【平均年収564万円】AppBank 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収564万円】AppBank 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

AppBankは、スマートフォン関連情報サイト運営やIPコンテンツ・コラボレーション事業をグループ各社とともに展開しています。直近の会計年度では売上高が大きく伸長しましたが、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は損失を計上しました。


目次

※本記事は、AppBank株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


AppBankは、「IPとAXで、まちの魅力を世界へ」というビジョンのもと、メディアサイト運営やIPコンテンツ・コラボレーション事業を展開しています。スマートフォン関連情報サイト「AppBank.net」の運営や動画配信、他社IPとのコラボレーションによる物販・イベント開催などを通じ、ユーザーとの強い関係性を軸に事業を運営しています。

単体従業員数は8名、連結従業員数は22名です。セグメントはメディア事業、IP&コマース事業の2つです。

主な国内グループ会社は、PWAN、musica labなどです。

同社グループは、2024年3月から新経営体制に移行し、戦略的パートナーとの協業により既存事業の強化と新規事業の創出を進めています。また、2025年9月1日付で株式会社PWAN及びmusica lab株式会社の全株式を取得し、第3四半期連結会計期間末より連結決算を開始しました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


AppBankは、多様な人材を受け入れ、個々の能力を最大限に発揮できる職場環境の構築を目指しています。給与水準や働き方については、具体的なデータからその傾向を読み解くことができます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社では、平均勤続年数と平均年齢から、従業員の定着状況と年齢構成の傾向が見て取れます。多様な人材を受け入れる方針のもと、安定したキャリア形成が期待できる環境が整備されていると考えられます。

項目 数値
平均年間給与 5,636,000円
平均勤続年数 6.8年
平均年齢 39.2歳
単体従業員数 8人
連結従業員数 22人
単体のグループ内比率 36.4%


同社は国内の従業員を対象とした退職給付制度を採用しています。確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の制度を導入しています。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針として、採用および人事登用において多様性を尊重しています。様々な経験や背景を持つ人々を受け入れる企業文化の構築を目指しています。

企業の更なる発展のため、年齢や性別、出身、学歴、性格、価値観など、様々な要素による差別を排除する考えです。多様な個性がその力を最大限発揮できる職場環境を整えることに注力しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


同社グループは関連法令による公表義務の対象ではないため、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率、および労働者の男女の賃金の差異に関する記載を省略しています。提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


AppBankグループは、「IPとAXで、まちの魅力を世界へ」というビジョンを掲げ、メディア事業とIP&コマース事業を主軸に展開しています。ユーザーや顧客との関係性を重視し、コンテンツを通じて共感を広げるビジネスモデルが特徴です。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、スマートフォン関連の総合情報サイト運営やインターネット動画配信、他社が保有するコンテンツ・IPとのコラボレーションなどを通じて事業を展開しています。戦略的パートナーとの協業により、既存事業の強化と新規事業の創出にも取り組んでいます。メディア事業で培ったプロモーション力とコンテンツ・IPに関するノウハウを強みとし、パートナーの強みを掛け合わせることでシナジー効果を促進するビジネスモデルです。

同社グループの事業は「メディア事業」と「IP&コマース事業」の二つのセグメントに分かれています。直近の会計年度では、メディア事業が最も大きな収益を上げており、IP&コマース事業がこれに続いています。

メディア事業

メディア事業は、サイト運営、インターネット動画配信、これらと連動する広告枠販売、メディア共創企画事業を行っています。スマートフォン関連の総合情報サイト「AppBank.net」の運営を中核とし、広告収益を獲得しています。また、戦略的パートナーとの協業による地方放送局などの他社メディアとの事業開発を通じて、フィー収益や広告収益を得ています。動画サービス事業では、YouTubeやニコニコ、TikTokなどの動画プラットフォームでコンテンツを提供し、広告収入や有料会員収入を得ています。

収益は、広告掲載による収益、メディア共創企画事業におけるフィー収益や広告収益、動画コンテンツの視聴回数や有料会員収入から得ています。運営は、同社グループが行っています。

IP&コマース事業

IP&コマース事業は、主に他社が保有するコンテンツ・IPとのコラボレーションを行っています。コラボレーションスイーツやグッズの企画販売、地元商店街など特定地域と連携したコラボレーションイベントの企画運営を通じて、商品販売収益やロイヤリティ収益、レベニューシェア収益を獲得しています。子会社musica lab社を通じて全国スポーツ団体向けのグッズ企画製造も行い、卸売やEコマースサイト運営による商品販売収益を得ています。また、子会社PWAN社を通じて企業の営業活動および事業運営支援を目的としたコールセンターサービス等を提供し、利用状況に応じた収益を得ています。

