マルヨシセンター 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

マルヨシセンター 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東証スタンダード上場、香川県を中心に北四国で食品スーパーマーケットを展開する企業です。主力の小売事業に加え、レストラン運営なども手掛けています。2025年2月期の連結業績は、売上高398億円で前期比増収となりましたが、経費増加等の影響で経常利益は1億円と減益になりました。


※本記事は、株式会社マルヨシセンター の有価証券報告書(第65期、自 2024年3月1日 至 2025年2月28日、2025年5月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. マルヨシセンターってどんな会社?


香川県を中心に北四国エリアで地域密着型のスーパーマーケットを展開し、「健康とおいしさ」を提案する企業です。

(1) 会社概要


1961年に日用雑貨販売の有限会社として創業し、1979年にスーパーマーケットへ転換しました。1996年に大阪証券取引所市場第二部へ上場し、2013年には東京証券取引所市場第二部へ上場しました。その後、香川・徳島両県での事業拡大を進めながら、2019年には株式会社イズミと資本業務提携契約を締結しています。

同社グループの従業員数は連結で459名、単体で395名です。筆頭株主は資本業務提携先であるスーパーマーケットチェーンのイズミで、第2位は創業家一族の個人、第3位は取引先持株会となっています。

氏名 持株比率
イズミ 19.81%
佐竹 睦子 9.89%
マルヨシセンター取引先持株会 8.74%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長 CEOは佐竹克彦氏です。社外取締役比率は12.5%です。

氏名 役職 主な経歴
佐竹 克彦 代表取締役会長CEO 2005年フレッシュデポ入社。マルヨシセンター執行役員、取締役副社長、代表取締役社長を経て、2023年3月より現職。
加藤 宏道 代表取締役社長COO兼CFO管理本部長 1980年百十四銀行入行。マルヨシセンター取締役副社長管理本部長、BO戦略本部長などを経て、2023年5月より現職。
伊藤 雅久 取締役副社長CMO兼CIOマーケティング本部長兼経営戦略管掌 2014年入社。経営戦略室マネジャー、執行役員、常務取締役CMOなどを経て、2025年3月より現職。
田村 勉 取締役マーケティング本部副本部長 1998年イズミ入社。同社ゆめタウン店長、九州マート販売部部長などを経て、2024年7月より現職。


社外取締役は、大下秀樹(公認会計士・税理士)です。

2. 事業内容


同社グループは、「小売事業」および「その他」事業を展開しています。

小売事業


香川県を中心とする北四国エリアにおいて、スーパーマーケットを展開し、生鮮食品や加工食品、日用雑貨などを一般消費者に販売しています。また、子会社が食品製造や物流センター運営を行っています。

収益は、来店客への商品販売による代金が主な柱です。運営は、スーパーマーケット事業を同社が担い、食品製造を株式会社フレッシュデポ、物流センター運営を株式会社レックスが行っています。

その他


スーパーマーケット以外の事業として、レストラン運営やモーターボートの販売・保管業などを展開しています。

収益は、レストラン利用者からの飲食代金や、ボートオーナー等からの販売・保管料などから得ています。運営は、レストラン事業を同社が行い、モーターボート関連事業は関連会社の株式会社高松マリーナーが手掛けています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績を見ると、売上高は300億円台後半で推移しており、当期は増収となりました。一方、利益面では経常利益率が1%前後と低水準で推移しており、当期は前期から減益となっています。

項目 2021年2月期 2022年2月期 2023年2月期 2024年2月期 2025年2月期
売上高 397億円 379億円 372億円 383億円 398億円
経常利益 9億円 7億円 3億円 4億円 1億円
利益率(%) 2.4% 1.8% 0.7% 1.0% 0.4%
当期利益(親会社所有者帰属) 5億円 4億円 1億円 1億円 0.1億円

(2) 損益計算書


売上高は増加しましたが、売上総利益率は微増にとどまっています。販売費及び一般管理費の増加により、営業利益は前期と比較して減少しました。

項目 2024年2月期 2025年2月期
売上高 383億円 398億円
売上総利益 91億円 93億円
売上総利益率(%) 23.7% 23.5%
営業利益 4億円 1億円
営業利益率(%) 1.1% 0.3%


販売費及び一般管理費のうち、給料手当及び賞与が48億円(構成比43%)、水道光熱費が10億円(同9%)を占めています。

(3) セグメント収益


主力の小売事業は増収となりましたが、その他事業も売上を伸ばしています。全体としては小売事業が売上の大部分を占める構造です。

区分 売上(2024年2月期) 売上(2025年2月期)
小売事業 382億円 397億円
その他 1億円 1億円
連結(合計) 383億円 398億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


**健全型**:本業の営業活動でキャッシュを獲得しつつ、将来への投資や借入返済を行っている状態です。

項目 2024年2月期 2025年2月期
営業CF 15億円 4億円
投資CF -7億円 -7億円
財務CF -7億円 -0.7億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は0.5%で市場平均を下回っており、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は18.5%で市場平均を下回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「健康とおいしさ(健康民主主義、おいしさ民主主義)」を経営理念としています。小売事業等を通じて、地域のお客様により健康的で豊かな食を中心とした生活シーンを提案し、豊かな食生活の実現に寄与することを企業使命としています。

(2) 企業文化


「マルヨシクオリティー」の追求を掲げ、味や品質だけでなく、楽しさや便利さにもこだわる姿勢を重視しています。商品情報の提供や食卓シーンの提案などを行い、顧客満足度の向上を目指すとともに、全員参加型の経営や実行スピードの向上を図る文化があります。

(3) 経営計画・目標


長期ビジョン達成に向け、「マネジメント」「戦略」「マーチャンダイジング」「業務」の4つのイノベーションに取り組んでいます。個店別商圏シェアの拡大や、製・配・販の全体最適化、独自の差別化商品開発などを推進しています。

(4) 成長戦略と重点施策


「マルヨシクオリティー」を追求し、時間帯別売場管理やデジタルサイネージ活用による売場作りを強化します。また、イズミとのシステム・仕入・物流統合によるコスト削減や効率化、製造商品の選択と集中による生産性向上、省エネ投資による経費削減などに取り組み、利益拡大を目指します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


「健康とおいしさ」を通じた地域貢献のため、「人材」を最も重要な資本と位置づけています。自ら考え行動できる人材を求め、目標管理制度や各種研修、特命職務手当などを導入しています。また、ダイバーシティ推進や女性活躍支援、健康経営にも注力しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年2月期 44.3歳 17.8年 4,883,000円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 6.9%
男性育児休業取得率 33.3%
男女賃金差異(全労働者) 49.4%
男女賃金差異(正規雇用) 75.8%
男女賃金差異(非正規雇用) 89.0%


また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、育児休暇の取得率(女性)(100%)、総合職採用に占める女性の割合(0.0%)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 競合について


小売業界はオーバーストア状態で、同業他社や異業態との競争が激化しています。業績予想には一定の影響を織り込んでいますが、予想を超える競合状況が生じた場合、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 衛生管理について


食品加工工場や店舗においてISO9001や基準書に基づく衛生管理・鮮度管理を徹底していますが、食中毒などの衛生管理上の問題が発生した場合、社会的信用の低下を招き、業績に影響を与える可能性があります。

(3) 食品の安全性について


鳥インフルエンザやBSEなどの伝染病の影響により、商品の供給停止や価格高騰、消費者の不安による買い控えなどが起きた場合、経済的・社会的要因により経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。