【平均年収564万円】キヤノン電子 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収564万円】キヤノン電子 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

キヤノン電子は、グループ各社とともにコンポーネントや電子情報機器などの製造・販売を国内外で展開しています。連結従業員数は5,574名と規模の大きな企業で、直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、キヤノン電子株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


キヤノン電子グループは、コンポーネント、電子情報機器などの製造・販売を国内外で展開しています。キヤノングループの一員として、親会社であるキヤノン株式会社とその生産子会社から部品を仕入れ、製品を製造・納入しています。

単体従業員数は1,820名、連結従業員数は5,574名です。事業セグメントはコンポーネント、電子情報機器、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、キヤノン東京都大田区(コンポーネント・電子情報機器)、キヤノン電子ビジネスシステムズ埼玉県秩父市(その他)などです。

キヤノン電子は、2025年11月に支配株主であるキヤノン株式会社による普通株式の公開買付けに賛同を表明し、2026年1月には公開買付けが成立しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


キヤノン電子は、多様な事業を展開する中で、従業員の専門性と働きがいを重視する企業文化を持つようです。安定した環境で長期的なキャリアを築きたい方にとって、同社の給与水準や働き方は重要な要素となるでしょう。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


キヤノン電子では、従業員の平均年齢と勤続年数から、比較的若年層からベテランまで幅広い世代が活躍し、長期的にキャリアを形成している傾向がうかがえます。これは、安定した環境で専門性を高めたいと考える方にとって魅力的な要素となるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 5,643,637円
平均勤続年数 14.8年
平均年齢 38.3歳
単体従業員数 1,820人
連結従業員数 5,574人
単体のグループ内比率 32.7%


同社グループは退職給付制度を設けており、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の年金制度があります。この制度は同社および一部の連結子会社に適用されます。退職一時金制度もありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、退職給付債務は124.6億円、年金資産は194.6億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


キヤノン電子は、社員一人ひとりの能力を最大限に活かす体制と環境づくりを重視し、人材を会社の重要な財産と位置付けています。学歴や経験にとらわれない実力主義を採用し、能力のある者を積極的に登用する方針です。報酬制度においては、役割と成果に応じて処遇を決定する「役割給制度」を導入しており、性別や入社年数に関わらず、仕事の難易度や責任に応じた役割等級で報酬が決まります。

人材育成では、未来志向の人材育成を目指し、階層別全体研修や専門別研修、ものづくり研修、次世代経営幹部候補生向けの経営人材育成研修など、多岐にわたる教育・研修プログラムを提供しています。また、社員の健康を重要な財産と捉え、健康経営を推進しています。具体的には、各事業所での健康管理室設置、敷地内全面禁煙、卒煙プログラムの提供、生活習慣病やメンタルヘルス不調への個別支援、健康教育、健康増進イベントの開催、がん検診の受診促進など、社員の心身の健康をサポートする取り組みを進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。女性管理職比率および男女賃金差異は女性活躍推進法に基づき、男性育児休業取得率は育児介護休業法に基づき算出されています。正規雇用労働者は正社員、パート・有期労働者は定年後再雇用者となります。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 3.9%
男性労働者の育児休業取得率 63.6%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 80.7%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 78.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 87.7%

連結子会社の法定開示


主要事業会社1社の数値のみ掲載します。キヤノン電子テクノロジー株式会社の女性管理職比率および男女賃金差異は女性活躍推進法に基づき、男性育児休業取得率は育児介護休業法に基づき算出されています。

▼ キヤノン電子テクノロジー㈱

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 5.5%
男性労働者の育児休業取得率 0.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 75.9%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 75.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 73.5%

人的資本に関する指標及び目標

指標 数値
2030年までに課長代理職以上の女性管理職比率 30.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


キヤノン電子グループは、コンポーネント、電子情報機器、その他の事業セグメントを展開し、国内外で製造・販売を手掛けています。親会社であるキヤノン株式会社との連携を強みとし、幅広い製品とサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、当社および8つの連結子会社、1つの持分法適用関連会社で構成されています。主にコンポーネントや電子情報機器の製造・販売を国内外で行っており、親会社であるキヤノン株式会社とその生産子会社から部品を仕入れ、製品を納入する体制が特徴です。

コンポーネント


シャッターユニット、絞りユニット、レーザースキャナーユニットが主要製品です。同社が開発・製造・販売を行い、同社グループ外の得意先やキヤノン株式会社、その生産子会社に納入しています。

