※本記事は、株式会社グランディーズの有価証券報告書(第20期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. グランディーズってどんな会社?
同社グループは不動産販売事業と建築請負事業を主力とし、多様な住環境を提供しています。
■(1) 会社概要
2006年に大分県で設立され、2007年に投資用マンション「レスコ」シリーズの販売を開始しました。2008年に建売住宅「フォレクス」シリーズの提供を開始し、2012年に福岡証券取引所Q-Board市場、2014年に東京証券取引所マザーズ市場へ上場しました。直近では同業のM&Aも進めています。
現在の従業員数は連結で60名、単体で24名です。大株主の状況を見ると、筆頭株主は創業者で代表取締役社長の亀井浩氏であり、第2位は有限会社イージー・コンサルティング、第3位はSBI証券となっています。創業者による所有構造となっていることがうかがえます。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 亀井 浩 | 41.04% |
| 有限会社イージー・コンサルティング | 9.75% |
| SBI証券 | 0.88% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は亀井浩氏が務めています。取締役における社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 亀井 浩 | 代表取締役社長 | 1989年7月インテリア亀井創業。2006年11月グランディーズ設立、代表取締役社長に就任。もりぞうや三愛ホームの代表取締役社長も兼任。 |
| 後藤 大岳 | 取締役営業本部長 | 2009年4月ヒューマンリソシア入社。2013年7月グランディーズ入社。2023年4月執行役員営業副本部長を経て、2024年3月より現職。 |
社外取締役は、原口祥彦(弁護士法人アゴラ代表社員)、藤嶋司(藤嶋公認会計士事務所所長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「不動産販売事業」および「建築請負事業」を展開しています。
■不動産販売事業
建売住宅の企画・開発から販売、および投資用不動産(マンション、木造アパート、簡易宿泊所)の企画・販売を展開しています。主な顧客層は、建売住宅では一次取得者層(若年ファミリー層等)、投資用不動産では個人富裕層や法人顧客となります。
収益源は、開発・企画した住宅や投資用物件を顧客へ引き渡す際の販売代金です。建売住宅は中心価格帯を抑えた高品質な商品を、投資用不動産は賃貸収入を目的とした中型マンションやアパートを提供しています。運営は主にグランディーズおよび三愛ホームが行っています。
■建築請負事業
関東甲信越エリアを中心に、国産銘木である「木曾ひのき」を使用した中高級志向の注文住宅の設計・建築を請け負っています。主な顧客は、良質な素材や高いデザイン性、長寿命な住まいを求めるこだわりのある個人層となります。
収益源は、顧客からの注文住宅の建築請負契約に基づく工事代金です。工事の進捗状況に応じて収益を認識するモデルであり、環境に配慮した持続可能な家づくりによる付加価値を提供しています。当事業の運営は主にもりぞうが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は過去5期間で増減を繰り返しながら推移しています。直近の当期は投資用不動産の販売不調や建築確認許可の長期化に伴う着工遅れの影響により減収となり、利益面でも大幅な減益と最終赤字を計上する結果となりました。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 28.1億円 | 26.6億円 | 46.0億円 | 42.3億円 | 34.2億円 |
| 経常利益 | 2.8億円 | 2.2億円 | 1.2億円 | 4.7億円 | 0.3億円 |
| 利益率(%) | 9.8% | 8.4% | 2.7% | 11.0% | 0.8% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 1.9億円 | 1.1億円 | 2.3億円 | 3.4億円 | -1.4億円 |
■(2) 損益計算書
当期は売上高の減少に加え、建築資材価格の上昇等による原価高止まりの影響もあり、売上総利益率が大きく低下しました。販売費及び一般管理費は削減に努めたものの、営業利益は前期比で大幅な減益となっています。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 42.3億円 | 34.2億円 |
| 売上総利益 | 12.6億円 | 7.3億円 |
| 売上総利益率(%) | 29.8% | 21.4% |
| 営業利益 | 4.8億円 | 0.1億円 |
| 営業利益率(%) | 11.4% | 0.4% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が1.7億円(構成比24%)、地代家賃が0.9億円(同12%)、支払手数料が0.7億円(同10%)を占めています。
