※本記事は、GreenBee 株式会社 の有価証券報告書(第19期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. GreenBeeってどんな会社?
DXサービス、GXサービス、テクノロジーライセンスを主軸に事業を展開するIT企業です。
■(1) 会社概要
同社は2007年にソフトウェア開発・販売を目的として設立されました。2010年にsMedioへ商号変更し、2015年には東京証券取引所マザーズに上場を果たしました。2024年に現在のGreenBeeへ商号変更し、同年にはウエストホールディングスとの資本業務提携を実施するなど、事業領域を拡大しています。
現在の従業員数は連結で41名、単体で11名です。筆頭株主は常任代理人をSMBC日興証券とするSEN-CHOU LO氏で、第2位は資本業務提携の経歴がある事業会社のキーウィテクノロジー、第3位はSBI証券となっています。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| SEN-CHOU LO(常任代理人 SMBC日興証券) | 22.82% |
| キーウィテクノロジー | 13.16% |
| SBI証券 | 9.37% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性6名、女性1名の計7名で構成され、女性役員比率は14.0%です。代表取締役社長は岩本定則氏です。社外取締役比率は50.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 岩本定則 | 代表取締役社長 | ニチメン電子部品、インタービデオジャパン等を経て、2008年に同社入社。営業本部長等を経て、2017年2月より現職。 |
| 宇佐美將生 | 取締役 | ニチメン電子部品、サイバーリンク等を経て、2015年に同社入社。サービス事業本部長等を経て、2024年3月より現職。 |
社外取締役は、落合洋司(江戸日本橋法律事務所代表)、李欣欣(キーウィテクノロジー代表取締役社長)です。
2. 事業内容
同社グループは、「ソフトウェア事業」の単一セグメントですが、主に以下の3つの事業領域を展開しています。
■(1) DXサービス事業
通信事業者やコンシューマー向けサービス事業者等に対し、サブスクリプション特化型のサービスを提供しています。クラウドデータバックアップサービス「GreenBee Cloud Backup」や、モバイルアプリの脆弱性診断サービス「RiskFinder」などが主要な製品です。
収益源は、エンドユーザー向けの月額または年額の定額課金によるサブスクリプション収入や、開発収入、保守・サポート収入です。同事業の運営は、主に親会社のGreenBeeおよび連結子会社のタオソフトウエアが行っています。
■(2) GXサービス事業
再生可能エネルギーを導入する企業などに対し、脱炭素化に貢献するサービスをワンストップで提供しています。自社蓄電所の運営を含む系統用蓄電池事業や、エネルギーマネージメントシステム、蓄電池システムのカスタムパッケージなどを展開しています。
EMSクラウドサービスの提供に合わせて必要となる機器の販売や、開発収入、保守サービス・サポート収入を収益源としています。同事業の運営は主に親会社のGreenBeeが行っており、ウエストエネルギーソリューションとの連携も進めています。
■(3) テクノロジーライセンス事業
デジタル家電メーカーやパソコンメーカーに対し、競争力の高い自社テクノロジー製品をライセンス提供しています。組込みブラウザー、デバイス連携アプリケーション、AIメイクアップアプリ、4K/8Kプレミアコンテンツ再生ソフトウェアなどを提供しています。
収益源は、ソフトウェアを製品に提供し、出荷数に応じて受け取るロイヤリティ収入や、顧客仕様に合わせた受託開発収入などです。同事業の開発および運営は、親会社のGreenBeeや、連結子会社のGreenBee Technology (Shanghai) Inc.、タオソフトウエアが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5年間の売上高は8億円前後で推移していましたが、当期は新規契約の獲得や開発案件の増加により9.6億円と大きく伸びています。経常利益と当期利益についても、一時的な赤字期間を経て黒字転換を果たし、当期は大幅な増益を達成するなど収益性の改善が進んでいます。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 7.2億円 | 8.3億円 | 8.1億円 | 8.1億円 | 9.6億円 |
| 経常利益 | 0.1億円 | -1.8億円 | 0.0億円 | 0.6億円 | 1.7億円 |
| 利益率(%) | 1.8% | -22.0% | 0.4% | 7.5% | 17.5% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 0.0億円 | -1.9億円 | -1.6億円 | 0.6億円 | 2.0億円 |
■(2) 損益計算書
売上高の増加に伴い、売上総利益および営業利益も順調に拡大しています。特に当期は高収益なサブスクリプション型サービスなどの成長により、売上総利益率および営業利益率が大きく向上し、収益構造の良化が確認できます。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8.1億円 | 9.6億円 |
| 売上総利益 | 4.4億円 | 6.1億円 |
| 売上総利益率(%) | 54.7% | 63.7% |
| 営業利益 | 0.5億円 | 1.7億円 |
| 営業利益率(%) | 6.3% | 17.2% |
販売費及び一般管理費のうち、役員報酬が1.3億円(構成比29%)、給与手当等が1.0億円(同23%)を占めています。また、販売手数料が0.6億円(同13%)となっています。
