※本記事は、株式会社テラプローブ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
同社グループは、半導体製造工程におけるウエハテスト及びファイナルテスト受託を主たる業務としています。国内外の半導体メーカーやファブレス企業に対し、ロジック、マイコン、イメージセンサ、アナログ、メモリなどの幅広い半導体製品のテストサービスを提供しています。
単体従業員数は308名、連結従業員数は1,127名です。セグメントは半導体テスト事業の1つです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
テラプローブは半導体テストを主業務とする同社グループであり、専門性の高い技術職が多く在籍していると推測されます。従業員の定着を重視し、多様な働き方を支援する環境整備にも取り組んでいることがうかがえます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、従業員の定着を重視し、キャリア形成を支援する取り組みを進めています。平均勤続年数と平均年齢からは、一定の経験を積んだ従業員が長く活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,376,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.9年 |
| 平均年齢 | 41.2歳 |
| 単体従業員数 | 308人 |
| 連結従業員数 | 1,127人 |
| 単体のグループ内比率 | 27.3% |
同社グループは、従業員の退職給付制度として、給与や勤続年数に応じて給付額が決まる確定給付型と、会社が拠出した資金を従業員が運用する確定拠出型を採用しています。当社(提出会社)は非積立型の確定給付制度および確定拠出制度を採用しており、連結子会社は確定拠出制度を採用しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
確定給付制度における退職給付債務は2.3億円、年金資産は39百万円となっています。また、確定拠出制度への要拠出額は2.6億円です。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、国籍や性別等にとらわれることなく優秀な人材を計画的に採用し、人材の定着を図ることを基本方針としています。成長度に連動した人事評価制度を導入し、従業員の就業意欲の向上に努めています。
キャリアに応じた階層別研修や職種・部署別研修の充実を進め、従業員のスキルアップを支援しています。各種休暇制度の運用や在宅勤務が可能な環境整備により、ワーク・ライフ・バランスに配慮した多様な人材が働きやすい職場環境の構築を推進しています。
女性技術者および女性管理職の比率が低い水準にあるため、新卒採用活動の見直し、次期管理職世代に対する教育の推進、女性が活躍しやすい環境の整備等を進めています。また、人材獲得競争が激化する事業環境を踏まえ、外国籍従業員の積極的な採用にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男女賃金差異(パート・有期労働者)は、女性の該当者がいないため算出不可となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 4.2% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 42.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 67.7% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 68.1% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | - |
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ TeraPower Technology Inc.
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 19.6% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異 | 57.2% |
人材の育成及び社内環境整備に関する目標及び実績
2025年12月31日時点の実績です。年次有給休暇取得日数の達成率は、2024年4月1日時点の在籍者数(パート従業員、期中の中途採用者および退職者は除く)275名中137名が達成した数値です。なお、上記の指標および目標には現状海外子会社は含まれていませんが、海外子会社は当社を上回る女性管理職比率および男性育児休業取得率を示しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職数 | 2名 |
| 女性技術者数 | 20名 |
| 年次有給休暇取得日数 | 12.91日 |
| 男性育児休業取得率 | 42.9% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
テラプローブは、半導体製造工程におけるテスト受託を主要な事業としています。世界有数のOSAT企業であるPowertech Technology Inc.(PTI)グループの一員として、半導体製品の品質を支える重要な役割を担っています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
テラプローブグループは、半導体製造工程におけるウエハテストとファイナルテストの受託を主な事業としています。具体的には、ダイシング前のウエハ状態で半導体チップの電気特性を検査するウエハテストと、組み立て後のパッケージ状態で機能検査を行うファイナルテストの両方を受託しています。
国内外の半導体メーカーやファブレス企業を顧客とし、ロジック、マイコン、イメージセンサ、アナログ、メモリなど多岐にわたる半導体製品のテストを手掛けています。収益は、これらのテスト受託業務から得ており、顧客の多様なニーズに対応する技術力と柔軟性が求められるビジネスモデルです。
