※本記事は、
AIストーム株式会社
(旧会社名 株式会社ジェクシード)
の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
AIストームは、AIアドバイザリー事業、AI&モルタル事業、AIニュービジネス事業を展開しています。旧来のITコンサルティングやデジタルサイネージ事業をAI関連事業へと転換し、多角的なサービスを提供しています。
単体従業員数は34名です。セグメントはAIアドバイザリー事業、AI&モルタル事業、AIニュービジネス事業の3つです。
AIストームは、AIアドバイザリー事業でシステム・ビジネスコンサルティングやWebマーケティング支援を提供しています。AI&モルタル事業ではLEDディスプレイやアドトラック運用、ファンド組成を、AIニュービジネス事業ではwifi-7販売、Storm Academy運営、AI技術開発を手掛けています。
AIストームは、旧会社名である株式会社ジェクシードから商号を変更し、事業セグメントをAIアドバイザリー事業、AI&モルタル事業、AIニュービジネス事業の3区分へと再編しました。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
AIストームは、AIアドバイザリーやAI&モルタルといった先進的な事業を展開しており、専門性の高い人材が活躍できる環境が特徴です。従業員の定着を重視し、働きやすい環境づくりにも力を入れていることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的落ち着いた年齢構成の中で、従業員が一定期間にわたって勤務している傾向が見られます。これは、長期的なキャリア形成を支援する環境が整っている可能性を示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,341,390円 |
| 平均勤続年数 | 8.5年 |
| 平均年齢 | 41.8歳 |
| 単体従業員数 | 34人 |
AIストームは、従業員の退職給付に充てるため、確定給付制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
AIストームは、従業員を事業発展を支える重要な存在と認識し、人材確保と定着を経営上の重要課題としています。多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境や企業風土の醸成に取り組んでいます。
具体的な取り組みとして、フレックス制や在宅勤務の導入、休暇取得の促進など、従業員の意向を踏まえた快適な労働環境を提供しています。また、英会話受講などの自己研鑽の機会も設けています。性別や年齢に関係なく、意欲と能力のある従業員が管理職へ登用される機会が平等に与えられる人事制度の構築も進められています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
AIストームは、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
AIストームは、AIアドバイザリー、AI&モルタル、AIニュービジネスの3つの事業を展開しています。それぞれの事業を通じて、企業のDX推進や新たな技術活用を支援し、収益を上げています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
AIストームは、AIアドバイザリー、AI&モルタル、AIニュービジネスの3つの事業セグメントで構成されています。同社は、ITコンサルティングを基盤としつつ、AI技術を活用した多様なソリューションや新規ビジネスを展開することで、企業価値の向上を目指しています。各セグメントの売上高を見ると、AI&モルタル事業が最も大きく、次いでAIアドバイザリー事業、AIニュービジネス事業が続きます。
AIアドバイザリー事業
既存のERPコンサルティングや人事コンサルティングに加え、RPA、AI、DXといった自動化・効率化コンサルティング領域に注力しています。収益は、コンサルティングサービスの提供やM&A、新規事業(wifi-7販売、AIスクール、蓄電池事業)から得ています。
AI&モルタル事業
LED看板設置やアドトラックによる広告提案、ファンド組成を主な事業としています。収益は、広告事業の実施や、ファンドの組成・販売から得ています。特にファンド組成が堅調に推移し、当事業年度の売上高を大きく伸ばしています。
AIニュービジネス事業
AIスクールビジネス「Storm Academy」の開校や、早稲田大学AIゼミへの出資を通じたAI技術開発を行っています。また、次世代通信規格wifi-7を搭載したルーターの販売も手掛けています。収益は、AI人材育成のためのスクール事業や、AI技術開発、wifi-7ルーターの販売から得ています。
同社の売上高は本邦の外部顧客への売上高が90%超を占めており、国内市場が主要な収益源となっています。特定の取引先として、株式会社プロラボホールディングスへの販売実績が20.57%、株式会社ワークステーションへの販売実績が10.69%を占めています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| AI&モルタル事業 | 4.5億円 | 15.6億円 |
| AIアドバイザリー事業 | 9.8億円 | 9.9億円 |
