※本記事は、株式会社ASIAN STAR の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、不動産販売事業、不動産管理事業を主軸に、不動産賃貸、不動産仲介、投資・アセットマネジメント・コンサルティング事業を展開しています。国内外で多角的な不動産サービスを提供しています。
単体従業員数は32名、連結従業員数は76名です。セグメントは不動産販売事業、不動産管理事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業、投資・アセットマネジメント・コンサルティング事業の5つです。
主な国内グループ会社は、グリフィン・パートナーズ、ASIAN STAR INVESTMENTS、亜星源、JBC2号投資事業組合などです。
ASIAN STARグループは、中期経営計画に基づき投資・アセットマネジメント・コンサルティング事業を強化しました。また、国内子会社との事業統合も実施しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ASIAN STARは、不動産総合サービスを基盤に、日本とアジアをつなぐ事業を展開しています。従業員一人ひとりの能力を最大限に引き出す環境整備を重視しており、専門性の高い人材育成に注力していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が40代半ばであり、平均勤続年数も8年を超えています。このことから、従業員が長期的にキャリアを築きやすい環境であることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,131,000円 |
| 平均勤続年数 | 8.1年 |
| 平均年齢 | 44.2歳 |
| 単体従業員数 | 32人 |
| 連結従業員数 | 76人 |
| 単体のグループ内比率 | 42.1% |
ASIAN STARグループは、確定給付型の退職給付制度を採用しています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。
この制度は同社および国内連結子会社に適用されています。
退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ASIAN STARは、持続的な成長のために、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境整備を最重要課題の一つと位置付けています。
具体的には、女性活躍の推進や次世代を担う若手社員の育成に注力し、高度な専門性の確保を重視しています。
各種公的資格の取得推奨や資格手当制度の拡充を通じて、個々の専門能力を適切に評価し、還元する体制を構築することで、組織全体の競争力強化を図っています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、育児介護休業法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 62.5% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 114.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 121.6% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 81.1% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ASIAN STARは、不動産関連事業を多角的に展開し、不動産販売を主軸に収益を上げています。不動産管理や賃貸、仲介、投資事業も手掛けており、幅広い不動産サービスを提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に不動産販売事業、不動産管理事業、不動産賃貸事業、不動産仲介事業、投資・アセットマネジメント・コンサルティング事業の5つの報告セグメントで構成されています。不動産販売事業が同社グループの収益の大部分を占めており、当連結会計年度も最も大きな割合を占めました。
不動産販売事業
マンション、戸建て、土地の企画・販売を行っています。実需用マンションや投資用マンションの買取再販、レジデンス物件の販売が堅調に推移しています。収益は、これらの企画・販売から得ています。
不動産管理事業
不動産の管理業務を行っており、賃貸管理業務や建物管理業務を安定的に提供しています。収益は、不動産の管理サービスから得ています。
不動産賃貸事業
サブリース事業や、同社グループが所有する不動産の賃貸を行っています。中国子会社における賃貸料収入も増加傾向にあります。収益は、サブリースや所有不動産の賃貸から得ています。
不動産仲介事業
不動産の仲介業務を行っており、賃貸仲介業務と売買仲介業務の両方が堅調に推移しています。収益は、不動産の仲介サービスから得ています。
投資・アセットマネジメント・コンサルティング事業
株式・債券等の売買を行う投資事業のほか、不動産ファンドの組成、海外投資家の日本進出サポート、資産運用、コンサルティング事業を展開しています。収益は、これらの投資・コンサルティングサービスから得ています。
同社グループの売上高のうち、約1割強が中国からの収益となっており、海外事業も展開しています。また、不動産販売事業において、株式会社エーシークリエイトへの売上高が一定の割合を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 不動産販売事業 | 19.9億円 | 29.0億円 |
| 不動産管理事業 | 6.7億円 | 6.5億円 |
| 不動産賃貸事業 | 3.7億円 | 4.5億円 |
| 不動産仲介事業 | 3.2億円 | 3.5億円 |
