【平均年収549万円】フィスコ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収549万円】フィスコ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

フィスコは、情報サービス、広告代理、暗号資産・ブロックチェーン、コンサルティングの各事業を展開しています。直近の連結業績は売上高が減少し、経常利益と当期純利益は赤字に転換しました。


目次

※本記事は、株式会社フィスコ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


フィスコは、情報サービス事業、広告代理業、暗号資産・ブロックチェーン事業、その他コンサルティング事業の4つの領域でサービスを提供しています。法人・個人向けの金融・企業情報提供を中核とし、広告代理や暗号資産投資、M&Aアドバイザリーなども手掛けています。

単体従業員数は24名です。同社の事業セグメントは、情報サービス事業、広告代理業、暗号資産・ブロックチェーン事業、その他の4つです。

フィスコは2023年7月1日付で完全子会社であったフィスコ・コンサルティングを吸収合併し、2023年12月期第3四半期より開示を単体に変更しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


フィスコは、情報サービス事業を中心に展開する企業です。同社の給与水準や働き方に関するデータからは、従業員の定着状況や多様な働き方を支援する姿勢が見て取れます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、従業員の平均勤続年数が比較的長く、平均年齢も高めであることから、安定した環境でキャリアを築いている従業員が多い傾向にあると考えられます。多様な働き方を支援する体制も整えられています。

項目 数値
平均年間給与 5,489,000円
平均勤続年数 7年3ヶ月
平均年齢 48.0歳
単体従業員数 24人


同社は、確定給付型の制度として退職一時金制度を設けています。確定給付型とは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


フィスコは、企業価値を継続的に高めるため、成長段階に応じた有能な人材の確保・育成を含む人材への積極的な投資を重要な経営課題と認識しています。様々な人材が能力を最大限に発揮できるよう、リモートワークや時短勤務などの多様な働き方を支援する体制を整えています。

また、新規事業を新たに展開することで活躍できる場を広げ、人材の育成と流動性の向上に努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


フィスコは、情報サービス事業を主軸に、広告代理業、暗号資産・ブロックチェーン事業を展開しています。金融・経済情報の提供やIR支援を通じて、企業活動を多角的にサポートするビジネスモデルです。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社は、情報サービス事業を中核に、広告代理業、暗号資産・ブロックチェーン事業の3つのセグメントで事業を展開しています。情報サービス事業が同社グループの収益の大部分を占めており、広告代理業、暗号資産・ブロックチェーン事業がこれに続きます。

情報サービス事業

金融・経済情報配信サービス分野では、法人向けリアルタイムサービスやアウトソーシングサービスを提供しています。上場企業向けIR支援・IRコンサルティングサービス分野では、スポンサー型アナリストレポート(フィスコ企業調査レポート)の提供を主力としています。収益は、これらの情報提供やIR支援サービスから得ており、当事業年度は前期と比較して減少しました。

広告代理業

新聞・雑誌などのビジネス媒体における企業広告の代理業務や、Webサイトコンテンツの作成・更新、イベントでの音響ディレクション業務、各種ツール制作などを手掛けています。収益は、企業広告の出稿や制作業務の受注から得ており、当事業年度は前期と比較して増加しました。

暗号資産・ブロックチェーン事業

暗号資産市場の動向を見極めながら、慎重なトレーディング方針を維持し、保有する暗号資産の売却益などを収益源としています。当事業年度は前期と比較して収益性が改善しました。

同社は、本邦の外部顧客への売上高が損益計算書の売上高の90%を超えており、国内市場が主要な収益基盤となっています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
情報サービス事業 8.1億円 7.9億円
広告代理業 38百万円 51百万円
暗号資産・ブロックチェーン事業 3百万円 3百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社の連結業績は、直近2期において売上高が減少し、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は赤字に転換しています。特に、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅な損失を計上しました。これは、第30期以降は連結財務諸表を作成していないため、連結経営指標の推移は2期分のみの開示となっています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 12.5億円 9.2億円 - - -
経常利益 2.4億円 △74百万円 - - -
経常利益率 19.1% △8.0% - - -
親会社株主に帰属する当期純利益 38.0億円 △29.0億円 - - -
1株当たり当期純利益(円) 83.21 △63.34 - - -

