※本記事は、
株式会社山田再生系債権回収総合事務所
(旧会社名 株式会社山田債権回収管理総合事務所)
の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
山田再生系債権回収総合事務所グループは、債権管理回収業を主軸に、事業再生や債務整理に関するコンサルティング、不動産・債権のデューデリジェンス業務などを展開しています。また、グループ会社への人材派遣や不動産ソリューション事業も手掛けています。
単体従業員数は231名、連結従業員数は231名です。セグメントはサービサー事業、派遣事業、不動産ソリューション事業、その他の4つです。
主な国内グループ会社は、山田資産コンサル.2.(不動産ソリューション事業)、ワイエスインベストメント.(投資業務)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
山田再生系債権回収総合事務所は、債権回収や派遣事業といった専門性の高いサービスを提供しており、従業員の長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている傾向が見られます。人材の多様性を重視し、働きやすい職場環境の整備にも積極的に取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、比較的落ち着いた年齢構成で、従業員が長期にわたって勤務する傾向にあることがうかがえます。これにより、安定した環境で専門性を高めながらキャリアを築くことが期待できるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,236,435円 |
| 平均勤続年数 | 9年8ヶ月 |
| 平均年齢 | 45歳6ヶ月 |
| 単体従業員数 | 231人 |
| 連結従業員数 | 231人 |
| 単体のグループ内比率 | 100.0% |
山田再生系債権回収総合事務所は、退職金規程に基づく退職一時金制度と確定拠出制度の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、国籍、人種、性別だけでなく、価値観、考え方、能力といった多様性が企業の成長力を高めると認識しています。そのため、いかなる差別や人権侵害も禁止し、役職員一人ひとりが個性と能力を最大限に発揮できる健全で安全な職場環境の整備に積極的に取り組んでいます。
公正な評価に基づいた従業員の能力開発やモラル・アップを通じて組織力の強化を図る方針です。また、従業員が働きやすい就業環境を提供するため、「育児休業制度」や「介護休業制度」などを整備し、社内への周知に努めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
山田再生系債権回収総合事務所は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表項目として、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、および労働者の男女の賃金の差異を選択しておらず、これらのデータは開示されていません。また、連結子会社は公表義務の対象外です。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職候補層に占める女性の割合 | 21.4% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
山田再生系債権回収総合事務所は、債権回収を主軸とするサービサー事業に加え、人材派遣や不動産ソリューション事業を展開し、多角的なビジネスモデルを構築しています。同社グループは、専門性の高いサービスを通じて社会のニーズに応えています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、サービサー事業、派遣事業、不動産ソリューション事業、その他の事業を展開しています。それぞれの事業が異なる顧客層と収益源を持ち、多様なニーズに対応しています。特に派遣事業は、山田グループ内の専門性の高い業務を人材面で支える役割を担っています。
サービサー事業
同社は、債権管理回収業に関する特別措置法に基づき法務大臣から営業許可を受けた債権回収会社です。特定金銭債権の買取や債権管理回収業務の受託を行うほか、事業再生や個人再生、事業承継、廃業支援、債務整理に関するコンサルティングなど、幅広いサービスを提供しています。収益は、債権回収受託手数料や買取債権の回収による収入から得ています。
派遣事業
労働者派遣業および有料職業紹介業を行っています。主に司法書士法人山田合同事務所、土地家屋調査士法人山田合同事務所、株式会社山田エスクロー信託といった山田グループ各社に対し、専門性の高い業務に対応可能な人材を安定的に供給しています。収益は、派遣料収入から得ています。この事業は、特定の山田グループ各社が主要な顧客となっています。
不動産ソリューション事業
株式会社山田資産コンサルが担う事業です。不動産の売買、仲介、賃貸、コンサルティング業務を行っており、特に借地権負担付土地(底地)に関するビジネスに注力しています。底地の評価、売却、借地権者との調整などを通じて、不動産に関する多様な課題解決を支援しています。収益は、不動産販売、仲介手数料等、および不動産賃貸収入から得ています。
その他の事業セグメント
測量業務や投資業務などを行っています。測量業務は土地の有効活用や計画設計を支援し、投資業務は事業再生等を目的とした投資を行うものです。収益は、その他の収益から得ています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 派遣事業 | 12.9億円 | 13.1億円 |
| サービサー事業 | 7.4億円 | 7.3億円 |
