※本記事は、株式会社ホープ の有価証券報告書(2026年3月期、2025年4月1日 ~ 2026年3月31日、2026年6月29日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、自治体の財源確保や経費削減に貢献するため、自治体に特化したサービスを展開しています。広告事業とジチタイワークス事業を主軸に、官民連携を促進する多様なソリューションを提供しています。
単体従業員数は209名、連結従業員数は217名です。報告セグメントは広告事業、ジチタイワークス事業の2つです。
主な国内グループ会社は、(連結子会社)ジチタイアド、(連結子会社)ジチタイワークスなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ホープは、自治体向けサービスを主軸とする事業を展開しており、従業員一人ひとりの成長と多様な働き方を重視する企業文化が特徴です。若手社員が活躍しやすい環境が整備されており、キャリア形成を支援する制度が充実しています。柔軟な働き方にも積極的に取り組んでおり、仕事とプライベートの両立を支援する姿勢が見られます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ホープでは、比較的若い年齢層の従業員が中心となっており、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、若手から中堅層がキャリアを築きながら活躍している傾向にあることを示唆しています。ライフイベントを迎える従業員が増加する中で、長期的なキャリア形成を支援する環境づくりにも注力していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,085,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.0年 |
| 平均年齢 | 34.9歳 |
| 単体従業員数 | 209人 |
| 連結従業員数 | 217人 |
| 単体のグループ内比率 | 96.3% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ホープグループは、人的資本を価値創造の源泉と位置づけ、組織戦略と事業戦略を連動させた経営を推進しています。持続的な成長のため、人材育成を含む人的資本への積極的な投資を基本方針としています。特に中期経営計画では「攻守兼ね備えた強固なミドル層の構築」を掲げ、管理職育成とミドル層強化に注力しています。
報酬体系については、従業員の意欲と成果が適切に反映されるよう構築されており、外部労働市場や物価動向、会社業績を踏まえて継続的に見直しを行っています。ベースアップや新卒初任給の引き上げ、インフレ特別手当の支給など、環境変化に対応した処遇改善にも取り組んでいます。
多様な人材が能力を最大限に発揮できる組織づくりを目指し、柔軟な働き方に関する制度整備や人材育成施策を通じて、従業員一人ひとりの成長意欲と自己実現を支援しています。経営陣との交流会「ななかい」や週報を活用した「月次アワード」などで企業・組織風土の共有を促進しています。
人材育成では、ミドル層育成プログラム「ミドツク」や次世代管理職育成プログラム「NEXT GENERATION」、全従業員対象の社内研修「Hope Discovery Channel」を提供しています。年1回のジョブローテーションでは、従業員の希望を約9割実現し、生成AIの積極的な導入による業務効率化と人材育成も推進しています。柔軟な働き方として、テレワークの推進、時短勤務、妊娠・育児期を支援する「子育てさぽーと」制度などを設けています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職(課長以上)に占める女性労働者の割合 | 41.2% |
| 男女の賃金の差異 | 83.4% |
多様性・登用
提出会社単体の正規雇用従業員を対象とした集計値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 採用した労働者に占める女性労働者の割合 | 75.0% |
| 労働者に占める女性労働者の割合 | 61.1% |
| 係長級にある者に占める女性労働者の割合 | 53.8% |
| 役員に占める女性の割合 | 12.5% |
| 男女の平均継続勤務年数の差異(男性) | 6.20年 |
| 男女の平均継続勤務年数の差異(女性) | 4.37年 |
働き方・エンゲージメント
提出会社単体の正規雇用従業員を対象とした集計値です。従業員エンゲージメントスコアは、株式会社リンクアンドモチベーションが提供するモチベーションクラウドによるものです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 労働者の一月当たりの平均残業時間 | 21.6時間 |
| 有給休暇取得率 | 77.5% |
| 離職率 | 6.9% |
| 従業員エンゲージメントスコア | 66.1 |
育児・介護支援
提出会社単体の正規雇用従業員を対象とした集計値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 子育てさぽーと利用実績(対象者) | 50名 |
| 子育てさぽーと利用実績(利用者) | 44名 |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ホープは「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」を企業理念に掲げ、自治体の財源確保や経費削減に貢献するサービスを専門に展開しています。同社グループは、自治体と民間企業をつなぐ独自のビジネスモデルを構築しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、自治体に特化したサービスを通じて収益を上げています。自治体が抱える課題に対し、民間企業の持つリソースやノウハウを組み合わせることで、新たな価値を創出しています。事業は主に「広告事業」と「ジチタイワークス事業」の二つの報告セグメントと、その他の事業セグメントで構成されています。
広告事業
この事業では、自治体が保有するホームページや広報紙、納税通知書などの媒体の広告枠を仕入れ、民間企業に販売するSR(SMART RESOURCE)サービスを提供しています。また、自治体が住民へ周知すべき情報をまとめた情報冊子「マチレット」を自治体と協働で発行し、広告主を募るSC(SMART CREATION)サービスも展開しています。収益は、これらの広告枠や情報冊子への広告掲載料から得ています。運営は、株式会社ジチタイアドが行っています。
