【平均年収738万円】大幸薬品 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収738万円】大幸薬品 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

大幸薬品は、医薬品事業や感染管理事業などをグループ各社とともに国内外で展開しています。直近2期では増収増益となりました。


目次

※本記事は、大幸薬品株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


大幸薬品グループは、医薬品事業、感染管理事業、その他事業の3つの事業を展開しています。医薬品事業では「正露丸」や「セイロガン糖衣A」などの一般用医薬品を国内外で製造・販売し、感染管理事業では二酸化塩素特許技術を応用した製品を提供しています。

単体従業員数は193名、連結従業員数は220名です。セグメントは医薬品事業、感染管理事業、その他事業の3つです。

主な国内グループ会社は、大幸TEC(医薬品事業、その他事業)などです。

同社グループは、中期的な供給体制強化のため、2工場体制への再編に向けた取り組みを推進し、吹田工場への生産設備移設を完了しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


大幸薬品は、医薬品事業と感染管理事業を主軸に、人々の健康と衛生環境の向上に貢献しています。セルフメディケーションの推進や低濃度二酸化塩素ガスの特許技術を活用した衛生対策など、社会課題解決に資する事業を展開しています。このような事業特性から、専門性を活かしながら社会貢献を実感できる働き方が期待されます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均年齢が40代前半であり、平均勤続年数も10年を超えています。このことから、一定の経験を積んだ従業員が長く在籍し、安定してキャリアを築いている傾向が見られます。多様な人材が活躍できる環境づくりにも注力しており、長期的な視点でのキャリア形成が期待できるでしょう。

項目 数値
平均年間給与 7,382,753円
平均勤続年数 10.2年
平均年齢 41.8歳
単体従業員数 193人
連結従業員数 220人
単体のグループ内比率 87.7%


同社グループは、従業員の退職給付制度として、確定給付型と確定拠出型の両方を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

これらの制度は、同社および一部の連結子会社に適用されています。退職一時金制度も設けられており、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

同社グループの退職給付債務は6.2億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「自立」「共生」「創造」を基本理念とし、企業理念を実現できる人材の育成を重視しています。特に「自分で考え、目標を達成するために他者と協力し、新しい価値を生み出していける人材」を理想とし、その育成と活躍できる組織基盤作りを推進しています。

人材戦略の基本方針として、従業員の能力開発と自立を促進するための体系的な教育プログラムを構築しています。これにより、従業員が継続的にスキルを向上させ、変化するビジネス環境に対応できるよう支援しています。

また、性別、国籍、職歴、年齢、育児中の社員など多様な背景を持つ人材の活躍を推進し、組織全体の成長に繋げることを目指しています。働きやすさの向上にも力を入れており、在宅勤務やフレックスタイム勤務制度など、多様な勤務形態を提供することで、従業員一人ひとりが最適な働き方を選択できる環境を整備しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。男性労働者の育児休業取得率は、本記事では取得できていません。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 9.3%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 74.3%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 75.7%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 70.7%

人材育成


人材育成は連結子会社各社で行われていますが、規模・制度の違いがあるため、一律の設定が困難であることから、当連結会計年度については、当社単体について記載しています。

指標 数値
マネジメント研修 1回
希望者向けマネジメント教育 2回
全社員向け研修 10回

経営戦略の実現を目指した多様な人材の活躍推進

指標 数値
高校新卒採用実績 3名
リファラル、アルムナイ採用等実績 7名
エージェント経由採用実績 9名
育児休業からの復職率 100%
男性労働者の育児休業等及び育児目的休暇の取得率 100%

働きやすさの向上を目的とした社内環境整備


社内環境整備は連結子会社各社で行われていますが、規模・制度の違いがあるため、一律の設定が困難であることから、当連結会計年度については、当社単体について記載しています。

指標 数値
有休取得率 83%
残業時間(1人当たりの月平均) 11.0時間

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


大幸薬品は、医薬品事業を主軸に、感染管理事業、その他事業を展開する企業です。人々の健康と衛生に関わる製品を提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、主に医薬品事業、感染管理事業、その他事業の3つの事業を展開しています。医薬品事業では、長年の歴史を持つ「正露丸」や「セイロガン糖衣A」といった一般用医薬品の製造・販売を国内外で行っています。感染管理事業では、二酸化塩素特許技術を応用した「クレベリン」ブランドの製品を提供し、幅広い顧客層に支持されています。その他事業では、木酢液関連製品の製造・販売を手掛けています。

