【平均年収756万円】ラクオリア創薬 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収756万円】ラクオリア創薬 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

ラクオリア創薬は、先端科学技術を活用し、医療分野で新たな医薬品を生み出す研究開発型の創薬ベンチャー企業です。独自に創出した開発化合物の知的財産権を製薬企業に導出し収益を得ています。直近期は前期の損失から一転して利益を計上し、収益性を大きく改善しました。


目次

※本記事は、ラクオリア創薬株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月23日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ラクオリア創薬は、先端科学技術を活用し、医療分野のニーズが高い疾患領域で新たな医薬品を生み出す研究開発型の創薬ベンチャー企業です。独自に創出した開発化合物の知的財産権を製薬企業各社に導出することで収益を得るビジネスモデルを基本としています。

単体従業員数は64名、連結従業員数は85名です。

主な国内グループ会社は、テムリック(がん領域に特化した創薬事業)、ファイメクスなどです。

ラクオリア創薬は、2026年1月1日付で完全子会社であるテムリックを吸収合併しました。これは事業効率化とコスト削減を目的としています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ラクオリア創薬は、創薬研究という専門性の高い分野で事業を展開しており、従業員一人ひとりの専門性と働きがいを重視する環境が特徴です。研究開発型企業として、人材の育成と働きやすい職場環境の整備に力を入れています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、従業員の平均年齢が比較的高く、平均勤続年数も一定の長さがあることから、経験豊富な人材が長く活躍している傾向が見られます。専門性の高い創薬研究において、長期的なキャリア形成が可能な環境であると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 7,557,868円
平均勤続年数 10.1年
平均年齢 48.1歳
単体従業員数 64人
連結従業員数 85人
単体のグループ内比率 75.3%


同社グループは確定拠出年金制度を採用しています。

なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人材を最も重要な経営資源と認識し、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、人材の育成と働きやすい職場環境の整備を進めています。特に、創薬研究という不確実性の高い分野において、高度な専門性を持つ研究人材の継続的な育成と、その知見を最大限に引き出す研究環境の整備を重要な経営課題としています。

具体的には、プロジェクト型の研究開発体制のもと、研究者が主体的に課題設定や意思決定に関与する機会を重視し、実践を通じた能力開発を図っています。また、名古屋大学をはじめとするアカデミアとの産学連携を通じて、研究者が最先端の科学的知見に継続的に触れられる環境の構築にも取り組んでいます。

社内環境の整備においては、社員が生産性を高め、最大限に成果を発揮し、働きやすい環境で成長を実感できることを目指しています。社員一人ひとりのワークライフバランスに配慮し、働き方の多様性を認め合う風土の醸成、安全で快適な労働環境の維持・向上に努めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体のデータを示します。連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、記載を省略しています。男性労働者の育児休業取得率は、育児休業取得の対象となる男性労働者がいないことを示しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 13.6%
男性労働者の育児休業取得率 -
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 70.5%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 73.8%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 56.7%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ラクオリア創薬は、先端科学技術を活用し、医療分野でニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出すことを目指す研究開発型の創薬ベンチャー企業です。独自に創出した開発化合物の知的財産権を製薬企業各社等に導出することで収益を獲得しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、医薬品の研究開発を主たる事業としています。探索研究、前臨床試験、初期臨床試験の段階を主な事業分野とし、有効性及び安全性が概ね評価可能となる段階までを同社グループで行い、その後製薬企業各社等へ開発化合物を導出することを基本としています。これにより、研究開発に係る費用及びリスク負担を低減しています。

収益は、開発化合物等の導出により獲得するロイヤルティ収入と、契約一時金・マイルストン収入等の「その他」の2種類で構成されています。歴史的に消化器疾患領域や疼痛疾患領域を中心に研究開発を行ってきましたが、現在はがんと神経疾患を含む幅広い疾患領域に取り組んでいます。

具体的には、胃酸分泌抑制剤「K-CAB®」(一般名:tegoprazan)は韓国で好調な売上を維持し、グローバル展開も進展しています。米国では第Ⅲ相臨床試験で良好な結果が得られ、韓国での物質特許も確立されました。また、犬の骨関節炎治療薬「GALLIPRANT®」などのペット用医薬品も順調に売上を伸ばしています。

