【平均年収641万円】SUMCO 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収641万円】SUMCO 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

SUMCOは、半導体メーカー向けシリコンウェーハの製造・販売を主軸とする高純度シリコン事業をグループ各社とともに国内外で展開しています。連結従業員数は約1万人規模で、直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、株式会社SUMCO の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


SUMCOは、半導体メーカー向けシリコンウェーハの製造・販売を主軸とする高純度シリコン事業を展開しています。同社グループは、メモリーやロジックなどの半導体製造に不可欠な基板材料を提供し、国内外の拠点でポリッシュトウェーハやエピタキシャルウェーハを製造しています。

単体従業員数は5,065名、連結従業員数は9,714名です。事業セグメントは高純度シリコンの1つです。

主な国内グループ会社は、SUMCO TECHXIV(半導体用シリコンウェーハの製造)、SUMCOテクノロジー、SUMCOサービス、SUMTECサービス(福利厚生サービス他)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


同社グループは、半導体材料である高純度シリコンの製造・販売をグローバルに展開しています。専門性の高い技術を要する事業特性から、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っていると考えられます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数が長く、従業員が安定してキャリアを築いている傾向が見られます。平均年齢も40代前半であり、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,411,907円
平均勤続年数 14.0年
平均年齢 42.7歳
単体従業員数 5,065人
連結従業員数 9,714人
単体のグループ内比率 52.1%


同社および一部の連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の両方の退職給付制度を採用しています。退職一時金制度があり、職能資格と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

退職給付債務は242億円、年金資産は46.1億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、SUMCOビジョンの実現に向けて、従業員一人ひとりの価値向上を重視し、継続的な人材投資とキャリア形成プログラムの充実を図っています。全ての従業員が活き活きと働けるよう、安全・健康・快適で適正な職場環境の確保、人権・能力・個性の尊重、公正で多様な働き方の実現を目指しています。

具体的には、DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)と健康経営を重点テーマとして推進しています。DE&Iでは、性別・年齢・国籍等にかかわらず多様な人材の確保・育成・活用を掲げ、女性活躍推進においては、法定よりも長い育児休暇期間の設定や在宅勤務制度、短時間勤務制度、事業所内保育所の開設、退職者カムバック制度などを整備しています。

また、女性社員のキャリア形成支援研修や女性役員との座談会、管理職向けダイバーシティマネジメント研修も実施しています。健康経営では、「SUMCOグループ健康宣言」のもと、産業医や保健師等の専門職を配置し、健康増進活動を戦略的に推進しており、健康経営優良法人ホワイト500に8年連続で認定されています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。管理職に占める女性労働者の割合は、同社から社外への出向者を含め、社外から同社への出向者を除いて算出されています。労働者の男女賃金格差は、管理職比率や労務構成の差異によるものであり、性別による処遇差はありません。

指標 数値
女性管理職比率 2.6%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 72.1%
男女賃金差異(正規雇用) 72.8%
男女賃金差異(パート・有期従業員) 69.8%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
管理職比率や労務構成など男女間に差異があることで1名当たり賃金に差が出ていますが、人事体系、報酬制度、評価制度、人材育成などにおいて性別による処遇差はありません。

▼ SUMCO TECHXIV株式会社

指標 数値
女性管理職比率 0.0%
男性育児休業取得率 93.8%
男女賃金差異(全労働者) 82.1%
男女賃金差異(正規雇用) 83.8%
男女賃金差異(パート・有期従業員) 58.0%

研修の充実


提出会社単体のデータです。

指標 数値
人事部門主催の全社教育延べ受講時間 31,451時間

女性活躍推進


女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の規定に基づき算出されています。

指標 数値
女性管理職比率(単体) 2.6%
女性管理職比率(連結) 8.8%

健康経営


国内連結子会社を対象とした集計値です。

指標 数値
ERI調整後総合健康リスク 90

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


SUMCOは、半導体メーカー向けのシリコンウェーハの製造と販売を主力事業とする企業です。同社グループの事業は「高純度シリコン事業」の単一セグメントで構成されています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


SUMCOは、半導体メーカーがメモリーやロジックなどの各種半導体を製造する際に基板材料として用いるシリコンウェーハを製造・販売しています。顧客である半導体メーカーのコスト削減要請に応えるため、シリコンウェーハの口径を大型化することで生産性向上と歩留まり改善に貢献しています。ポリッシュトウェーハやエピタキシャルウェーハなどの製品を国内外の製造拠点で生産しています。

収益は主に製品の販売によって得られており、国内販売では製品が顧客に到着した時点、輸出販売では顧客と合意した地点に製品が到着した時点、コンサイメント品では顧客が製品を検収した時点で収益を認識しています。一部の顧客に対しては、製造の進捗に応じて収益を認識するモデルも採用しています。同社グループの販売体制は全世界の半導体メーカーに対応しており、日本、北米、アジア、欧州とその近隣地域に営業拠点を置いています。