ジチタイワークス事業
ジチタイワークス事業では、官民連携を促進するための多様なサービスを提供しています。自治体と民間企業のニーズを繋ぐBtoGソリューションや、自治体業務の現場で役立つ事例やノウハウを紹介する行政マガジン『ジチタイワークス』の発行を行っています。さらに、自治体と民間企業の情報流通プラットフォームである「ジチタイワークス民間サービス比較」も運営しています。収益は、BtoGソリューションによる支援や、行政マガジンへの広告掲載料などから得ています。運営は、株式会社ジチタイワークスが行っています。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントには、企業版ふるさと納税支援事業、空き家対策関連事業のアキソル、スマートフォンアプリ「マチイロ」の運営などが含まれています。これらの事業も自治体に関連する課題解決や情報提供を目的としています。
同社グループの売上高は、広告事業とジチタイワークス事業が主要な割合を占めています。前期と比較すると、広告事業の売上高は減少していますが、ジチタイワークス事業とその他の事業セグメントの売上高は増加しています。同社グループは本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外事業は展開していません。また、特定の主要な顧客に売上が集中している状況ではありません。
| セグメント | 売上高(2025年3月期) | 売上高(2026年3月期) |
|---|---|---|
| 広告 | 18.6億円 | 17.8億円 |
| ジチタイワークス | 10.8億円 | 15.4億円 |
| その他の事業セグメント | 2.0億円 | 3.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は変動がありつつも、直近3期は増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、直近3期は黒字を維持しています。特に第29期は売上高が大きく、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益が大幅な損失となっていましたが、これは決算期変更による9ヶ月間の変則決算の影響も含まれています。直近の当連結会計年度においては、売上高、営業利益、経常利益は前期から増加しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しています。
| 項目 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 356億円 | 21.6億円 | 25.5億円 | 31.4億円 | 36.3億円 |
| 経常利益 | △167億円 | 1.6億円 | 2.3億円 | 3.0億円 | 3.5億円 |
| 経常利益率 | △47.0% | 7.4% | 8.9% | 9.4% | 9.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △197億円 | 50.3億円 | 2.6億円 | 3.6億円 | 2.6億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △1,952.73 | 400.18 | 15.94 | 22.36 | 18.05 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高(連結)は、前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益(連結)も前期から増加する結果となりました。これらの指標の改善は、同社グループが事業規模の拡大とともに、従業員一人ひとりの生産性向上にも取り組んでいることを示しています。
| 指標 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 15.4百万円 | 16.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 1.4百万円 | 1.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた投資に充てている段階を示しています。これにより、事業の拡大と持続的な発展を目指していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は前期から減少していますが、プライム市場の非製造業平均と比較すると高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を上回っており、効率的な収益獲得を示しています。手元資金である現金及び預金は増加しており、事業運営の安定性を支える資金を確保している状況です。
| 指標 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 11.5億円 | 10.5億円 |
| 自己資本比率 | 53.8% | 40.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 33.2% | 24.0% |
| 現金及び預金 | 9.8億円 | 11.5億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローはプラスで、安定的に資金を生み出していることがわかります。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローはマイナスとなっており、定期預金の預入や有形固定資産、投資有価証券の取得に資金を投じています。これにより、事業の成長に向けた積極的な投資を行っている状況がうかがえます。フリーキャッシュフローはマイナスですが、財務活動によるキャッシュフローは長期借入れによる収入があり、資金調達も行っています。これらの資金の流れから、同社グループは事業で得た資金を成長投資に充てつつ、必要に応じて資金調達も活用しながら事業拡大を進めていることが示されており、将来の成長への期待が持てる状況です。
| 項目 | 2025年3月期(前期) | 2026年3月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 2.3億円 | 2.3億円 |
| 投資CF | 30百万円 | △2.4億円 |