■(3) セグメント収益
同社はソフトウェア事業の単一セグメントですが、事業領域別の売上高を見ると、テクノロジーライセンス事業が全体の多くを占めています。一方で、当期はDXサービス事業の売上高が前期比で大きく伸長しており、同社の成長を牽引する中核領域として順調に拡大しています。
| 区分 | 売上(2024年12月期) | 売上(2025年12月期) |
|---|---|---|
| DXサービス事業 | 1.6億円 | 3.5億円 |
| GXサービス事業 | 0.2億円 | 0.2億円 |
| テクノロジーライセンス事業 | 6.3億円 | 5.9億円 |
| 連結(合計) | 8.1億円 | 9.6億円 |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
当期のキャッシュ・フローは、営業活動で生み出した資金と外部からの資金調達を組み合わせ、将来の成長に向けた積極的な投資を行っている「積極型」の傾向を示しています。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 1.2億円 | 2.6億円 |
| 投資CF | -0.2億円 | -0.1億円 |
| 財務CF | 0.4億円 | 0.8億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は15.8%で市場平均を上回り、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率も82.9%で市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社は、「テクノロジーで社会を豊かにする会社」から「テクノロジーで持続可能な未来を築く会社」に変革していくことを企業理念として掲げています。得意とするデジタルテクノロジーを駆使し、社会や生活の変化に対応する新しいエクスペリエンスを常に提供することで企業価値を創出し、企業の成長と共に環境・社会・経済の持続可能性を両立する会社になることを長期ビジョンとしています。
■(2) 企業文化
同社は、経営陣との距離が近く、従業員の意見が経営に反映されやすい風通しの良い環境を強みとしています。少人数であることを活かして意思決定のスピードが速く、柔軟な対応が可能な組織風土を有しています。年齢、国籍、性別等を問わず、意欲や能力、実績に応じて成果を正当に評価する文化が根付いており、従業員一人ひとりが主体的に業務に取り組むことを支援しています。
■(3) 経営計画・目標
同社グループは、中長期的な事業拡大と企業価値向上のため、営業利益を重要な指標として設定しています。また、顧客別、製品別の売上および出荷台数を重要な構成要素として管理しています。翌期の具体的な数値目標として、親会社株主に帰属する当期純利益および営業利益の目標値を設定し、収益性のさらなる向上を目指しています。
・2026年12月期 営業利益:2.1億円
・2026年12月期 親会社株主に帰属する当期純利益:1.8億円
■(4) 成長戦略と重点施策
ハードウェア機器の出荷数に応じたロイヤリティ収入から、サービスに対して継続的に料金を課金するサブスクリプションモデル等への収益モデル移行を推進しています。また、再生可能エネルギー関連の「GXサービス事業」などの新規領域に参入するため、外部協力者を含めた開発管理体制を構築し、顧客ニーズを的確に捉えた製品・サービスを適宜市場に投入することで、永続的な成長基盤の強化を図っています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
同社グループが成長していくためには優秀な人材が必要不可欠であると考え、一人ひとりが自律し、高い技術品質を提供するプロフェッショナル人材として会社と共に成長していくことを目指しています。従業員の技術資格取得支援のための受験料補助や、グループ・部署間の交流促進によるノウハウ共有などを通じ、新たな価値創造をもたらす人材の育成と、柔軟で働きがいのある社内環境整備に取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均を大きく上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 47.6歳 | 6.6年 | 7,886,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は常時雇用される従業員が100名以下の事業規模であり、公表義務の対象ではないため、有報には本項の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 新規事業・新技術及び新製品の開発に関するリスク
技術革新や陳腐化のスピードが速いソフトウェア業界において、想定以上の技術進歩や市場ニーズへの不適応、開発の遅れ等が生じた場合、同社グループの製品が競争力を失い、業績に影響を及ぼす可能性があります。同社は新規事業の将来性を慎重に検討し、継続的な技術開発に取り組んでいます。
■(2) 知的財産権に関するリスク
他社の知的財産権を侵害しないよう情報収集に努めていますが、全てを網羅することは現実的に困難です。万が一、他社からライセンス料や損害賠償等を請求された場合、同社グループの業績および財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
■(3) 特定顧客への依存と収益構造に関するリスク
同社は特定の国内外大手企業への売上依存度が高く、上位顧客の業績不振や経営方針の変更が将来の売上見込みに大きく影響する可能性があります。また、競合との価格競争等によるロイヤリティ単価の下落も、業績に影響を及ぼすリスクとして認識されています。



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