地域別売上高では台湾が最も大きな割合を占め、日本、中国、欧州他、韓国、米国が続いています。特定の顧客への売上集中も見られ、住友商事株式会社への販売実績は同社グループの総販売実績の約27.0%を占めています。半導体市場の動向に大きく影響を受け、AI用データセンター向け需要は堅調な一方で、民生・産業・自動車向け需要は伸び悩むなど、市場の二極化が続いています。このような環境下で、同社グループは先端品の高シェア維持に努め、AIを活用した生産性向上などコスト競争力の強化を推進しています。先端300mmシリコンウェーハの生産能力増強のための設備投資に伴い、減価償却費負担が増加しています。また、200mm以下のウェーハについては需要低迷が続き、生産体制の見直しによる効率化と収益改善に取り組んでいます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、直近5年間で売上高は変動しながらも、近年は増加傾向にあります。しかし、利益面では変動が大きく、特に直近の会計年度では経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益が損失となりました。これは、先端300mmシリコンウェーハの生産能力増強に伴う減価償却費の増加や、200mm以下のウェーハ需要の低迷が影響しています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは堅調に推移しており、本業によるキャッシュ創出力は維持されている状況です。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 3,357億円 4,411億円 4,259億円 3,966億円 4,097億円
経常利益 511億円 1,113億円 726億円 375億円 △38.9億円
経常利益率 15.2% 25.2% 17.1% 9.4% △0.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 411億円 702億円 639億円 199億円 △118億円
1株当たり当期純利益(円) 135.86 200.49 182.59 56.84 △33.60

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から増加傾向にあります。これは、売上高の増加に対して連結従業員数が減少したことによるものです。一方で、従業員1人あたり営業利益は前期から大きく減少しています。これは、当期の営業利益が大幅に減少したことが主な要因であり、収益性の課題を示唆しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 40.3百万円 42.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 3.7百万円 0.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


SUMCOグループは、半導体市場の動向に影響を受けつつも、事業活動を通じて資金を生み出し、将来に向けた投資を継続しています。現在の財務状況は、成長投資フェーズにあることを示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


SUMCOグループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準を維持しています。一方で、ROEは当期にマイナスとなっており、収益性の改善が課題となっています。手元資金は前期から減少していますが、事業活動を継続するための流動性を確保しています。これらの状況は、今後の事業展開とそれに伴う雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 6,572億円 6,478億円
自己資本比率 50.5% 51.3%
ROE(自己資本利益率) 3.4% -2.0%
現金及び預金 872億円 673億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


SUMCOグループの当期のキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが1,000億円のプラスとなりました。これは減価償却費の計上が主な要因であり、前期から増加しています。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、有形及び無形固定資産の取得による支出が主な要因となり、△1,114億円のマイナスとなっています。

その結果、フリーキャッシュフローは△114.1億円となり、本業で得た資金を上回る投資を行っている成長投資フェーズにあることを示しています。財務活動によるキャッシュフローは△87.3億円のマイナスで、長期借入れによる収入があったものの、長期借入金の返済や短期借入金の減少が主な要因です。これらの資金の流れは、同社グループが将来の成長に向けた設備投資を積極的に行いつつ、資金の返済も進めている状況であり、今後の事業拡大とそれに伴う雇用や給与の安定性につながる可能性があります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 696億円 1,000億円
投資CF △2,479億円 △1,114億円
財務CF 1,123億円 △87.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △1,782億円 △114.1億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループが製造・販売するシリコンウェーハは、半導体デバイスの市場需要に大きく依存しており、急速な技術革新や製品の陳腐化、製品価格の下落といった要因の影響を受けます。また、半導体市場は比較的少数の大手メーカーが大部分を占めるため、同社グループの売上は特定の主要顧客に依存する傾向があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、事業環境の変化等により、事業に必要な人材を確保できない場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性があると認識しています。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


SUMCOグループは、半導体デバイスに不可欠なシリコンウェーハの製造を通じて社会に貢献し、持続的な成長を目指しています。お客様、株主、従業員、社会全体を大切にする経営を基本としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


SUMCOグループは、「お客様と株主の期待に応え、従業員に幸せを与え、社会に貢献する、常に世界一のシリコンウェーハメーカーを目指す」という経営理念を掲げています。半導体デバイスに不可欠な高品質シリコンウェーハの製造を通じて、社会の発展に貢献することを目指しています。幅広い製品展開力と世界をリードする技術力を活用し、安定的な供給体制を構築しています。同社グループは、この基本方針のもと、事業基盤をさらに強化し、事業の持続的成長を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