| 不動産ソリューション事業 | 2.6億円 | 2.5億円 |
| その他の事業セグメント | - | 1百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近5期の売上高は、概ね横ばいから微減傾向で推移しています。経常利益は変動が見られるものの、当期は前期から減少しました。一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期から増加に転じています。営業利益は前期から大きく増加しました。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 21.9億円 | 23.9億円 | 24.8億円 | 22.9億円 | 22.8億円 |
| 経常利益 | 95百万円 | 86百万円 | 1.7億円 | 1.1億円 | 96百万円 |
| 経常利益率 | 4.4% | 3.6% | 6.7% | 4.6% | 4.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1.4億円 | 77百万円 | 1.2億円 | 50百万円 | 71百万円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 33.93 | 17.98 | 28.26 | 11.66 | 16.73 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
従業員1人あたり売上高(連結)は、当期は前期からわずかに増加しています。従業員1人あたり営業利益(連結)は、当期は前期から増加しており、生産性の向上が見られます。これらの指標は、同社グループの収益体質と組織効率の傾向を示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 9.8百万円 | 9.9百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 0.2百万円 | 0.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループの財務状況は、本業で安定した資金を創出し、手元資金も厚みを増している状況です。これにより、事業活動と投資活動の両面で資金的な余力があることが示されています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率はプライム市場の平均と比較して高い水準にあり、財務基盤の安定性を示しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はプライム市場の平均を下回る水準となっています。
手元資金である現金及び預金は前期から増加しており、不測の事態への耐性も備えている状況です。これらの財務状況は、入社後の雇用や給与の安定性に関わる重要な要素となります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 33.5億円 | 33.7億円 |
| 自己資本比率 | 50.1% | 58.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 1.5% | 2.1% |
| 現金及び預金 | 9.2億円 | 14.7億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループの営業活動によるキャッシュフローは前期から増加し、資金を獲得しています。これは主に買取債権の回収による収入があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローも前期の支出から当期は獲得に転じており、定期預金払戻や出資金の返還、敷金の回収などにより資金が増加しています。財務活動によるキャッシュフローは短期借入金の返済や配当金の支払額により、前期よりも支出が増加しています。
結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは前期から増加し、資金的な余力がある状況です。この資金の流れは、同社グループが本業で安定的に資金を生み出し、事業の継続性や将来的な成長に向けた基盤を維持していることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながるものと考えられます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 6.4億円 | 14.1億円 |
| 投資CF | △0.1億円 | 1.0億円 |
| 財務CF | △4.3億円 | △9.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 6.3億円 | 15.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、買取債権の回収可能性や不動産価格の変動が業績に影響を与えるリスクを認識しています。また、派遣事業において、山田グループ各社への派遣依存度が高いこともリスクとして挙げられています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、不動産・債権に関する高い専門性を持つ人材の確保が求められており、求人・雇用環境の変化や離職者の増加が業績に影響を与える可能性があると認識しています。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
