※本記事は、株式会社CLホールディングス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
CLホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は43名、グループ連結従業員数は605名です。
同社グループは、連結子会社8社で構成されており、顧客企業にマーケティングサービスを提供しています。エクスペリエンスとエンターテインメントを掛け合わせた「エクス・テインメント」ビジネスを推進し、広告・販促のマーケティング市場、物販市場、エンタメコンテンツ市場など多岐にわたる領域で事業を展開しています。
主な国内グループ会社は、レッグス(マーケティング・サービス事業)、エルココ(プライズ事業)、エルティーアールなどです。
2025年12月期には、株式会社岐阜クリエートの全株式譲渡により連結範囲から除外され、また株式会社エルココは株式会社プラグワンに名称変更しました。低収益事業の縮小・撤退など、事業ポートフォリオの見直しも進められています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
CLホールディングスは、理念型経営を基盤とし、人的資本の強化を重視する企業グループです。多様な人材が能力を最大限に発揮できる環境を目指し、グループ全体で人材育成と働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も一定の期間を示しています。これは、従業員が比較的長く在籍し、経験を積んでいる傾向があることを示唆しています。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,167,960円 |
| 平均勤続年数 | 5.91年 |
| 平均年齢 | 42.97歳 |
| 単体従業員数 | 43人 |
| 連結従業員数 | 605人 |
| 単体のグループ内比率 | 7.1% |
同社には確定給付型の退職給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)があります。この制度は国内グループ会社に適用されます。退職一時金制度があり、勤続年数3年以上の正社員が対象で、退職時の基本給、家族手当、勤続年数に応じた支給率に基づき算定されます。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、理念型経営を基盤とし、人間力を競争優位性の源泉と捉えています。グループ中期戦略において人的資本の強化を注力領域と位置づけ、多様な人材が最大限に能力を発揮できる企業グループを目指しています。
具体的には、理念教育をはじめとする各種教育の実施を通じて人材育成を図っています。また、多様なワークスタイルを実現するための各種制度導入や労働環境の整備、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の推進にも力を入れています。経営人材の育成に向けた制度導入や組織体制の整備も進められています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 7.7% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 53.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 82.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) | 67.4% |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 株式会社レッグス
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 14.9% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 83.3% |
▼ 株式会社CDG
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 29.0% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合(実績) | 21.7% |
| 管理職に占める女性労働者の割合(2030年度目標) | 20.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
株式会社CLホールディングスは、顧客企業に「マーケティングサービス」を提供することで収益を上げています。同社グループは、このマーケティングサービス事業を単一の事業部門として展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、「エクスペリエンス(体験価値)」と「エンターテインメント(エンタメ)」を掛け合わせた「エクス・テインメント」ビジネスを推進しています。これは、広告・販促のマーケティング市場、物販市場、エンタメコンテンツ市場といった既存の市場に対し、PMDサービス、限定流通サービス、テーマカフェサービスなどのオリジナルサービスでアプローチし、新たな市場を創出するビジネスモデルです。
事業運営においては、マーケティング事業領域、ロケーションベースドエンターテインメント事業領域、マーチャンダイジング事業領域の3つの領域に注力しています。当連結会計年度の売上収益は、マーチャンダイジング事業領域のODMMD事業で前期の大幅な増収の反動による落ち込みがあったものの、マーケティング事業領域の流通エンタメ事業やマーチャンダイジング事業領域のエンタメMD事業が好調に推移しました。
収益性の改善に向け、低収益であった国内催事事業およびプライズ事業については、計画の見直しや案件規模の縮小を実施しています。主要な製品・サービスとしては、プレミアム、物販、BPOの収益が増加傾向にあり、VMD、OEM、その他は減少傾向を示しています。同社グループの売上収益は、本邦の外部顧客からのものが大部分を占めています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、売上収益が緩やかな増加傾向にある一方で、利益は変動が見られます。直近の当連結会計年度においては、売上収益は増加し、営業利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は大幅な増益となりました。これは、事業ポートフォリオの見直しや収益性改善の取り組みが着実に効果を上げていることを示しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 320億円 | 321億円 | 363億円 | 383億円 | 390億円 |
