※本記事は、応用技術株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
応用技術は、ソリューションサービスおよびエンジニアリングサービス事業を展開しています。製造業・建設業の生産性向上や営業活動を支援するシステム提供、データ解析・数値シミュレーション技術をベースにした環境分野の計算・解析サービスを提供しています。
同社の単体従業員数は270名です。セグメントはソリューションサービス事業、エンジニアリングサービス事業の2つです。
応用技術は、製造業・建設業向けのソリューションサービスと、データ解析・数値シミュレーション技術を基盤としたエンジニアリングサービスを本体で提供しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
応用技術は、ITおよび解析技術を基盤に、社会の安全・安心や産業の効率化に貢献する事業を展開しています。専門性の高い技術を活かし、社会課題の解決に取り組む中で、従業員が長期的にキャリアを形成できる環境が整っていると考えられます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均年齢が40代半ば、平均勤続年数が10年を超えており、比較的落ち着いた年齢構成と長期的な人材の定着傾向が見られます。これは、従業員が安定して働き続けられる環境があることを示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,397,000円 |
| 平均勤続年数 | 12.0年 |
| 平均年齢 | 44歳1ヶ月 |
| 単体従業員数 | 270人 |
当社は、確定拠出型年金制度を採用しています(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
応用技術は、技術やノウハウの共有による技術力の強化と品質の向上を重視し、人権や雇用、人材活用における多様性を尊重した採用および人材育成を重要な課題と認識しています。従業員一人ひとりが最大限に能力を発揮し、生産性を向上できる環境や体制の整備に努めています。
具体的には、カジュアルワークの導入や在宅勤務の浸透、資格取得の奨励、学習や挑戦の機会を提供するための基盤構築に取り組んでいます。これにより、風通しの良い企業風土と働きやすい職場環境の構築を目指しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
応用技術は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律および育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 中途採用比率 | 74.2% |
| 中途採用者の管理職への登用比率 | 56.0% |
| 従業員の女性比率 | 19.6% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 年次有給休暇取得日数 | 11.7日 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
応用技術は、ソリューションサービス事業とエンジニアリングサービス事業の二つの柱で事業を展開しています。それぞれの事業を通じて、顧客企業の課題解決と社会の発展に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、製造業や建設業の生産性向上を支援するソリューション提供と、データ解析・数値シミュレーション技術を基盤としたエンジニアリングサービスを主な事業としています。これらの事業を通じて、顧客の業務効率化や事業拡大をサポートし、収益を上げています。
ソリューションサービス事業
ソリューションサービス事業は、製造業や建設業の生産性と品質の向上に役立つソリューションや、営業活動・アフターサービスを支援する独自開発のシステム等を提供しています。製造業向けには営業支援ソリューションや設計支援、保守支援ソリューションを展開し、建設業向けには建設DXによる効率化・省力化を目的としたBIM関連業務を中心にサービスを提供しています。
収益は、営業支援ソリューションの導入やBIM関連の受託開発案件から得ています。前期と比較して売上高は減少しています。
エンジニアリングサービス事業
エンジニアリングサービス事業は、データ解析・数値シミュレーション技術をベースに、主に環境分野を対象にした計算や解析サービスを提供しています。防災系エンジニアリング業務、環境系コンサルティング・まちづくり支援関連業務、建設情報化支援サービス業務が主な柱です。
収益は、洪水対策支援等の水防災業務や水道事業支援業務、公園計画などのまちづくり支援業務、CIM活用コンサルティング業務の売上高から得ています。前期と比較して売上高はわずかに増加しています。
ソリューションサービス事業が同社全体の収益の大部分を占めており、エンジニアリングサービス事業がこれに次ぐ規模となっています。同社の売上高は主に国内の外部顧客から得られており、国内市場が事業の中心です。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| ソリューションサービス事業 | 57.5億円 | 53.5億円 |
| エンジニアリングサービス事業 | 20.9億円 | 21.1億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
直近の業績では、売上高は前期から減少傾向にありますが、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも大幅に増加しています。これは、主要なソフトウェア販売が仲介契約へ移行したことにより、仕入高が大幅に減少したことが主な要因です。利益率も改善傾向にあります。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
応用技術の単体従業員数は270名です。従業員の平均年齢は44歳1ヶ月、平均勤続年数は12年0ヶ月となっており、比較的長く勤める従業員が多い傾向が見られます。平均年間給与は7,397千円です。これらの数値は、同社が従業員の安定したキャリア形成を支援していることを示唆しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
応用技術は、安定した財務基盤を築いている状況です。本業で得た資金を将来への投資に充てながら、手元資金も確保していることがうかがえます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
応用技術の財務基盤については、自己資本比率やROE、手元資金の厚みを示す具体的な数値が提供されていません。そのため、詳細な分析はできません。一般的に、これらの指標は企業の安定性や収益力を測る上で重要となります。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益の計上や未払消費税等の増加などにより、前期から増加しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、情報化投資等を行ったことにより、前期から支出が減少しています。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや単元未満の自己株式の取得を行ったことにより、前期とほぼ同水準の支出となりました。これらの結果、同社は本業で得た資金を投資に充てつつも、自由に使える資金を確保している状態です。この資金の流れは、同社が安定した事業運営を行いながら、将来に向けた投資も継続していることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる基盤を示しています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 7.5億円 | 13.6億円 |
| 投資CF | △43百万円 | △40百万円 |
