※本記事は、K&Oエナジーグループ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
K&Oエナジーグループは持株会社であり、単体従業員数は54名、グループ連結従業員数は691名です。
同社グループは、天然ガスの開発から需要家への供給までを一貫して行うガス事業と、天然ガス生産に付随するかん水を利用したヨウ素事業を主軸に展開しています。連結子会社4社を中心に、幅広い事業活動を行っています。
主な国内グループ会社は、関東天然瓦斯開発(ガス事業・その他)、WELMA、大多喜ガス(同)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
K&Oエナジーグループは、持株会社としてグループ全体の経営戦略を担い、安定した事業基盤を持つ企業グループです。同社グループでは、社員一人ひとりの能力を重視した人材マネジメントと、働きやすい環境づくりに力を入れています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均勤続年数が長く、平均年齢も比較的高い傾向にあり、社員が長く働き続ける環境が整っていることがうかがえます。
なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,545,332円 |
| 平均勤続年数 | 16.4年 |
| 平均年齢 | 42.6歳 |
| 単体従業員数 | 54人 |
| 連結従業員数 | 691人 |
| 単体のグループ内比率 | 7.8% |
同社および連結子会社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を採用しています。これらの制度は国内グループ会社に適用されます。
退職一時金制度がありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
退職給付債務は41.9億円、年金資産は6.7億円となっています。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「環境と調和し、地域社会と共生する事業を展開することで、持続可能な社会の実現に貢献」することを経営理念の一つとしています。この理念に基づき、人的資本に関する戦略を推進しています。
性別や出身地などの属性にとらわれず、各人の能力に応じた人物本位の採用・評価・登用を徹底し、公平かつ公正な人事処遇制度を整備しています。また、誰もが活躍できるための全社的な教育体系や、仕事と家庭の両立支援制度、働きやすい労働環境の整備にも取り組んでいます。
具体的には、多様な人材の確保と活躍推進のため、新卒およびキャリア採用の拡充、多様な働き方および休み方の制度・環境整備を実施しています。従業員の能力開発や能力発揮を促す施策として、研修体系の見直しや研修機会の創出、資格取得支援制度の見直しを行っています。
さらに、従業員の活躍領域を広げるための取り組みとして、キャリアモデルの策定および活用、社内公募制等の環境整備および制度の導入を検討しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データは、女性活躍推進法および育児介護休業法に基づく公表義務の対象ではないため、開示されていません。
連結子会社の法定開示
主要事業会社3社の数値のみ掲載します。
▼ 大多喜ガス株式会社
なお、正社員と処遇の異なる嘱託・パート等に占める女性労働者の割合が大きいことから、全労働者では、賃金の差異が広がっております。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 男性労働者の育児休業取得率 | 88.9% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 44.3% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正社員) | 71.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(嘱託・パート等) | 63.9% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 社員採用に占める女性割合 | 12.0% |
有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
K&Oエナジーグループは、天然ガスの開発から供給までを一貫して行うガス事業と、天然ガス生産に付随するかん水を利用したヨウ素事業を主軸としています。その他にも複数の事業を展開する持株会社です。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、天然ガスの開発・採取から需要家への供給までを一貫して手掛けるガス事業と、天然ガス生産の副産物であるかん水を利用したヨウ素事業を主要な柱としています。これらの事業を通じて、エネルギー供給と高機能素材の提供という二つの側面から社会に貢献しています。収益モデルとしては、安定的なエネルギー供給と、国際市況に影響を受けるヨウ素の販売が特徴です。当連結会計年度において、出光興産が主要な顧客の一つとなっています。
ガス事業
天然ガスの開発・採取・販売、都市ガスの供給・販売、LPガスの販売、圧縮天然ガスの製造・販売を行っています。収益は、主に天然ガスの販売と都市ガス等の供給から得ています。運営は、関東天然瓦斯開発、大多喜ガスが行っています。
ヨウ素事業
ヨウ素の原料となるかん水の販売、ヨウ素及びヨウ素化合物の製造・販売を行っています。収益は、ヨウ素及びヨウ素化合物の販売から得ています。運営は、関東天然瓦斯開発、K&Oヨウ素が行っています。
その他の事業セグメント
電気の供給・販売、土木工事や配管工事等の建設事業、ガス機器等の販売、地熱井等の掘削事業、地質・水質調査事業、米国内における石油・ガス開発事業など多岐にわたります。収益は、これらの多様なサービス提供から得ています。運営は、関東天然瓦斯開発、大多喜ガス、WELMA、KNG AMERICA, INC.などが行っています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| ガス事業 | 721億円 | 677億円 |
