※本記事は、オリジナル設計株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、上下水道に関する建設コンサルタント事業と、ソフトウエア開発・ITエンジニアリングサービスに関する情報処理サービス事業を主な事業としています。公共事業を中心に、調査から施工監理まで幅広く手掛けています。
単体従業員数は333名、連結従業員数は498名です。セグメントは建設コンサルタント事業、情報処理サービス事業の2つです。
主な国内グループ会社は、クラックスシステム(情報処理サービス事業)、日本技術サービス(建設コンサルタント事業)などです。
同社グループは2025年に株式会社クラックスシステムと日本技術サービス株式会社を子会社化し、連結財務諸表の作成を開始しました。報告セグメントも建設コンサルタント事業と情報処理サービス事業の2つに変更されています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
オリジナル設計は、建設コンサルタント事業を主軸とする企業です。同社グループは、サステナビリティ経営を推進し、ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み強化を重視しています。特に社会的な側面では、ワークライフバランスと多様な働き方の実現を目指し、社員一人ひとりのスキルとノウハウを組織全体の総合力へと発展させることを目指しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
オリジナル設計では、平均年齢が40.0歳、平均勤続年数が11.4年となっており、比較的落ち着いた年齢構成と長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。従業員が長く働き続ける傾向があると言えるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,659,116円 |
| 平均勤続年数 | 11.4年 |
| 平均年齢 | 40.0歳 |
| 単体従業員数 | 333人 |
| 連結従業員数 | 498人 |
| 単体のグループ内比率 | 66.9% |
同社は確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。同社は確定給付企業年金制度を、一部の子会社は退職一時金制度や中小企業退職金共済制度を採用しています。
退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。なお、確定給付型の退職給付債務は11.8億円、年金資産は7.0億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
オリジナル設計グループは、魅力ある会社を目指し、ワークライフバランスと多様な働き方を実現することを人材戦略の基本方針としています。社員一人ひとりのスキルやノウハウを組織としての総合力に発展させ、水関連コンサルティングファームへの進化を目指しています。
人材育成においては、若手への技術継承に向けた育成体制の強化、管理職候補となる中堅職員の育成強化、管理職のマネジメント力向上に注力しています。また、ゼネラリストやコンサルタントの育成にも取り組み、社員が定着し成長できる仕組みづくりを進めています。社内環境整備としては、個人に合わせた柔軟な働き方の実現、表彰制度や評価制度の改善、SDGsの取り組みの対外発信など、社会的なプレゼンス向上を目指したコミュニケーション強化を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 3.3% |
| 男性育児休業取得率 | 100.0% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 56.8% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 65.1% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 44.4% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性の育児休暇取得率 | 100.0% |
| 女性育児休業後復職率 | 100.0% |
健康・安全
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ストレスチェック受診率 | 75.2% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
オリジナル設計は、上下水道に関する建設コンサルタント事業と、ソフトウエア開発・ITエンジニアリングサービスに関する情報処理サービス事業を主軸としています。同社グループは、公共事業を主な顧客とし、社会インフラの維持・更新を支えることで収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、上下水道インフラの調査・計画・設計・施工監理などを手掛ける建設コンサルタント事業と、ソフトウエア開発やITエンジニアリングサービスを提供する情報処理サービス事業を展開しています。国内の上下水道インフラは老朽化が進んでおり、計画的な更新や耐震化、浸水対策などのニーズが高まっています。同社グループは、こうした社会課題に対応する形で事業を推進しています。
建設コンサルタント事業
この事業では、主に上下水道に関する調査、計画、実施設計、施工監理といったサービスを提供しています。収益は、国や地方公共団体からの公共事業の受注によって得ています。能登半島地震に関係した災害復旧支援業務や、国土強靱化計画、施設老朽化対策を背景とした業務が増加する傾向にあります。
情報処理サービス事業
