※本記事は、東邦レマック株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2024年12月21日 ~ 2025年12月20日、2026年3月17日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
東邦レマックは、シューズ事業(卸売・小売)と不動産事業(物件の売買、保有)を展開しています。靴の企画・卸売・EC販売を行うほか、物件の売買や保有も手掛けています。
単体従業員数は74名です。セグメントはシューズ事業、不動産事業の2つです。
同社は、靴の企画・販売を行うシューズ事業と、物件の売買・保有を行う不動産事業を本体で展開しています。
なお、同社は当事業年度より、従来の単一セグメントからシューズ事業と不動産事業の2区分に報告セグメントを変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
東邦レマックは、フットウエア事業を中心に感動体験の提供を目指す企業です。従業員一人ひとりの働きがいと自己成長を重視し、多様な人材が活躍できる環境づくりに取り組んでいます。働きやすい職場環境の整備にも力を入れていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高めであることから、安定して長く働く従業員が多い傾向にあると考えられます。多様な勤務体系や休暇制度の整備を通じて、従業員の生活向上と働きやすい環境づくりに努めていることが、こうした定着感につながっている可能性があります。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,007,637円 |
| 平均勤続年数 | 21.6年 |
| 平均年齢 | 45.3歳 |
| 単体従業員数 | 74人 |
退職給付制度
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を導入しています。これらの制度は国内の従業員を対象としています。
退職一時金制度があり、退職金規程に基づいた一時金が支給されます。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社は「すべての人に感動体験を提供する」というミッションのもと、フットウエアを通じて感動体験を創造し、社会貢献と企業価値向上を目指しています。事業活動においてサステナビリティを当然に考慮すべき事項と捉え、人材育成と社内環境整備を重要な戦略として位置付けています。
人材育成においては、国籍・性別・新卒・中途・学歴等にとらわれず、多種多様な人材が活躍できる環境の構築を目指しています。従業員の長所や短所を見極め、事業への関心や情熱、適性に満ちた人材を育成する方針です。
社内環境整備では、従業員一人ひとりが働きがいを感じ、自己成長できる職場環境の構築と全従業員の生活向上を目標としています。具体的には、時短勤務や育児休暇をはじめとする様々な勤務体系や休暇制度を整備し、働きやすい職場環境づくりに取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
「管理職に占める女性労働者の割合」および「労働者の男女の賃金の差異」は女性活躍推進法に基づき、「男性労働者の育児休業取得率」は育児介護休業法に基づき算出されています。提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 6.25% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 77.68% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 77.72% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 79.29% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
東邦レマックは、シューズ事業と不動産事業の二つの柱で収益を上げています。特にシューズ事業は卸売と小売の両面で展開しており、幅広い顧客層に商品を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、靴の企画・販売を行うシューズ事業と、物件の売買・保有を行う不動産事業を展開しています。シューズ事業は同社の主要な事業であり、卸売と自社ECサイトでの小売を通じて収益を得ています。不動産事業は賃貸物件の増加により賃貸売上が増加する一方、再販売上が減少する傾向にあります。
シューズ事業
靴の企画・販売(卸売)を主に行っています。また、自社サイトでのEC販売(小売)も手掛けています。
収益は、婦人靴、紳士靴、ゴム・スニーカー・その他といった幅広い商品群の販売から得ています。特に婦人靴ではODM商品が堅調に推移する一方で、PB商品やライセンスブランドが苦戦する傾向が見られます。紳士靴はODM商品や定番のビジネスシューズが伸長しています。ゴム・スニーカー・その他では、子供靴のライセンスブランドやスニーカーの受注が減少傾向にあります。
同社の販売実績を見ると、株式会社チヨダや株式会社しまむらといった特定の相手先への販売が一定の割合を占めています。
不動産事業
物件の売買と保有を行っています。
収益は、賃貸物件の増加による賃貸売上と、物件の再販売から得ています。当事業年度においては、賃貸売上が増加したものの、再販売上が減少しました。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| シューズ事業 | 47.6億円 | 44.5億円 |
