※本記事は、
株式会社SM ENTERTAINMENT JAPAN
(旧会社名 株式会社ストリームメディアコーポレーション)
の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
SM ENTERTAINMENT JAPANは、エンターテインメント事業とライツ&メディア事業を展開しています。SMEアーティストの日本における独占マネジメントやコンサート企画運営、韓国コンテンツの放送・配信、関連する諸権利の取得・事業化をグループ各社とともに展開しています。
単体従業員数は104名、連結従業員数も104名です。セグメントはエンターテインメント事業、ライツ&メディア事業の2つです。
主な国内グループ会社は、エブリシングジャパン(ー)などです。
SM ENTERTAINMENT JAPANは、旧会社名であるストリームメディアコーポレーションから現在の社名に変更しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
SM ENTERTAINMENT JAPANは、エンターテインメント事業を主軸とする企業です。同社グループは人的資本を経営戦略上の最重要課題と位置づけ、多様な人材の確保と育成、働きやすい環境づくりに注力しています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、若手から中堅層が中心となっており、平均的な勤続年数を示しています。人材の定着と成長を支援する環境が整えられていることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,067,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.5年 |
| 平均年齢 | 38.5歳 |
| 単体従業員数 | 104人 |
| 連結従業員数 | 104人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
同社及び連結子会社は、確定給付型の制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)として、退職一時金制度及び確定給付企業年金制度を設けています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、人を付加価値の源泉として最も価値ある資本と捉え、人的資本を守り強化していくことが経営戦略上の最重要課題であると位置づけています。多様な知見・スキル・価値観を有する人材の確保と育成が不可欠であると認識しており、年齢・性別・国籍を問わず、多様性を尊重し、活力ある人材の積極的な登用を推進しています。
具体的には、リファラル採用制度の導入や外部の高度な専門ノウハウを持つ人材の積極的な受け入れ、定年後再雇用制度規程の整備を通じて、多彩な人材獲得に努めています。また、LGBTQ+への理解促進や外国籍スタッフの登用も積極的に推進しています。
女性の活躍推進においては、若手社員へのキャリアプラン意識付けや、リーダーシップの高い女性従業員へのキャリアアップ環境・制度整備に注力しています。外部講師によるキャリア開発研修や管理監督者を含めた企業全体の意識改革も実施しています。男性の育児休業取得率向上に向けては、育児休業に関する理解促進のための個別面談を実施し、性別を問わず育児休業が取得しやすい環境整備を進めています。
人的資本における健康経営も重視しており、OJTを通じた実務スキルの習得を基本としつつ、即戦力となる外部経験者の知見を積極的に取り入れています。従業員一人ひとりに裁量を持たせることで「やりがい」と「自律性」を引き出し、現場のニーズに基づいた実践的な研修プログラムを順次導入しています。メンタルヘルス支援としてオンライン相談窓口「Smart相談室」を設置し、コンプライアンス研修やハラスメント研修、新入社員への定期的な個人面談も実施しています。ワークライフバランスの推進では、法定の有給休暇に加え、年4日間の「リフレッシュ休暇」を導入しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づく公表義務の対象項目として選択しておらず、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 42.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
育児・介護支援
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休暇の取得率 | 100% |
健康・安全
ストレスチェックの運用改善のため、2025年度のストレスチェックは2026年3月に実施を予定しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| ストレスチェック受検率 | - |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 有給休暇取得率 | 48% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
SM ENTERTAINMENT JAPANは、エンターテインメント事業とライツ&メディア事業を主軸に展開する企業です。同社グループは、多様なコンテンツとアーティスト活動を通じて収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、アーティストのマネジメントやイベント企画運営を行うエンターテインメント事業と、韓国コンテンツの放送や版権事業を行うライツ&メディア事業を展開しています。コンサートやグッズ販売、音楽制作、ファンクラブ運営など多角的な活動から収益を得るエンターテインメント事業と、放送サービスやコンテンツの権利ビジネスから収益を得るライツ&メディア事業が特徴です。
エンターテインメント事業
SMEアーティストの日本における独占マネジメント、コンサート開催、音楽活動、グッズ販売、各種メディア出演等の企画運営を行っています。また、他社所属の有名韓国アーティストの日本活動支援も手掛けています。収益は、コンサート、CD/DVD、グッズ販売、音楽事業、広告起用などから得ています。
ライツ&メディア事業
自社テレビ局KNTVにおいて、CS放送、CATV、IPTVでの有料放送サービスを展開しています。韓国地上波の大型ドラマを中心に、ニュース・K-POP・バラエティなどの韓国コンテンツを放送し、テレビCMや日本語字幕制作、番組版権販売も行っています。収益は、放送権、配信権、商品化権などの関連諸権利の取得・事業化、オンライン配信事業などから得ています。