| 財務CF | △1.7億円 | △1.7億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 7.1億円 | 13.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社が事業を展開するIT関連市場では、技術革新のスピードが加速しており、業界標準や市場ニーズが急速に変化しています。これに対応が遅れた場合、提供する製品・サービスの競争力が低下し、業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、主力事業であるソリューションサービスでは請負契約の比率が高く、受注案件の大規模化も進んでいます。プロジェクト管理の不備によって作業工数の増大や納品遅延、品質低下が発生すると、大幅な採算悪化や顧客への損害賠償等が発生し、業績や事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の主な事業内容であるソリューションサービスおよびエンジニアリングサービスの提供には、専門性を持つ人材の確保・育成が不可欠です。近年、これらの専門性を持つ人材に対する需要は高まっており、人材獲得競争が激化しています。人材の確保・育成が想定どおりに進まなかった場合、業績および事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
応用技術は、「課題を価値に変えるイノベーション・カンパニー~未来技術ですべての人を幸せにする~」を企業理念に掲げています。ITと解析技術を駆使し、社会の根幹を支える事業を通じて持続可能な社会の実現を目指している会社です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
応用技術は、「課題を価値に変えるイノベーション・カンパニー~未来技術ですべての人を幸せにする~」を企業理念としています。同社は国内のエンドユーザに焦点を当て、本質的なニーズを捉え、最新技術で最適なソリューションを提供することを目指しています。
大阪を基盤としつつ、地域特性に応じた営業・生産拠点の拡充を図り、常に「攻めの経営姿勢」を徹底しています。中長期的には、BIM/CIM領域や顧客接点ソリューションのエコシステム化、海外スタートアップとの連携によるSaaSの品揃え拡大を進める方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
応用技術では、「攻めの経営姿勢」を重視し、重点分野や新規事業分野へのパワーシフトを絶えず行う意識が経営幹部で徹底されています。同社は「風通しの良い企業風土」を保ち、自律性とチャレンジ精神に溢れた人材の育成に取り組んでいます。
従業員一人ひとりが最大限に能力を発揮し、生産性を向上できる環境整備にも注力しています。具体的には、カジュアルワークや在宅勤務の浸透、資格取得の奨励、学習や挑戦の機会提供を通じて、働きやすい職場環境の構築に努めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
応用技術は、脱炭素社会に向けた技術サービスの構築・提供を重点テーマとしています。カーボンニュートラルを起点に、移動手段や住宅の脱炭素化、災害に強いまちづくりに貢献する技術提供に取り組んでいます。
マーケット環境変化への対応として、製造業・建設業の課題解決や、公共マーケットでの防災・減災技術の活用を進めています。また、人員体制の強化・拡充も重要な課題であり、即戦力キャリアや多国籍人材の採用、新卒採用の強化を通じて人材の確保と育成に注力しています。
さらに、海外企業との技術提携により、同社の市場優位性である技術力の向上を図る方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
応用技術は、取締役会と監査等委員会を軸とした透明性の高い経営体制を構築しています。会社法上の機関設計として監査等委員会設置会社を採用し、経営の意思決定の迅速化と業務執行機能の強化を図るため執行役員制度を導入しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
応用技術の筆頭株主はトランス・コスモスであり、同社の子会社として事業を展開しています。この資本構成により、トランス・コスモスグループの一員として企業グループ全体の業務適正化を重視した経営が行われています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| トランス・コスモス | 60.22% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 6.50% |
| UH Partners 2投資事業有限責任組合 | 3.06% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 2.57% |
| 応用技術社員持株会 | 2.27% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役社長は船橋俊郎氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 船 橋 俊 郎 | 代表取締役社長 | 1985年9月に同社入社後、SI事業部長、執行役員産業システム事業部長などを歴任。2010年3月に取締役就任、2016年1月より代表取締役社長に現職。 |
| 小 西 貴 裕 | 代表取締役専務 DX事業統括統括責任者 | 2002年4月に同社入社後、ソリューション本部ソリューションサービス部部長、事業戦略本部執行役員本部長などを歴任。2020年3月に取締役就任、2024年9月より代表取締役専務 DX事業統括統括責任者に現職。 |
| 岩 越 弘 行 | 取締役 DX事業統括統括副責任者 | 1988年10月に同社入社後、産業システム事業部副事業部長、ソリューション本部本部長などを歴任。2021年3月に取締役就任、2024年1月よりDX事業統括統括副責任者に現職。 |
| 門 松 美 枝 | 取締役(非常勤) | 1985年6月にトランス・コスモス入社後、同社取締役人事本部副本部長、ベストキャリア代表取締役などを歴任。2020年3月より同社取締役(非常勤)に現職。 |
| 古 原 広 行 | 取締役(非常勤) | 1979年4月に遠山日出夫税理士事務所入所後、トランス・コスモス入社、同社財務部部長などを歴任。トランスコスモス・アシスト代表取締役社長も務め、2025年3月より同社取締役(非常勤)に現職。 |
| 梶 浦 正 人 | 取締役(非常勤) | 1992年4月にトランス・コスモス入社後、同社理事、執行役員などを歴任。2025年3月より同社取締役(非常勤)に現職。 |
社外取締役は、竹中宣雄氏(元ミサワホーム代表取締役社長執行役員・監査等委員)、中尾敏明氏(元スミセイ損害保険執行役員大阪営業部長・監査等委員)、恩田学氏(GTM税理士法人代表社員・GTM総研代表取締役副社長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社を採用しており、監査等委員である取締役が取締役会に出席し、業務執行の監視を通じて公正性と透明性の確保に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
応用技術の役員報酬は、役職に応じた固定報酬と業績連動報酬で構成されています。業績連動報酬は株主の中長期的利益との連動を意識して決定され、事業年度終了後に金銭で交付されます。監査等委員である取締役の報酬は固定の基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 70百万円 | 23.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 12百万円 | 4.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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