| ヨウ素事業 | 135億円 | 151億円 |
| その他の事業セグメント | 67.5億円 | 85.7億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの直近5期間の業績推移を見ると、売上高は変動が見られるものの、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は着実に増加傾向を示しています。特に当連結会計年度においては、売上高はわずかに減少しましたが、利益面では大幅な増加となりました。これは、ヨウ素販売価格の上昇や建設事業の受注増加が利益を押し上げた一方で、ガス事業の販売価格低下が売上高に影響を与えたためです。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 661億円 | 1,062億円 | 963億円 | 924億円 | 914億円 |
| 経常利益 | 44.2億円 | 79.3億円 | 104億円 | 98.3億円 | 117億円 |
| 経常利益率 | 6.7% | 7.5% | 10.8% | 10.6% | 12.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 28.5億円 | 47.7億円 | 64.6億円 | 61.7億円 | 83.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 107.15 | 179.27 | 242.81 | 231.38 | 313.99 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は前期から減少していますが、従業員1人あたり営業利益は増加しています。これは、売上高が減少した一方で、利益率が改善したことを示しており、組織全体の効率化が進んでいる傾向がうかがえます。従業員一人ひとりの生産性が利益面で向上していることは、持続的な成長と収益体質の強化に貢献できる環境であると捉えることができます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 139.4百万円 | 132.2百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 13.3百万円 | 15.3百万円 |
業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
K&Oエナジーグループは、安定した財務基盤を築き、本業で着実に利益を上げながら将来への投資も進めている状況です。キャッシュフローも健全な状態を維持しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループは、高い自己資本比率と潤沢な手元資金を保有しており、強固な財務基盤を構築しています。自己資本比率はプライム市場平均と比較して非常に高い水準にあり、安定した経営状況を示しています。ROE(自己資本利益率)はプライム市場平均を下回るものの、前期から改善傾向にあります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 994億円 | 1,089億円 |
| 自己資本比率 | 80.6% | 82.4% |
| ROE(自己資本利益率) | 6.6% | 8.3% |
| 現金及び預金 | 285億円 | 305億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、成長投資を行いながらも余剰資金を確保している優良な状態を示しています。営業活動によるキャッシュフローは税金等調整前当期純利益や減価償却費などにより増加し、159.1億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュフローは、有価証券及び投資有価証券の取得や有形固定資産の取得などにより、132.6億円の支出となっています。財務活動によるキャッシュフローは、配当金の支払いなどにより16.2億円の支出となりました。
本業で得た資金を成長投資に充てつつ、フリーキャッシュフローもプラスを維持していることから、事業の安定性と将来への投資余力を兼ね備えていることがうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 138.4億円 | 159.1億円 |
| 投資CF | △60.3億円 | △132.6億円 |
| 財務CF | △14.9億円 | △16.2億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 78.1億円 | 26.5億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、経済状況の変動によりガス販売量や売上高が減少する可能性があります。また、「2050年カーボンニュートラル」に向けた社会状況の変化に伴い、他エネルギー企業との競合激化や大口販売先の需要減少、既存需要の他燃料への転換等によって、ガス販売量が減少する可能性も指摘されています。
さらに、大部分を海外に輸出しているヨウ素事業においては、海外市況や為替の動向が販売量や販売価格に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、法令・規則違反や企業倫理に反する行為が発生した場合、信用失墜や損害賠償責任等が生じるリスクを認識しています。子会社等も含めたコンプライアンス体制の整備に取り組んでいます。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
K&Oエナジーグループは、総合エネルギー事業と希少資源であるヨウ素の販売を通じて、社会の持続可能性と人々の豊かな生活に貢献することを目指しています。環境との調和や地域社会との共生を重視し、社員一人ひとりの成長を支援する企業風土を大切にしています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「エネルギーとヨウ素の開発・生産・販売を通じ、快適で豊かな生活と持続可能な社会の実現に貢献します」というグループ経営理念を掲げています。この理念に基づき、「2030年に向けた経営方針」として、国産資源開発のスペシャリストとして環境と調和した開発を推進し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