| 財務CF | △3.1億円 | 77百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 2.6億円 | △8百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの広告事業およびジチタイワークス事業では、競合企業の新規参入や事業規模拡大によるマーケットシェア獲得競争が激化するリスクがあります。また、わが国の人口減少に伴い、自治体からのサービス需要が低下する可能性も指摘されています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、持続的な成長のために優秀な人材の確保と育成に努めていますが、中核的な役割を担う人材の確保と育成ができなかった場合、将来的にマネジメント人材不足に陥る可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ホープは、「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」を企業理念に掲げています。自治体の自主財源確保支援を主軸に、多角的な事業を展開している同社グループのビジョンと企業風土を紹介します。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ホープグループは、「自治体を通じて人々に新たな価値を提供し、会社及び従業員の成長を追求する」ことを企業理念としています。創業以来、自治体の自主財源確保支援を主軸に事業を展開してきました。
広告事業やジチタイワークス事業に加え、企業版ふるさと納税支援事業や空き家対策関連事業など、多角的な事業展開を進めています。今後も自治体の課題に寄り添い、既存サービスの高度化と新たなサービス開発を推進する方針です。
自治体を通じた社会価値の創出と、企業価値・株主価値の持続的な向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ホープグループは、企業理念や行動指針の共有を通じて、組織の一体感と自律的な成長を支える企業風土を重視しています。経営陣と従業員の対話、従業員同士の相互理解、日々の業務における学びの共有を促進しています。
具体的には、経営陣と従業員が直接対話する「ななかい」を月1回以上実施しています。また、全従業員が週報を相互に閲覧・コメントできる制度を運用し、優れたアウトプットを表彰する「月次アワード」も実施しています。
年2回発行される社内報を通じて、事業や組織、人材に関する情報共有も行っています。これらの取り組みにより、個性を尊重し、健全な議論と相互理解に基づく企業文化の醸成を目指しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ホープグループは、持続的な成長のために複数の経営課題に取り組んでいます。全社的な生産性向上に向けた業務改革とDXの推進を優先課題としています。
具体的には、生成AIをはじめとする新技術の活用や、デジタル基盤の整備、人材育成を段階的に進めています。また、組織の中核を担う優秀な人材の確保と育成も重要な課題であり、教育制度や仕組みの構築に積極的に取り組んでいます。
東京証券取引所グロース市場の上場維持基準への対応も課題の一つです。中長期的な企業価値向上に向けた取り組みを強化し、株主・投資家への透明性の高い情報発信を重視しています。
その他、事業の成長と拡大に伴う経営管理体制の強化、行政政策や社会課題の変化に対応した新規事業・サービスへの挑戦も重点テーマとしています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ホープは、取締役会と監査役会を設置する企業統治体制を採用しています。取締役会は業務執行と相互監督を行い、監査役会は取締役の業務執行状況を監査しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ホープの株主構成を見ると、事業会社であるチェンジホールディングスが筆頭株主となっています。また、代表取締役社長CEOである時津孝康氏も上位株主の一人です。主要株主であるチェンジホールディングスとは資本業務提携契約が締結されており、同社のCFO室長がホープの社外取締役を兼任しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| チェンジホールディングス | 18.80% |
| E.T. | 9.75% |
| 時津 孝康 | 9.65% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長CEOは時津孝康氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 時津 孝康 | 代表取締役 社長 CEO | 2005年2月 ㈲ホープ・キャピタル(現 同社)代表取締役社長、2017年6月 同社代表取締役社長CEOより現職。 |
| 森 新平 | 取締役 副社長 COO | 2008年4月 同社入社、2011年11月 同社取締役、2026年6月 同社取締役副社長COOより現職。 |
| 大島 研介 | 専務 取締役 CFO | 2011年10月 同社入社、2013年12月 同社取締役、2026年6月 同社専務取締役CFOより現職。 |
社外取締役は、平田えり氏(弁護士法人西村あさひ法律事務所福岡事務所)、櫻井慎也氏(チェンジホールディングス執行役員CFO室長)です。
同社は会社法に定める株主総会、取締役会、監査役会を設置する監査役会設置会社です。取締役会は5名(うち社外取締役2名)で構成され、監査役3名全員が社外監査役として取締役の業務執行を監査しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社では、取締役の個人別報酬額について、報酬委員会が審議し決定する体制を導入しています。監査役の報酬は、株主総会で決議された総額の範囲内で監査役会の協議により決定されます。また、企業価値向上へのインセンティブとして、譲渡制限付株式報酬制度の導入を決議しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.1億円 | 36.9百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 6百万円 | 2.8百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 8百万円 | 2.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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