| 税引前利益 | 19.8億円 | 7.8億円 | 10.7億円 | 2.8億円 | 13.1億円 |
| 税引前利益率 | 6.2% | 2.4% | 3.0% | 0.7% | 3.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 12.7億円 | 3.6億円 | 5.1億円 | 1.6億円 | 6.3億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 121.27 | 35.29 | 50.35 | 16.10 | 58.13 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益は前期から増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。また、従業員1人あたり営業利益も前期と比較して大きく増加しており、収益性の改善と効率的な事業運営が進んでいることがうかがえます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 61.4百万円 | 64.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.5百万円 | 2.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定的に資金を創出し、投資活動も行いつつ、手元資金を確保している状況です。財務基盤は堅実であり、今後の事業展開にも期待が持てます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期からわずかに減少したものの、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)は前期から大きく改善しており、効率的な経営がうかがえます。手元資金も十分確保されており、不測の事態にも対応できる体制が整っていると言えます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 72.9億円 | 78.4億円 |
| 自己資本比率 | 32.9% | 31.8% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.1% | 8.3% |
| 現金及び現金同等物 | 47.6億円 | 43.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは9.1億円の収入となりました。これは主に税引前当期利益の増加や減価償却費及び償却費による資金の収入があったものの、営業債権及びその他の債権の増加による資金の支出があったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは△5.3億円の支出となりました。これは主にその他の金融資産の取得による支出や有形固定資産の取得による支出があったものの、連結子会社株式の売却による収入があったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは△7.6億円の支出となりました。これは主に短期借入金の純減額、リース負債の返済による支出、長期借入金の返済による支出があったものの、長期借入れによる収入があったことによるものです。結果として、フリーキャッシュ・フローは3.7億円のプラスとなっており、本業で得た資金を投資に回しつつも、余剰資金を生み出している状況です。これは、同社グループが安定した事業運営を継続しながら、将来に向けた投資も行える財務体質であることを示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 10.6億円 | 9.1億円 |
| 投資CF | △7百万円 | △5.3億円 |
| 財務CF | △15.0億円 | △7.6億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 10.6億円 | 3.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、上位10社の顧客企業への売上依存度が概ね4割を占めており、当該顧客企業の経営方針変更が業績に影響を及ぼす可能性があります。また、海外への事業展開を積極化しているため、海外特有の政治・経済情勢、法規制、商習慣などのリスク要因が業績に影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの属する広告・販促業界は、有能な人材の確保や育成に大きく依存する特性があります。そのため、有能な人材の確保または育成が困難な状況に陥った場合、同社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
CLホールディングスは、全社員の成長と幸福を追求し、社会貢献を目指す企業グループです。体験価値とエンターテインメントを融合した「エクス・テインメント」ビジネスを核に、新たな市場を創造しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループの経営理念は、「全社員の成長と物心両面の幸福を追求し、健全な事業活動を通じて、社会の進歩発展に貢献し続けること」です。マーケティングサービスを事業展開の核として、幅広いサービスを提供しています。
中長期的な経営戦略として、「エクスペリエンス(体験価値)」と「エンターテインメント(エンタメ)」を掛け合わせた「エクス・テインメント」ビジネスを加速しています。これは、広告や販促のマーケティング市場、物販市場、エンタメコンテンツ市場にまたがる領域で、エンタメ顧客体験価値を提供するビジネスです。
