※本記事は、大和冷機工業株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
大和冷機工業は、業務用冷凍・冷蔵庫、ショーケース、製氷機の製造販売を主軸としています。店舗厨房用冷熱機器等の商品仕入れ・販売、およびこれらの機器の点検・修理も手掛けています。
単体従業員数は2,355名です。
大和冷機工業は単独で事業を構成しており、業務用冷凍・冷蔵庫、ショーケース、製氷機の製造販売、店舗厨房用冷熱機器等の商品仕入れ・販売、および機器の点検・修理を行っています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
大和冷機工業は、社員の成長と働きがいを重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに力を入れています。給与水準や働き方の具体的なデータから、同社の特徴を見ていきましょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、社員の定着を促し、長期的なキャリア形成を支援する傾向が見られます。平均勤続年数や平均年齢のデータからは、一定期間働き続ける社員が多いことがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 4,903,465円 |
| 平均勤続年数 | 10.5年 |
| 平均年齢 | 37.6歳 |
| 単体従業員数 | 2,355人 |
| 連結従業員数 | - |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
大和冷機工業は、経営理念である「社会の繁栄に貢献する」を実現するため、社員の能力向上を不可欠と考えています。そのため、社員育成のための研修体制や能力開発のための教育コンテンツの整備に注力しています。
具体的には、新入社員などのローキャリア向けの育成研修から、定期的な階層別研修まで、一貫した研修体制を構築しています。特にローキャリア層には月1回のスキルチェックと面談を実施し、成長フォローとエンゲージメント向上に取り組んでいます。管理職に対しては、所属員の育成とマネジメント力向上のための研修を実施し、組織強化を推進しています。
また、自己啓発を促す動画学習・テスト学習コンテンツを整備し、個々の能力開発や国家資格取得を支援しています。社内環境整備においては、社員の健康を守り安心して働ける職場環境の実現、出産・育児支援、女性の活躍推進等に積極的に取り組み、社員が成長し働きがいを感じる職場環境を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率は、提出会社単体の数値は本記事では取得できていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 23.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 63.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 63.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 52.0% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性育児休業等取得率(2030年目標) | 30.0%以上 |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 一般社員の法定時間外及び法定休日労働時間の一人当たり月平均時間数(2024年実績比10%削減目標) | 10%削減(目標) |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
大和冷機工業は、業務用冷凍・冷蔵庫、ショーケース、製氷機の製造販売を主軸とする企業です。店舗厨房用冷熱機器の仕入れ販売、およびこれらの機器の点検・修理も手掛けています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は単一セグメントで事業を展開しており、業務用冷熱機器の製造から販売、そしてアフターサービスまでを一貫して提供しています。主要な取引先は外食産業であり、インバウンド需要の好調や顧客単価の上昇が売上増加に寄与しています。
省人化を支えるIoT対応や、環境に配慮した自然冷媒を採用した業務用冷蔵庫を市場に投入するなど、積極的に製品開発と拡販に取り組んでいます。また、冷蔵庫内の衛生面をサポートするプラズマクラスター技術搭載イオン発生装置のオプション需要も増加しています。同社は、省力化、省人化、HACCP対応など、店舗運営をトータルでサポートする総合厨房メーカーを目指しています。特定の販売先への収益集中は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績は、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のいずれも前年同期と比較して減少となりました。競争環境の激化や原材料価格の高騰が続く中で、売上高は減少傾向にあり、それに伴い各利益も減少しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたり売上高は、前期と比較して減少しています。これは、売上高の減少と従業員数の変化が影響していると考えられます。従業員1人あたりの収益性は、企業の効率性や将来的な給与水準の持続性を示す指標の一つとなります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(単体) | 20.4百万円 | 19.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
大和冷機工業は、堅実な財務基盤を維持しながら事業活動を行っています。本業で得た資金を元手に、将来に向けた投資も進めている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、高い自己資本比率と潤沢な手元資金によって安定していることが示されています。これは、外部環境の変化にも耐えうる強固な経営体質を構築していることを意味します。安定した財務状況は、従業員の雇用や給与の安定性にもつながる要素です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 682.8億円 | 705.5億円 |
| 自己資本比率 | 73.0% | 75.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 8.0% | 7.2% |
| 現金及び預金 | 593.9億円 | 592.1億円 |
同社の自己資本比率は、前期の73.0%から当期は75.4%へと増加しています。これは、プライム市場上場企業の製造業平均である46.8%と比較しても高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は、前期の8.0%から当期は7.2%となりました。プライム市場平均の9.4%を下回る水準です。
現金及び預金は、前期の593.9億円から当期は592.1億円とほぼ横ばいで推移しています。これは、不況時にも耐えうる十分な手元資金を確保していることを示しています。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
大和冷機工業は、本業で安定的に資金を生み出し、それを投資活動に充てています。営業活動によるキャッシュフローが投資活動による支出を上回っており、事業の成長に向けた投資を自己資金で賄えている状況です。この資金の流れは、同社が持続的な成長を目指しつつ、財務的な安定性も維持していることを示しており、長期的な雇用や給与の安定性につながる基盤があると言えます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 34.5億円 | 43.0億円 |