同社グループは、自社単独での研究開発に加え、アカデミアやスタートアップ、ベンチャー企業等との協力関係を深めるオープンイノベーション型の研究開発を積極的に展開しています。連結子会社のファイメクスは、アステラス製薬と共同で標的タンパク質分解誘導剤の研究開発を進め、複数のマイルストンを達成しています。HKイノエン社との資本業務提携も締結し、財務基盤の強化と戦略的パートナーシップの構築を進めています。

同社グループの事業収益は、ロイヤルティ収入と契約一時金・マイルストン収入等から得ています。主要な顧客はHK inno.N Corporation、アステラス製薬、Elanco Animal Health Inc.であり、アジア、日本、米国が主な収益地域となっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で変動が見られます。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益は、第16期および第17期に損失を計上しましたが、当期である第18期には再び利益を計上する結果となりました。特に当期は、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がいずれも前期から大きく改善しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
経常利益 8.6億円 9.0億円 △2.9億円 △3.6億円 4.4億円
親会社株主に帰属する当期純利益 7.6億円 7.2億円 △3.2億円 △5.0億円 2.7億円
1株当たり当期純利益(円) 36.07 34.50 △14.98 △22.87 11.53

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの当期純利益は、前期に損失を計上していましたが、当期には利益を計上する水準に転換しました。これは、同社グループ全体の収益性が改善し、従業員一人ひとりの稼ぐ力が向上している傾向を示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
従業員1人あたり当期純利益(連結) △5.8百万円 3.2百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


ラクオリア創薬グループの財務状況は、自己資本比率の改善と当期純利益の計上により、安定性が高まっていることが示されています。一方で、事業活動によるキャッシュ・フローは使用超過となっており、成長投資フェーズにあることがうかがえます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


ラクオリア創薬グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から改善し、高い水準を維持しています。ROE(自己資本利益率)もプラスに転じており、収益性が向上していることが示されています。手元資金は前期からわずかに減少していますが、引き続き一定の厚みがある状態です。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 55.7億円 69.0億円
自己資本比率 57.4% 65.1%
ROE(自己資本利益率) - 4.4%
現金及び預金 33.4億円 32.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


ラクオリア創薬グループの当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動による資金が使用超過となっています。これは主に売上債権の増加などが要因となっています。投資活動による資金は獲得超過に転じており、定期預金の払戻しなどによるものです。財務活動による資金は獲得超過となっており、株式発行による収入などが要因となっています。全体として、本業の資金繰りは使用超過であるものの、財務活動による資金調達で補い、投資活動も行っている状況です。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 1.8億円 △3.5億円
投資CF △36.7億円 1.2億円
財務CF 29.8億円 3.8億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △34.8億円 △2.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

医薬品の研究開発は、探索研究から承認取得まで長期間を要し、巨額の研究開発費用が必要とされる一方、成功確率は低いという特性があります。また、多くの製薬会社や創薬ベンチャー企業との競合関係があり、同社グループの研究開発や開発化合物の導出に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは小規模組織であり、業務上必要な人員の増強及び内部体制の充実を図っていく方針です。しかし、高度な専門的な知識・技能を持った優秀な人材の確保に支障が生じる可能性や、優秀な人材が社外に流出する可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ラクオリア創薬は「innovators for life」をスローガンに掲げ、サイエンスを追求し新たな薬を生み出すことを文化として大切にしている会社です。医療ニーズの高い領域で革新的な医薬品を創出し、患者さんの健康と福祉に貢献することを目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


ラクオリア創薬は「innovators for life」をスローガンに掲げ、サイエンスを追求し新たな薬を生み出すことを大切にしています。同社グループは、先端科学技術を活用し、医療ニーズの高い疾患領域に対する新たな医薬品を生み出す研究開発型の創薬ベンチャー企業です。独自に創出した新薬の開発化合物を製薬会社等に導出し、収益を獲得することを事業展開の基本としています。未だ治療薬のない疾病に苦しむ患者に医薬品を届けることを使命とし、持続的な成長と研究開発プロジェクトの価値向上を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