この事業は、ソフトウエア開発やITエンジニアリングサービスを主な内容としています。収益は、これらのサービス提供によるものです。スケールメリットの獲得や管理機能の強化、外注売上比率の増加を推進し、継続的な受注拡大の基盤を構築しています。
同社グループの売上高は、主に国内の外部顧客からのものであり、その割合は連結損益計算書の売上高の90%を超えています。また、建設コンサルタント事業においては、日本下水道事業団が主要な顧客の一つとなっています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 建設コンサルタント事業 | - | 75.1億円 |
| 情報処理サービス事業 | - | 10.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近の業績を見ると、売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに、当連結会計年度に具体的な数値が示されています。当連結会計年度より連結財務諸表を作成しているため、前期との比較は行われていません。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | - | - | - | - | 85.2億円 |
| 経常利益 | - | - | - | - | 9.3億円 |
| 経常利益率 | - | - | - | - | 11.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | - | - | - | - | 5.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | - | - | - | - | 91.54 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当連結会計年度において17.1百万円となっています。また、従業員1人あたりの営業利益は1.9百万円です。これらの数値は、同社グループの事業規模と従業員数から算出されたものであり、組織全体の収益創出力と効率性を示す指標となります。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | 17.1百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | - | 1.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
オリジナル設計は、財務の安定性を保ちつつ、将来に向けた成長投資を積極的に行っている段階です。本業で得た資金を投資に回し、事業基盤の強化を図っている状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は66.1%となっており、プライム市場の平均(製造業46.8%、非製造業24.2%)と比較しても高い水準にあります。これは強固な財務基盤を有していることを示しています。ROE(自己資本利益率)は6.9%であり、プライム市場平均の9.4%を下回っています。
手元資金である現金及び預金は39.9億円あり、不測の事態や事業投資に充てる資金を確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループが安定した経営を維持し、従業員の雇用や給与の安定性にも寄与する基盤を持っていることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 70.6億円 | 79.0億円 |
| 自己資本比率 | - | 66.1% |
| ROE(自己資本利益率) | - | 6.9% |
| 現金及び預金 | 31.3億円 | 39.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは6.0億円の獲得となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上や売上債権の増加によるものです。本業で安定的に資金を生み出している状況を示しています。
投資活動によるキャッシュ・フローは△15.0億円の使用となりました。これは主に企業結合に伴う子会社株式の取得によるものであり、将来の成長に向けた積極的な投資を行っていることを示しています。財務活動によるキャッシュ・フローは13.1億円の獲得となっており、主に企業結合に伴う長期借入によるものです。
結果として、フリーキャッシュ・フローは△8.9億円となりました。本業で得た資金を上回る投資を行っているため、現在は成長投資フェーズにあると言えます。この状況は、同社グループが事業拡大と競争力強化に注力しており、将来的な成長が期待できる一方で、短期的な資金流出が続いていることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | 6.0億円 |
| 投資CF | - | △15.0億円 |
| 財務CF | - | 13.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | △8.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、公共事業分野の受注比率が高い割合を占めています。地方公共団体の税収や財政支出、政府の予算編成動向により、受注高や利益に影響を及ぼす可能性があります。
また、数多くの職種にわたり専門知識を要するプロジェクトがあるため、成果図書の品質に不備が発生した場合、修補対応が必要となり業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少により、人材獲得は年々厳しくなっています。人材の確保や後進の育成が計画に満たない状況が続くと、生産体制が脆弱化し、事業活動に支障をきたすことで業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