収益は、カメラ関連部品やレーザースキャナーユニット、実装ユニット等の生産受託から得ています。運営は、同社、Canon Electronics (Malaysia) Sdn.Bhd.、Canon Electronics Vietnam Co.,Ltd.が行っています。当セグメントの売上高は前期から減少しました。

電子情報機器


ドキュメントスキャナー、ハンディターミナル、レーザープリンターが主要製品です。同社が開発・製造・販売を行い、キヤノン株式会社の販売子会社やキヤノンマーケティングジャパン株式会社に納入しています。

収益は、これらの情報システム機器の最終消費者向け製品の組立製造・販売から得ています。運営は、同社が行っています。当セグメントの売上高は前期から増加しました。

その他の事業セグメント


顧客情報管理サービス、名刺管理サービス、システム開発・保守・運用、環境関連機器(歯科用ミリングマシン、小型電動射出成形機等)、医療関連機器(血圧計、滅菌器等)が主要製品・サービスです。

収益は、これらの多岐にわたるサービスや機器の提供から得ています。運営は、キヤノンエスキースシステム、キヤノン電子テクノロジー、キヤノン電子ビジネスシステムズ、茨城マーケティングシステムズが行っています。当セグメントの売上高は前期から増加しました。

地域別売上高を見ると、日本が最も大きく、ベトナム、北米、欧州、アジア他と続きます。主要な顧客としてキヤノン株式会社とCanon Vietnam Co., Ltd.があり、キヤノン株式会社への売上高は全体の43.4%を占めています。これは、同社グループがキヤノングループの一員として、親会社との連携を重視した事業展開をしていることを示しています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
コンポーネント 595億円 586億円
電子情報機器 295億円 336億円
その他の事業セグメント 117億円 122億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績を見ると、売上高は増加傾向にあります。直近の当連結会計年度では売上高が増加した一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。これはプロダクトミックス等の影響によるものです。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 826億円 965億円 963億円 1,007億円 1,044億円
経常利益 70.8億円 89.2億円 89.6億円 98.8億円 84.6億円
経常利益率 8.6% 9.2% 9.3% 9.8% 8.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 53.9億円 69.2億円 65.7億円 76.5億円 65.0億円
1株当たり当期純利益(円) 131.98 169.34 160.62 187.21 159.01

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は前期から横ばいとなっています。一方、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少しました。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織効率の傾向を示しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 18.7百万円 18.7百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.9百万円 1.6百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


キヤノン電子グループは、安定した財務基盤とキャッシュフローを維持しており、本業で着実に資金を生み出しています。将来に向けた投資も継続しつつ、手元資金を厚くしている状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループは高い自己資本比率を維持しており、強固な財務基盤を築いています。これは、外部からの借入に依存せず、自社の資金で事業を運営できる安定性を示しています。また、手元資金も潤沢に確保されており、不測の事態や将来の成長投資に備える余力があると言えます。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 1,217億円 1,270億円
自己資本比率 85.7% 86.2%
ROE(自己資本利益率) 6.5% 5.2%
現金及び預金 302億円 585億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの営業活動によるキャッシュフローはプラスで推移しており、本業で安定的に資金を生み出していることがわかります。投資活動によるキャッシュフローはマイナスですが、これは新製品投資や生産能力増強などの設備投資によるもので、将来の成長に向けた支出と言えます。その結果、フリーキャッシュフローはプラスを維持しており、事業活動と投資活動を通じて自由に使える資金を確保しています。このような資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、雇用や給与の基盤を支える健全な財務状況にあることを示しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 126.9億円 76.0億円
投資CF △94.6億円 △29.3億円
財務CF △26.2億円 △28.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 32.4億円 46.7億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、親会社であるキヤノン株式会社への売上依存度が高いことがリスクとして挙げられています。キヤノン株式会社の販売戦略や生産体制の方針転換があった場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、海外における事業活動では、国際政治経済の変動や急激な為替レートの変動、予期しない政策・法制度の変更などがリスクとして認識されています。これらの要因が、同社グループの財政状態や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


キヤノン電子は、社会貢献と環境経営を重視し、持続可能な社会の実現を目指す企業です。社員一人ひとりの能力を最大限に活かし、多様性を尊重するカルチャーを育んでいます。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


キヤノン電子は、世界トップレベルの高収益企業を築き、社会に貢献し、世界から尊敬される企業を目指すことを経営方針としています。また、世界トップレベルの環境経営を積極的に推進し、CSR・環境先進企業となることを目指しています。持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献も重要なビジョンとして掲げています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


