※本記事は、インテグラル株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月19日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
インテグラルグループは、PE投資事業を主軸とし、未公開企業への投資ファンド組成・運用、経営支援を通じて企業価値向上を図っています。2024年11月からは不動産投資事業、2025年3月からはグローバルテック・グロース投資事業も開始し、投資対象領域を広げています。
単体従業員数は93名、連結従業員数は98名です。報告セグメントはPE投資事業、不動産投資事業の2つです。
同社グループは、2024年11月より不動産投資事業、2025年3月よりグローバルテック・グロース投資事業を開始し、投資対象領域を拡大しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
インテグラルは、プライベートエクイティ投資を主軸に、長期的な視点で企業価値向上を目指すプロフェッショナル集団です。従業員の専門性向上と多様な働き方を重視し、個々の成長を支援する環境が整っています。このような環境で、自身のキャリアを築きたいと考える方にとって、同社の給与水準や働き方は重要な要素となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が5年未満となっており、専門性の高い投資事業において、キャリアアップや新たな挑戦を志向する人材が活躍している傾向が見られます。平均年齢は30代後半から40代前半であり、経験豊富なプロフェッショナルが中心となって事業を推進していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 21,356,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.9年 |
| 平均年齢 | 39.5歳 |
| 単体従業員数 | 93人 |
| 連結従業員数 | 98人 |
| 単体のグループ内比率 | 94.9% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、価値創造の最大の源泉を「人」と捉え、「Trusted Investor=信頼できる資本家」たる人材の育成と、従業員一人ひとりがパフォーマンスを最大限発揮できる職場環境の整備を重視しています。変化の激しい投資環境において、投資先企業の経営者と同じ目線で長期的な成長を実現できる人材の育成と、「ワンチーム」の醸成を人材育成の優先事項としています。
人事制度や報酬決定方針に関する具体的な記述は有価証券報告書では確認できませんが、人事に関する重要事項はパートナー経営会議で討議され、全社施策として実行・運営される体制が整っています。同社グループでは、「インテグラル道場」という独自の人材育成プログラムを通じて、専門性や知見、人間性を兼ね備えたプロフェッショナル集団の構築を目指しています。
また、多様な従業員が安心感を持って長く働き続けられるよう、社内環境整備にも力を入れています。具体的には、社内研修制度やメンター制度、バディ制度を通じた従業員エンゲージメントの向上、育児休業やリモートワーク、フレックスタイム制といった多様な働き方の推進に取り組んでいます。さらに、DEI(Diversity, Equity & Inclusion)の推進として、性別や国籍にとらわれない人材登用や女性投資プロフェッショナルの採用・育成強化、ウェルビーイング向上に向けた人間ドック補助やメンタルヘルスチェックなども実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。同社グループは、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しています。
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
インテグラルは、PE投資事業を主軸としつつ、不動産投資事業やグローバルテック・グロース投資事業へと投資対象を拡大している企業グループです。経営理念である「Trusted Investor=信頼できる資本家」を目指し、資本家たるファンドと経営者が強い信頼関係の下に協力し合う企業変革の実現に貢献することをミッションとしています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、主に未公開企業への投資を通じて企業価値を高め、その成果を収益としています。PE投資事業で培ったノウハウを活かし、新たなアセットクラスへの投資も積極的に進めています。
PE投資事業
PE投資事業では、主に未公開株式会社への投資を目的として、ファンドを組成・運用しています。同社グループはGPとしてファンドの運用を行い、管理報酬を得るとともに、投資先企業への経営支援を通じて企業価値を高め、株式上場やトレードセール等のExitを図ることでキャピタルゲインやキャリードインタレストを得ています。また、自己資金によるプリンシパル投資も行い、収益機会の拡大を図っています。
不動産投資事業
不動産投資事業では、日本国内の多種多様なアセットに投資を行うファンドを組成・運用しています。PE投資事業と同様に、GPとしてファンド運営の対価として管理報酬を得るとともに、既存アセットにリノベーションやコンバージョンなどの施策を講じて価値を高め、売却することでキャピタルゲインやキャリードインタレストを得ています。
その他の事業セグメント
その他の事業セグメントでは、2025年3月より開始したグローバルテック・グロース投資事業を展開しています。今後は日本・アジア・米国等のグロース企業への投資及び経営支援を行っていく予定です。アジア地域ではGranite Asia Capital Pte. Ltd.と共同でGranite Integral Capital Pte. Ltd.を設立し、グロース投資事業を開始しています。また、米国ではTouring Capital LLCとのアライアンスも開始しています。
同社グループの収益はPE投資事業が最も大きく、これに不動産投資事業が続いています。当連結会計年度の外部顧客への収益のうち、国内が約6割、海外が約4割を占めています。特定の顧客としては、インテグラル3号投資事業有限責任組合とインテグラル5号投資事業有限責任組合からの収益が、それぞれ全体の1割強を占める状況です。