| 投資CF | △24.5億円 | △15.2億円 |
| 財務CF | △14.8億円 | △29.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10.0億円 | 27.8億円 |
当期の営業活動によるキャッシュフローは43.0億円の収入となりました。これは、税引前当期純利益の計上や減価償却費の計上、売上債権の減少額などが主な要因です。前期の34.5億円と比較して増加しています。
投資活動によるキャッシュフローは△15.2億円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出や無形固定資産の取得による支出が、投資有価証券の売却による収入を上回ったためです。前期の△24.5億円と比較して支出額は減少しています。
財務活動によるキャッシュフローは△29.6億円の支出となりました。配当金の支払額が主な要因です。前期の△14.8億円と比較して支出額が増加しています。
フリーキャッシュフローは、前期の10.0億円から当期は27.8億円へと増加しています。
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、業務用の冷凍冷蔵庫、ショーケース、製氷機の製造販売業、店舗厨房冷熱機器等の商品仕入・販売業及びこれらの点検・修理業を行っています。景気変動や他社との競合に伴う市場価格の変動、金利などの相場の変動やこれらに対する施策の変更により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、急激な為替の変動などによる鉄鋼材をはじめとする原材料価格の高騰に伴う原価の悪化や、他社との熾烈な競合により販売価格が変動を受けやすい構造となっています。通常、夏場に繁忙期が到来する反面、冬場の業績は低迷する傾向があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、より付加価値の高い製品の開発に前向きに取り組んでおり、積極的な投資が必要になる場合があります。これらの施策は、従来の事業リスクより高い潜在リスクが見込まれる場合もあるため、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
大和冷機工業は、社会貢献を経営理念に掲げ、業務用冷熱機器の総合メーカーとして食文化を支えることを目指しています。社員の生活向上や企業の安定成長も重視し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
大和冷機工業は、「顧客のニーズに応える」「社員の生活向上に努める」「企業の安定成長をはかる」を掲げ、「社会の繁栄に貢献する」ことを経営理念としています。
同社は、市場の開拓、人材の確保、資本の蓄積に努めることで経営基盤の拡充を図っています。
業務用冷熱機器の総合メーカーとして、快適で安全な食文化に貢献することを基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
大和冷機工業は、経営理念である「社会の繁栄に貢献する」に基づき、社会・環境・経済への貢献活動に取り組んでいます。
同社は、ステークホルダーを意識し、未来への発展を継続しながら、誰もが幸せに暮らし続けることのできる社会の実現を目指しています。
SDGsに関する取り組みとして、「気候変動の緩和」「食の安心・安全への取り組み」「多様な人財の活躍推進」「持続可能な地域社会への貢献」の4つのテーマで活動を推進しています。
持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値向上を目指し、2022年10月にサステナビリティ委員会を設置し、気候変動と人的資本を重要課題として取り組んでいます。
社員の健康と安心して働ける職場環境の実現、出産・育児支援、女性の活躍推進にも積極的に取り組む方針です。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
大和冷機工業は、今後の活動において、外食産業が抱える「省力化、省人化」「食品ロス対策」「物流のコスト高」といった店舗の負担軽減ニーズに対応する総合サポート力の強化を課題としています。
市場の変化に応じた店づくりを支えることを重点テーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会が経営の意思決定と監督を担う体制です。社外取締役が取締役会の過半数を占めており、多様な視点からの経営への助言と監督が期待されます。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、事業会社や資産管理会社が上位に名を連ねています。筆頭株主は日本冷機であり、有限会社ディ・アール・ケイも上位株主となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本冷機 | 14.01% |
| 有限会社ディ・アール・ケイ | 12.94% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 8.42% |
| 尾﨑 敦史 | 7.62% |
| 尾﨑 理恵 | 5.21% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性10名・女性2名)で構成され、女性役員比率は16.7%です。代表取締役社長は尾﨑敦史氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 尾﨑 敦史 | 代表取締役社長 社長執行役員 | 1994年3月同社入社、2002年3月代表取締役社長、2008年3月社長執行役員より現職。 |
| 尾﨑 雅広 | 取締役副社長 副社長執行役員 | 1999年3月同社入社、2013年3月取締役、2022年3月取締役副社長、2025年3月副社長執行役員より現職。 |
| 杉田 壽宏 | 専務取締役 専務執行役員 | 1981年9月同社入社、2014年3月専務取締役、専務執行役員より現職。 |
| 小原 真一 | 取締役 執行役員 (管理担当) | 2004年4月同社入社、2023年5月執行役員、管理担当、2025年3月取締役より現職。 |
社外取締役は、出納美宏氏(㈱オールワンエージェント在籍)、添田千夏氏(㈱SSG取締役)、峠田晃宏氏(たおだ法律事務所所長)、中西美里氏(㈲Blake取締役)、古谷英司氏(ジャパン・ペンション・ナビゲーター常務執行役員)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役9名のうち5名が社外取締役で構成されています。監査役会は3名の監査役で構成され、うち2名が社外監査役です。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定報酬である月額報酬と役員賞与で構成されています。月額報酬は職責、経験、能力、実績等を考慮し、役員賞与は実績や定性要因を考慮して決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 2.0億円 | 40.4百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 7百万円 | 6.5百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 42百万円 | 6.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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