※本記事は、株式会社ミズホメディー の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ミズホメディーは、体外診断用医薬品の企画開発、製造、販売を一貫して行う企業です。特許取得を視野に入れた独自の研究開発や産学官共同研究を通じて、医療現場のニーズに応える高品質な製品と安定供給を提供しています。
単体従業員数は193名です。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ミズホメディーは、体外診断用医薬品事業を通じて感染症の感染拡大防止や早期診断・早期治療に貢献することを社会的使命としています。この使命を果たすため、従業員の専門性向上と働きやすい環境づくりに力を入れていることがうかがえます。
同社は、持続的成長戦略を推進できる多様で優秀な人材の確保・育成・定着を目指し、様々な取り組みを進めています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、平均勤続年数が11.0年、平均年齢が43.2歳となっており、比較的長く勤める従業員が多く、安定したキャリアを築ける環境である可能性を示唆しています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 7,897,000円 |
| 平均勤続年数 | 11.0年 |
| 平均年齢 | 43.2歳 |
| 単体従業員数 | 193人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定給付型(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)と確定拠出型(会社が拠出した資金を従業員が運用する)の退職給付制度を設けています。退職一時金制度があります。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ミズホメディーは「もっと人のために」という経営理念のもと、体外診断用医薬品事業を通じて社会貢献を目指しています。この事業活動を支える重要な経営課題としてサステナビリティに取り組んでおり、将来の成長につながる要素として人材を捉えています。
同社は、高い専門性を持ち、社会やニーズに敏感に対応できる人材の育成に注力しています。OJTによる実務研修を中心に、社外セミナーやeラーニングの活用を推進し、キャリア形成を支援しています。採用や人事考課においては、性別、国籍、中途採用か否かに関わらず、能力・成果に応じた公正な評価を行っています。
また、社員一人ひとりが「やりがい」や「幸福度」を感じられる社内環境の実現を目指しています。仕事と家庭の両立支援として、就業規則等の整備や36協定の遵守による時間外労働の削減、有給休暇取得率の向上に取り組んでいます。健康・安全衛生管理のため、安全衛生委員会の開催や産業医の職場巡視、定期健康診断を実施しています。年3回の上司との個別面談による人事考課や、年1回の自己申告制度、社内提案制度を通じて、社員の経営参画意識の醸成と業務の効率化・活性化を図っています。さらに、社員の発明考案が適切に評価され報いられるよう、インセンティブ制度も整備しており、IT活用による労働環境改善とIT人材育成にも取り組んでいます。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 20.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 0.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 57.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) | 81.2% |
| 労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) | 61.8% |
育児・介護支援
当事業年度における育児休業の取得対象者は、女性従業員1名、男性従業員5名です。
| 指標 | 実績(2025年12月期) | 目標 |
|---|---|---|
| 女性従業員の育児休業取得率 | 100% | 100% |
| 男性従業員の育児休業取得率 | 0% | 50%以上 |
人材育成・エンゲージメント
定着率には有期雇用者を含んでおりません。
| 指標 | 実績(2025年12月期) | 目標 |
|---|---|---|
| 有給休暇取得率 | 81.0% | 85%以上 |
| 有給休暇取得日数 | 13.7日 | 14日以上 |
| 定着率 | 100% | 100%以上 |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ミズホメディーは、体外診断用医薬品の研究開発から製造、販売までを一貫して手掛ける企業です。医療機関向けと一般消費者向けの両市場で、診断薬を提供しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
ミズホメディーは、主に体外診断用医薬品の分野で事業を展開しており、特許取得を視野に入れた独自の研究開発や産学官共同研究を進めています。ISO13485品質マネジメントに基づく企画開発、製造、販売の自社一貫体制を構築し、医療現場のニーズに応える製品を提供しています。
同社の事業は単一セグメントですが、「病院・開業医分野」と「OTC・その他分野」の二つの市場分野に区分されます。病院・開業医分野では、国内外の医療機関向けに、患者の健康状態や疾患の診断に用いる感染症免疫学的検査薬を製造販売しています。特に、インフルエンザウイルスやアデノウイルスなどの迅速抗原検査薬「クイックチェイサー」シリーズや、微生物を対象とした遺伝子検査薬「Smart Gene」シリーズが主力製品です。これらの製品は、簡易迅速かつ高感度な検査を可能にし、早期診断に貢献しています。