| セグメント | 売上収益(2024年12月期) | 売上収益(2025年12月期) |
|---|---|---|
| PE投資事業 | 312億円 | 133億円 |
| 不動産投資事業 | - | 2.6億円 |
| その他の事業セグメント | - | 62百万円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5年間で変動が見られます。売上収益は、2021年12月期から2024年12月期にかけて増加傾向にありましたが、2025年12月期には減少に転じました。税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益も同様に、2024年12月期まで増加し、2025年12月期には減少しています。
利益率は2024年12月期まで上昇傾向にありましたが、2025年12月期には低下しています。一方で、連結従業員数は一貫して増加傾向を示しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 38.6億円 | 54.4億円 | 141億円 | 312億円 | 137億円 |
| 税引前利益 | 16.8億円 | 29.1億円 | 109億円 | 260億円 | 92.6億円 |
| 税引前利益率 | 43.5% | 53.6% | 77.5% | 83.2% | 67.8% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 11.7億円 | 20.2億円 | 75.7億円 | 181億円 | 60.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 44.04 | 74.52 | 262.37 | 544.67 | 179.48 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は、前期から当期にかけて減少しています。同様に、従業員1人あたり営業利益(連結)も減少する結果となりました。
これは、収益と利益が減少した一方で、連結従業員数が増加したことによるものです。組織の規模が拡大する中で、一人あたりの収益創出効率が変化している状況を示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 380.9百万円 | 139.3百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 317.3百万円 | 94.4百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
インテグラルは、財務基盤の厚みと資金の流れから、現在の経営状況を把握できます。特に、事業活動と投資活動の資金動向は、同社グループが成長投資フェーズにあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
インテグラルは、自己資本比率が74.9%と、プライム市場平均と比較して高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)も10.1%であり、プライム市場平均を上回っています。手元資金として現金及び現金同等物が193億円あり、財務基盤の厚みを示しています。これらの財務指標は、同社グループの安定した経営状況を反映しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 576億円 | 624億円 |
| 自己資本比率 | 72.9% | 74.9% |
| ROE(自己資本利益率) | 37.1% | 10.1% |
| 現金及び現金同等物 | 221億円 | 193億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
インテグラルは、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローが13.8億円のマイナスとなりました。これは主に税引前当期利益を計上し、営業債権及びその他の債権が減少した一方で、ポートフォリオへの投資の増加や公正価値で評価する子会社への投資の増加、法人所得税の支払いが影響しています。投資活動によるキャッシュ・フローは84百万円のマイナスで、有形固定資産の取得による支出によるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは13.9億円のマイナスとなり、公正価値で評価している子会社からの借入れによる収入があった一方で、借入金の返済や配当金の支払いが発生しました。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローもマイナスとなっています。投資事業会社である同社グループは、新たな企業への投資機会に対応し、経営基盤を強化していく方針を示しており、現在のキャッシュ・フローは積極的な投資活動の状況を反映していると言えます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 58.2億円 | △13.8億円 |
| 投資CF | △1.0億円 | △0.8億円 |
| 財務CF | △25.0億円 | △13.9億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 57.2億円 | △14.6億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの事業は、主にPE投資事業の収益と費用で構成されており、投資ポートフォリオの公正価値変動やキャピタルゲイン、キャリードインタレストの変動が業績に大きな影響を与える可能性があります。また、投資業界では有望な企業への投資案件獲得競争が激化しており、競合他社との価格競争により収益性が悪化するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、事業の特性上有能な投資プロフェッショナル等の人材に大きく依存しており、将来の成長と成功は人材確保にかかっています。有能な人材の市場は競争が激しく、追加的な人材の採用や現在の人材の維持・継続的な育成に成功しない可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
