Aiming 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

Aiming 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

Aimingは東京証券取引所グロース市場に上場し、スマートフォン向け基本無料オンラインゲームの配信および制作・運営受託を主力事業としています。直近の業績は、売上高が前期比で減少したものの、既存タイトルの安定収益や受託事業の好調により営業利益および経常利益ともに黒字転換を果たし、大幅な増益を達成しました。


※本記事は、株式会社Aimingの有価証券報告書(第15期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月26日提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準はJapan GAAPです。

1. Aimingってどんな会社?


同社は、スマートフォン向けを主力とする基本無料オンラインゲームの企画・開発・運営を展開する企業です。

(1) 会社概要


同社は2011年5月に設立され、同年6月に大阪スタジオを開設して事業を本格化させました。2013年にはマーベラスとの共同事業で代表作をリリースし、2015年3月にマザーズ(現グロース)市場への上場を果たしました。その後もスクウェア・エニックス等との共同事業による大型タイトルを配信し、2024年2月にはコロプラと資本業務提携を締結しています。

従業員数は連結で687名、単体で687名体制となっています。筆頭株主は事業会社のコロプラで、第2位には創業者の椎葉忠志氏が名を連ねています。また、第3位には中国のインターネットサービス大手であるTencentグループのIMAGE TECHNOLOGY INVESTMENT LIMITEDが位置しています。

氏名 持株比率
コロプラ 14.01%
椎葉忠志 6.41%
IMAGE TECHNOLOGY INVESTMENT LIMITED 6.26%

(2) 経営陣


同社の役員は男性8名、女性0名の計8名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は椎葉忠志氏が務めており、社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
椎葉忠志 代表取締役社長 1997年テクモ入社。ゲームオン常務取締役、ONE-UP代表取締役などを経て、2011年5月より現職。
萩原和之 取締役事業支援部ディビジョンディレクター 1998年サイバーフロント入社。ゲームオン取締役などを経て、2011年12月同社入社。2021年1月より現職。
田村紀貴 取締役経営管理部ディビジョンディレクター 2003年サクセス入社。サクセスネットワークス管理部長などを経て、2013年10月同社入社。2021年1月より現職。


社外取締役は、武市智行(元スクウェア代表取締役社長)、許田周一(元マーベラス代表取締役社長)です。

2. 事業内容


同社グループは、「オンラインゲーム事業」の単一セグメントで事業を展開しています。

オンラインゲーム配信サービス


主にスマートフォン向けとして、基本無料をコンセプトとしたオンラインゲームを利用者に提供しています。高度な通信技術を要するMMOジャンルのゲーム開発を得意としており、利用者がゲーム内で一部のアイテムを獲得したり、有料機能を利用したりする際の課金が主な収益源となっています。

収益は、利用者の有料課金や、自社が保有するゲームライセンスを他の配信事業者に提供することによる利用料から得ています。また、他社との共同事業では開発費やプロモーション費用を分担し、収益を分配するモデルを採用しています。本サービスの運営は主に同社が担当しています。

オンラインゲーム制作/運営受託サービス


他の配信事業者から、ゲームタイトルの企画、開発、および運営業務を受託してサービスを提供しています。他社の有力な知的財産(IP)を活用したゲーム開発などにも対応し、多様なゲーム開発のノウハウを蓄積することで、同社グループの安定的な事業基盤の構築に寄与しています。

委託元企業から受け取る受託料が確実な収益源となっています。さらに、担当したタイトルの売上が一定額を超過した場合には、成功報酬を追加で得られる契約形態も存在し、収益の上振れ要因となります。本サービスも主に同社が運営を行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上収益は一時的に180億円規模まで拡大したのち、直近では158億円へと落ち着いています。一方、利益面では2期連続で経常赤字と厳しい状況が続いていましたが、直近の事業年度においては既存タイトルの好調やコスト見直しなどにより経常利益が14億円の黒字へと転換し、大幅な収益改善を果たしています。

項目 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 137億円 182億円 171億円 158億円
経常利益 3億円 -11億円 -2億円 14億円
利益率(%) 2.3% -6.0% -0.9% 8.9%
当期利益(親会社所有者帰属) 6億円 -22億円 -3億円 11億円

(2) 損益計算書


売上高は減少したものの、売上総利益率は改善傾向にあります。これに加えて営業活動にかかる経費の大幅な見直しが進んだ結果、営業利益がマイナスから大きくプラスに転じており、事業全体の収益性が大きく向上していることが確認できます。