オリジナル設計は、人々の生活に不可欠な上下水道インフラの持続・発展を支援する事業を軸に、地域社会やSDGsの達成に貢献することを目指しています。企業業績と従業員満足度の向上、株主価値の増大を図ることを基本方針としています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
オリジナル設計グループは、「生活環境の保全に貢献する」「たゆまざる努力と先端技術の開発とによって卓越したテクノロジーを提供する」「社会の信頼を基盤として企業の発展と社員の福祉増進を追求する」を基本理念としています。この理念に基づき、人々の生活に不可欠な上下水道インフラの持続・発展を支援する事業を軸としています。地域社会やSDGs(国連で定められた持続可能な開発目標)の達成に貢献し、企業業績と従業員満足度の向上、株主価値の増大を図ることを基本方針としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
オリジナル設計グループは、永続的な存続のために社会的責任を果たすことを重視し、サステナビリティの方針を定めて経営と一体で取り組んでいます。ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組み強化を持続的発展の基盤と位置づけています。ステークホルダーからの信頼に応え、持続的社会の実現に貢献するため、法令遵守を徹底し、公正かつ透明性の高い企業経営を推進しています。
同社グループは、社員一人ひとりのスキル・ノウハウを組織としての総合力へと発展させ、ワークライフバランスと多様な働き方を実現することを目指しています。個人に合わせた柔軟な働き方や、表彰制度・評価制度の改善、SDGsの取り組みの対外発信を通じたコミュニケーション強化にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
オリジナル設計グループは、従業員の健康に留意した労務管理を徹底し、成果品の納品に努めることを課題としています。また、執行体制が脆弱な中小自治体の上下水道持続確保のため、広域化・共同化において民間企業としての信頼性と柔軟性を高め、官民連携事業に積極的に取り組んでいます。
DX推進関連事業への積極的な営業活動を展開するため、国内外の産官学とのネットワークやグループインしたシステム開発企業の開発力を活用しています。さらに、テレワークや生成AIの積極的な活用、カスタムメイド勤務制度など、多様な選択肢を備えたウェルビーイング経営を推進し、社員が健康増進に取り組み、新たな仲間が増える企業を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
オリジナル設計は、取締役会と監査役会を基本としたコーポレート・ガバナンス体制を採用しています。意思決定・監督機能と業務執行機能を分離するため、執行役員制度を導入しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である東京スペックスです。上位の株主には、事業会社や投資会社が名を連ねており、特定の株主グループが一定の影響力を持つ資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 東京スペックス | 33.66% |
| UHPartners2 | 9.08% |
| 光通信 | 7.42% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は菅伸彦氏が務めています。社外取締役比率は20.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 菅 伸彦 | 代表取締役社長 | 1990年4月山一證券株式会社入社、1992年4月同社入社、2010年1月事業戦略本部企画部部長代理を経て、2012年11月より現職。 |
| 牧瀨 統 | 取締役執行役員技術統括 | 1992年4月同社入社、東京支社施設二部長、秋田事務所長などを経て、2024年4月より現職。 |
| 大東 達也 | 取締役執行役員西日本支社長 | 1984年4月機動建設工業株式会社入社、有限会社ティーティーエム、株式会社日建技術コンサルタントを経て、2012年1月同社入社、2025年4月より現職。 |
| 井上 裕之 | 取締役執行役員西日本施設部長 | 1996年4月同社入社、施設部技術四課長、西日本施設部長を経て、2026年3月より現職。 |
社外取締役は、上符勝弘氏(モリモトクオリティ営業担当部長)です。
オリジナル設計は監査役制度を採用している監査役会設置会社です。社外取締役1名、社外監査役2名を選任しており、社外の視点から経営の監督・監査機能を強化しています。社外取締役の上符勝弘氏は、金融グループでの高い見識から取締役会の監督機能強化を、社外監査役の岡田義明氏と宮原晃樹氏は、行政経験に基づく見識と専門知識から監査品質の向上に寄与しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社グループの役員報酬は、取締役の報酬限度額を年額200,000千円、監査役の報酬限度額を年額30,000千円と定めています。取締役の報酬は、代表取締役社長が各役員の役位や経営への貢献度、会社の業績を総合的に勘案して算定しています。監査役の報酬は、常勤監査役と非常勤監査役の職務分担を考慮し、監査役の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 90百万円 | 18.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 5百万円 | 1.8百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。