医薬品事業

「正露丸」や「セイロガン糖衣A」を中心とした一般用医薬品の製造および国内外での販売を行っています。国内では薬局やドラッグストアを通じて、海外では子会社や代理店を通じて販売しています。収益は、これらの医薬品の製造・販売から得ています。運営は、大幸薬品(亞洲太平洋)有限公司、大幸薬品(深圳)有限公司、台湾大幸薬品股份有限公司、正露丸(國際)有限公司、大幸TECが行っています。

感染管理事業

二酸化塩素特許技術を応用した製品の企画・開発・販売を進めています。一般消費者向けには「クレベリン」ブランド製品をドラッグストア等で、業務用には「クレベリンpro」シリーズを卸売業者や代理店を通じて提供しています。収益は、これらの感染管理製品の販売から得ています。運営は、大幸薬品(亞洲太平洋)有限公司、台湾大幸薬品股份有限公司が行っています。

その他事業

主に木酢液を配合した入浴液や園芸用木酢液等の製造販売を行っています。収益は、これらの木酢液関連製品の販売から得ています。

同社グループは、日本、中国・香港、台湾、その他の地域で収益を上げており、海外での事業展開も行っています。主要な顧客としては、アルフレッサヘルスケア、一徳貿易有限公司、PALTACが挙げられます。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
医薬品事業 57.8億円 57.7億円
感染管理事業 5.1億円 6.2億円
その他事業 5百万円 5百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績推移を見ると、売上高は直近2期で増加傾向にあります。経常利益は、過去3期連続で損失を計上していましたが、直近2期では黒字に転換しています。親会社株主に帰属する当期純利益も同様に、過去3期連続で損失を計上した後、直近2期で黒字を確保し、増加傾向を示しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 113億円 50.4億円 61.2億円 62.9億円 64.0億円
経常利益 △61.3億円 △33.5億円 △12.5億円 6.9億円 4.8億円
経常利益率 △54.3% △66.5% △20.4% 10.9% 7.5%
親会社株主に帰属する当期純利益 △95.9億円 △49.0億円 △36.1億円 9.0億円 9.2億円
1株当たり当期純利益(円) △220.52 △112.26 △76.25 17.90 18.38

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少しています。また、従業員1人あたり営業利益も前期から減少しており、生産性指標は前期に比べて低下している傾向が見られます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 29.4百万円 29.1百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.9百万円 2.1百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で安定した資金を創出し、財務基盤を堅固にしています。事業活動で得た資金は、投資活動による資金と合わせて、自由に使える資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均を上回る水準で推移しています。これは、安定した経営基盤を示しており、事業継続性への安心感につながります。また、ROE(自己資本利益率)もプライム市場平均を上回っており、効率的な資本活用ができている状況です。手元資金である現金及び預金も潤沢に確保されており、不測の事態にも対応できる財務的な余裕があると言えます。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 79.6億円 85.2億円
自己資本比率 61.7% 69.4%
ROE(自己資本利益率) 12.2% 11.2%
現金及び預金 45.3億円 42.6億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは増加し、8.1億円の資金を獲得しています。これは、事業活動が順調に進み、安定的に資金を生み出している状況を示しています。投資活動によるキャッシュフローは前期の資金使用から一転して1.4億円の資金獲得となり、投資有価証券の売却による収入が主な要因となっています。その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは9.6億円と増加しており、事業活動で得た資金を自由に使える状態です。財務活動によるキャッシュフローは、長期借入金の返済により12.3億円の資金を使用しています。これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定的に資金を創出し、財務的な健全性を維持しながら事業運営を行っていることがうかがえ、雇用や給与の安定性にもつながる基盤があると言えます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 3.6億円 8.1億円
投資CF △0.0億円 1.4億円
財務CF △11.8億円 △12.3億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 3.6億円 9.6億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、売上高の大半が「正露丸」及び「セイロガン糖衣A」、「クレベリン 置き型」といった特定製品によって構成されています。これらの製品に品質問題等が発生した場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、売上高の約79%が上位3社に集中しており、これら取引先の経営施策や取引方針の変化が、販売機会の一時的な喪失等により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

人材・組織に関するリスクの記載はありません。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


大幸薬品は、「自立」「共生」「創造」を基本理念とし、世界の人々に健康という大きな幸せを提供することを目指しています。健康社会において「ないと困る」存在を追求するというスローガンを掲げ、企業活動の指針としています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「大幸薬品は『自立』『共生』『創造』を基本理念とし、世界のお客様に健康という大きな幸せを提供します。」という企業理念を掲げています。この理念を実現するため、「健康社会の『ないと困る』を追求する。」というスローガンをすべての企業活動の指針としています。

