※本記事は、株式会社robot homeの有価証券報告書(第20期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. robot homeってどんな会社?
AI・IoT等の先端技術を活用したDXによる不動産領域のサービスやアパート経営プラットフォームを提供する企業です。
■(1) 会社概要
2006年に有限会社フルキ建設として設立され、インターネット集客によるデザインアパート事業を開始しました。2014年にインベスターズクラウドに商号変更し、2015年に東京証券取引所マザーズ市場へ上場しました。その後市場変更を経て、2021年にRobot Home、2024年に現在のrobot homeへ商号を変更しています。
従業員数は連結で244名、単体で147名です。筆頭株主は創業者の古木大咲氏で、第2位は資産管理業務を行う信託銀行です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| 古木 大咲 | 44.44% |
| 日本マスタートラスト信託銀行(信託口) | 4.95% |
| 清板 大亮 | 2.95% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性7名、女性0名の計7名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは古木大咲氏が務めており、社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 古木 大咲 | 代表取締役CEO | 2001年三和エステート入社。2006年同社設立、代表取締役。2016年rh labo取締役などを経て、2018年より現職。 |
| 藤本 一之 | 取締役執行役員CCO | 1977年同和火災海上保険(現あいおいニッセイ同和損害保険)入社。同社取締役執行役員等を経て、2020年より現職。 |
| 安井 慎二 | 取締役執行役員CFO | 2004年監査法人トーマツ(現有限責任監査法人トーマツ)入所。2018年同社入社。執行役員CFO等を経て、2023年より現職。 |
| 安田 博一 | 取締役執行役員CSO | 2007年ガリバーインターナショナル(現IDOM)入社。2016年iVacation(現rh maintenance)入社。2023年より現職。 |
社外取締役は、鈴木良和(シティユーワ法律事務所パートナー)、原雅彦(元大阪税関長)、浅田浩(アーサーズ・チーム代表取締役)です。
2. 事業内容
同社グループは、「AI・IoT事業」および「robot home事業」を展開しています。
■AI・IoT事業
アパート経営プラットフォーム「robot home」の継続的な開発・運用およびサービスの提供を行っています。また、これまで蓄積したリアルとテクノロジーの知見をDX領域へ展開し、不動産業界や他業界に対するDX総合支援サービスを提供しています。
顧客へのIoT機器の販売や、コンサルティング等の包括的なDX総合支援サービスの提供により収益を得ています。運営は主にrobot homeおよびrh laboが行っています。
■robot home事業
AI・IoT事業で構築したアパート経営プラットフォームを活用し、不動産オーナーに向けた物件の供給から賃貸管理の受託、売却・再投資などをサポートしています。また、メンテナンスや家賃保証などのインシュアランスサービスも展開しています。
物件の販売、プロパティマネジメント業務に伴う賃貸管理手数料、建物管理に伴うメンテナンス手数料などにより収益を得ています。運営は主にrobot home、rh maintenance、rh investmentなどが行っています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
売上高は第16期から第20期にかけて大幅な成長を遂げており、直近では241億円に達しています。経常利益も順調に拡大し18億円となっており、当期利益も増加傾向が続くなど、全体として力強い成長基調にあります。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 41億円 | 54億円 | 86億円 | 132億円 | 241億円 |
| 経常利益 | 4億円 | 7億円 | 7億円 | 10億円 | 18億円 |
| 利益率(%) | 8.7% | 12.3% | 8.6% | 7.7% | 7.4% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 3億円 | 7億円 | 9億円 | 9億円 | 20億円 |
■(2) 損益計算書
売上高は前年の132億円から当期は241億円へと大きく増加しました。これに伴い売上総利益も44億円から56億円へと拡大し、営業利益も10億円から18億円へと増加して堅調な収益力を示しています。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 132億円 | 241億円 |
| 売上総利益 | 44億円 | 56億円 |
| 売上総利益率(%) | 33.7% | 23.5% |
| 営業利益 | 10億円 | 18億円 |
| 営業利益率(%) | 7.9% | 7.3% |
販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が15億円(構成比39%)を占めています。
■(3) セグメント収益
