※本記事は、清和中央ホールディングス株式会社の有価証券報告書(第72期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. 清和中央ホールディングスってどんな会社?
同社グループは、西日本および東日本を中心に、地域に密着した鋼材の販売や加工事業を展開しています。
■(1) 会社概要
清和中央ホールディングスは1954年に清和鋼業として設立され、構造用鋼の販売を開始しました。2004年にJASDAQへ上場し、2007年には中央鋼材を子会社化しました。2008年に純粋持株会社へ移行して現在の社名に変更し、2025年には札幌証券取引所本則市場への上場を果たしています。
同社グループの従業員数は連結で218名、単体で14名体制です。筆頭株主はワイエムピーで、第2位はエスケー興産、第3位は代表取締役社長の阪上正章氏です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ワイエムピー | 15.47% |
| エスケー興産 | 14.64% |
| 阪上正章 | 11.00% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性9名、女性0名の計9名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は阪上正章氏が務めており、取締役における社外取締役の比率は約16.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 阪上正章 | 代表取締役社長 | 1974年入社。営業本部長等を経て、1989年4月より現職。 |
| 阪上恵昭 | 専務取締役管理本部本部長 | 1977年入社。営業第一部長等を経て、2019年4月より現職。 |
| 伊吹哲男 | 取締役 | 1979年入社。営業第1部長等を経て、2021年3月より現職。 |
| 阪上祐亮 | 取締役 | 2017年入社。清和鋼業取締役営業管理部長等を経て、2025年3月より現職。 |
| 後藤信三 | 取締役 | 2010年入社。中央鋼材代表取締役社長等を経て、同年3月より現職。 |
社外取締役は、松田邦夫氏(元日本銀行長崎支店長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「西日本」「東日本」および「その他」事業を展開しています。
西日本セグメントでは、西日本地域を中心として鋼材の販売や一次・二次加工、付帯工事などのサービスを提供しています。主に建設業界や建築向けの需要に対応し、地域に密着した拠点展開によって迅速な納入を実現しています。
本事業では、商品の販売代金や加工請負代金を収益源としています。運営は主に清和鋼業および大宝鋼材が行っており、顧客ニーズに応じた在庫販売と物流網の強化によって収益基盤の拡大を図っています。
東日本セグメントでは、東日本地域における鋼材の販売や自社工場での鉄骨加工などを提供しています。多様化する顧客の要望に対し、材料の供給から加工、組立までを一貫して請け負う体制を整えています。
本事業は、商品の販売代金や鉄骨加工の請負代金から収益を得ています。運営は主に中央鋼材が行っており、採算性を重視した選別受注と原価削減の徹底により、安定した利益の確保を目指しています。
その他セグメントでは、持株会社としてのグループ経営管理機能の提供や、一部の不動産を活用した賃貸事業を展開しています。グループ全体の戦略立案や業務効率化を担い、事業基盤の強化を支えています。
本事業では、子会社からの経営指導料や業務委託収入、および不動産の賃貸料を収益源としています。運営は清和中央ホールディングスが行っており、安定的なグループ経営と資産の有効活用を進めています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は建設需要や鉄鋼市況の変動を受けて増減を繰り返しており、直近は500億円規模で推移しています。経常利益率は0〜3%台で推移していますが、徹底した原価削減や収益改善策により直近では利益水準が回復傾向にあります。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 454.0億円 | 575.5億円 | 625.8億円 | 514.7億円 | 500.3億円 |
| 経常利益 | 15.8億円 | 9.3億円 | 3.0億円 | 0.2億円 | 5.2億円 |
| 利益率(%) | 3.5% | 1.6% | 0.5% | 0.0% | 1.0% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.6億円 | 3.8億円 | 3.4億円 | 2.6億円 | 2.6億円 |
■(2) 損益計算書
直近の業績は、販売価格の下落等により売上高がわずかに減少したものの、鉄骨加工の採算性が向上し売上総利益は増加しました。営業利益も黒字転換を果たし、全体として収益性の改善が進んでいます。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 514.7億円 | 500.3億円 |
| 売上総利益 | 45.3億円 | 50.3億円 |
| 売上総利益率(%) | 8.8% | 10.1% |
| 営業利益 | -1.0億円 | 4.0億円 |
| 営業利益率(%) | -0.2% | 0.8% |
■(3) セグメント収益
東日本セグメントは鉄骨加工の収益改善等により増収となりましたが、西日本セグメントでは需要低迷や販売競争の激化により減収となりました。その他セグメントは概ね横ばいで推移しています。
| 区分 | 売上(2024年12月期) | 売上(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 西日本 | 274.5億円 | 250.3億円 |
| 東日本 | 240.0億円 | 249.7億円 |
| その他 | 0.2億円 | 0.3億円 |
| 連結(合計) | 514.7億円 | 500.3億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業CFはプラス、投資CFおよび財務CFはマイナスとなっており、営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う健全型のキャッシュ・フロー状態です。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 16.6億円 | 19.1億円 |
| 投資CF | -2.4億円 | -1.9億円 |
| 財務CF | -11.2億円 | -0.7億円 |
企業の収益力を測るROEは2.2%で市場平均を下回っており、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も44.1%で市場平均を下回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「私たちは ずーっと 取引を続けてよかった ずーっと 勤め続けてよかった ずーっと 株主を続けてよかった と思われる企業を目指します」というミッションステートメントを制定しています。社会に必要とされる「存在感のある企業」の実現をすべての企業活動の基本方針としています。
■(2) 企業文化
社員から「ずーっと勤め続けてよかった」と思われる企業として定着化を図り、人材を推進力と位置付けています。業務改善ポストの運用による効率化提案を促す風土があり、多様化する顧客ニーズに応えるため、顧客の立場に立った提案型営業ができる鋼材のエキスパート育成を重視しています。
■(3) 経営計画・目標
競争力と収益性の指標として営業利益率、成長性の指標として営業利益額を重点指標として掲げています。第73期(2026年12月期)において、以下の目標の達成を見込んでいます。
・営業利益額:4.4億円
■(4) 成長戦略と重点施策
「100年企業」へのステップとして、ワンストップ機能の拡充とグループ基盤の強化を推進しています。現物・即納を活かした商品在庫の拡充、小口配送にも対応する物流強化、協力会社と連携した加工体制の強化、そして地域密着型の拠点強化に取り組んでいます。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
すべての事業活動の推進力は人的資源であると認識し、鋼材のエキスパートとして提案型営業ができる人材の育成を図っています。社内外での研修や資格取得を支援し、通年採用やキャリア採用を通じた多様な人材確保と、働きやすい労働環境の整備を推進しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 42.3歳 | 17.4年 | 5722000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
(1) 鉄鋼市況の変動の影響
取扱う鋼材の仕入価格は需給動向によって変動するため、世界的な鉄鋼市況の変動が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。複数の仕入先の確保やコストダウンを通じた収益性の安定に取り組んでいます。
(2) 建設加工案件の採算悪化及び加工進捗のリスク
建築物件の大型化や複雑化に伴う建設途中での設計変更等により、想定外の追加コストや採算割れが発生する懸念があります。個別案件毎の採算精査による選別受注と、徹底した原価削減を進めています。
(3) 取引先の信用リスク
多数の取引先を有しており、倒産等により貸倒損失が発生した場合、売上高や利益が減少し業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。取引先の信用度合いに応じた与信限度枠の設定により、不良債権の発生防止に努めています。



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