医薬品事業では「正露丸」や「セイロガン糖衣A」の安全性と有効性を世界に広め、セルフメディケーションの推進に寄与することを目指しています。また、感染管理事業では「クレベリン」の特許技術を用いて、衛生対策や換気を補うことで社会に貢献できるよう科学的根拠の蓄積に注力しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、企業理念を実現できる人材を「自分で考え、目標を達成するために他者と協力し、新しい価値を生み出していける人材」と定義しています。このような人材の育成と、育成された人材が活躍できる組織基盤作りを推進しています。

具体的には、「働きやすさの向上」を継続し、「挑戦する組織文化の醸成」や「人材の戦略的な登用」を通じて、人的資本の価値最大化と持続的な企業価値向上を目指しています。性別、国籍、職歴、年齢、育児中の社員など、多様な背景を持つ人材が存在することが組織の強みであると認識し、その活躍を推進しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、医薬品事業において主力製品である「正露丸」の市場への安定供給を課題としています。リードタイム短縮や設備更新により供給体制の強化を図るとともに、国内外でのブランドエクイティ強化に向けた投資を行い、顧客基盤の拡大を目指しています。

感染管理事業では、「クレベリン」の主成分である二酸化塩素の有効性や安全性に関するエビデンス強化を通じて信頼回復に取り組んでいます。また、新製品・新規事業開発体制の強化も重要なテーマであり、ブランド・エクステンションを軸に開発を強化し、持続的な成長を目指しています。

サステナビリティ関連のリスク及び機会の監視及び管理については、リスクマネジメント委員会にて実施しています。代表取締役社長を委員長とする委員会で、リスク及び機会の識別・評価を行い、対応策の協議を進めています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


大幸薬品は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監査・監督機能の強化とコーポレート・ガバナンスの充実を図っています。執行役員制度も採用し、経営における意思決定機能と業務執行機能の分離を進めています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


大幸薬品の株主構成を見ると、機関投資家や信託銀行が上位に名を連ねる一方で、代表取締役社長の柴田高氏や代表取締役会長の柴田仁氏をはじめとする創業家関係者が複数、大株主として名を連ねています。これにより、創業家が同社の経営に一定の影響力を持っていることがうかがえる構成となっています。また、事業会社も上位株主として存在しています。

株主名 持株比率
ROYAL BANK OF CANADA SINGAPORE BRANCH-CLIENT’S A/C 7.67%
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 6.82%
柴田 高 6.63%
柴田 仁 6.56%
NOMURA SINGAPORE LIMITED CUSTOMER SEGREGATED A/C FJ-1309 6.34%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は柴田高氏が務めています。社外取締役比率は50.0%です。

氏名 役職 主な経歴
柴田 高 代表取締役社長 1981年大阪大学医学部第2外科入局。市立吹田市民病院外科、大阪大学医学部第2外科等を経て、1998年同社取締役就任。2010年より代表取締役社長に現職。
柴田 仁 代表取締役会長 1974年日本アイ・ビー・エム入社。1977年同社入社。取締役、取締役副社長を経て、1987年代表取締役社長就任。2010年より代表取締役会長に現職。
橋本 昌司 専務取締役 2000年弁護士登録。長谷川俊明法律事務所、三井安田法律事務所等を経て、2020年同社社外取締役(監査等委員)就任。2024年より専務取締役に現職。


社外取締役は、富永俊秀氏(パナソニックホールディングス常任監査役・常勤監査等委員)、土居健人氏(オフィス・ケント・ドイ代表取締役・監査等委員)、三輪哲生氏(Conant Advisory Group Japan合同会社代表社員・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、社外取締役が独立した外部的視点から経営監視と助言を行うことで、取締役会の監査・監督機能の強化を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


大幸薬品の役員報酬は、固定報酬、業績連動賞与、譲渡制限付株式報酬の3つの要素で構成されています。業績連動賞与は連結売上高、営業利益、自己資本利益率を評価指標とし、目標達成率に応じて決定されます。また、株主との価値共有を目的とした譲渡制限付株式報酬制度も導入されています。監査等委員である取締役の報酬は、監査等委員会で決定される仕組みです。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 86百万円 28.7百万円
社外役員 3名 23百万円 7.7百万円


なお、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く。)の報酬等の総額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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