ラクオリア創薬は「innovators for life」をスローガンに掲げ、サイエンスを追求し新たな薬を生み出す文化を大切にしています。同社グループは人材を最も重要な経営資源と捉え、性別や国籍を問わず優秀な人材の確保と成長支援、働きやすい職場環境の整備を進めています。研究開発は探索研究から初期臨床開発までを一貫して推進し、研究者には専門性と分野横断的な視点が求められます。プロジェクト型の研究開発体制のもと、主体的な課題設定や意思決定を通じて実践的な能力開発を重視しています。また、産学連携を通じて最先端の科学的知見に触れる機会を提供し、社員一人ひとりのワークライフバランスに配慮した多様な働き方を尊重する風土を醸成しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、研究開発基盤の強化と研究開発ポートフォリオの拡充を重要な経営課題としています。具体的には、新規モダリティ研究の拡大、外部との共同研究の推進、専門性を有する人材の確保に取り組んでいます。また、パイプライン及びプログラムの価値向上に向けて、スタートアップ企業やアカデミアとの連携を積極的に活用し、新たな開発候補物質の創出を目指しています。導出活動とアライアンスマネジメントの強化も重点テーマであり、グローバルな導出活動やパートナー候補企業の拡大、導出先との信頼関係強化を進めています。さらに、人的資本の拡充として、従業員エンゲージメントの向上、専門人材の計画的採用と育成、研究環境の高度化、安全衛生およびコンプライアンス体制の強化を継続的に実施しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ラクオリア創薬は監査等委員会設置会社であり、経営と執行の分離を図るため執行役員制度を導入しています。取締役会は社外取締役が過半数を占める構成となっています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ラクオリア創薬の株主構成を見ると、KOREA SECURITIES DEPOSITORY-SAMSUNGが筆頭株主となっています。個人株主である柿沼佑一氏や、製薬会社のファイザーも上位株主に名を連ねています。多様な背景を持つ株主が同社を支えている状況です。

株主名 持株比率
KOREA SECURITIES DEPOSITORY-SAMSUNG 10.61%
柿沼 佑一 9.75%
ファイザー 3.04%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


ラクオリア創薬の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役は須藤正樹氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。

氏名 役職 主な経歴
須藤 正樹 代表取締役 帝人、ファイザー製薬を経て、2008年同社研究部門プリンシパルサイエンティスト。創薬研究部門化学研究部長、執行役員などを歴任し、2025年より同社代表取締役に現職。
宇都 克裕 取締役 日本ベーリンガーインゲルハイム、旭化成ファーマ、マルホを経て、2021年同社研究企画部長。執行役員などを歴任し、2022年より同社取締役に現職。


社外取締役は、土屋裕弘氏(元田辺三菱製薬代表取締役会長)、石井幸佑氏(石井幸佑会計事務所代表・公認会計士・指名・報酬委員会委員長)、柿沼佑一氏(髙篠・柿沼法律事務所パートナー・弁護士)、中野貴之氏(帝人ミッション・エグゼクティブ再生医療・埋込医療機器部門長)です。

ラクオリア創薬は監査等委員会設置会社であり、経営の監督機能強化のため社外取締役を4名選任しています。経営と執行の分離を図るため執行役員制度も導入しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ラクオリア創薬の役員報酬は、取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)については固定報酬、業績連動報酬としての事後交付型業績連動型株式報酬(PSU)、非金銭報酬としての譲渡制限付株式報酬(RS)で構成されています。監査等委員である取締役及び社外取締役は、客観的かつ独立した立場から経営を監督する役割を重視し、基本報酬のみの固定報酬となっています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 52百万円 17.2百万円
社外役員 5名 24百万円 4.7百万円


なお、取締役の支給額には、使用人兼務取締役の使用人分給与は含まれていません。

報酬等の総額が1億円以上である役員は存在しないため、個人別の報酬開示はありません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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