キヤノン電子グループは、キヤノングループの企業理念である「共生」を大切にしています。これは、文化や習慣、言語、民族、地域などの違いを超えて共に生き、働き、互いに尊重し、幸せに暮らせる社会、そして自然と調和し、持続可能な地球環境を未来へ引き継ぐ社会の実現を目指す考え方です。

同社グループは「急ごう、さもないと会社も地球も滅びてしまう」というスローガンのもと、世界トップレベルのESG経営を積極的に推進し、サステナビリティ先進企業を目指しています。社員一人ひとりを大切にし、互いに尊重し、能力を最大限活かせる環境づくりに取り組んでいます。

学歴や経験にとらわれず能力のある者を積極的に登用する実力主義を採用しており、役割と成果に応じて処遇や報酬を決定する「役割給制度」を導入しています。また、健康第一主義の考え方に基づき、社員の健康増進に向けた取り組みも進めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


キヤノン電子グループは、サステナビリティをはじめとする社会課題への関心の高まりなど、大きく変化する事業環境に対応するため、以下の課題に取り組んでいます。

若手の経営感覚を磨くための早期育成を行い、経営の人的基盤を強化しています。

ESG経営・サステナビリティへの取り組み推進として、サステナビリティカンパニーへの進化を推し進めています。コンプライアンス徹底、ガバナンス強化、人権配慮、多様な人材確保・育成などにも積極的に取り組んでいます。また、2050年カーボンニュートラルの実現を見据えたCO2排出量削減目標を掲げて活動しています。

人的資本経営の推進では、人的資本の価値を最大化するための取り組みを進めています。女性や外国人など多様なキャリア人材の採用を積極的に推進し、能力を最大限活かすための教育制度や職場環境の整備、研修プログラムの運用も行っています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


キヤノン電子は監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会を中心にコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。取締役会は社外取締役を含む構成で、実効性と効率性を重視した経営の意思決定を目指しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の筆頭株主はキヤノンであり、同社グループの資本構成において大きな影響力を持つことがうかがえます。その他、信託銀行や証券会社が上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
キヤノン 55.00%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.80%
ジエイピ- ジエイピ-エムエスイ- ルクス ユ-ビ-エス ア-ゲ- ロンドン ブランチ エク コル 3.50%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は14名(男性13名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.0%です。代表取締役社長は橋元健氏が務めています。社外取締役比率は45.5%です。

氏名 役職 主な経歴
橋元 健 代表取締役社長 1985年4月キヤノン入社。2007年3月同社取締役LBP事業部長。2013年3月同社取締役副社長。2021年3月同社代表取締役社長より現職。
内山 毅 常務取締役 1987年4月アジアコンピュータ(現キヤノン電子テクノロジー)入社。2008年3月同社代表取締役社長。2010年3月同社取締役。2017年3月同社常務取締役より現職。
大北 浩之 取締役 1986年4月同社入社。2017年8月同社経理部長。2019年4月同社常務執行役員。2022年3月同社取締役より現職。
勝山 陽 取締役 1997年4月キヤノン入社。2018年1月同社IMS事業部長。2020年4月同社専務執行役員。2023年3月同社取締役より現職。
賀村 拓 取締役 2001年4月同社入社。2018年7月同社生産技術センター副所長。2022年3月同社専務執行役員。2023年3月同社取締役より現職。
酒匂 信匡 取締役 2007年4月東京大学大学院工学系研究科助教。2012年11月同社入社宇宙技術研究所副所長。2022年3月同社専務執行役員。2023年3月同社取締役より現職。


社外取締役は、戸苅利和氏(元厚生労働事務次官)、前川篤氏(元三菱重工業代表取締役副社長執行役員)、杉本和行氏(元財務事務次官)、近藤智洋氏(元地球環境審議官)、山上圭子氏(元最高検察庁検事)です。

同社は監査役制度を採用しており、取締役会は社外取締役を含む11名で構成されています。社外取締役は、中立的かつ専門的な観点から取締役会を通じて内部統制の状況を把握し、発言できる体制となっています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、健全かつ持続的な成長を促す仕組みとして設計されています。業務執行取締役の報酬は基本報酬、賞与、譲渡制限付株式報酬で構成され、社外取締役および監査役の報酬は基本報酬のみで構成されています。基本報酬の水準と安定性を重視しつつ、単年度業績の向上と株主利益の追求にも配慮した構成割合となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 8名 2.0億円 24.9百万円
監査役(社外除く) 1名 9百万円 9.0百万円
社外役員 7名 50百万円 7.1百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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