【平均年収875万円】東海汽船 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収875万円】東海汽船 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

東海汽船は、東京諸島と本土を結ぶ定期航路事業を主軸に、グループ各社とともに商事料飲、ホテル、旅客自動車運送事業などを展開しています。連結従業員数は約370名です。直近期は売上高と経常利益は減少しましたが、特別利益の計上により純利益は増加しました。


目次

※本記事は、東海汽船株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


東海汽船は、東京諸島と本土間を結ぶ旅客・貨物の定期航路事業を主軸に、東京湾内周遊事業も展開しています。同社グループは、海運関連事業のほか、商事料飲事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業をグループ各社とともに展開しています。

単体従業員数は195名、連結従業員数は377名です。同社グループの事業セグメントは、海運関連事業、商事料飲事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業の4つです。

主な国内グループ会社は、東汽観光(ホテル業)、東海技術サービス(船舶修理業)、東海マリンサービス(海運代理店業)、東海自動車サービス(自動車整備業)、大島旅客自動車(旅客自動車運送業)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


東海汽船は、海運関連事業を中心に多角的な事業を展開しており、安定した環境でキャリアを築きたいと考える方にとって、働きがいのある選択肢となるでしょう。同社グループは、従業員の能力向上と多様な人材の活用を重視し、働きやすい職場環境の整備に積極的に取り組んでいます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


東海汽船では、従業員の定着性が高く、長期的なキャリア形成が期待できる環境が整っている傾向が見られます。幅広い年齢層の従業員が活躍しており、経験を活かして貢献できる機会があるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 8,748,246円
平均勤続年数 15.7年
平均年齢 42.5歳
単体従業員数 195人
連結従業員数 377人
単体のグループ内比率 51.7%


東海汽船および連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は国内グループ会社を対象としています。退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。退職給付債務は20.6億円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


東海汽船は、企業価値の向上において人的資本への投資を重要視しています。従業員の能力向上を目的として、資格取得奨励制度の整備や定期的な社内研修を実施しています。

また、働きやすい職場環境の整備を通じて、性別や年齢を問わず多様な人材の活用に努めています。これらの取り組みにより、従業員一人ひとりが能力を発揮し、長期的に活躍できる基盤を築いていると言えるでしょう。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の数値は本記事では取得できていません。

人材育成・エンゲージメント


東海汽船は、人材の育成及び社内環境整備方針に関する具体的な指標及び目標は設定していません。今後の課題として検討していく方針です。

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


東海汽船グループは、海運関連事業を主軸に、商事料飲事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業といった多角的なビジネスを展開しています。東京諸島を主要な事業基盤とし、地域に密着したサービスを提供することで収益を上げています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、東京諸島と本土を結ぶ定期航路を核とした海運関連事業を中心に、島しょ地域の生活を支える商事料飲事業、観光客を誘致するホテル事業、島内の移動手段を提供する旅客自動車運送事業を展開しています。各事業が連携し、東京諸島の観光と生活を多角的にサポートする収益モデルを構築しています。

海外の外部顧客への売上高はなく、特定の主要顧客への売上集中も見られません。

海運関連事業


海運関連事業は、主に旅客・貨物の定期航路運航や海運代理店業務を行っています。主力の伊豆諸島航路では、個人向け商品の販売強化や企画商品の造成、自然環境型観光ツアーの営業強化を通じて集客拡大に努めています。貨物部門では、冷凍・冷蔵コンテナを活用した輸送品質向上や、災害発生時の復旧支援物資輸送にも貢献しています。

収益は、旅客運賃や貨物運賃、海運代理店手数料などから得ています。

商事料飲事業


商事料飲事業は、船内や船客待合所での料飲販売・食堂経営、東京諸島での生活必需品や建設資材の供給を行っています。旅客数や貨物輸送量に左右されにくい安定的な事業構造の構築を目指し、新規事業への参入や既存事業の販売価格見直しにも取り組んでいます。