AI・IoT事業、robot home事業ともに前年から大きく売上を伸ばしています。特に主力のrobot home事業は売上が倍増近くに達し、全体の収益拡大を力強く牽引しています。各セグメントの利益も順調に増加しています。
| 区分 | 売上(2024年12月期) | 売上(2025年12月期) | 利益(2024年12月期) | 利益(2025年12月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| AI・IoT事業 | 7億円 | 9億円 | 3億円 | 4億円 | 46.6% |
| robot home事業 | 125億円 | 232億円 | 24億円 | 33億円 | 14.4% |
| 連結(合計) | 132億円 | 241億円 | 10億円 | 18億円 | 7.3% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
営業CFがプラス、投資CFおよび財務CFがマイナスとなっており、営業利益で借入返済を行い、投資も手元資金で賄う健全な状態です。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 21億円 | 18億円 |
| 投資CF | -7億円 | -7億円 |
| 財務CF | 4億円 | -2億円 |
企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は19.4%、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は70.1%であり、いずれも市場平均を上回っています。
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「テクノロジーで、住宅を変え、世界を変えていく。」という経営理念を掲げています。AI・IoT等の先端技術を活用したDXによる不動産領域の様々なサービスを通じて、多様化する生活スタイルに相応しい利便性の高いサービスを提供し、経営理念の実現を目指しています。
■(2) 企業文化
同社はこれまで培ってきたリアル領域とテック領域のノウハウをベースとしています。「リアル×テクノロジー」の知見をDX領域へと展開し、IT技術を早期に導入することでコスト優位性を確保し、サービスやデザイン性の分野で差別化を図るという文化が根付いています。
■(3) 経営計画・目標
中長期的な視点でDX企業としてのさらなる成長に向け、AI・IoTと不動産を融合させた領域のリーディングカンパニーを目指しています。アパート経営プラットフォームの強化やIT人材の採用・育成を進め、データドリブンによる革新的サービスを既存・新規領域において創出することを目標としています。
■(4) 成長戦略と重点施策
自社開発したIoTの強みと賃貸住宅販売の双方を通じて管理受託を強化し、IoT賃貸住宅管理戸数の拡大とIoT導入シェアの向上を図ります。また、賃貸管理システムの活用でコスト構造を改革し収益力を高めるとともに、テクノロジーを活用した新たな不動産投資マーケットプレイスの構築を重点施策としています。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
持続的な企業価値向上の実現に向けて、優秀なIT人材を採用し、さらなるDX体制を加速させることが重要課題と認識しています。積極的な採用活動を推進する一方で、従業員が中長期にわたって活躍しやすい環境の整備、人事制度の構築、およびDX教育研修などを進める方針です。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はスタンダード市場の平均をやや上回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 35.7歳 | 5.2年 | 6,731,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 28.6% |
| 男性育児休業取得率 | - |
| 男女賃金差異(全労働者) | - |
| 男女賃金差異(正規雇用労働者) | - |
| 男女賃金差異(パート・有期労働者) | - |
同社および連結子会社は育児休業取得率および男女賃金差異の公表義務の対象ではないため、有報には本稿の記載がありません。
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 不動産市況の動向
景気動向や金利動向、地価動向などの経済市況により、入居率の悪化や家賃相場の下落が生じる可能性があります。不動産市況の悪化がアパート経営への不安感を与え、不動産投資への障壁となることで、同社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼすリスクがあります。
■(2) 技術革新への対応
IT技術の進展に対応し、新たなサービスの提供を行うことが事業展開の基本条件です。予想以上の急速な技術革新や依存する技術基盤の変化により、新たなサービス等の開発を適切な時期に行えない場合、競争力が確保できず業績に影響を与える可能性があります。
■(3) 情報セキュリティとシステムトラブル
事業のコアはIT技術であり、自然災害や事故、外部からの不正侵入、過誤などによりネットワーク障害が発生した場合、営業活動に重大な影響を及ぼす可能性があります。情報セキュリティ対策やシステム強化を行っていますが、予期せぬトラブルのリスクは存在します。



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