収益は、IPコラボレーションによる物販やイベント開催による商品販売収益、ロイヤリティ収益、レベニューシェア収益、グッズの卸売やEコマースによる商品販売収益、コールセンターサービスの提供による収益から得ています。運営は、musica lab社、PWAN社が行っています。

同社グループの売上高は、特定の顧客に集中する傾向が見られます。直近の会計年度では、株式会社プラナコーポレーション東京と株式会社プラナコーポレーション大阪の2社が、同社グループ全体の販売実績の大部分を占めています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
計 - 12.3億円
メディア事業 - 9.8億円
IP&コマース事業 - 2.5億円
その他の事業セグメント - 9百万円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、過去数期間で増加傾向にあり、特に直近の会計年度では大きく伸長しました。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は継続して損失を計上しています。直近の会計年度では経常損失の幅が縮小したものの、親会社株主に帰属する当期純損失は拡大しました。営業活動によるキャッシュ・フローは支出が上回っていますが、減損損失といった非現金項目が影響しています。財務活動では株式の発行による収入があり、資金調達を行っています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 3.4億円 3.9億円 4.9億円 - 12.4億円
経常利益 △1.9億円 △2.8億円 △3.8億円 - △1.9億円
経常利益率 △56.9% △72.1% △77.2% - △14.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 △1.9億円 △2.9億円 △4.2億円 - △5.2億円
1株当たり当期純利益(円) △23.73 △35.96 △41.44 - △29.27

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、直近の会計年度で一定の水準を示しています。従業員1人あたり営業利益は損失を計上しており、収益性の改善が課題となっています。これらの指標は、同社グループの事業運営における効率性や、従業員一人ひとりが生み出す価値の現状を反映しています。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) - 56.5百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) - △7.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、当連結会計年度において営業損失を計上しており、財務基盤の強化と事業収益の改善に取り組んでいます。キャッシュフローの状況からは、事業活動による資金流出が見られます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率は73.1%と、プライム市場平均と比較して高い水準にあります。一方で、ROE(自己資本利益率)は△57.9%とマイナスとなっており、収益性の改善が課題です。

手元資金である現金及び預金は7.4億円を確保しており、当面の資金繰りに懸念はないとされています。これらの状況は、今後の事業展開と収益改善が、雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性を示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 71百万円 9.2億円
自己資本比率 - 73.1%
ROE(自己資本利益率) - △57.9%
現金及び預金 71百万円 7.4億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度におけるキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは△1.8億円の支出となりました。これは主に税金等調整前当期純損失と減損損失が影響しています。投資活動によるキャッシュフローは34百万円の収入となり、事業譲渡による収入が主な要因です。

財務活動によるキャッシュフローは7.2億円の収入となり、株式の発行による資金調達が大きく寄与しています。結果として、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは△1.4億円のマイナスとなっています。

同社グループは新株予約権の発行などにより資金調達を行い、当面の事業資金を確保している状況です。この資金調達は、事業の立て直しと成長に向けた取り組みを支えるものですが、本業での安定的な資金創出が今後の雇用や給与の安定性につながると考えられます。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF - △1.8億円
投資CF - 34百万円
財務CF - 7.2億円
フリーCF(営業CF+投資CF) - △1.4億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク


同社グループは、当連結会計年度において営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しています。しかし、事業収益の改善、営業費用の適正化、運転資金の確保といった対応策を進めており、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断されています。

② 事業構造・収益性に関するリスク


同社グループは、動画プラットフォームサービスや大手アプリストア運営者への依存リスクを抱えています。これらのプラットフォームの経営方針やサービス規約の変更が、同社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。また、事業領域において競合他社が多数存在し、競争激化により事業及び業績に影響を及ぼすリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク


同社グループは、事業拡大のために優秀な人材の確保と育成、および社外流出の防止を重要な課題と認識しています。必要な人材を十分に確保できなかった場合や、重要な人材が社外に流出した場合には、事業拡大の制約要因となる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ


解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


AppBankは、「IPとAXで、まちの魅力を世界へ」というTeam Visionを掲げ、変化の激しいインターネット、IP関連、物販小売の事業領域で成長を目指しています。既存事業の強化に加え、新規事業の創出にも積極的に取り組むことで、持続的な成長を実現しようとしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