収益は、船内販売や食堂収入、セメント等の商事品の販売などから得ています。

ホテル事業


ホテル事業は、大島において「大島温泉ホテル」を経営しています。三原山や富士山を望む眺望、源泉掛け流し温泉、島の食材を活かした料理など、「島ならではの魅力」を前面に打ち出した営業活動を展開しています。平日の需要取り込みを目的とした柔軟な料金設定や商品プランの造成、旅客部門との連携による送客強化を進めています。

収益は、宿泊料や飲食料などから得ています。

旅客自動車運送事業


旅客自動車運送事業は、大島島内でのバス運行および自動車整備を行っています。お客様に安心して利用してもらうため、安全運行と良質なサービスの提供を基本理念としています。貸切バスにおいては、日本バス協会の安全性評価制度で三ッ星を維持するなど、長期優良事業者として認定されています。

収益は、路線バス運賃や貸切バスの利用料などから得ています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
海運関連事業 128億円 125億円
商事料飲事業 11.7億円 11.8億円
ホテル事業 3.2億円 3.5億円
旅客自動車運送事業 2.7億円 2.8億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近の2025年12月期において前期から減少しています。経常利益も前期から減少する結果となりました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は前期から増加しています。これは、高速船ジェットフォイルの主機ガスタービン処分に伴う特別修繕引当金取崩額を特別利益として計上したことが影響しています。

過去5期を見ると、売上高は変動がありながらも、2023年12月期に一時的に減少した後、2024年12月期には増加に転じ、2025年12月期に再び減少しています。経常利益は2023年12月期に損失を計上しましたが、その後は黒字を維持しています。親会社株主に帰属する当期純利益も、2023年12月期に損失を計上したものの、直近2期は黒字を確保しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 108億円 139億円 132億円 146億円 143億円
経常利益 2.3億円 3.0億円 △5.8億円 5.5億円 4.5億円
経常利益率 2.2% 2.1% △4.4% 3.8% 3.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 △78百万円 1.8億円 △5.8億円 2.9億円 3.7億円
1株当たり当期純利益(円) △35.66 82.36 △264.56 133.80 167.70

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は、前期から当期にかけて減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から当期にかけて減少する傾向を示しています。これらの指標は、同社グループ全体の生産性が前期と比較して低下していることを示しており、今後の収益体質の維持や組織の効率化が課題となる可能性があります。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 40.0百万円 37.9百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.6百万円 1.4百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


東海汽船グループの財務状況は、本業で着実に資金を生み出し、投資活動も行いながら、手元に余剰資金を確保している状態を示しています。これにより、安定した経営基盤を維持していることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、前期から増加し、プライム市場の非製造業平均を上回る水準となっています。ROE(自己資本利益率)は前期から改善していますが、プライム市場平均を下回っています。手元資金は前期から減少していますが、一定の残高を維持しています。これらの財務指標は、同社グループの事業運営における安定性を示すものです。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 63.6億円 69.2億円
自己資本比率 21.2% 25.4%
ROE(自己資本利益率) 6.4% 7.3%
現金及び預金 51.0億円 38.8億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローは、営業活動によるキャッシュフローがプラスとなっています。これは、本業で資金を生み出していることを示しており、税金等調整前当期純利益や減価償却費が資金増加に寄与しました。

一方、投資活動によるキャッシュフローはマイナスであり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。財務活動によるキャッシュフローもマイナスであり、借入金の返済が主な要因です。

これらの結果、フリーキャッシュフローはプラスとなっており、本業で得た資金を投資に回しつつ、財務基盤の健全化も図っている状況がうかがえます。このような資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も継続していることを示しています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 22.3億円 6.9億円
投資CF △5.6億円 △2.5億円
財務CF △9.3億円 △16.6億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 16.7億円 4.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループの旅客部門では、乗船客が夏季の多客期に集中するため、利益が下期に偏る傾向があります。また、船舶燃料油価格の上昇は、同社グループにとって大きな負担となる可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

感染症の流行等により従業員が感染した場合、同社グループの事業運営に支障を来す可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