■(3) セグメント収益
不動産販売事業は、建売住宅部門の販売棟数が増加した一方、大型投資用不動産の販売が不調となり減収となりました。建築請負事業は、建築基準法等の改正に伴う確認許可の長期化で着工が滞り、売上が大幅に減少しています。
| 区分 | 売上(2024年12月期) | 売上(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 不動産販売事業 | 25.0億円 | 20.4億円 |
| 建築請負事業 | 17.3億円 | 13.8億円 |
| 連結(合計) | 42.3億円 | 34.2億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社は、建築請負事業におけるコスト構造改善や法改正による着工遅延の影響を受け、売上高が減少しました。営業活動による資金は、棚卸資産や前渡金の増加等により減少しました。投資活動では、子会社株式の取得により資金を使用しました。財務活動では、短期借入れ等により資金を獲得しました。これにより、期末の現金及び現金同等物は減少しました。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.8億円 | -5.3億円 |
| 投資CF | -0.2億円 | -4.1億円 |
| 財務CF | 2.8億円 | 2.9億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、「我々の創造する立派な商品・サービスを通じ、全てのステークホルダーと共に物質的・精神的豊かさを追求する」という経営理念を掲げています。高品質で価格競争力のある建売住宅や、富裕層向けの投資用不動産、こだわりの注文住宅など、多様なニーズに応える最適な住環境の提供を目指しています。
■(2) 企業文化
行動規範(フィロソフィ)の周知徹底を図り、中長期的な視点で中核人材の育成に取り組む姿勢を重視しています。また、経営目標に向けた全社的な一体感を醸成しつつ、品質と適正価格を両立させる「まじめに働く一次取得者層がムリなく買える良い家」という開発コンセプトに表れるような誠実な顧客志向が根付いています。
■(3) 経営計画・目標
同社は、経営指標の目標を「営業利益」と「売上高営業利益率」に置いており、ビジネスモデルの骨太化と商圏の拡大を通じた中長期的な成長の確保を目指しています。また、2026年12月期のスローガンを「整える」と定め、今後の更なる成長発展に向けて収益基盤と人員体制を整備することを重視しています。
■(4) 成長戦略と重点施策
不動産販売事業においては、無理な拡大投資は行わず、商品力と価格競争力を維持した安定的な収益確保に努める方針です。また、投資用不動産部門では自社保有物件数を増やし、運用による賃貸収入を積み上げることで収益構造の安定化を図ります。建築請負事業のもりぞうについては、構造改革による早期の黒字転換を目指します。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社は、不動産事業の安定的な成長には優秀な人材の確保と育成が不可欠と認識しています。新卒定期採用を継続的に行い、公的資格の取得支援制度や成長に応じた研修プログラムを実施することで、3年計画での育成と戦力化を進めています。性別や年齢に関係なく安心して働ける職場環境の整備にも注力しています。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 33.8歳 | 4.5年 | 4,328,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社および連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 景気動向や不動産市況の影響
不動産販売事業は、用地価格が不動産市況の動向により急激に変動したり、販売価格が他社の供給状況に影響を受けたりする傾向があります。また、消費者の購買意欲は金利情勢や住宅税制などに左右されるため、これらの動向次第で同社グループの経営成績や財政状態が大きく変動する可能性があります。
■(2) 有利子負債への依存と金利変動
投資用不動産の開発資金等の調達において、金融機関からの借入に一定程度依存しています。現在は金融機関との関係は良好ですが、今後の金利動向の変化や金融機関の融資態度が厳格化した場合、新たな開発資金の調達に支障が生じるなどして、同社グループの事業展開や業績に影響を及ぼすリスクがあります。
■(3) 特定の経営者への依存
主力事業である建売住宅販売は組織的な営業体制が定着しつつありますが、投資用不動産の企画販売や子会社の経営再建については、代表取締役社長である亀井浩氏の手腕に依存している部分があります。同氏が不測の事態により経営に携わることが困難となった場合、同社グループの事業推進に影響が及ぶ可能性があります。



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