また、地域社会に欠くことができない総合エネルギー事業者として、快適で豊かな生活の実現に貢献し、暮らしと経済を支えることを掲げています。ステークホルダーの期待に応え、持続可能な企業グループとして成長することもビジョンの一つです。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、社員一人ひとりが積極的に能力を開発・発揮し、高い目標に向かって挑戦する企業風土の実現を目指しています。環境と調和し、地域社会と共生する事業を展開することで、持続可能な社会の実現に貢献することを経営理念の一つとしています。
安全・安心とお客さま満足を追求し、多様なサービスを創出・提供することで、快適で豊かな生活の実現に貢献することも重視しています。人的資本に関する戦略として、性別や属性によらず、各人の能力に応じた人物本位の採用・評価・登用を徹底し、公平かつ公正な人事処遇制度を整備しています。誰もが輝けるための全社的な教育体系や、仕事と家庭の両立支援制度、その他の働きやすい労働環境の整備も進められています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、多様な人材がさまざまな領域で活躍し、社員一人ひとりが積極的に能力を開発・発揮できるよう、活躍の領域を広げる環境整備・制度を推進することを課題としています。持続可能な企業グループとして成長するための経営基盤の強化やガバナンスの向上も重要なテーマです。
中期経営計画「中計2027」の経営基盤戦略では、人材力強化、DXの基盤整備と施策推進、コーポレートガバナンスの強化に取り組むことを掲げています。サステナビリティに関する取り組みとして、重要な社会課題(マテリアリティ)である「気候変動対策への貢献」や「自然環境の保全」への対応も重点テーマです。
会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
K&Oエナジーグループは、監査役会設置会社として、取締役会による業務執行の意思決定と監督、監査役会による厳正な監査を実施しています。役員の指名や報酬については、独立社外取締役と社長執行役員で構成される指名委員会および報酬委員会が事前に審議し、客観性と透明性を確保する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
K&Oエナジーグループの株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である合同資源です。その他、エア・ウォーターや京葉瓦斯といった事業会社が上位に名を連ねており、同社グループの事業と関連性の高い企業群によって支えられている資本構成が特徴です。これらの主要株主は、同社グループの経営基盤を形成する上で重要な存在となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 合同資源 | 18.30% |
| エア・ウォーター | 17.10% |
| 京葉瓦斯 | 13.80% |
| 日本マスタートラスト信託銀行 (信託口) | 5.90% |
| 千葉銀行 | 2.60% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は13名(男性10名・女性3名)で構成され、女性役員比率は23.1%です。代表取締役社長執行役員は緑川昭夫氏が務めています。社外取締役比率は55.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 緑川 昭夫 | 代表取締役 社長執行役員 情報システム部担当 | 1981年大多喜ガス入社。同社取締役、当社執行役員を経て、2020年3月より同社代表取締役社長社長執行役員。2026年3月より現職。 |
| 森 武 | 代表取締役 専務執行役員 経営企画部・人事部担当 | 1983年大多喜ガス入社。関東天然瓦斯開発取締役、当社取締役執行役員を経て、2020年3月より同社代表取締役専務専務執行役員。2026年1月より現職。 |
| 八代 伸彦 | 取締役 執行役員 経理部長 | 1988年大多喜ガス入社。同社経理部長、当社執行役員経理部長を経て、2023年3月より同社取締役執行役員経理部長。現職。 |
| 城 久尚 | 取締役 | 1993年大同ほくさん入社。エア・ウォーターガス化学研究所入所、ミサワ医科工業代表取締役社長等を経て、2026年1月より同社取締役。現職。 |
社外取締役は、菊池節氏(京葉瓦斯代表取締役会長・指名委員会・報酬委員会)、石塚達郎氏(元日立製作所代表執行役執行役副社長・指名委員会・報酬委員会)、小林貞代氏(元資生堂経営企画部未来創造局長・指名委員会・報酬委員会)、森本芳之氏(元ブリヂストン専務執行役員・指名委員会・報酬委員会)、増田由美子氏(消費者の声研究所代表取締役・指名委員会・報酬委員会)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による業務執行の意思決定と監督、監査役会による厳正な監査を実施しています。また、役員の指名や報酬の決定については、独立社外取締役と社長執行役員で構成される指名委員会および報酬委員会が事前に審議し、客観性と透明性を確保しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
K&Oエナジーグループの役員報酬は、社外取締役を除く取締役に対して、基本報酬、業績連動報酬(賞与)、そして譲渡制限付株式報酬で構成されています。報酬構成の目安は基本報酬が約80%、業績連動報酬と株式報酬がそれぞれ約10%であり、上位役位ほど変動報酬の割合が高まる設計です。社外取締役と監査役の報酬は基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 4名 | 60百万円 | 15.0百万円 |
| 監査役(社外除く) | 2名 | 38百万円 | 19.0百万円 |
| 社外役員 | 6名 | 33百万円 | 5.5百万円 |
なお、報酬総額は1.31億円です。
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