東海汽船グループは、東京諸島と本土を結ぶ航路を基盤とし、地域社会への貢献を経営の基本方針としています。海運関連事業を軸に、多様な事業を展開しながら、安全運航と良質なサービスの提供を通じて社会貢献を目指す企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、東京諸島と本土を結ぶ旅客定期航路および貨物航路において、離島の生活航路としての公共的性格とリゾート航路としての快適性提供、生活物資の安全・確実な輸送という使命を果たすことを通して、地域社会に貢献することを経営の基本方針としています。

海運関連事業を基軸に、商事料飲事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業を展開しており、グループ間の連携を強化しながら、「安全運航」と「良質のサービスの提供」を行う総合力の高い社会貢献企業を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、2026年のスローガンとして「Building Trust2026」を掲げ、安全運航の徹底と法令遵守体制の強化を基盤に、お客様・地域社会・株主からの信頼回復と向上を最優先課題としています。

会社行動規範では、環境問題への取り組みを社会的使命と定めており、船舶における燃費効率向上や環境負荷の低い船舶燃料の使用、自然災害時の危機管理体制の整備に積極的に取り組んでいます。

また、企業価値向上には人的資本への投資が重要であるとし、資格取得奨励制度や定期的な社内研修を通じて従業員の能力向上を図っています。働きやすい職場環境の整備を通じて、性別や年齢を問わない多様な人材の活用にも努めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、東京諸島の人口減少や観光需要回復の遅れ、人件費・燃料費・修繕費等のコスト上昇、人材確保の難しさ、気象海象リスクの増大といった厳しい事業環境に直面しています。

このような状況下で、離島航路という公共的使命を担う企業として、安全・安心な輸送サービスを安定的に提供し続けることを最重要課題と認識しています。

2026年のスローガン「Building Trust2026」のもと、安全の徹底と収益基盤の強化を両立させ、持続可能な経営体制の構築に取り組んでいます。海運関連事業では、安全運航体制の一層の強化を最優先に、運航管理体制や教育訓練の充実により事故の未然防止と安定運航の確保に努めています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


東海汽船は、社外取締役を複数含む取締役会と監査役会を設置し、経営の公正性と健全性を高めるガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


東海汽船の株主構成を見ると、筆頭株主である藤田観光をはじめ、DOWAホールディングスや東京汽船といった事業会社が上位を占めています。

株主名 持株比率
藤田観光 18.04%
DOWAホールディングス 6.83%
東京汽船 3.45%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長営業本部長は山﨑潤一氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。

氏名 役職 主な経歴
山﨑 潤一 代表取締役社長 営業本部長 2004年3月 同社取締役総務部長、2009年3月 同社代表取締役社長、2025年4月 同社代表取締役社長営業本部長より現職。
倉﨑 嘉典 常務取締役執行役員管理本部長 2015年4月 同社入社 総務部長、2021年3月 同社取締役執行役員管理本部長兼総務部長、2025年4月 同社常務取締役執行役員管理本部長より現職。
竹崎 啓介 取締役執行役員企画本部長 2007年4月 藤田観光企画本部経営企画部長、2022年3月 同社常勤社外監査役、2025年4月 同社取締役執行役員企画本部長より現職。


社外取締役は、若林英一氏(DOWAホールディングス執行役員)、櫻井和秀氏(京浜急行電鉄取締役常務執行役員)、沼井秀男氏(東京汽船取締役常務執行役員)、武市玲子氏(はとバス代表取締役社長)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役は取締役会において、経営陣から独立した立場で、客観的に同社の業務の適正性に資する助言・提言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社は、各役員の役割や責任に応じた報酬体系を採用しており、金銭のみの固定報酬としています。離島航路の維持という公共的立場や、業績が不確定要素に左右されることから、直接的な業績連動報酬は付与していません。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 4名 84百万円 21.1百万円
監査役(社外除く) 1名 7百万円 7.4百万円
社外役員 6名 12百万円 1.9百万円


なお、役員報酬の総額は1億3148万円であり、対象となる役員の合計は11名です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。