グループ中期戦略では「グループシナジーを高めて、収益力をさらに強化する。」を掲げ、マーケティング事業領域、ロケーションベースドエンターテインメント事業領域、マーチャンダイジング事業領域の3つに注力しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、理念型経営をベースとした人間力を競争優位性の源泉と捉えています。人的資本の強化をグループ中期戦略における注力領域と定め、多様な人材が最大限に能力を発揮できる企業グループとなることを目指しています。
理念教育やフィロソフィ教育を基本とし、様々な制度を導入して人財育成と経営人財の創出を長期方針としています。また、サステナビリティへの取り組みとして「CLホールディングス サステナビリティ方針」を策定し、SDGsを推進する委員会を設置しています。
品質管理においてはISO9001認証取得や「ISO統合マネジメントマニュアル」の運用を通じて、顧客満足度向上に努めています。コンプライアンス・ガバナンスの強化も重視しており、社外取締役を中心とした委員会を立ち上げ、全社員対象の研修を継続的に実施しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、今後の永続的成長のために、既存事業の推進に加え、継続的に新たな事業を開発し、事業の裾野を拡げていくことを課題としています。事業開発を推進する組織・体制を構築し、既存事業とシナジーが見込める事業領域へのM&A等の投資を進めています。
また、グループにおけるシナジー創出を重要な課題と認識しており、デジタル領域やエンタメコンテンツ領域での機能連携による新商品・新サービス開発やリソース共用を進めています。デジタル化推進においては、CX(顧客体験価値)とEX(従業員体験価値)を両軸としたDX戦略を着実に進めており、特にEXでは生産性向上や収益性向上に向けた社内インフラのデジタル化を推進しています。
サステナビリティへの取り組みとして、グループ各社の事業活動を通じて環境価値・社会価値の創出を目指しています。長期方針である人財育成と経営人財の創出のため、理念教育・フィロソフィ教育を基本とした制度導入や、各事業子会社での経営経験を積ませる取り組みを進めています。さらに、持株会社体制におけるコンプライアンス・ガバナンスの強化や、事業拡大に合わせた経営管理体制の強化も重要な課題としています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
CLホールディングスは、持株会社としてグループ全体の経営を統括しています。経営の健全性、透明性、スピードを重視したコーポレート・ガバナンス体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社グループの筆頭株主は株式会社ジェイユーです。CLホールディングス従業員持株会も上位株主として名を連ねています。特定の株主グループが経営に影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ジェイユー | 40.26% |
| CLホールディングス従業員持株会 | 6.42% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.03% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性12名・女性1名)で構成され、女性役員比率は7.0%です。代表取締役は内川淳一郎氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 内川 淳一郎 | 代表取締役 | 1988年3月同社設立 代表取締役。2021年8月レッグス設立 代表取締役社長。2026年1月同社代表取締役 執行役員社長より現職。 |
| 米山 誠 | 取締役 | 1980年3月京都セラミツク入社。2016年3月同社入社。2022年3月同社取締役経営管理担当より現職。 |
| 山下 聡 | 取締役 | 2002年4月同社入社。2023年1月レッグス代表取締役社長。2026年1月同社取締役執行役員より現職。 |
| 小西 秀央 | 取締役 | 1996年4月CDG入社。2018年6月CDG代表取締役社長。2026年1月同社取締役執行役員より現職。 |
| 石村 満 | 取締役 | 1983年4月東京銀行入社。2021年3月同社取締役より現職。 |
| 松原 靖広 | 取締役 | 1982年4月電通入社。2014年6月電通テック代表取締役社長執行役員。2025年3月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、園部洋士氏(至高法律事務所 代表弁護士)、渡辺尚氏(株式会社フリーダムワン 代表取締役社長)、安田幸代氏(株式会社LegalOn Technologies 事業開発責任者Director)です。
同社は監査役会設置会社です。独立性のある社外取締役および社外監査役による監視機能を充実させ、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
CLホールディングスの役員報酬は、月額の固定報酬、業績に連動する賞与とストックオプション、および譲渡制限付株式報酬で構成されています。2023年4月からは譲渡制限付株式報酬制度を導入し、中長期的な企業価値向上へのインセンティブを高める方針です。報酬の決定は、社外監査役を委員長とする指名・報酬諮問委員会での審議と答申を経て、取締役会で決定されます。社外取締役に対しては、業務執行から独立した立場であるため、原則として固定報酬のみが支給されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 55百万円 | 9.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 14百万円 | 13.9百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 46百万円 | 7.7百万円 |
同社グループの役員報酬総額は115百万円であり、報酬の支給対象となった役員は合計13名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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