| 不動産事業 | 3.5億円 | 95百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の売上高は当事業年度において前年同期を下回る結果となりました。売上総利益も同様に減少傾向にあります。営業損益は営業損失を計上し、経常損益も経常損失となりました。当期純利益は前年同期に比べ減少しましたが、特別利益の計上により利益を確保しています。特にブランドシューズ事業の一部撤退に伴う商品の評価減が営業損益に影響を与えましたが、これは一過性のものと認識されています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたり売上高は、前期と比較して減少しています。これは、売上高の減少が影響していると考えられます。従業員1人あたりの収益性は、会社の事業規模や効率性を示す指標の一つであり、入社を検討する上で、事業環境の変化や組織の生産性動向を把握する手がかりとなります。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(単体) | - | 61.5百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は、事業活動による資金の支出があり、財務活動で資金を調達している状況です。将来に向けた事業構造の転換と収益性改善への取り組みを進めています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の自己資本比率は当期で67.4%となっており、前期の76.5%から減少しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%と比較して高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)はデータがありません。当期末の現金及び預金等は17億75百万円であり、前期末から減少しています。
これらの財務状況は、同社が一定の財務基盤を維持しつつも、前期と比較して自己資本比率が低下し、手元資金も減少していることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 76.5% | 67.4% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 18億91百万円 | 17億75百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、4億82百万円の支出となりました。これは主に棚卸資産の増加額や固定資産売却益、投資有価証券売却益が減少要因となった一方で、税引前当期純利益や減価償却費、事業撤退損が増加要因となったためです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億6百万円の支出となっています。これは有形固定資産の取得や暗号資産の取得、定期預金の預入による支出が主な減少要因であり、有形固定資産や投資有価証券の売却による収入が増加要因となりました。この結果、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっており、本業の稼ぎだけでは投資活動を賄えていない状況を示しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは6億72百万円の収入となりました。これは主に短期借入金の純増加額と長期借入れによる収入が増加要因となったためです。同社は事業活動で資金を使い、投資活動も行っているため、その資金を財務活動で調達している状況です。
これは、事業構造の転換や収益性改善への取り組みを進める中で、資金調達が必要となっていることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 1億96百万円 | △4億82百万円 |
| 投資CF | △79百万円 | △3億6百万円 |
| 財務CF | △55百万円 | 6億72百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 1億17百万円 | △7億88百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
同社は、2023年12月期まで7期連続の営業損失および6期連続の当期純損失を計上していました。当事業年度においても1億20百万円の営業損失を計上しており、重要事象等が存在しています。
しかし、この営業損失は一時的な商品の評価損が主な要因であるとされており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、主要取引先の経営状態悪化により、売掛債権の回収が滞るリスクを認識しています。取引先の企業不祥事等も業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、商品の多くを海外の協力工場に生産委託しており、輸入取引は人民元および米ドル決済のため、為替相場の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。同社は為替予約取引を実施し、リスク回避に努めています。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
東邦レマックは、「創造・開拓・奉仕」の経営理念と「すべての人に感動体験を提供する」というミッションを掲げ、持続的な企業価値向上と社会貢献を目指しています。同社は、商品価値を重視した事業活動と、多様な人材が活躍できる環境づくりを大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社の経営理念は「創造・開拓・奉仕」です。また、同社は「すべての人に感動体験を提供する」というミッションを掲げています。