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が連結損益計算書の売上高の90%を超えており、国内事業が中心となっています。主要な顧客への販売実績はエンターテインメント事業に集中している傾向が見られます。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| エンターテインメント事業 | 72.6億円 | 78.2億円 |
| ライツ&メディア事業 | 24.5億円 | 23.8億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で増加傾向にあります。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、直近2期は黒字を維持しているものの、当期は前期から減少しました。特に、過去には経常損失や親会社株主に帰属する当期純損失を計上した期もありました。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 56.3億円 | 70.8億円 | 89.1億円 | 97.2億円 | 102億円 |
| 経常利益 | △6.3億円 | △3.7億円 | 1.9億円 | 3.7億円 | 1.9億円 |
| 経常利益率 | △11.2% | △5.2% | 2.1% | 3.9% | 1.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △2.9億円 | △3.0億円 | 2.6億円 | 7.9億円 | 3.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △2.47 | △2.62 | 2.26 | 6.80 | 3.24 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高(連結)は前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益(連結)も前期から減少しており、生産性の改善が課題となっていることがうかがえます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 106.8百万円 | 98.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 4.0百万円 | 1.7百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
SM ENTERTAINMENT JAPANグループは、財務基盤が安定しており、事業活動で得た資金を元手に投資も行っている状況です。手元資金も厚く、堅実な経営状況を示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は49.8%であり、プライム市場の非製造業平均(24.2%)と比較して高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は5.3%で、前期の11.8%から減少しています。手元資金である現金及び預金は37.0億円と、前期から増加しており、不測の事態への耐性も確保されている状況です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 77.8億円 | 79.2億円 |
| 自己資本比率 | 48.0% | 49.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 11.8% | 5.3% |
| 現金及び預金 | 24.5億円 | 37.0億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは14.2億円のプラスとなりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権、棚卸資産の減少などが主な要因です。投資活動によるキャッシュ・フローは△0.5億円のマイナスとなり、有形固定資産の取得や会員権の取得による支出が発生しています。
財務活動によるキャッシュ・フローは△1.1億円のマイナスで、配当金の支払額が主な支出となっています。結果として、フリーキャッシュ・フローは13.6億円のプラスとなり、本業で得た資金が投資を上回る状況です。このキャッシュ・フローの状況は、同社グループが安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も着実に進めていることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △5.6億円 | 14.2億円 |
| 投資CF | 5.9億円 | △0.5億円 |
| 財務CF | △0百万円 | △1.1億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 0.3億円 | 13.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、韓国有数のアーティストの日本におけるマネジメントやイベント開催を中心事業の一つとしています。主要な男性アーティストや男性アイドルが兵役のため活動を休止する場合、ファン離れが生じ業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ヒットコンテンツの有無やアーティストとの契約継続も業績に影響を与える可能性があります。
また、ドラマ等映像作品をはじめとしたコンテンツを主に韓国から調達しており、外貨建の取引において為替レートリスクに晒されています。韓国コンテンツの価格高騰や市場供給量の減少により、版権の獲得が困難な状況も業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業発展のために多様な知見やスキル、価値観を持った人材の確保や育成が重要であると認識しています。エンターテインメント業界では専門性の高い経験者(優秀なマネージャー及びプロデューサー)が慢性的に不足しており、人材獲得競争の激化や必要な人材の流出が生じた場合、事業活動に支障が生じ業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