| AIニュービジネス事業 | - | 100百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の業績は、第58期に売上高495百万円、経常損失91百万円、親会社株主に帰属する当期純損失133百万円を計上しています。その後、第59期以降は連結子会社が存在しなくなったため、連結財務諸表は作成されていません。当事業年度(2025年12月期)の単体業績は、売上高が2,653百万円と大幅に増加し、営業利益、経常利益、当期純利益もそれぞれ黒字を達成しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5.0億円 | - | - | - | - |
| 経常利益 | △92百万円 | - | - | - | - |
| 経常利益率 | △18.5% | - | - | - | - |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | △1.3億円 | - | - | - | - |
| 1株当たり当期純利益(円) | △5.97 | - | - | - | - |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社の従業員1人あたり売上高(連結)は、前期・当期ともにデータがありません。従業員1人あたり当期純利益(連結)も同様にデータがありません。連結財務諸表が第59期以降作成されていないため、連結ベースでの従業員1人あたりの生産性指標は確認できません。単体では、従業員数は34人であり、平均年間給与は6,341,390円となっています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社の財務状況は、事業拡大に向けた投資を積極的に進めている段階を示しています。資金調達によって成長を支えている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から減少しているものの、プライム市場の非製造業平均と比較して高い水準を維持しています。手元資金である現金及び預金等は前期から増加しており、資金の厚みが増している状況です。これらの財務状況は、同社が安定した経営基盤を築いていることを示しており、入社後の雇用や給与の安定性にもつながる要素であると考えられます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産合計 | 11.8億円 | 20.6億円 |
| 自己資本比率 | 50.5% | 40.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | 2.5億円 | 3.8億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社のキャッシュフローを見ると、当期は営業活動によるキャッシュフローがマイナスとなっています。これは主に売上債権の増加、リース投資資産の増加、長期前払費用の増加によるものです。投資活動によるキャッシュフローも有形固定資産の取得によりマイナスとなっており、事業拡大に向けた投資が行われている状況を示しています。
その結果、フリーキャッシュフローはマイナスとなっており、本業の稼ぎだけでは投資を賄いきれていない状態です。この資金不足は、主に短期借入れや株式の発行による財務活動で補われています。同社は事業拡大のための投資を積極的に進めており、資金調達によって成長を支えている段階であると言えます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △8.7億円 | △10.3億円 |
| 投資CF | 1.1億円 | △1.8億円 |
| 財務CF | 3.3億円 | 13.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △7.5億円 | △12.1億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、ERPソリューションに関連するコンサルティング事業において、特定のソフトウェアベンダーとのパートナー契約に依存しています。パートナー企業の経営方針変更やM&Aにより、製品の市場訴求力や事業方針に変動が生じる可能性があります。また、LEDディスプレイ等の商品需要は地域の政治・経済状況や政策の影響により変動する可能性があり、国内外の有力企業との価格競争も重要な要因となっています。
③ 人材・組織に関するリスク
同社のコンサルティング事業は、専門的知識を有するコンサルタントの役務提供に大きく依存しています。IT技術の進化と需要拡大に伴うIT人材不足の状況下で、優秀な人材を確保し続けることが困難になるリスクがあります。必要な人材を確保できなかった場合や重要な人材が流出した場合、同社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
AIストームは、独立系コンサルティングファームとして、社会の発展と進化、持続可能性への貢献を企業理念に掲げています。顧客企業の課題解決に注力し、質の高いサービス提供を目指す企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
