ベルパーク 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ベルパーク 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ベルパークは東京証券取引所スタンダード市場に上場し、ソフトバンクショップなどのキャリアショップ運営を中心とした情報通信機器販売サービス事業を展開しています。直近の業績は、販売促進活動による携帯電話等の回線獲得件数の増加などにより、売上高および各段階利益ともに増収増益の好調なトレンドで推移しています。


※本記事は、株式会社ベルパークの有価証券報告書(第33期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ベルパークってどんな会社?


同社は、携帯電話等の販売およびサービスを提供するキャリアショップの運営を主力事業として展開しています。

(1) 会社概要


1993年2月に移動体通信サービスの取次業務等を目的に設立されました。1995年4月にソフトバンクの前身企業と代理店委託契約を締結して店舗運営を開始し、2004年12月にジャスダックへ上場しました。その後、auショップやドコモショップの運営も開始し、2022年4月にスタンダード市場へ移行しています。

現在の従業員数は連結で2,108名、単体で2,005名規模の体制となっています。筆頭株主は同社代表取締役社長が代表を務めるオリーブグラスで、第2位も同様に同社代表取締役社長が代表を務める日本ビジネス開発、第3位はアイビー投資事業有限責任組合です。

氏名 持株比率
オリーブグラス 32.39%
日本ビジネス開発 10.91%
アイビー投資事業有限責任組合 無限責任組合員 アイビー 7.78%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性1名の計9名で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は西川健土氏が務めています。社外取締役比率は22.2%です。

氏名 役職 主な経歴
西川 猛 代表取締役会長 1993年2月同社監査役、1996年2月同社代表取締役社長、2014年12月全国携帯電話販売代理店協会副会長、2024年4月同社代表取締役会長、2026年2月ベルパークネクスト代表取締役会長より現職。
西川 健土 代表取締役社長 2011年4月損害保険ジャパン入社。2019年4月同社入社。2023年4月同社常務取締役営業担当兼事業開発担当を経て、2024年4月同社代表取締役社長、2026年2月ベルパークネクスト代表取締役社長より現職。
尾登 知範 取締役営業本部長 2005年6月同社入社。2013年2月同社営業本部直営店営業部長、2015年2月同社営業本部SoftBank事業部長、2020年2月同社取締役営業本部副本部長を経て、2025年10月同社取締役営業本部長より現職。
吉澤 正弥 取締役経営企画部長 2003年10月同社入社。2014年2月同社管理本部総務人事部長兼営業本部営業管理部長、2015年10月同社管理本部経営企画部長、2016年8月ベルブライド代表取締役を経て、2026年3月同社取締役経営企画部長より現職。


社外取締役は、大西利佳子氏(コトラ代表取締役)、ジュラヴリョフ・オレグ氏(シェアードリサーチ代表取締役会長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「情報通信機器販売サービス事業」の単一セグメントを展開しています。

(1) キャリアショップ事業


情報通信サービスの新規契約等の取次、情報通信機器等商品の販売、割賦契約の斡旋、故障修理や料金プランの変更等受付、並びに通信料金の収納受付等を行っており、一般消費者を主な顧客として直営店およびフランチャイズ店を運営しています。

顧客への商品販売による商品売上高と、移動体通信事業者等からの各種契約取次や故障修理等の手数料収入、および顧客の通信料金に応じた継続手数料を主な収益源としています。店舗運営は主にベルパークおよび連結子会社のベルパークネクストが行っています。

(2) 法人ソリューション事業


法人顧客を対象に、携帯電話等の通信サービスの契約取次ぎ、クラウドサービスの取次ぎ、セキュリティ関連商材の販売、端末の設定および管理の支援、故障受付等のアフターサービスの提供など、幅広い法人向け通信ソリューションを提供しています。

法人向け情報通信機器の販売収益や、通信サービス・クラウドサービス等の取次手数料、設定・管理支援などの周辺サービスを通じた手数料収入を主な収益源としています。本事業の運営も主にベルパークおよび連結子会社のベルパークネクストが担っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5年間の業績は、売上高が1,000億円台から1,200億円台へと拡大基調にあります。経常利益も概ね35億円から60億円のレンジで安定して推移し、直近では利益率が4.7%に上昇するなど、増収増益の堅調な成長を遂げています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 1,073億円 1,028億円 1,155億円 1,160億円 1,293億円
経常利益 46億円 36億円 36億円 44億円 60億円
利益率(%) 4.3% 3.5% 3.1% 3.8% 4.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 31億円 25億円 24億円 32億円 41億円