項目 2024年12月期 2025年12月期
売上高 171億円 158億円
売上総利益 95億円 96億円
売上総利益率(%) 55.5% 60.5%
営業利益 -6億円 21億円
営業利益率(%) -3.2% 13.1%


販売費及び一般管理費のうち、支払手数料が27億円(構成比37%)、給料手当が13億円(同18%)、広告宣伝費が10億円(同13%)を占めています。

(3) セグメント収益


単一セグメントであるオンラインゲーム事業において、制作・運営受託サービスは堅調に推移しましたが、既存タイトルの経年による配信サービスの売上減少が影響し、事業全体の売上は前期を下回る結果となりました。

区分 売上(2024年12月期) 売上(2025年12月期)
オンラインゲーム事業 171億円 158億円
連結(合計) 171億円 158億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


同社のキャッシュ・フローは、営業活動で得た利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う「健全型」の状況にあります。

項目 2024年12月期 2025年12月期
営業CF -10億円 45億円
投資CF -2億円 -17億円
財務CF 12億円 -2億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は17.1%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は74.7%であり、いずれも市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


「世界中にAimingのファンを」をミッションに掲げ、複数のゲームユーザーがオンラインで繋がるゲームの提供を経営の基本方針としています。世界中の利用者に長く愛され、様々な垣根を越えたコミュニティを形成できるサービスを創出し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。

(2) 企業文化


組織の根本である従業員一人一人の能力向上を重視し、職能横断的なコミュニケーションと迅速な意思決定を可能とするプロジェクト制を採用しています。また、新技術やノウハウの共有化を図り、柔軟で多様な人材が成長できる組織づくりを推進し、特定個人への依存を避ける文化が根付いています。

(3) 経営計画・目標


継続的な事業の拡大と企業価値向上のため、売上高と営業利益を重要な経営指標として位置づけています。特定のゲームタイトルのみに依存せず、市場動向を注視しながら新規タイトルの開発や調達を進め、安定的な収益基盤の確立を目指して事業運営を行っています。

(4) 成長戦略と重点施策


国内外におけるオンラインゲーム事業のシェア拡大を中長期的な経営戦略としています。国内では自社開発や他社との共同事業による良質なタイトル提供に注力し、海外では現地拠点や企業との提携を活用した市場参入を推進します。また、AI技術の効果的な活用による開発のさらなる効率化と品質向上に取り組みます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


人材の多様性確保が国際的な競争力強化につながるとの考えから、性別・年齢・国籍など属性を問わず、能力や実績に応じた採用と登用を進めています。また、従業員のワークライフバランス向上や健康への配慮、誰もが適性に応じて就業できる障がい者雇用など、働きやすい環境の整備にも注力しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年12月期 34.8歳 5.5年 4,910,718円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含んでおりません。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 15.4%
男性育児休業取得率 100.0%
男女賃金差異(全労働者) 82.8%
男女賃金差異(正規雇用労働者) 81.3%
男女賃金差異(パート・有期労働者) 88.7%


※連結子会社は公表義務の対象ではないため、有報の記載は提出会社単体の数値に基づいています。

また、同社はサステナビリティのセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、女性の育児休暇取得率・復職率(100%)、総社員数に占める外国人比率(8.9%)、障がい者雇用数(8名)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) オンラインゲームの市場環境と競合リスク


国内のスマートフォン向けオンラインゲーム市場は安定しているものの、大手企業の参入や海外企業の台頭によるユーザー獲得競争が激化しています。価格競争による収益性の悪化や、計画どおりにユーザー数を確保できない場合、同社の事業展開や業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 特定のゲームタイトルへの依存リスク


同社グループの売上高の大部分は少数の代表的なタイトルに依存しています。新規タイトルのリリースなどにより依存度を下げる方針ですが、市場環境の変化やユーザー動向の変化によって主力タイトルの売上が急減した場合、業績に重大な影響を与える恐れがあります。

(3) システムとセキュリティに関するリスク


同社の事業は通信ネットワークやコンピュータ・システムに全面的に依存しています。アクセスの急増、クラウドサービスの停止、自然災害によるネットワーク切断、または外部からの不正アクセスやサイバー攻撃等によりシステム障害が発生した場合、事業継続が困難になるリスクがあります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。