| 投資事業 | - | 1.9億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、直近5年間で売上高、経常利益ともに増加傾向にあります。特に当連結会計年度は、売上高が大きく伸長し、それに伴い営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も大幅に増加しました。これは不動産販売事業の堅調な推移が主な要因となっています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 25.4億円 | 24.9億円 | 21.3億円 | 33.5億円 | 45.4億円 |
| 経常利益 | 4百万円 | 43百万円 | 48百万円 | 60百万円 | 1.8億円 |
| 経常利益率 | 0.2% | 1.7% | 2.2% | 1.8% | 4.1% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △22百万円 | 55百万円 | 41百万円 | 18百万円 | 1.1億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △1.12 | 2.88 | 1.94 | 0.78 | 4.77 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から増加しています。これは、事業規模の拡大と効率性の向上が進んでいることを示しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から大きく増加しており、収益性の改善が見られます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 40.4百万円 | 59.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.6百万円 | 2.6百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ASIAN STARの財務状況は、事業活動と投資活動を通じて資金を積極的に活用している段階を示しています。現在の資金の流れから、同社グループが成長に向けた投資を重視していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ASIAN STARの財務基盤を見ると、当期末の純資産は23.5億円となっています。自己資本比率は58.3%であり、非製造業のプライム市場平均(24.2%)と比較して高い水準を示しています。これは、同社グループの財務的な安定性を示す一つの指標となります。
ROE(自己資本利益率)は5.0%で、前期の0.8%から改善しています。プライム市場平均の9.4%と比較すると、今後の収益性向上が期待される状況です。手元資金である現金及び預金は12.2億円となっており、事業運営に必要な流動性を確保していることがうかがえます。これらの財務状況は、同社グループが事業を継続していく上での安定性を示しており、入社後の雇用や給与の安定性にも影響を与える要素となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 22.9億円 | 23.5億円 |
| 自己資本比率 | 66.8% | 58.3% |
| ROE(自己資本利益率) | 0.8% | 5.0% |
| 現金及び預金 | 13.1億円 | 12.2億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ASIAN STARのキャッシュフローを見ると、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュフローは2.0億円の支出となりました。これは主に売上債権や棚卸資産の増加によるものであり、レジデンス物件の仕入れ取得に伴う販売用不動産の増加が影響しています。前期は5.7億円の収入であったことから、資金の動きが大きく変化しています。
投資活動によるキャッシュフローは5.8億円の支出となり、前期の2.7億円の支出から増加しています。これは連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得や定期預金の預入、短期貸付による支出が主な要因です。フリーキャッシュフローは7.9億円の支出となっており、本業で得た資金を上回る投資を行っている状況を示しています。
財務活動によるキャッシュフローは5.9億円の収入となり、前期の2.8億円の支出から大きく転換しています。これは主に有利子負債の借入による収入が増加したためです。同社グループは事業拡大のための投資を積極的に行っており、その資金を借入によって賄っている状況です。これは、今後の成長を見据えた事業展開を進めていることを示しており、転職を検討する上では、同社グループの成長戦略と事業リスクを合わせて理解することが重要となります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 5.7億円 | △2.0億円 |
| 投資CF | △2.7億円 | △5.8億円 |
| 財務CF | △2.8億円 | 5.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 3.0億円 | △7.9億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、中国においてサービスアパートメントの運営・管理やワンルームマンションの賃貸事業を展開しており、中国の経済状況の変化が管理収入や稼働率に影響を及ぼす可能性があります。また、収益不動産の仕入れにおいては、契約後に隠れた瑕疵が発見されたり、市況の変化により商品市場性や流動性が低下したりするリスクがあります。これらの要因は、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の確保と定着を重要な経営課題と認識しています。しかし、従業員の定着度が高まらない場合や、雇用の需給関係から求める人材が十分に確保できない場合、同社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ASIAN STARは、不動産・金融・アジアネットワークを核に、日本とアジアを繋ぐ架け橋として持続的な成長を目指す企業です。顧客満足と社会的責任を重視し、従業員の専門性向上にも力を入れています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「日本とアジアをつなぐ信頼の架け橋として、地域と共に輝き、持続可能な成長を実現する」という企業理念を掲げています。不動産・金融・アジアネットワークの結合をコアバリューとしています。