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


財務の安定性は、企業の持続的な成長と従業員の雇用環境に直結する重要な要素です。同社の財務状況から、現在の経営の安定性について確認します。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社の財務基盤は、自己資本比率や手元資金の状況から評価できます。これらの指標は、企業の安定性や将来の成長性、そして雇用環境に影響を与える可能性があります。

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社のキャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動の3つの側面から資金の流れを示しています。当期は、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローが32百万円の増加となりました。これは主に税引前当期純損失の計上があったものの、売上債権の減少や暗号資産の減少による増加が寄与しています。

投資活動によるキャッシュフローは7百万円の減少となりました。これは投資有価証券の取得による支出があった一方で、短期貸付金の回収による収入があったことによるものです。財務活動によるキャッシュフローは資金の使用がありませんでした。

これらの結果、本業で得た資金が投資を上回るフリーキャッシュフローはプラスとなっています。この状況は、事業活動で安定的に資金を生み出し、かつ投資活動への支出を賄えていることを示しており、企業の安定的な運営基盤をうかがわせます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF △39百万円 32百万円
投資CF 90百万円 △7百万円
財務CF △102百万円 0百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 51百万円 25百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


同社は、過年度の暗号資産に関する評価額の訂正に伴う特別損失の計上や、当期を含め4期連続で当期純損失が発生していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が生じています。しかし、本業の業績は着実に改善しており、大幅なコスト削減と収益性向上に向けた経営資源の重点配分により、営業利益および経常利益を計上するまでに回復しています。また、当事業年度末時点の現金および預金は当面の運転資金を十分に賄える水準にあり、財務基盤の安定性や事業の収益改善状況を総合的に勘案した結果、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社は、事業環境の変動リスクを認識しています。特に情報サービス事業では、金融業界の再編や金融商品市場の急激な変動、分析手法の高度化への対応が業績に影響を与える可能性があります。また、情報サービス事業と広告代理業において、特定の取引先への売上依存度が高いこともリスクとして挙げられています。

③ 人材・組織に関するリスク


同社は、人的資源への依存に関するリスクを挙げています。優秀な人材の退社によるノウハウや技術の流出、または継続して優秀な人材を養成・確保できない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、人為的ミスによる情報の誤謬や配信ミスが発生した場合、ブランド価値が毀損し、社会的信用に影響を与える可能性も指摘されています。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


フィスコは、金融サービス業におけるベストカンパニーを目指し、中立公正な姿勢と個の価値を重んじることを基本理念としています。社会的な資産配分の最適化に貢献するため、専門性と透明性の高い情報提供を通じて、成熟社会の一翼を担うことを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


フィスコは、金融サービス業におけるベストカンパニーを目指すことを経営の基本理念としています。中立な姿勢と公正な思考に徹し、個の価値を尊び、和の精神を重んじることを掲げています。

同社は、金融や投資に係る市場の調査・分析・予測結果を情報やアドバイスとして提供し、社会的資産の最適な配分実現を通じて成熟社会の一翼を担うことを目指しています。そのため、専門性はもとより利益相反を徹底的に排除する中立公正な思考に徹する企業姿勢を維持し、優れた「個」の力が発揮される社内環境を重視しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


フィスコは、中立公正な思考に徹する企業姿勢を大切にしています。個の価値を尊び、和の精神を重んじることを経営の基本理念の一つとして掲げています。

同社は、経営の効率化、透明性及び客観性の向上、健全な事業活動を通じて企業価値を継続的に高めることを重視しています。内部統制、コンプライアンス体制、リスク管理体制の強化、コーポレート・ガバナンスの充実が重要な経営課題です。

