※本記事は、株式会社インターメスティックの有価証券報告書(第33期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. インターメスティックってどんな会社?
インターメスティックは、Zoff等のメガネブランドを展開し、視力矯正器具に留まらない新しい価値を提供する企業です。
■(1) 会社概要
1993年にガリレオクラブ(現ゾフ)を設立しメガネ事業を構想、2001年にロープライスメガネ事業としてZoff1号店を出店しました。2011年にオンラインストアを開設し、2017年にはシンガポールや香港へ進出して海外展開を開始しています。2024年に東京証券取引所プライム市場へ上場し、2025年にはビジョナリーホールディングスグループを子会社化しました。
現在の従業員数は連結3,347名、単体185名です。筆頭株主は役員やその親族が株式を保有する資産管理会社のルイ・ボストンで、第2位は代表取締役社長の上野博史氏、第3位は上野剛史氏です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| ルイ・ボストン | 35.00% |
| 上野 博史 | 10.71% |
| 上野 剛史 | 8.21% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性2名の計9名で構成され、女性役員比率は22.2%です。代表取締役社長は上野博史氏が務めています。社外取締役は2名選任されています。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 上野 博史 | 代表取締役社長 | 1993年ルイ・ボストン取締役。2001年電通テック入社、同年インターメスティック取締役。2009年ゾフ取締役等を歴任。2020年より現職。 |
| 上野 照博 | 取締役会長 | 1963年ニシキ入社。1993年ガリレオクラブ(現ゾフ)設立し代表取締役。2001年インターメスティック代表取締役社長。2020年より現職。 |
| 香川 雅哉 | 取締役 | 1990年東光商事入社。1995年ファーストリテイリング執行役員等を歴任。アダストリア執行役員等を経て2022年インターメスティック入社。2024年より現職。 |
社外取締役は、遠藤和宏(公智法律事務所代表パートナー弁護士)、長谷川仁(元ソニー・クリエイティブプロダクツ代表取締役執行役員社長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「国内事業」および「海外事業」を展開しています。
■国内事業
「Zoff」および「メガネスーパー」ブランドを通じて、メガネやコンタクトレンズ、メガネ小物の販売を行っています。企画から販売までを一貫して行うSPA方式による低価格・高利益率のモデルと、丁寧な接客に基づく高付加価値なNB商品販売のモデルを併せ持ちます。
事業の運営は、インターメスティックおよびゾフ、メガネスーパーなどの各子会社が行っており、店舗での直営販売等によって一般消費者から収益を得ています。
■海外事業
シンガポールや香港などの海外市場において、フランチャイズ本部としてオリジナルブランドによるメガネの企画販売を行っています。
事業の運営は、海外子会社であるINTERMESTIC HONG KONG LIMITEDなどが担当し、加盟店に対する卸売やブランドの利用許諾による手数料などから収益を得ています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は継続的な成長を維持しており、直近の期間で着実な拡大を遂げています。それに伴い経常利益および当期利益も増加傾向にあり、利益率も年々改善するなど、事業規模の拡大と収益性の向上が同時に進行していることが伺えます。
| 項目 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 359億円 | 399億円 | 448億円 | 502億円 |
| 経常利益 | 27億円 | 34億円 | 49億円 | 60億円 |
| 利益率(%) | 7.4% | 8.6% | 10.9% | 11.9% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 15億円 | 21億円 | 36億円 | 44億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の成長に加えて売上総利益率が上昇しており、高付加価値商品の販売等により収益構造が改善しています。営業利益率も向上し、本業での稼ぐ力が高まっていることが確認できます。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 448億円 | 502億円 |
| 売上総利益 | 337億円 | 385億円 |
| 売上総利益率(%) | 75.2% | 76.7% |
| 営業利益 | 50億円 | 60億円 |
| 営業利益率(%) | 11.2% | 12.0% |
販売費及び一般管理費のうち、給与及び手当が86億円(構成比26.4%)、地代家賃が74億円(同22.8%)を占めています。
■(3) セグメント収益
主力である国内事業が全体の売上の大部分を占めており、積極的なプロモーションや新商品の投入により前年比で売上が大きく伸長しています。海外事業も堅調に推移しており、グループ全体の増収に貢献しています。
| 区分 | 売上(2024年12月期) | 売上(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 国内事業 | 440億円 | 493億円 |
