※本記事は、株式会社フジオフードグループ本社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
フジオフードグループ本社は持株会社であり、単体従業員数は27名、グループ連結従業員数は600名です。
同社グループは、各種飲食店の経営およびフランチャイズ・チェーン(FC)本部の経営を主な事業内容としています。連結子会社10社を中心に、「まいどおおきに食堂」や「神楽食堂 串家物語」など多様なブランドを展開し、直営事業とFC事業の両輪で国内外に事業を広げています。
主な国内グループ会社は、フジオフードシステム(飲食店の運営等)、グレートイースタン(同)、暮布土屋(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
同社グループは、多様な飲食事業を展開する持株会社として、グループ全体の経営戦略と人材マネジメントを重視しています。従業員が長期的に活躍できる環境を整備し、持続的な成長を目指す方針です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、従業員の定着を重視し、安定したキャリア形成を支援する環境が整っている傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、経験豊富な人材が長く活躍していることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,301,835円 |
| 平均勤続年数 | 9.2年 |
| 平均年齢 | 48.2歳 |
| 単体従業員数 | 27人 |
| 連結従業員数 | 600人 |
| 単体のグループ内比率 | 4.5% |
同社は確定拠出制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。この制度は国内および海外のグループ会社に適用されます。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人的資本への投資を強化することで、中長期的な企業価値向上に貢献すると考えています。人材の多様性を確保し、国籍・性別・年齢・価値観を問わず、実績や能力に基づく登用を進めています。多様な人材が適材適所で活躍できるよう、教育研修制度や職場環境の構築に取り組んでいます。
国内の労働生産人口減少という状況において、女性の採用と活躍が不可欠であると認識しています。女性が仕事と生活を両立しながら長く働ける環境を整備し、持続的な成長を目指す方針です。同社は業績連動型報酬を基本としており、退職金制度は採用していません。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社フジオフードシステム
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.4% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | - |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 86.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 71.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 113.9% |
多様性・登用
提出会社および主要な子会社を対象とした集計値です。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性正社員比率 | 47.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
フジオフードグループ本社は、持株会社としてグループ全体の経営を統括しています。主な事業内容は、各種業態の飲食店の経営と飲食店のフランチャイズ・チェーン(FC)本部の経営です。同社グループは「大衆というカテゴリーで日本一の外食企業になる」という目標を掲げ、既存事業の底上げに注力しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、直営事業とFC事業の2つの報告セグメントで事業を展開しています。直営事業で培ったノウハウをFC事業に活かし、事業規模の拡大を目指しています。
直営事業
直営事業は、同社グループの主力事業であり、国内および海外で多様な飲食店を運営しています。「まいどおおきに食堂」「神楽食堂 串家物語」「麺乃庄 つるまる」といった主力業態に加え、「釜戸ごはん さち福や」「天麩羅 えびのや」「喫茶店 ピノキオ」など、幅広いブランドを展開しています。
収益は、これらの直営店舗での飲食サービスの提供から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から増加しましたが、セグメント利益は減少しています。
FC事業
FC事業は、直営事業で培った飲食店経営のノウハウをフランチャイズ加盟企業や営業委託者に提供する事業です。加盟店募集、店舗設計・運営ノウハウの指導、PB商品の提供などを行っています。
収益は、FC加盟金、ロイヤリティ、イニシャル売上(店舗設備・備品など)、ランニング売上(消耗品類など)から得ています。当連結会計年度の売上高は前期から減少しましたが、セグメント利益は増加しています。
同社グループの売上高は本邦の外部顧客への売上高が90%を超えており、海外事業の比率は小さい傾向にあります。特定の顧客への収益集中は見られません。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 直営事業 | 297億円 | 303億円 |
| FC事業 | 16.5億円 | 15.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。一方で、経常利益や親会社株主に帰属する当期純利益は変動が大きい傾向が見られます。
当連結会計年度においては、売上高は前期から増加しました。しかし、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期から減少しています。営業利益の減少は、原材料費の高騰や人的資本への先行投資による人件費の上昇、客数の軟調が影響したと説明されています。また、当連結会計年度には減損損失も計上されています。