山田再生系債権回収総合事務所は、不動産と債権に関する専門的なサービスを通じて、社会に貢献することを目指しています。顧客第一主義を掲げ、多様なニーズに応える企業文化を築いています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「顧客第一主義」「共存共栄主義」「人材育成主義」「創造的開拓主義」を経営理念としています。ビジネスモデルは「不動産・債権に関するワンストップサービスの提供」であり、不動産・債権(債務)に関する多様なニーズに応えることを意味しています。経営の健全性、コンプライアンス体制の充実を経営の原点としています。
また、同社グループは株主利益の増大を重視し、収益性と資本効率を高めることにより、総合的に企業価値の最大化を図ることを中長期的な目標としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、サービサー事業、派遣事業、不動産ソリューション事業等において、社会的課題に有用なサービスを提供することを通じて、持続可能な社会の実現に寄与することを方針としています。企業活動にあたっては、環境問題を含む企業の社会的責任を常に意識して取り組んでいます。
人材の多様性の確保を重視しており、国籍や人種、性別等に加え、価値観、考え方、能力等の多様性が企業の成長力を増加させると認識しています。いかなる差別や人権侵害にあたる行為も禁止し、役職員一人ひとりが個性と意欲と能力を最大限に発揮できるよう、常に健全かつ安全で衛生的な職場環境の整備に積極的に取り組んでいます。
公正な評価に基づいた従業員の能力開発とモラル・アップを図り、組織力の強化を実現することを方針としています。働きやすい就業環境を提供するため、「育児休業制度」や「介護休業制度」等を整備し、社内への周知に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、サービサー事業において事業再生等の案件獲得と機能強化に注力しています。関係者との協働も重視しており、金融機関、中小企業活性化協議会、投資家、専門家等とのネットワーク拡充に努めています。
派遣事業では、専門性の高い業務に対応可能な人材を継続的に確保することが重要な課題です。人事・教育・研修制度の整備を進め、良好な労働環境を整えるとともに、山田グループ以外の派遣先の確保にも取り組んでいます。不動産ソリューション事業では、借地権負担付土地に関するビジネスにおいて、所有者や借地権者へアクセスする取り組みを継続的に実施しています。山田グループ各社との連携強化も重要なテーマとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
山田再生系債権回収総合事務所は監査役会設置会社であり、取締役会は社外取締役を含む5名で構成されています。社外取締役は弁護士としての経験と見識を持ち、客観的な視点から経営を監督しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
山田再生系債権回収総合事務所の筆頭株主は代表取締役社長である山田晃久氏です。その他、株式会社ワイ・エス・シーや株式会社横浜銀行が上位株主として名を連ねています。創業者が筆頭株主であることから、創業家が同社の経営に強い影響力を持っている資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山田 晃久 | 35.09% |
| ワイ・エス・シー | 20.42% |
| 横浜銀行 | 4.93% |
| 山田 由紀子 | 4.13% |
| 青山財産ネットワークス | 1.99% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長統括本部長営業本部長は山田晃久氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山田 晃久 | 代表取締役社長 統括本部長 営業本部長 | 1975年7月個人にて山田晃久司法書士・土地家屋調査士事務所開業。1981年10月同社設立、代表取締役社長。2024年6月一般社団法人全国サービサー協会副理事長より現職。 |
| 田中 光行 | 取締役 管理本部長 総務部長 | 2000年4月帝人株式会社入社。2008年3月同社入社。2018年3月同社取締役管理本部長兼総務部長より現職。 |
| 新川 洋司 | 取締役 営業副本部長 東京支店長 | 1986年4月株式会社日本債券信用銀行入行。2010年9月あおぞら債権回収株式会社取締役。2020年3月同社取締役営業副本部長兼東京支店長より現職。 |
社外取締役は、権田修一氏(東京富士法律事務所パートナー弁護士)、小池和正氏(髙橋修平法律事務所パートナー弁護士)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役2名は弁護士としての経験と見識を持ち、客観的な視点から経営に対する監督を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
山田再生系債権回収総合事務所の役員報酬は、基本報酬を月例の固定報酬として現金で支給する体系です。業務執行取締役の基本報酬は、同社グループおよび個人の業績評価を勘案して増減する仕組みとなっています。一方、監督機能を担う社外取締役の報酬は、原則として増減しない基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 3名 | 1.1億円 | 37.8百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.3百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 15百万円 | 3.6百万円 |
同社グループの役員報酬等の総額は1.4億円であり、対象となる役員の総数は8名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。