また、有能な人材の確保・育成を含む人材への積極的な投資も不可欠であると考えています。多様な働き方で能力を最大限に発揮できるよう、リモートワークや時短勤務などの体制を整え、人材の育成と流動性向上に努めています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


フィスコは、健全な財務体質強化と持続的な成長拡大のため、複数の事業上及び財務上の課題に取り組んでいます。

情報サービス事業では、コンテンツ制作体制の増強・整備と品質管理体制の強化を進め、品質向上とオペレーションの最適化を図っています。アナリスト教育の継続や外部アナリストの活用、企業IR支援サービス分野の拡大を通じて、安定的な収益確保に努めています。

また、業務運営の効率化、法令遵守、リスク管理、IR充実のための内部管理体制の強化も重要な課題であり、コンプライアンス体制の強化やコーポレート・ガバナンス機能の充実を図っています。暗号資産の取引及び評価に関する再発防止策の徹底とガバナンス体制の強化を継続し、リスクを適切に把握・管理する体制の高度化に努めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


フィスコの取締役会は、社外取締役を含む6名で構成されています。監査役会設置会社であり、3名の監査役(すべて社外監査役)が監査機能を担っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


フィスコの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社であるネクスグループです。上位にはCAICA DIGITALやCAICAテクノロジーズといった事業会社が並んでおり、特定の事業会社グループが主要な株主として同社を支えていることがわかります。

株主名 持株比率
ネクスグループ 31.52%
CAICA DIGITAL 8.52%
CAICAテクノロジーズ 6.29%
宗教法人安養寺 2.73%
サンジ・インターナショナル 1.72%


なお、株式会社シークエッジ・ジャパン・ホールディングスは2025年8月29日付で株式譲渡を行い、主要株主ではなくなりました。また、株式会社ネクスグループは2026年3月1日に株式会社JNグループに商号変更されています。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.0%です。代表取締役CEOは渕木幹男氏が務めています。社外取締役比率は16.7%です。

氏名 役職 主な経歴
渕木 幹男 代表取締役CEO 1995年7月バンカーストラストアジア証券会社マネージングディレクター、2007年10月アルテディア代表取締役、2017年5月同社入社、2026年3月同社代表取締役CEOより現職。
岡本 純子 代表取締役CFO情報配信サービス事業本部長兼営業開発部長管理本部長 2001年4月ソフトウェアマネジメント(現CAICAテクノロジーズ)入社、2023年3月同社取締役、2025年8月同社代表取締役社長、2026年3月同社代表取締役CFOより現職。
深見 修 取締役経営戦略本部長 2011年3月同社経営戦略本部長、2013年3月同社取締役より現職。
石原 直樹 取締役 2012年4月ネクス(現JNグループ)顧問、2021年2月ネクスグループ(現JNグループ)代表取締役社長、2026年3月同社取締役より現職。
山本 泰三 取締役情報配信部長 2021年4月同社入社、2024年4月同社情報配信部長、2026年3月同社取締役より現職。


社外取締役は、小西達也氏(小西達也税理士事務所代表税理士)です。
社外監査役は、加治佐敦智氏(加治佐会計事務所所長)、森花立夫氏(森花立夫税理士事務所所長)、望月真克氏(社会福祉法人善光会理事)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役1名と社外監査役3名を選任しています。社外取締役は税理士としての専門的知見を活かし、客観的な立場から経営に意見を述べる役割を担っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


フィスコの役員報酬は、基本報酬、賞与、株式報酬型ストック・オプションで構成されています。基本報酬は月次で支給され、業績や役割、責務を考慮して取締役会で決定されます。賞与は会社の経営状況に応じて配分が決定され、株式報酬型ストック・オプションは取締役会で個人別の割当株式数が決議される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 5名 21百万円 4.3百万円
社外役員 4名 9百万円 2.4百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。