SM ENTERTAINMENT JAPANは、韓流ビジネスを主軸とするメディアコンテンツ企業として、人々の生活を豊かにし、社会貢献を目指しています。変化の激しいエンターテインメント市場において、独自の価値創造と持続的な成長を追求する企業風土が特徴です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は、韓流ビジネスを主軸としたメディアコンテンツ企業として、人々の生活をより楽しく、より豊かにし、社会貢献することです。経営の基本方針として、常に利用者・顧客の視点に立ったサービスに努め、社員をはじめとした構成員の自主性を尊重し、その資質を充分に発揮できる企業文化の育成を目指しています。
また、社会、株主、取引先、構成員等のステークホルダーに対し中長期的観点に立って利益の還元を行えるよう収益の確保と拡大に努め、企業価値向上を経営の基本方針としています。中長期的には、日本拠点が主体となって市場を分析し、独自の価値を創出して世界へ発信する「能動的な経営体制」への転換を推進しています。特定のアーティストの動向に依存しない持続的な成長と、時代に左右されないエンターテインメントの提供を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員をはじめとした構成員の自主性を尊重し、その資質を充分に発揮できる企業文化の育成に努めています。サステナビリティ戦略において「人」を付加価値の源泉として最も価値ある資本と捉え、人的資本の強化を最重要課題と位置づけています。
多様な知見・スキル・価値観を有する人材の確保と育成が不可欠であると認識し、年齢・性別・国籍を問わず、多様性を尊重した活力ある人材の積極的な登用を推進しています。LGBTQ+への理解促進や働きやすい環境整備を積極的に進め、多様なバックグラウンドを持つ従業員が互いの個性を尊重し合うことで、既存の枠組みに捉われない新たなエンターテインメントの創出を目指すカルチャーです。グローバル市場、特に韓国市場とのシームレスな連携を強化するため、韓国出身者を含む外国籍スタッフの登用を積極的に推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、人的資本の強化とコンプライアンス及びリスク管理の徹底を経営戦略と一体化させて推進しています。重点的に管理すべきリスクとして、人的資本リスク、コンプライアンス及び情報セキュリティリスクへの対応を挙げています。
人的リソースの最適化による製作コストの抑制と経営効率の向上を図るとともに、外部の専門的な知見や即戦力を戦略的に活用する運営体制へのシフトを進めています。オリジナルIP(知的財産)の発掘・育成へ重点的に経営資源を配分し、新人ガールズグループ「GPP」やバーチャルアーティストの市場浸透を最優先に取り組んでいます。内部通報制度(ホットライン)の整備を通じて、不正やコンプライアンス違反の早期発見と透明性の高い持続可能な経営基盤の構築に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
SM ENTERTAINMENT JAPANは監査役会設置会社であり、取締役の業務執行の監督及び監査を行っています。取締役会は社外取締役を含む4名で構成され、経営の透明性と健全性を確保するための体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
SM ENTERTAINMENT JAPANの株主構成を見ると、筆頭株主はSMEJ Holdingsです。上位の株主には、KOREA SECURITIES DEPOSITORY-SAMSUNGやKSD-MIRAE ASSET SECURITIES(CLIENT)といった海外の証券保管機関やその代理人が名を連ねています。これにより、特定の株主グループが同社グループの経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| SMEJ Holdings | 66.07% |
| KOREA SECURITIES DEPOSITORY-SAMSUNG | 7.51% |
| KSD-MIRAE ASSET SECURITIES(CLIENT) | 7.22% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は金東佑氏が務めています。社外取締役比率は25.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 金 東佑 | 取締役社長(代表取締役) | 2004年2月株式会社エスエム・エンタテインメント(韓国)入社、2014年4月株式会社エスエム・エンタテインメント・ジャパン(現 SMEJ Holdings)マネージメント室長、2017年3月同社取締役、2022年2月同社代表取締役社長より現職。 |
| 許 星振 | 取締役 ライツ&メディア部門長 | 2010年9月株式会社アクロス営業部長、2014年11月同社商品事業本部長、2016年3月同社取締役商品事業本部長、2022年4月同社取締役ライツ&メディア部門長より現職。 |
| 金 亨柱 | 取締役 財務管理部門長 | 2002年11月三逸会計法人(韓国PwC)入所、2004年6月公認会計士登録(韓国)、2019年6月株式会社ブライブ代表取締役、2024年3月同社取締役財務管理部門長より現職。 |
社外取締役は、金紀彦氏(弁護士)です。
同社は監査役会設置会社を採用しており、取締役の業務執行の監督及び監査を行っています。社外取締役は、独立した中立的な立場から経営判断を行い、意思決定の健全性と透明性、コンプライアンスやガバナンスの強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
SM ENTERTAINMENT JAPANの役員報酬制度は、固定報酬である基本報酬と非金銭報酬であるストック・オプションで構成されています。同社グループは、中長期的な企業価値向上へのインセンティブとして、今後業績連動報酬の導入を検討しています。監査役の報酬は、株主総会で決議された限度額内で監査役会の協議により決定されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 1.1億円 | 27.1百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 9.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 6百万円 | 2.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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