また、プログラム開発やプローブカード設計の受託、デバイス評価から量産までの一貫サポート、テスト効率向上の提案を通じて、顧客のコスト低減にも貢献しています。海外連結子会社であるTeraPower Technology Inc.(TPW)も同様の業務を行っており、PTIやその他OSAT企業との連携により、後工程まで含めたターンキーサービスも提供しています。
地域別の売上高を見ると、日本が最大の割合を占めていますが、北米地域の売上高が大きく増加しており、海外市場での事業拡大も進んでいます。主要な顧客として、ルネサス エレクトロニクス、Annapurna Labs(U.S.)Inc.、株式会社ソシオネクストが挙げられています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
テラプローブグループの業績は、過去5年間で売上高、経常利益ともに増加傾向にあります。特に直近の連結会計年度では、売上高、営業利益、経常利益がいずれも前年同期を上回る結果となりました。
一方で、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期に計上された固定資産売却益の減少や法人税等の見直しの影響により、減少しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 259億円 | 332億円 | 354億円 | 371億円 | 417億円 |
| 経常利益 | 40.9億円 | 73.5億円 | 74.1億円 | 70.1億円 | 87.5億円 |
| 経常利益率 | 15.8% | 22.1% | 20.9% | 18.9% | 21.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 17.9億円 | 31.3億円 | 40.9億円 | 35.1億円 | 33.7億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 197.19 | 344.56 | 450.11 | 385.75 | 370.23 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
テラプローブグループの従業員1人あたりの売上高は、前期から当期にかけて増加しており、生産性が向上している傾向が見られます。同様に、従業員1人あたりの営業利益も前期から増加しており、従業員一人ひとりの稼ぐ力が高まっていることが示されています。
これらの指標の改善は、同社グループの収益体質の強化や組織効率化の進展を示唆しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 35.6百万円 | 37.0百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 6.7百万円 | 7.9百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を創出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。財務基盤の厚みや資金の流れから、現在の経営状態を把握することができます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から低下し、当期は40.2%です。ROE(自己資本利益率)は当期8.6%で、プライム市場平均を下回っています。手元資金を示す現金及び預金は増加傾向にあり、当期は144億円を確保しています。これらの状況は、同社グループが事業活動を継続し、従業員の雇用や給与を安定的に維持するための基盤を示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 539億円 | 599億円 |
| 自己資本比率 | 49.6% | 40.2% |
| ROE(自己資本利益率) | 9.8% | 8.6% |
| 現金及び預金 | 117億円 | 144億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に201.4億円の純収入となり、前期から増加しています。これは主に減価償却費の計上や税金等調整前当期純利益の増加によるものです。一方で、投資活動によるキャッシュフローは、当期に△286.8億円の純支出となり、前期から支出が大きく増加しました。これは有形固定資産の取得による支出が主な要因です。
その結果、営業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期に△85.4億円のマイナスとなりました。前期はプラスでしたが、当期は積極的な設備投資によりマイナスに転じています。財務活動によるキャッシュフローは、当期に118.4億円の純収入となり、前期の純支出から増加に転じました。これは借入金による収入が増加したことによるものです。同社グループは本業で資金を創出しつつ、将来の成長に向けた大規模な投資を行っており、その資金を借入金で賄っている状況がうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|
| 営業CF | 174.7億円 | 20
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
テラプローブは、半導体テストサービスを通じて社会に貢献する企業グループです。常に挑戦し、技術を磨きながら、お客様と従業員双方の成長を重視する文化を育んでいます。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「常に、チャレンジ精神と誇りをもってビジネスに取り組み、技術を磨き、生産の効率化を進め、世界中のお客様が心から満足し信頼できるパートナーとして、新たな価値創造に貢献する」ことを経営理念として掲げています。ビジョンとしては、「テクノロジーの進化とともに、日本、台湾から世界中へテストソリューションを届け、お客様と従業員が成長し続ける会社を目指す」ことを掲げています。最先端テクノロジーを取り入れ、半導体テスト技術の高度化と生産性向上を追求し、付加価値の向上を図ることを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、行動規範として「Tera Probe Code of Conduct」を定めており、サステナビリティ、人的資本、知的財産に関する基本方針を全従業員に周知し、定期的な教育を実施しています。