インテグラルは、「積分、積み重ね」を意味する社名に「ハートのある信頼関係と最高の英知の積み重ね」を象徴させ、PE投資事業において『Trusted Investor=信頼できる資本家』として日本型企業改革の実現を目指しています。不動産投資事業においても、社会と地域に寄り添い、未来を見据えた投資活動を通じて都市の未来を創造する「Trusted Investor」を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
インテグラルグループの経営理念は『Trusted Investor=信頼できる資本家』です。同社グループは、資本家たるファンドと経営者が強い信頼の下に協力し合う変革の実現に貢献することをミッションとしています。世界に通用する日本型企業改革の実現を目指しており、PE投資事業と不動産投資事業の双方でこの理念を実践しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
インテグラルグループは、PE投資事業と不動産投資事業において共通して3つの行動規範を掲げています。具体的には、「ハートのある信頼関係を事業すべての基礎とすること」、「長期的な企業価値の向上を愚直に追求すること」、そして「最高の英知を結集し、『新しい何か』の創造に挑戦すること」です。
また、同社グループはサステナビリティを体現した創業理念を持ち、2016年には責任投資原則(PRI)に署名し、ESG投資方針を策定しています。人的資本の強化に向けては「One Teamで英知を結集する」というコンセプトを掲げ、多様な人材が活躍できる職場環境の整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
インテグラルグループは、PE投資事業と不動産投資事業における人材の確保と育成を重要な課題としています。人材育成プログラム「インテグラル道場」や社内データベース「i-Source」を通じて、プロフェッショナル人材の育成と定着化を図っています。
また、DX推進とAI活用を経営上の重要課題と位置づけ、業務効率化や投資先におけるDX推進支援に取り組んでいます。長期的な成長機会の追求として、マルチアセット化に伴う経営管理機能の強化と最適な資金配分を行い、グループ全体の成長最大化を目指しています。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
インテグラルは、監査等委員会設置会社として、取締役会の監督機能強化と意思決定の迅速化を図る経営体制を採用しています。取締役会は社外取締役を過半数とする構成です。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
インテグラルの株主構成を見ると、代表取締役パートナーである山本礼二郎氏が筆頭株主となっています。また、上位株主には取締役パートナーの水谷謙作氏やパートナーの佐山展生氏など、同社の経営陣やパートナーが複数名を占めています。これにより、経営陣が主要な株主として同社の経営に深く関与している資本構成であることが示されています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 山本礼二郎 | 28.61% |
| 佐山展生 | 23.86% |
| 水谷謙作 | 7.93% |
| 辺見芳弘 | 6.25% |
| State Street Bank And Trust Company 505103 | 1.62% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は9名(男性8名・女性1名)で構成され、女性役員比率は11.1%です。代表取締役パートナーは山本礼二郎氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山本 礼二郎 | 代表取締役パートナー | 1984年三井銀行(現:三井住友銀行)入行、2000年ユニゾン・キャピタル入社、2004年GCA取締役パートナー、2006年同社代表取締役パートナーより現職。 |
| 辺見 芳弘 | 取締役パートナー | 1980年三井物産入社、1990年ボストン・コンサルティング・グループ入社、1998年同社パートナー、2004年東ハト代表取締役社長、2007年同社取締役パートナーより現職。 |
| 水谷 謙作 | 取締役パートナー | 1998年三菱商事入社、2005年モルガン・スタンレー証券入社、2006年GCA入社、2007年同社取締役パートナーより現職。 |
| 仲田 真紀子 | 取締役パートナー | 1997年さくら銀行(現:三井住友銀行)入行、2001年大和証券エスエムビーシー入社、2005年McKinsey & Company, Inc.入社、2007年同社入社、2024年同社取締役パートナーより現職。 |
社外取締役は、竹内弘高氏(国際基督教大学理事長)、冨田勝氏(慶應義塾大学名誉教授)、櫛田正昭氏(元横浜ゴム常任監査役・常勤監査等委員)、三橋優隆氏(公認会計士・監査等委員)、菊地伸氏(弁護士・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会の監督機能強化と意思決定の迅速化を目指しています。監査等委員会は全員が社外取締役で構成され、独立した視点から経営のチェック体制を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
インテグラルでは、取締役(監査等委員を除く)の報酬は株主総会で決議された総枠内で、役位や職務内容、実績、貢献度を考慮して決定されます。代表取締役パートナーが指名・報酬委員会の審議内容を尊重し、アニュアルレビューの結果を踏まえて個別の報酬額を決定する仕組みです。監査等委員である取締役の報酬は、株主総会で決議された限度額内で監査等委員の協議により決定されます。また、役職員出資制度に基づく出資も行われています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 社外取締役(監査等委員を除く) | 2名 | 24百万円 | 12.0百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。
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