※本記事は、株式会社ホットリンク の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
ホットリンクグループは、ソーシャルメディアマーケティング支援事業とWeb3関連事業を展開しています。SNS広告・運用コンサルティング、SNS分析ツールの提供、各種SNSデータアクセス権の販売を通じて、企業のマーケティング活動を支援しています。
単体従業員数は119名、連結従業員数は136名です。セグメントはソーシャルメディアマーケティング支援事業、Web3関連事業の2つです。
主な国内グループ会社は、Nonagon Capitalなどです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ホットリンクは、ソーシャルメディアマーケティングを軸に事業を展開する企業です。同社グループは、人的資本の育成と多様性の尊重を重視しており、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる柔軟な働き方を推進しています。このような環境は、キャリア形成とワークライフバランスの両立を目指す転職者にとって魅力的な要素となるでしょう。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
ホットリンクでは、平均年齢が比較的若く、平均勤続年数も短めであることから、活発な組織であることがうかがえます。新しい環境で自身の専門性を高めたいと考える方にとって、成長機会の多い職場環境が期待できるでしょう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,716,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.7年 |
| 平均年齢 | 34.0歳 |
| 単体従業員数 | 119人 |
| 連結従業員数 | 136人 |
| 単体のグループ内比率 | 87.5% |
ホットリンクには、確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度があります。この制度は国内および海外のグループ会社に適用されます。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ホットリンクは、人的資本の育成と多様性の尊重を経営の重要課題と位置づけています。同社グループのビジョンである「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」の実現を通じて、企業と社会の持続的な発展に貢献することを目指しています。
具体的な取り組みとして、子育てや介護を行う従業員を含む全ての社員が男女平等に活躍できる環境整備に注力しています。フレックスタイム制度やリモートワークの導入により、従業員が能力や個性を最大限に発揮できるよう支援しています。
また、女性の活躍推進と能力発揮に向けた職場風土改革のため、半期に一度の社内研修を実施しています。出産・育児期におけるキャリア継続支援として、育児休業からの復職前面談や短時間勤務制度を整備し、ライフステージに応じた柔軟な勤務形態を可能にしています。男性社員の育児休業取得実績もあり、多様な働き方を支援する体制が整っています。なお、人事制度の具体的な概要や給与・報酬の決定方針については、有価証券報告書では詳細を確認できません。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。男性育児休業取得率および男女賃金差異に関する数値は、本記事では取得できていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 34.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ホットリンクグループは、ソーシャルメディアマーケティング支援とWeb3関連事業を二つの柱として展開しています。顧客企業のSNS活用を多角的にサポートし、Web3領域での新たな事業創出にも注力しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ホットリンクグループは、ソーシャルメディア上のビッグデータを活用し、企業や団体のマーケティング活動を支援する事業を主軸としています。また、Web3分野への投資運用を通じて、新たな技術領域での知見蓄積と事業開発を進めています。
収益は、SNSマーケティング支援サービスやSNSデータアクセス権の販売、Web3関連の投資運用やサービス提供から得ています。特定の顧客への売上集中も見られます。
ソーシャルメディアマーケティング支援事業
この事業は、SNSマーケティング支援事業とDaaS事業の二つの区分で構成されています。SNSマーケティング支援事業は、主に日本国内向けにSNS広告や運用コンサルティング、SNS分析ツールを提供し、分析から施策立案、効果測定までを一貫してサポートしています。DaaS事業は、米国子会社であるEffyis, Inc.が主にSNSデータアクセス権の販売を行っており、北米市場におけるマクロ環境変動の影響を受け、売上は減少傾向にあります。
収益は、SNS広告・運用コンサルティング、SNS分析ツールの提供、およびSNSデータアクセス権の販売から得ています。運営は、同社およびEffyis, Inc.が行っています。
Web3関連事業
この事業は、Web3分野への投資運用を主とし、Nonagon Capitalを通じてWeb3関連企業やプロジェクトへの投資を行っています。また、「Nonagon Report」や「Nonagon Connect」といったレポート提供・コミュニティ事業、バリデーター運用支援サービスも展開しています。