OTC・その他分野では、一般消費者の自己検査用として、厚生労働省の承認を得た一般用医薬品を薬局や薬店へ販売しています。妊娠検査薬「P-チェック・S」や排卵日予測検査薬「ハイテスターH」などが主要な製品です。また、農業分野向けには、果樹ウイルス検査薬も提供しています。同社の収益は、国内外から仕入れた原材料を自社で製造し、医薬品卸や代理店を通じて販売することで得られています。
近年は新型コロナウイルス検査薬への依存度が高い傾向にあり、感染症の動向や医療・検査体制の変化が売上高に影響を与える可能性があります。また、外国為替相場の変動により、為替差損を計上することもあります。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社は本業で安定した資金を生み出しつつ、将来に向けた積極的な投資を行っている状況です。財務基盤の厚みや資金の流れから、同社の現在地を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社の財務基盤は、自己資本比率が高く、安定した状態を示しています。ROEはプライム市場平均と比較して高い水準にあり、効率的な経営が行われていることがうかがえます。手元資金の状況も、事業運営の安定性につながる要素です。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 173億54百万円 | 186億84百万円 |
| 自己資本比率 | 83.7% | 83.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 21.7% | 18.3% |
| 現金及び預金 | 96億64百万円 | 22億59百万円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社の営業活動によるキャッシュ・フローは、当期において増加となりました。これは主に税引前当期純利益の計上や減価償却費の増加によるものです。一方で、売上債権の増加や法人税等の支払、棚卸資産の増加がキャッシュ・フローを減少させる要因となっています。
投資活動によるキャッシュ・フローは、当期に大幅な減少となりました。定期預金の預入や有形固定資産の取得による資金の減少が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払により減少しています。
これらの結果、フリーキャッシュ・フローは当期にマイナスとなりました。前期はプラスでしたが、当期は積極的な投資活動により資金が使われている状況を示しており、将来の成長に向けた投資が活発に行われていることがうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 33億48百万円 | 19億56百万円 |
| 投資CF | △3億7百万円 | △72億84百万円 |
| 財務CF | △20億94百万円 | △20億77百万円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 30億41百万円 | △53億28百万円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、新型コロナウイルス検査薬及びインフルエンザ検査薬といった特定製品への依存があることをリスクとして認識しています。これらの製品の需要や売上高は、感染症の動向や医療・検査体制の変化によって大きく左右される可能性があります。
また、体外診断用医薬品業界は技術開発及び性能の向上において常に競合他社と競争状態にあります。競合他社が同社より先に新製品や性能改善品を上市した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、今後の事業拡大や市場に対し付加価値の高い製品を提供するため、研究開発人員の継続的な確保と強化・育成に努めています。しかし、独創性や高度な開発技術を有する人材の確保及び強化・育成が計画通りに進まない場合、研究開発活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ミズホメディーは「もっと人のために」という経営理念を掲げ、体外診断用医薬品を通じて社会に貢献することを目指す企業です。医療現場のニーズに応える技術革新と品質の高い製品供給を追求し、持続的な成長と企業価値の向上を図っています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ミズホメディーは「もっと人のために」を経営理念としています。体外診断用医薬品分野において、医療検査の要請に応じた技術革新を追求し、お客様に満足される品質の高い製品を供給することを運営基本方針としています。
企画開発から製造、販売までを自社一貫体制で行う強みを活かし、独自の研究開発に基づいた高品質な製品を提供し続けることで、企業価値の向上とステークホルダーの期待に応えることを目指しています。
中長期的には、体外診断用医薬品における革新的技術を構築し、病院・開業医分野およびOTC・その他分野での成長戦略を実践していく方針です。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ミズホメディーは「もっと人のために」という経営理念のもと、体外診断用医薬品事業を通じて「新たな価値の創造」を追求し、感染症の感染拡大防止や早期診断・早期治療に貢献することを社会的使命としています。