フットウエアを通じて感動体験を創造することで、社会貢献と企業価値向上を実現していくことを目指しています。事業の持続性と将来にわたる企業価値の向上を図るべく、商品戦略及び営業戦略を中心とした経営課題への対応を進めています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「創造・開拓・奉仕」の経営理念のもと、事業活動を行っています。サステナビリティを事業をしていく上で当然に考慮される事項と捉え、すべての事業活動がサステナビリティの観点を持って行われるべきと考えています。
サステナビリティ活動に関する方針の議論、計画の審議や進捗のレビューは、経営企画室が主導する未来創造委員会で定期的に行われ、必要に応じて取締役会へ報告されています。
人材育成においては、国籍・性別・新卒・中途・学歴等にとらわれることなく多種多様な人材が活躍できる環境の構築を目指しています。社内環境整備では、従業員一人ひとりが働き甲斐を感じ、自己成長できる職場環境の構築と全従業員の生活向上を目指し、様々な勤務体系や休暇制度の整備に取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、原材料価格や物流費の上昇、為替変動等の影響に加え、消費行動や市場構造の変化が進行する先行き不透明な事業環境にあります。このような状況において、商品そのものが持つ価値向上を重視した商品づくりを基本方針としています。
具体的には、オリジナルブランドを中心とした自社企画商品の比率引き上げや、顧客にとって分かりやすく選びやすい商品構成への見直しを進めています。
営業戦略においては、売上高の拡大を最優先とする従来の営業活動を見直し、商品価値を正しく伝え、評価いただく営業スタイルへの転換を進めています。価格政策の見直しによる不採算取引の是正や、商品特性やターゲットを踏まえた提案型営業の強化、商品価値やコンセプトを共有できる取引先との協業を重視しています。
サステナビリティに関する課題については、現時点では指標及び目標を定めていませんが、今後、指標を定めて取り組んでいく予定です。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
東邦レマックは、監査役制度を採用しており、取締役会と監査役会を軸にコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。経営体制には執行役員制度を導入し、業務執行機能の強化を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の筆頭株主はフロンティアグループです。上位株主には笠井庄治氏や金子将幸氏も名を連ねており、創業家や関連会社が上位に並ぶ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| フロンティアグループ | 18.55% |
| 笠井庄治 | 13.48% |
| 金子将幸 | 11.59% |
なお、2024年12月21日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を行っております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は11名(男性9名・女性2名)で構成され、女性役員比率は18.2%です。代表取締役社長兼経営企画室長は笠井信剛氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 笠井信剛 | 代表取締役社長兼経営企画室長 | 2001年2月同社入社、2019年3月同社取締役経営企画室長兼営業本部長、2025年3月同社代表取締役社長兼経営企画室長より現職。 |
| 矢野浩司 | 代表取締役専務 | 1992年4月高木証券㈱(現:東海東京証券㈱)入社、2023年3月ダイシン物産㈱(現:㈱SKY)代表取締役社長就任、2026年3月同社代表取締役専務より現職。 |
| 北山恵理子 | 取締役 経営戦略室長 | 1981年4月ダンアンドブラッドストリートジャパン㈱入社、2010年12月㈱グローブリンク設立代表取締役社長就任、2025年8月同社取締役経営戦略室長より現職。 |
| 那須友明 | 取締役管理本部長 兼経理部長 | 1991年3月同社入社、2023年4月同社執行役員経理部長、2026年3月同社取締役管理本部長兼経理部長より現職。 |
社外取締役は、金子嘉德氏(フロンティアグループ代表取締役)、山形秀樹氏(フロンティアグループ クラウドファンディング事業部長兼不動産部長)、金子将幸氏(オークラ商会代表取締役)、小野聡氏(ライブラ法律会計事務所所長)です。
同社は監査役制度を採用しており、有価証券報告書提出日現在、取締役8名(うち社外取締役4名)、監査役3名(うち社外監査役2名)という経営体制です。十分な独立性を有する社外取締役を選任することで、取締役に対する実効性の高い監督体制を構築し、経営の透明性・公正性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能する報酬体系を基本方針としています。報酬は固定報酬としての基本報酬、役員賞与、退職慰労金により構成されています。社外取締役および監査役の報酬は、高い独立性確保の観点から業績連動は行わず、基本報酬と退職慰労金のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 26百万円 | 5.2百万円 |
| 社外取締役 | 4名 | 15百万円 | 3.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 8百万円 | 7.5百万円 |
| 社外監査役 | 2名 | 4百万円 | 1.9百万円 |
なお、総額には期中に退任した役員の報酬が含まれます。
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の報酬は開示されておりません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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