従業員の成長とワーク・ライフ・バランスの実現を持続的成長の基盤と捉え、人材の維持・育成を重視しています。国籍や性別にとらわれず優秀な人材を採用し、成長度に連動した人事評価制度やキャリアに応じた研修を充実させることで、従業員の就業意欲向上を図っています。各種休暇制度や在宅勤務環境の整備により、多様な人材が働きやすい職場環境の構築を推進しています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、成長戦略を支える重要課題として、エンジニアを中心とした専門人材の確保と育成を位置づけています。計画的な教育プログラムの拡充や若手エンジニアの早期戦力化、多様な人材が能力を最大限に発揮できる職場環境の整備に取り組んでいます。また、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みも重視しており、省エネルギーや省資源活動を通じて環境負荷の低減に努めています。行動指針「Tera Probe Code of Conduct」に基づき、環境保全、社会貢献、人権尊重、ガバナンス強化を進め、持続可能な企業運営の実現を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
テラプローブは、業務執行と監督機能の明確な分離を重視したガバナンス体制を構築しています。経営の透明性と客観性を確保し、迅速な意思決定を目指しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
テラプローブの株主構成を見ると、筆頭株主は力成科技日本合同会社であり、その関連会社であるPOWERTECH TECHNOLOGY INC.も上位に名を連ねています。これにより、特定の株主グループが同社の経営に強い影響力を持っていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 力成科技日本合同会社 | 48.81% |
| POWERTECH TECHNOLOGY INC.(常任代理人 藤本 欣伸) | 11.84% |
| 日本カストディ銀行(信託口) | 5.14% |
| BNY GCM CLIENT ACCOUNT JPRD AC ISG (FE-AC)(常任代理人 株式会社三菱UFJ銀行) | 2.58% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 2.04% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は12名(男性12名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表執行役社長は横山毅氏が務めています。社外取締役比率は37.5%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 横山 毅 | 取締役兼代表執行役社長 | 1985年4月山口日本電気㈱入社、2004年4月広島エルピーダメモリ㈱入社、2005年9月同社取締役、2020年3月同社取締役兼代表執行役社長より現職。 |
| 黒木 陽一 | 取締役兼執行役 | 1995年4月吉川セミコンダクタ㈱入社、2006年8月同社入社、2023年3月同社取締役兼執行役(技術開発担当)より現職。 |
| 蔡篤恭 | 取締役(非常勤)指名委員 | 1999年1月Powertech Technology Inc. CEO & Chairman、2005年9月同社取締役、2017年1月力成科技日本合同会社職務執行者、2017年6月同社取締役より現職。 |
| 謝永達 | 取締役(非常勤)報酬委員 | 1997年4月Kingston Technology Far East Corp. General Manager、2010年5月Powertech Technology Inc. Senior Vice President、2022年3月同社取締役より現職。 |
| 沈俊宏 | 取締役(非常勤)監査委員 | 1997年7月Taiwan Tea Corporation Manager、2018年2月Powertech Technology Inc. Deputy Director、2025年3月同社取締役より現職。 |
社外取締役は、岩間耕二氏(元東芝執行役常務・指名委員・報酬委員)、森直樹氏(LM虎ノ門南法律事務所パートナー・指名委員・監査委員)、河野通有氏(元三重富士通セミコンダクター代表取締役社長・監査委員・報酬委員)です。
同社は、業務執行と監督機能の分離による経営監督機能の発揮、意思決定の迅速化を目的として、指名委員会等設置会社の体制を採用しています。取締役8名のうち3名が社外取締役であり、各委員会では過半数が社外取締役で構成されています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
テラプローブの役員報酬は、中長期的な企業価値向上に資する報酬体系を基本方針としています。取締役には監督機能の有効性を確保するため固定報酬を、執行役には職務の役割と責任に応じた固定報酬に加えて業績連動報酬を支給しています。業績連動報酬の指標は連結損益計算書における税金等調整前当期純利益であり、市場環境の変化に対応するため目標値は設定していません。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 12百万円 | 2.0百万円 |
| 執行役 | 6名 | 1.1億円 | 19.2百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 20百万円 | 6.7百万円 |
執行役兼務取締役の報酬等は、取締役及び執行役それぞれの報酬等の額に区分して表示されています。なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した取締役1名を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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