| 海外事業 | 9億円 | 9億円 |
| 連結(合計) | 448億円 | 502億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
インターメスティックは、積極的な事業拡大のため、財務活動による資金調達を強化しています。営業活動では、利益創出に貢献したものの、前年同期と比較して資金獲得額は減少しました。一方、投資活動では、子会社株式の取得や貸付、設備投資などにより、大幅に資金を使用しました。財務活動では、短期借入金の増加などにより、資金調達を行いました。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 64億円 | 52億円 |
| 投資CF | -17億円 | -289億円 |
| 財務CF | 91億円 | 137億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
「メガネが主役の時代をつくる」をミッションとして、もっと自由に・楽しく・気軽にメガネをTシャツの様に毎日着替える社会をつくることを目指しています。ビジョンとして「Eye Performance」を掲げ、メガネを人間の可能性を拡張するツールとして新しい価値を提示し、社会や暮らしに必要とされるブランドを目指しています。
■(2) 企業文化
「うそをつくな 正直であれ 商いを学び 社会に貢献する」をバリューとして掲げています。この価値観に基づき、企業倫理と法令遵守を徹底し、経営の健全性と透明性を高める文化を重視しています。また、現場・現物・現実を重視する「三現主義」の考え方を根底に置いて経営にあたっています。
■(3) 経営計画・目標
事業を継続的に発展させていくため、収益力を高め適正な利益確保を図ることを重視しています。これらを判断するための客観的な経営指標として、売上高、売上高総利益率、営業利益率、EBITDAなどの財務指標に加え、既存店増収率、サングラス売上高、EC売上高、国内新規出店数を設定して目標管理を行っています。
■(4) 成長戦略と重点施策
独自性のある機能性商品やコラボ商品の開発による既存店増収率の向上、社会課題に対するソリューションとしてのサングラス市場の拡大、戦略的な新規出店に注力します。また、業務のDX化やEC事業の加速により生産性を高めるとともに、店舗運営の効率化や内部管理体制の強化を推進し、事業基盤の確立を図ります。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
無限の可能性がある社員に寄り添い、仕事を通じて成長できる機会を提供する方針です。「経験学習」に基づく人材育成システムを設計し、多様な価値観を持つ従業員が活躍できるようアセスメントに基づいた人事制度や環境整備を進めています。特に女性が輝き働き続けられる職場づくりを推進し、組織力の向上を図っています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はプライム市場の平均をやや下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 39.5歳 | 7.5年 | 7,076,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 15.2% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 65.9% |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | 69.5% |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | 69.8% |
また、同社は「サステナビリティに関する考え方及び取組」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、ゾフの女性管理職比率(19.9%)、ゾフの男性育児休業取得率(85.7%)、ゾフの男女賃金差異(77.3%)などです。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 視力測定に関する法的規制
日本国内における度数測定が医療行為に該当するか否かの判断が法令改正等で変更された場合、事業活動が制限される可能性があります。同社は測定をサポート行為と位置づけ、技術者の育成や社内教育を徹底して適法な営業活動を維持しています。
■(2) コンタクトレンズ販売の規制対応
コンタクトレンズや補聴器は高度管理医療機器等に該当し、販売には監督官庁の許可が必要です。同社は継続的に許可条件を満たして販売を行っていますが、法令抵触による許可取消しが発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 代替視力矯正手段の普及
視力矯正手術等の代替サービスの普及や技術革新により、メガネ小売市場全体が大きく縮小する可能性があります。対策として、ブルーライトや紫外線カットなどの機能性商品の拡充や、ファッションアイテムとしての訴求強化を図っています。
■(4) 海外生産への依存と資材高騰
商品の製造を海外の協力工場に多く委託しているため、現地情勢の変化や為替相場の変動、物流網の障害が事業に影響を及ぼす可能性があります。生産拠点の分散化検討や為替予約の実施、物流手段の多様化によりリスクの低減に努めています。



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