AIストームは、「優れたIP/ITソリューションの開発・提供・サービスを通じて、社会の発展と進化と持続可能性に貢献する」ことを企業理念としています。独立系コンサルティングファームとして、顧客企業における課題の解決を目的とし、質の高いコンサルティングサービスの提供に注力しています。
同社は、従来のERPソリューションにAIを融合させた事業体への変革を進め、経営基盤の再構築に取り組んでいます。中期経営計画では、「人材戦略」「財務戦略」「顧客獲得戦略」「株価・企業価値向上戦略」の4つを重点戦略とし、企業価値の向上を目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
AIストームは、独立系コンサルティングファームとして、顧客企業の課題解決と質の高いコンサルティングサービスの提供に注力する姿勢を大切にしています。
同社は、従業員を事業発展の重要な存在と認識し、多様な人材が仕事と家庭を両立し、最大限の能力を発揮できる職場環境と企業風土の醸成に取り組んでいます。
働きがいのある環境作りのため、フレックス制や在宅勤務の導入、休暇取得の促進、英会話受講などの自己研鑽機会の提供を進めています。
また、性別や年齢に関わらず、意欲と能力のある従業員が管理職に登用される機会を平等に与える人事制度を構築し、女性や中途採用者の管理職への登用を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
AIストームは、中期経営計画において「人材戦略」を重点戦略の一つとしています。人材の採用・育成・多能化に戦略的な投資を行い、従業員満足度の向上を図ることで企業価値の向上に取り組んでいます。
また、国内におけるAI人材不足の深刻化に対応するため、AI技術者の確保を積極的に進めています。
さらに、短期間での業容拡大を実現するため、必要な人材の確保にも取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
AIストームは監査等委員会設置会社であり、取締役会は経営方針の決定と業務執行の監督を担っています。また、執行役員制を導入し、意思決定と業務執行の分離を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は海外の投資会社であるGX PARTNERS CO., LIMITEDです。その他、スペース投資事業組合や楽天証券共有口といった多様な株主が名を連ねています。特定の株主グループが経営に強い影響力を持つ傾向が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| GX PARTNERS CO., LIMITED(常任代理人 三田証券) | 21.47% |
| スペース投資事業組合 | 5.92% |
| 楽天証券共有口 | 2.85% |
| BOOM SECURITIES (H.K.) LIMITED-CLIENTS' ACCOUNT(常任代理人 マネックス証券) | 2.84% |
| 岡三にいがた証券 | 2.31% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性5名・女性2名)で構成され、女性役員比率は28.6%です。代表取締役は今井俊夫氏が務めています。社外取締役比率は71.4%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 今井 俊夫 | 代表取締役 | 株式会社ニッセイコム、日本アイ・ビー・エム株式会社、フューチャーアーキテクト株式会社等を経て、令和3年7月同社入社。専務執行役員営業本部長、代表取締役社長執行役員兼営業本部長を経て、令和6年4月より現職。 |
| 辛 澤 | 取締役 | 香港BMI Hospitality Service Limited(現GX PARTNERS CO., LIMITED)代表取締役、株式会社ランニング代表取締役を経て、令和3年10月より同社取締役。 |
社外取締役は、松田華織氏(Kamivision Inc.日本法人Kami株式会社社長兼General Manager)、寺尾潔氏(辰巳監査法人代表社員・監査等委員)、大澤健太郎氏(司法書士事務所アルファ・パートナーズ代表司法書士・監査等委員)、陸敏氏(瑞龍バイオハイティック管理部部長・監査等委員)、仲摩昌三氏(株式会社セブンアイ・ホールディングス総務部渉外担当・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社です。監査等委員会は4名の監査等委員である取締役で構成され、全員が独立性の高い社外取締役であり、経営の適法性及び妥当性の監査を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社は、取締役(監査等委員である取締役を除く)と監査等委員である取締役で報酬体系を区別しています。取締役の報酬は、株主総会で承認された範囲内で、各取締役の役位、職責、経営貢献度を総合的に勘案して決定されます。監査等委員である取締役の報酬は、監査等委員報酬規程に基づき、協議により決定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 44百万円 | 14.6百万円 |
| 社外役員 | 5名 | 7百万円 | 1.5百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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