収益は、Web3関連への投資運用益、レポート提供、コミュニティ事業、バリデーター運用支援サービスから得ています。運営は、合同会社Nonagon CapitalおよびNONAGON CAPITAL PTE.LTD.が行っています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) | セグメント利益(2024年12月期) | セグメント利益(2025年12月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| ソーシャルメディアマーケティング支援事業 | 42.7億円 | 36.4億円 | △6.8億円 | △17.8億円 | △48.8% |
| Web3関連事業 | 2百万円 | 10百万円 | △30百万円 | △56百万円 | - |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上高は、過去5年間で変動が見られ、直近の2年間は減少傾向にあります。利益面では、過去には大幅な利益を計上した時期もありましたが、直近の2年間は損失を計上しており、特に当期は損失額が大きく拡大しました。この損失には、減損損失といった非現金項目が影響していることが示されています。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスを維持しており、本業でのキャッシュ創出力は継続している状況です。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 65.7億円 | 79.1億円 | 47.4億円 | 42.7億円 | 36.5億円 |
| 税引前利益 | 10.6億円 | 18.8億円 | 2.9億円 | △4.9億円 | △19.9億円 |
| 税引前利益率 | 16.1% | 23.7% | 6.1% | △11.4% | △54.5% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 7.6億円 | 18.2億円 | 2.3億円 | △5.6億円 | △17.9億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 49.22 | 116.77 | 14.47 | △36.00 | △113.97 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期と比較して減少しています。これは、売上高の減少と従業員数の変動が影響していると考えられます。また、従業員1人あたり営業利益は、前期に引き続き損失を計上しており、損失幅が拡大しています。これは、売上高の減少に加え、減損損失などの費用計上が影響していると見られます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 30.5百万円 | 26.8百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △5.0百万円 | △13.5百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ホットリンクは、営業活動によるキャッシュフローはプラスを維持しているものの、投資活動による支出が大きく、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは、将来に向けた積極的な投資を行っている成長フェーズにあることを示しています。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ホットリンクの財務基盤を見ると、自己資本比率は前期から減少傾向にありますが、プライム市場の平均と比較して高い水準を維持しています。一方で、ROE(自己資本利益率)はマイナスとなっており、収益性の改善が課題であることがうかがえます。手元資金である現金及び現金同等物は前期から減少しており、資金の流動性には注意が必要です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本 | 58.6億円 | 40.3億円 |
| 自己資本比率 | 74.4% | 67.3% |
| ROE(自己資本利益率) | - | △36.1% |
| 現金及び現金同等物 | 33.0億円 | 24.3億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ホットリンクグループの営業活動によるキャッシュフローは、当期に2.4億円の増加となりました。これは、税引前当期損失や金融収益による資金減少があった一方で、減損損失や減価償却費及び償却費、金融費用、営業債務及びその他の債務の増加により資金が増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローは、当期に△9.2億円の減少となりました。投資有価証券の売却による収入があったものの、暗号資産の取得や無形資産の取得による支出が資金減少の主な要因となっています。財務活動によるキャッシュフローは、当期に△1.4億円の減少となりました。長期借入による収入があった一方で、長期借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払いが資金減少につながっています。
これらのキャッシュフローの動きから、同社グループは本業で資金を生み出しつつも、将来の成長に向けた投資を積極的に行っている状況がうかがえます。フリーキャッシュフローがマイナスであることから、投資活動に多くの資金を投じていることが示されており、今後の事業展開と収益化が雇用や給与の安定性、そして会社の成長性に影響を与える可能性があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 3.0億円 | 2.4億円 |
| 投資CF | △4.3億円 | △9.2億円 |