SUMCOグループは、「SUMCO CSR方針」に基づき、全てのステークホルダーを尊重することを企業の社会的責任と捉え、サステナビリティ推進活動に積極的に取り組んでいます。従業員一人ひとりの高い価値の実現を目指し、人財に継続的に投資し、キャリア形成プログラムの充実を図っています。

また、全ての従業員が活き活きと働けるよう、安全・健康・快適で適正な職場を確保し、人権・能力・個性を尊重した公正で多様な働き方を実現しています。DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン。多様な人財の確保・育成・活用)を経営の重要施策として推進しています。「従業員の安全と健康がすべてに優先する」という理念のもと、健康経営にも取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


SUMCOグループは、事業構造改革を進めています。社会課題の解決と持続的な企業価値の向上に向けて、マテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティに関する取り組みを推進しています。具体的には、女性活躍推進やネットゼロ、人材育成などについて中長期的な目標達成に向けた活動を加速させています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


SUMCOは、取締役会の監査・監督機能の強化と業務執行の効率性確保を経営上の重要課題と認識しています。迅速な意思決定と業務執行における透明性・公平性の確保を図るため、コーポレート・ガバナンスに関わる諸施策を実施しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


SUMCOの株主構成を見ると、日本マスタートラスト信託銀行や日本カストディ銀行といった信託銀行が上位を占めています。これは、多くの機関投資家が同社グループの株式を保有していることを示しています。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 16.67%
日本カストディ銀行(信託口) 10.66%
BNYMSANV AS AGENT / CLIENTS LUX UCITS NON TREATY 1(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) 3.36%
JP MORGAN CHASE BANK 385864(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 2.52%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部) 2.36%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は13名(男性10名・女性3名)で構成され、女性役員比率は23.1%です。代表取締役会長兼CEOは橋本眞幸氏が務めています。社外取締役比率は53.8%です。

氏名 役職 主な経歴
橋本 眞幸 代表取締役会長兼CEO取締役会議長 1976年4月三菱金属(現三菱マテリアル)株式会社入社。2012年4月同社代表取締役社長。2016年3月同社代表取締役会長兼CEOより現職。
阿波 俊弘 代表取締役社長営業本部長 1984年4月三菱金属(現三菱マテリアル)株式会社入社。2022年3月同社代表取締役社長、営業本部長より現職。
龍田 次郎 代表取締役副社長生産技術本部長 1985年4月三菱金属(現三菱マテリアル)株式会社入社。2023年3月同社代表取締役副社長、生産技術本部長、九州事業所長より現職。
窪添 伸一 代表取締役副社長社長室長 1985年4月住友金属工業(現日本製鉄)株式会社入社。2024年3月同社代表取締役副社長、社長室長より現職。
加藤 健夫 取締役専務執行役員 AI推進本部長 1997年4月三菱マテリアル株式会社入社。2024年3月同社取締役・専務執行役員、AI推進本部長より現職。


社外取締役は、加藤茜愛氏(アカネアイデンティティズ代表取締役)、田中等氏(丸の内南法律事務所代表)、三冨正博氏(公認会計士)、太田信一郎氏(元経済産業省特許庁長官)、須江雅彦氏(国立大学法人滋賀大学理事・副学長)、Amy Shigemi Hatta氏(Aglow Management Inc. CEO and Chief Advisor)、Anita Killian氏(元Wellington Management Senior Managing Director, Partner)です。

同社は監査等委員会設置会社制度を採用しており、取締役会において議決権を持つ監査等委員である取締役が監査を行うことで、監査・監督の実効性向上を図っています。執行役員制を採用し、業務執行機能と意思決定・監督機能を分離することで、迅速な意思決定と業務執行における透明性・公平性を確保しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


SUMCOの役員報酬は、基準報酬、短期業績に連動した業績連動型金銭報酬、中長期的な企業価値と連動した業績連動型株式報酬で構成されています。社外取締役および監査等委員である取締役の報酬は、職務の適正性を確保する観点から基準報酬のみとなっています。



なお、取締役(監査等委員である取締役を除く。)の金銭報酬額は、2016年3月29日開催の第17期定時株主総会において、年額460百万円以内と決議されています。また、業務執行取締役の業績連動型株式報酬額については、2023年3月29日開催の第24期定時株主総会において決議されており、2023年12月末日で終了する事業年度から2025年12月末日で終了する事業年度までの3事業年度の間に当社が当社株式を業務執行取締役に交付するために拠出する金額の上限は合計675百万円です。監査等委員である取締役の報酬額は、2016年3月29日開催の第17期定時株主総会において、年額110百万円以内と決議されています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。