AppBankグループは、「IPとAXで、まちの魅力を世界へ」というTeam Visionを掲げています。インターネット、IP関連、物販小売といった変化の著しい事業領域において、既存事業の成長と強化を図りつつ、様々な新規事業の創出やサービスの立ち上げに継続的に取り組むことで、持続的な成長を目指しています。中核事業であるメディア事業とIP&コマース事業を軸に、IPを活用した企画・制作・発信力を通じて、戦略的パートナーとの協業を深め、収益拡大を図る方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


AppBankグループは、2016年7月に「AppBank行動規範」を制定し、Team Visionである「IPとAXで、まちの魅力を世界へ」を全体で共有しています。これにより、高い倫理観と社会的良識の定着に努め、長期的な企業価値向上を目指しています。

また、人材の育成と社内環境整備においては、多様性を尊重する企業文化の構築を重視しています。採用や人事登用において様々な経験や背景を持つ人々を受け入れ、年齢、性別、出身、学歴、性格、価値観などによる差別を排除する方針です。多様な個性が最大限に力を発揮できる職場環境を整えることで、企業のさらなる発展を図っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


AppBankグループは、事業展開において複数の課題認識を持っています。成長を牽引する優秀な人材の確保と育成を重要視しており、人事制度の整備やリモートワーク導入など、働きがいのある環境整備を進めています。

また、「AppBank行動規範」を共有し、Team Visionの浸透と高い倫理観、社会的良識の定着に努めています。継続的な成長のためには、既存事業の強化に加え、新規事業の創出やサービス立ち上げへの取り組みも重要な課題です。

内部管理体制とコーポレート・ガバナンス機能の強化も図っており、経営の透明性と監視機能の向上を目指しています。相互チェック機能の強化や内部通報窓口の設置、社員教育、監査等委員会との連携などを実施しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


AppBankは、監査等委員会設置会社として、取締役による迅速な意思決定と業務執行、そして監査等委員である取締役による客観的かつ中立的な監視を通じて、公正で実効性のある経営体制を構築しています。第三者の視座が経営判断に反映される体制が整えられています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、事業会社や投資会社が上位に名を連ねています。筆頭株主は株式会社PLANAであり、同社グループの資本構成を特徴づけています。

株主名 持株比率
PLANA 10.44%
musica 7.81%
マイルストーン・キャピタル・マネジメント 5.59%


なお、2025年5月12日付の臨時報告書にてお知らせされたとおり、前事業年度末において主要株主であった村井智建氏は、当期間に主要株主ではなくなりました。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は白石充三氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
町田 央衡 代表取締役 会長 1987年4月富士ゼロックス株式会社入社、システム営業グループ長、アカウント営業グループ長、大手営業グループ長、民間大手営業部長、ソリューション営業部長、福岡官民大手営業統括部長を経て、2026年3月より同社代表取締役会長に就任し現職。
白石 充三 代表取締役社長 2006年4月株式会社ジャフコ入社、2020年4月同社入社 管理部長CFO、2020年7月管理本部長CFO、2021年3月取締役を経て、2024年3月より同社代表取締役に就任し現職。
萩原 一禎 取締役 1994年4月三菱商事株式会社入社、2001年1月ソニー株式会社入社、2010年4月musica株式会社代表取締役、2015年4月nulo株式会社代表取締役、2016年4月musica lab株式会社代表取締役、2022年9月クオンタムリープ株式会社パートナーを経て、2024年3月より同社取締役に就任し現職。
中村 智広 取締役 1990年10月ソニー株式会社入社、2010年2月株式会社ミスミ入社、2012年6月クオンタムリープ・アジア株式会社代表取締役、2018年1月クオンタムリープ株式会社執行役社長&CEO、2022年6月代表取締役を経て、2024年3月より同社取締役に就任し現職。


社外取締役は、三好正洋氏(PLANA代表取締役・監査等委員)、岡崎太輔氏(STPR取締役・監査等委員)、井尾仁志氏(監査法人まほろば代表社員・監査等委員)です。

同社グループは監査等委員会設置会社であり、監査等委員である社外取締役3名が経営の監視機能を担っています。これにより、客観的かつ中立的な視点から経営の公正性及び透明性の確保が図られています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬制度は、継続的な企業価値向上を目指し、業務執行と経営監督の機能が適切に発揮されるよう設計されています。報酬は固定報酬と業績連動報酬で構成されており、業績連動報酬の指標には売上高、営業利益、株価が採用されています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 3名 20百万円 6.5百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。