| 財務CF | △1.9億円 | △1.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △1.4億円 | △6.8億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、ソーシャルメディアデータに関する法整備や運営側の方針転換により、情報収集やサービス提供に制約が生じるリスクを認識しています。また、国内外の景気後退や地政学リスク、インフレ圧力の増大が、主要顧客の経営状態や業績に影響を及ぼし、同社グループの事業及び業績に重大な影響を与える可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、優秀な人材の採用と維持を重要な課題と認識しています。優秀な人材を確保・育成できない場合や、事業変革に伴うニーズにマッチした人材の補充ができない場合、同社グループの経営成績や成長に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ホットリンクは、「Make the World “HOTTO” わたしたちは、人と社会のつながりを再設計し、世界中の人々が“HOTTO(ほっと)”できる社会の実現に貢献します」という存在意義を掲げています。このビジョンのもと、既存事業の深化と新規事業の探索を両立させる「両利きの経営」を実践し、企業価値の向上を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、「Make the World “HOTTO” わたしたちは、人と社会のつながりを再設計し、世界中の人々が“HOTTO(ほっと)”できる社会の実現に貢献します」という存在意義を掲げています。この実現に向けて、『両利きの経営』を実践する方針です。
具体的には、『既存事業の深化』としてソーシャルメディアマーケティング支援を、また『新規事業の探索』としてWeb3分野へのファンド事業を通じたリサーチや事業シナジーの創出に取り組んでいます。既存事業に加え、M&A及び事業インキュベーションを行うことで、外部環境の変化に対応する事業ポートフォリオの創出を通じた企業価値の向上を図っています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、サステナビリティの根幹を「ソーシャルメディアマーケティングにスタンダードを創る」というビジョンの実現を通じて、企業及び社会の持続的な発展に貢献することと考えています。事業の継続的な成長と社会課題の解決の両立を目指す方針です。
また、人的資本の育成と多様性の尊重を重要視しており、子育てや介護を行う従業員を含む全ての従業員が男女平等に活躍できる環境整備を進めています。フレックスタイム制度及びリモートワークの導入等により、従業員の能力や個性を最大限に発揮できるような取り組みを行っています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、短期的な業績向上と中長期的な企業価値向上を遂げるため、主要課題に取り組んでいます。SNSマーケティング支援事業では、人材の質と量に依存する傾向があるため、優秀な人材の確保に努める方針です。
AIツールの導入による社内業務の効率化を推進し、職場環境の改善とコストコントロールの実現を目指しています。また、Web3関連事業では、ガバナンス体制の高度化を進める方針です。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ホットリンクの取締役会は、社外取締役を含む体制で構成されています。同社は監査役会設置会社として、経営の健全性と透明性の向上に取り組んでいます。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
内山幸樹氏が筆頭株主であり、複数の個人株主が上位に名を連ねています。また、事業会社であるFaber Companyも主要な株主の一つとなっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 内山 幸樹 | 18.34% |
| Faber Company | 6.34% |
| 鈴木 智博 | 3.08% |
| 水元 公仁 | 2.84% |
| 楽天証券共有口 | 2.83% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は6名(男性6名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役は檜野安弘氏が務めています。社外取締役比率は66.7%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 檜野 安弘 | 代表取締役 | 2011年4月株式会社オプト入社、ソーシャルメディア事業本部本部長を経て、2015年4月同社入社、執行役員営業本部長。株式会社トレンドExpress代表取締役、同社執行役員CEOを歴任。2023年4月合同会社Nonagon Capital代表職務執行者、2025年3月同社代表取締役グループCEOより現職。 |
社外取締役は、安宅和人氏(LINEヤフー株式会社シニアストラテジスト・慶應義塾大学環境情報学部教授)、椎名茂氏(マーヴェリック株式会社代表取締役・日本障害者スキー連盟会長)です。
同社は監査役会設置会社です。社外取締役は独立した立場から取締役会の意思決定や業務執行を監督し、コーポレート・ガバナンスの強化に貢献しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業価値の持続的な向上と株主利益への連動を重視した体系です。社外取締役を除く取締役には、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬、および株式報酬が支給されます。社外取締役には、その職務の性質から基本報酬のみが支払われる仕組みです。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 28百万円 | 14.2百万円 |
| 社外役員 | 7名 | 18百万円 | 2.6百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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