
赤羽源一郎 3.00%
国分西日本 2.95%
藤徳物産 2.95%


(注)所有株式数は、千株未満は切り捨てて表示しております。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は11名(男性11名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は木下博隆氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。

氏名 役職 主な経歴
木下 博隆 代表取締役社長 1992年9月同社入社、2009年4月同社代表取締役社長執行役員管理本部長、2015年4月同社代表取締役社長執行役員より現職。
蒲田 充浩 常務取締役経営企画部長 1987年4月同社入社、2009年6月同社取締役執行役員グループ戦略本部長兼事業企画部長、2021年6月同社常務取締役執行役員経営企画部長より現職。
村澤 久司 常務取締役研究開発本部長 1991年4月同社入社、2013年6月同社取締役執行役員品質保証部長兼研究所長、2025年8月同社常務取締役執行役員研究開発本部長より現職。
足立 恵 取締役経営管理部長 1987年4月同社入社、2007年6月同社執行役員経理部長、2021年6月同社取締役執行役員経営管理部長より現職。
平澤 公夫 取締役生産本部長 1983年3月同社入社、2017年4月同社執行役員生産統括部長、2022年4月同社取締役執行役員生産本部長より現職。
牧野 太郎 取締役営業本部長 兼西日本支店長 1998年9月同社入社、2015年4月同社執行役員営業統括部長兼西日本支店長、2023年6月同社取締役執行役員営業本部長兼西日本支店長より現職。


社外取締役は、浜村九二雄氏(元八十二銀行常務取締役・指名報酬諮問委員会構成員)、小濱賢二氏(弁護士・指名報酬諮問委員会委員長)です。社外監査役は、伊坪眞氏(税理士法人イツボ代表社員)、近藤貴俊氏(元三菱食品執行役員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役・監査役制度を軸に執行役員制度を導入しています。経営、法律、会計の分野で豊富な経験と専門的知見を有する社外取締役と社外監査役が、経営に対する助言と監視を行う体制が整っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


旭松食品の役員報酬は、基本報酬と譲渡制限付株式報酬の2種類で構成されています。基本報酬は、個々の役員の責任と職務執行の対価として、役位や役割、同社の業績などを総合的に考慮して決定されます。譲渡制限付株式報酬は、持続的な企業価値向上への貢献意欲を高め、株主との価値共有を進めることを目的として支給されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 6名 99百万円 16.5百万円
監査役(社外除く) 1名 9百万円 9.2百万円
社外役員 4名 14百万円 3.6百万円


(注)取締役及び監査役の報酬限度額は、1988年7月26日開催の臨時株主総会において、取締役は年額200百万円以内、1995年6月29日開催の第45回定時株主総会において、監査役は年額30百万円以内と決議されております。また、上記報酬枠とは別枠で2019年6月25日開催の第69回定時株主総会において、譲渡制限付株式報酬として取締役は年額20百万円以内、監査役は年額3百万円以内と決議されております。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。