営業活動によるキャッシュ・フローは、当連結会計年度も収入を確保しており、本業によるキャッシュ創出は継続している状況です。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 255億円 | 265億円 | 298億円 | 313億円 | 319億円 |
| 経常利益 | 17.9億円 | △7.2億円 | 3.0億円 | 10.3億円 | 6.0億円 |
| 経常利益率 | 7.0% | △2.7% | 1.0% | 3.3% | 1.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △4.9億円 | △34.0億円 | △7.1億円 | 4.6億円 | 90百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △11.23 | △77.21 | △15.71 | 10.03 | 1.76 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて減少する結果となりました。
これは、当連結会計年度において連結従業員数が前期から増加したことや、原材料費の高騰、人件費の上昇、減損損失の計上といった経営成績に影響を与えた要因が、従業員1人あたりの生産性指標にも反映されたものと考えられます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 69.3百万円 | 53.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 2.7百万円 | 1.2百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、事業活動で得た資金を将来の成長に向けた投資に積極的に充てている状況です。これにより、財務基盤を強化しつつ、事業拡大を目指していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から改善し、非製造業のプライム市場平均を上回る水準となっています。これは、外部からの借入に過度に依存しない安定した経営体質を示しています。
一方で、ROE(自己資本利益率)は当期に低下しており、プライム市場平均を下回る水準です。現金及び預金は減少傾向にありますが、一定の手元資金を確保しています。
これらの財務状況は、事業運営の安定性や将来的な成長投資の余力に影響を与える要素となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 85.8億円 | 86.8億円 |
| 自己資本比率 | 32.6% | 35.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.2% | 1.0% |
| 現金及び預金 | 127億円 | 79.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは9.8億円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益や減価償却費、減損損失の発生が主な要因です。
投資活動によるキャッシュフローは△37.7億円の支出となっており、有形固定資産の取得や信託受益権の取得による支出が主な要因です。これにより、フリーキャッシュフローは△27.9億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュフローは△20.1億円の支出であり、長期借入金の返済が主な要因となっています。
これらの資金の流れは、本業で得た資金を上回る投資を行いつつ、借入金の返済を進めている状況を示しています。これは、将来の成長に向けた投資を積極的に行いながら、財務体質の改善も図っている経営方針が反映されていると言えます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 21.5億円 | 9.8億円 |
| 投資CF | △7.3億円 | △37.7億円 |
| 財務CF | 48.9億円 | △20.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 14.2億円 | △27.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
外食産業は参入障壁が低く、激しい競合状態が続いています。競合他社の出店増加により、同社グループの競争力や業績見通しに影響を及ぼす可能性があります。
また、食材の調達においては、伝染病や感染症、天候要因による価格変動リスクがあります。これらの要因により調達価格が上昇したり、必要量の確保が困難になったりした場合、同社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、更なる成長に向けた出店を進める上で、優秀な人材の確保と育成を重要な課題と認識しています。必要な人材が確保できなかった場合や育成が計画通りに進まなかった場合、同社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
フジオフードグループ本社は、お客様に「人のぬくもり」を感じていただけるお店づくりを大切にしています。国内外で飲食店を展開し、食を通じて人々の喜びを追求する企業文化が根付いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「お客様に人のぬくもりを感じていただく」お店づくりをコンセプトとしています。店内調理と安心安全な食の提供を通じて、お客様に喜んでいただける店舗を目指しています。
その基本方針として、「大衆食のカテゴリーで日本一の外食企業になる」ことを掲げています。日本全国だけでなく、海外にも飲食店を展開し、事業の拡大を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループでは、「凡事徹底」(飲食店として当たり前のことを当たり前に行う)を直営店、FC店の全店共通の合言葉としています。品質・接客・清潔さ(QSCレベル)の向上を通じて、お客様に喜んでいただけるお店作りに努める企業風土があります。