(2) 損益計算書


売上高の増加に伴い売上総利益も順調に拡大しています。直近の期では売上総利益率が向上しており、営業利益率も改善傾向を示すなど、収益性の高い事業運営が実現されています。

項目 2024年12月期 2025年12月期
売上高 1,160億円 1,293億円
売上総利益 269億円 312億円
売上総利益率(%) 23.2% 24.1%
営業利益 43億円 59億円
営業利益率(%) 3.7% 4.5%


販売費及び一般管理費のうち、給料が80億円(構成比31%)、販売促進費が48億円(同19%)、地代家賃が28億円(同11%)を占めています。売上原価は、商品売上原価が900億円(構成比94%)、支払手数料が59億円(同6%)となっています。

(4) キャッシュ・フローと財務指標


営業キャッシュ・フローがプラス、投資・財務キャッシュ・フローがマイナスとなっており、営業利益で借入返済等を行い、投資も手元資金で賄う「健全型」の優良なキャッシュ・フロー状態を示しています。

項目 2024年12月期 2025年12月期
営業CF 34億円 47億円
投資CF -21億円 -0.9億円
財務CF -9億円 -114億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は13.5%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は61.8%であり、いずれも市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社はサステナビリティミッションとして「地球の素敵な未来のために」を掲げ、会社の持続的な成長とともに社会の持続可能性への貢献の両立を推進しています。また、企業活動の根幹となるコンプライアンスの基本をグループ全体で共有し徹底するため、コンプライアンス・コードを定めて倫理観の醸成に取り組んでいます。

(2) 企業文化


同社は、従業員一人ひとりが専門性を追求しながら自律的に成長できる環境を重視しています。「思いやり、誠実さ、チャレンジ精神」を備えた豊かな人間力を持つ人材の育成を掲げ、デジタルスキルを磨きながら変化するビジネス環境に柔軟に対応し、新しい価値を創造できる企業文化の醸成を図っています。

(3) 経営計画・目標


同社は、外部環境の変化に柔軟に対応する観点から数値目標を単年度ごとに設定し、その達成に向けた経営を推進しています。2026年12月期の目標として以下の数値を掲げ、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。

* 売上高:1,200億円
* 営業利益:50億円
* 経常利益:52億円
* 親会社株主に帰属する当期純利益:33億円

(4) 成長戦略と重点施策


同社は今後の成長戦略として、既存店舗の収益性向上やデジタルツール活用による生産性向上を進めるとともに、将来の成長が見込める法人ソリューション事業の拡大を図り、バランスの良い事業ポートフォリオの構築を目指しています。また、生成AIなどの先進的なデジタル技術の活用による業務効率化や、多様な人材の採用・育成を重点施策として推進しています。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は「働きやすい職場づくりで一人ひとりが自分らしく活躍できる素敵な職場環境へ」を社内環境整備方針に掲げています。仕事と育児や介護等を両立できる環境の整備、最先端のAI・ICTを活用したイキイキと働ける職場づくり、DE&I(多様性・公平性・包括性)の実践を通じて、個々の能力を最大限に発揮できる組織の構築を目指しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年12月期 32.7歳 6.9年 5,290,916円


※平均年間給与は、基準外賃金及び賞与を含んでおります。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 15.6%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 83.4%
男女賃金差異(正規雇用) 84.3%
男女賃金差異(非正規雇用) 95.9%


また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性店長比率(28.4%)、正社員定着率(89.9%)、有給休暇取得日数(11.5日)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 携帯電話販売市場の環境変化

インターネット販売の普及や販路の多様化などにより販売規模が著しく縮小した場合、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。同社は人材育成や店舗運営力の強化等を通じて対応を図っています。

(2) ソフトバンクグループへの依存

同社の売上高および仕入金額の約9割をソフトバンクグループの提供するサービスが占めています。そのため、同グループの新商品投入時期や料金プランの動向、代理店委託契約の取引条件の変更等が業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 商品の供給制約および価格上昇

部品需要の増加やメーカーの生産調整、為替相場の変動により、商品の供給遅延や仕入価格の上昇が生じる可能性があります。商品価格の上昇による買替えサイクルの長期化が販売数量の減少につながるリスクがあります。

(4) 人材の確保および育成

キャリアショップ販売員や法人営業要員の確保が不可欠ですが、業務の高度化や採用環境の変化により適切な人材の確保・育成が進まない場合、事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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