日本とアジアの国境を越えた資産運用と事業機会を創出することで、ステークホルダーの皆様に常に新たな価値を提供することを目指しています。これにより、中長期的に成長・発展し続ける企業となることを目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、顧客満足の提供を通じて社会に貢献し、社会的責任を果たすことを経営の基本方針としています。サステナビリティに関する課題への対応では、各種規程および制度の整備を通じ、コンプライアンスを徹底した事業活動を推進する企業風土です。
持続的な成長のため、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境整備を最重要課題の一つと認識しています。具体的には、女性活躍の推進や次世代を担う若手社員の育成に注力し、高度な専門性の確保を重視するカルチャーがあります。
各種公的資格の取得推奨や資格手当制度の拡充を通じ、個々の専門能力を適切に評価・還元する体制を構築することで、組織全体の競争力強化を図っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、継続的かつ安定的に成長できる事業基盤の構築を目指し、不動産管理事業等の「ストック型フィービジネス」を強化しています。この事業基盤を土台として、不動産販売事業の拡大と新たな収益の柱となる新規事業への取り組みを強化していく方針です。
具体的な対処すべき課題として、不動産販売物件の仕入件数増加、賃貸管理戸数の増加、金融機関への対応強化、投資家層の開拓を挙げています。これらの課題を通じて、企業価値・株式価値の向上を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ASIAN STARは監査等委員会設置会社として、取締役会の監査・監督機能の強化を図っています。迅速な意思決定と経営の効率化を目指した体制が構築されています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ASIAN STARの筆頭株主はD&W INTERNATIONAL DEVELOPMENT LIMITEDです。同社は徳威国際発展有限公司からの管理委託を受けており、議決権行使の指図権は徳威国際発展有限公司が留保しています。この資本構成は、特定の株主グループが経営に影響力を持つ特徴を示しています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| D&W INTERNATIONAL DEVELOPMENT LIMITED | 20.65% |
| KGI ASIA LIMITED-CLIENT ACCOUNT | 12.09% |
| Boom Securities (H.K.) Limited-Clients'Account | 4.68% |
なお、筆頭株主であるD&W INTERNATIONAL DEVELOPMENT LIMITEDが所有する株式4,900,000株については、徳威国際発展有限公司が議決権行使の指図権を留保している旨の報告を受けています。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は渡邉智彦氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 呉 文偉 | 代表取締役会長 | 1993年9月上海徳威国際貿易有限公司董事長兼総経理、2012年3月同社取締役、2015年3月同社取締役会長を経て、2025年3月より現職。 |
| 渡邉 智彦 | 代表取締役社長 | 1989年4月東京銀行入行、三菱証券出向、三菱セキュリティーズ(シンガポール)社長などを経て、2025年3月より現職。 |
| 唐 偉中 | 取締役 | 2001年10月東莞石龍京セラ光学有限公司営業本部長補佐、2018年3月柏雅資本集団控股有限公司(香港)総経理、2020年4月同社執行役員を経て、2024年3月より現職。 |
社外取締役は、永田達也氏(元LIXIL上席執行役員・監査等委員・指名・報酬委員会委員長)、王璐氏(大成法律事務所シニアパートナー・監査等委員・監査等委員会委員長)です。
同社は監査等委員会設置会社です。社外取締役は、経営陣から独立した客観的な立場で、取締役会の意思決定に対する助言や監督機能を担っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ASIAN STARの取締役報酬は、役位や役割に応じた固定報酬と、業務内容に応じた業績連動報酬を基本としています。中長期的な企業成長への貢献度や会社の業績、個人の評価などを総合的に勘案して決定されます。業績連動報酬の指標には連結営業利益が用いられています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 70百万円 | 23.3百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 4百万円 | 4.5百万円 |
| 社外役員 | 2名 | 9百万円 | 4.5百万円 |
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