同社は、お客様から信頼される高品質な製品を安定的に供給し、医療検査体制の強化に寄与することで、企業価値の持続的な向上を目指しています。
事業活動を支える重要な経営課題としてサステナビリティに取り組んでおり、リスク管理規程やコンプライアンス規程を定め、全社的なリスク管理とコンプライアンスの徹底を図っています。
社員一人ひとりが業務に誇りを持ち、「やりがい」や「幸福度」を感じられる社内環境の実現を目指し、ワークライフバランス支援や健康・安全衛生管理、公正な人事評価、自己申告制度、提案制度の活用を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ミズホメディーは、事業の継続的な成長と企業価値の向上に向けて、いくつかの経営課題に取り組んでいます。
具体的には、遺伝子POCT検査技術を応用した環境・食品検査分野への新たな事業展開を進めています。
また、開発部門の人的強化が不可欠であると認識しており、既存開発人員の教育や各種学会への参加による育成、優秀な人材の採用に努めています。
さらに、検査需要の増加に対応するため、製造能力の増強と生産工程の合理化を図り、高品質な製品供給を維持する生産体制の構築に取り組んでいます。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ミズホメディーは監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役を擁することで、経営の意思決定機能と監督機能、経営監視機能を強化しています。これにより、適法で透明性の高い経営体制を整備しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ミズホメディーの筆頭株主は代表取締役会長兼社長の唐川文成氏であり、創業家が経営に影響力を持つ資本構成となっています。また、ミズホメディー社員持株会も上位株主として名を連ねています。複数の唐川姓の個人株主が上位に位置しており、創業家が複数名で上位に並ぶ特徴が見られます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 唐川 文成 | 20.54% |
| ミズホメディー社員持株会 | 2.23% |
| 西日本シティ銀行 | 2.09% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性10名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役会長兼社長は唐川文成氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 唐川 文成 | 代表取締役会長兼社長 | 1968年4月大塚製薬㈱入社。1970年7月国際試薬㈱(現 シスメックス国際試薬㈱)入社。1977年11月同社設立 代表取締役社長。2016年3月同社代表取締役会長兼社長より現職。 |
| 市丸 和広 | 取締役知的財産部長兼製造部・品質保証部及び安全管理室担当 | 1983年4月東邦レーヨン㈱(現 帝人㈱)入社。1986年11月同社入社。2008年4月同社知的財産部長。2011年3月同社取締役知的財産部長兼製造部・品質保証部及び安全管理室担当より現職。 |
| 楢原 謙次 | 取締役開発部長兼 開発企画部担当 | 1986年4月同社入社。2004年5月同社開発部長。2013年3月同社取締役開発部長。2025年3月同社取締役開発部長兼開発企画部担当より現職。 |
| 神原 俊夫 | 取締役営業本部長兼海外事業部長 | 1986年4月㈱加藤スプリング製作所(現 ㈱アドバネクス)入社。1994年10月同社入社。2015年3月同社取締役営業本部長兼海外事業部長より現職。 |
| 宇都 信博 | 取締役総務部長兼経理部担当 | 1984年4月㈱福岡相互銀行(現 ㈱西日本シティ銀行)入行。1993年5月同社入社。2025年3月同社取締役総務部長兼経理部担当より現職。 |
社外取締役は、佐々木克氏(元株式会社エフエム福岡代表取締役社長・如水監査法人監視等委員)、秋山伸一氏(鹿児島大学名誉教授・社会医療法人青洲会福岡青洲会病院回復期リハビリテーション部長)です。
同社は監査役会設置会社であり、取締役会による経営の意思決定と監督機能、監査役会による経営監視機能の強化を図っています。社外取締役は豊富な経営経験や高い見識に基づき、中立的な立場から経営判断の妥当性や倫理性について意見を述べています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、企業業績と企業価値の持続的な向上に資することを基本としています。優秀な人材の確保と維持を可能にし、役員に求められる役割と責任に見合った報酬水準とすることを方針としています。
報酬は月次で支給される固定報酬と、退任後に支給される退職慰労金で構成されています。各取締役の報酬額は、代表取締役社長が役位や実績、企業業績、会社への貢献度を総合的に勘案し、社外取締役の意見を聞いた上で決定しています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 6名 | 2.2億円 | 37.2百万円 |
| 監査役(社外除く) | 1名 | 5百万円 | 5.0百万円 |
| 社外役員 | 4名 | 12百万円 | 3.0百万円 |
なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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