また、人材育成と社内環境整備においては、国籍・性別・年齢・価値観等を問わず、実績や能力に基づく登用を重視しています。多様な人材が適材適所で活躍できる教育研修制度や職場環境の構築に取り組んでいます。社員の自己実現向上のため、「夢を持てるキャリアアッププラン制度」を再構築し、独立支援制度も用意されています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、既存店の収益力向上を重要な課題と認識しています。QSCレベルの向上を徹底し、お客様に喜ばれるお店作りに邁進することで、収益力の向上に努めています。
また、FC加盟店の出店促進と支援体制の強化にも注力しています。出店候補地の探索支援や研修トレーナーの育成支援を通じて、FC加盟店の収益力向上を推進しています。
さらに、人材の確保とスピーディーかつ良質な人材育成も重点テーマです。求人・採用活動に注力し、採用後の人材フォローの充実を図るとともに、「階層別研修」などの独自の教育プログラムを展開しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
フジオフードグループ本社は、取締役会と監査役会を設置する監査役会設置会社です。同社グループは持株会社体制を採用しており、グループ全体のガバナンス強化に取り組んでいます。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
フジオフードグループ本社の株主構成を見ると、筆頭株主は有限会社エフエム商業計画です。また、代表取締役社長である藤尾政弘氏も上位株主として名を連ねています。その他、サッポロビールなどの事業会社も主要な株主として同社を支えています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 有限会社エフエム商業計画 | 13.28% |
| 藤尾 政弘 | 6.05% |
| サッポロビール | 5.84% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 | 4.71% |
| 日本カストディ銀行 | 3.83% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は14名(男性13名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.1%です。代表取締役社長は藤尾政弘氏が務めています。社外取締役比率は36.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 藤尾 政弘 | 代表取締役社長 | 1979年12月大阪市藤尾実業を創業。1986年6月株式会社フジセイ・コーポレーション(現フジオフードグループ本社)設立、同社代表取締役。1999年11月同社代表取締役社長。2020年7月同社代表取締役社長より現職。 |
| 藤尾 英雄 | 取締役副社長 | 2003年11月同社入社。2012年2月株式会社ホノルルコーヒージャパン(現株式会社フジオフードシステム)代表取締役社長。2023年3月同社取締役副社長。2026年3月同社取締役副社長より現職。 |
| 仁田 英策 | 取締役 財務経理統括 | 1982年4月田辺製薬株式会社入社。2014年4月同社入社。2016年3月同社取締役経営管理本部副本部長兼財務経理部長。2026年3月同社取締役財務経理統括より現職。 |
| 新井 誠 | 取締役 グループ 開発管掌 | 2009年3月同社入社。2016年4月同社執行役員営業本部副本部長兼西日本営業本部長。2024年3月同社取締役グループ開発管掌より現職。 |
| 田中 公博 | 取締役 経営企画部長 | 1995年4月東拓工業株式会社入社。2008年4月株式会社サンマルクホールディングス入社。2025年7月同社入社、執行役員経営企画部長。2026年3月同社取締役経営企画部長より現職。 |
| 岸上 裕一 | 取締役 グループ 営業管掌 | 2006年1月同社入社。2012年4月同社かっぽうぎ営業部長。2022年4月株式会社グレートイースタン代表取締役。2026年3月同社取締役グループ営業管掌より現職。 |
| 九鬼 祐一郎 | 取締役 | 1987年4月山一證券株式会社入社。2011年11月同社入社。2013年3月同社取締役経営企画部長兼東京支社長。2024年3月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、伊東康孝氏(元すかいらーくホールディングス代表取締役副会長・指名・報酬委員会委員長)、百瀬裕規氏(ベインキャピタル・ジャパン・LLC会長)、越知覚子氏(弁護士法人梅ヶ枝中央法律事務所パートナー弁護士)、小郷三朗氏(一般社団法人ACC理事長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役4名を含む11名で構成されています。社外取締役は経営の透明性・客観性の確保と取締役会の監督機能強化を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
フジオフードグループ本社の取締役報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益への連動を重視した体系です。具体的には、固定報酬としての基本報酬、短期インセンティブとしての業績連動報酬、そして長期インセンティブとしての非金銭報酬(譲渡制限付株式)で構成されています。社外取締役には基本報酬のみが支払われ、監査役の報酬は監査役間の協議によって決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.8億円 | 36.6百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 36百万円 | 5.1百万円 |
個人別報酬が開示されている役員は、藤尾政弘氏(1.29億円)です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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