※本記事は、G-FACTORY株式会社の有価証券報告書(第23期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。
1. G-FACTORYってどんな会社?
飲食店の出退店支援や外国人材紹介と、自社飲食ブランドの運営を両輪で展開する企業です。
■(1) 会社概要
2003年5月に飲食店の経営を目的に設立されました。2007年10月に物件情報サポート「サブリース」を開始し経営サポート事業へ進出しました。2016年9月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場を果たしました。近年は2022年に外国人特化の人材紹介事業を開始し、海外事業展開も積極的に進めています。
現在の従業員数は連結で317名、単体で198名体制となっています。筆頭株主は代表取締役社長の片平雅之氏の資産管理会社であるGFCで、第2位は片平雅之氏本人、第3位は仕入先であり良好な取引関係維持を目的とする事業会社の阪和興業です。
| 氏名 | 持株比率 |
|---|---|
| GFC | 53.89% |
| 片平雅之 | 12.64% |
| 阪和興業 | 3.06% |
■(2) 経営陣
同社の役員は男性4名、女性2名の計6名で構成され、女性役員比率は33.0%です。代表取締役社長は片平雅之氏が務めています。社外取締役比率は33.3%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 片平雅之 | 代表取締役社長 | 1993年神戸製鋼所入社。店舗流通ネット等を経て、2003年同社を設立し代表取締役社長に就任。海外子会社の役員等を兼務しグループ経営を牽引。2019年よりつなぐ等の取締役も歴任。 |
| 田口由香子 | 専務取締役管理本部長 | 2001年ファイブフォックス入社。2008年同社に入社し、業務推進事業部課長、コンサルティング事業部長、管理部長等を歴任。2018年より専務取締役管理本部長に就任。 |
| 飯塚千尋 | 取締役経理・財務部長 | 2005年監査法人トーマツに入所。2018年同社に入社し、審査・債権管理部部長、経理・財務部部長、執行役員を経て、2026年3月より取締役経理・財務部長に就任。 |
| 鎌仲順子 | 取締役(常勤監査等委員) | 1983年ワールドファイナンス入社。複数の企業を経て2003年同社設立時に取締役管理部長に就任。2015年に監査役となり、2020年3月より取締役(常勤監査等委員)に就任。 |
社外取締役は、安田正利(ヤスダマネージメント代表取締役)、加藤達也(新創監査法人代表パートナー)です。
2. 事業内容
同社グループは、「経営サポート事業」および「飲食事業」を展開しています。
■(1) 経営サポート事業
飲食店などのサービス業を展開する企業やオーナーに対し、出退店を行う際に必要となる店舗物件や内装設備の導入等のサポートを提供しています。また、飲食業界の人手不足解消に向けた特定技能制度を活用した外国人材の紹介支援や、職人養成スクール「飲食塾」の運営、海外進出支援なども行っています。
物件のサブリースによる賃貸収入、設備の販売やリース料、店舗出店のパッケージ化による契約金やサービス利用料、人材紹介手数料などが主な収益源です。運営は同社のほか、海外ではGF CAPITAL PTE.LTD.やGF CAPITAL(VIETNAM)CO.,LTD.などの現地子会社が行っています。
■(2) 飲食事業
国内および海外において、直営ならびにライセンスによる外食店舗を展開しています。主な業態は、備長炭で焼き上げた鰻を安価で提供するファストフード店「名代 宇奈とと」や、焼鳥専門店「中目黒いぐち」、日本料理「米ル」などの高付加価値を提供するレストラン業態です。
直営店舗における一般顧客からの飲食代金、およびライセンス加盟店からのロイヤリティ収入や食材卸売上が主な収益源です。運営は同社のほか、シンガポールやベトナムなどの現地子会社が担い、国内外で多様なニーズに対応した店舗網を構築しています。
3. 業績・財務状況
同社の連結業績をデータで分析します。
■(1) 業績推移
直近5年間の業績推移を見ると、売上高は新型コロナウイルス感染拡大の影響から回復し、継続的な増収傾向にあります。一方で経常利益は、海外事業の先行投資や新規出店に伴う人件費等のコスト増加、不採算店舗の減損損失などにより、赤字となる期が散見される状況です。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 36億円 | 47億円 | 56億円 | 63億円 | 65億円 |
| 経常利益 | -0.1億円 | 2億円 | -0.6億円 | 0.2億円 | -0.9億円 |
| 利益率(%) | -0.4% | 4.5% | -1.2% | 0.3% | -1.4% |
| 当期利益(親会社所有者帰属) | 2億円 | 3億円 | 2億円 | -3億円 | 1億円 |
■(2) 損益計算書
直近2期間の損益構成を見ると、売上高は微増となったものの、売上原価および販売費及び一般管理費がそれぞれ増加したことで、営業利益の赤字幅が拡大しています。特に事業拡大を見据えた人材採用の強化や、海外拠点強化に伴う人件費の増加が影響しています。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 63億円 | 65億円 |
| 売上総利益 | 31億円 | 31億円 |
| 売上総利益率(%) | 48.2% | 47.3% |
| 営業利益 | -0.2億円 | -0.7億円 |
| 営業利益率(%) | -0.3% | -1.1% |
販売費及び一般管理費のうち、給与及び手当が12億円(構成比39%)、地代家賃が5億円(同16%)、支払手数料が4億円(同12%)を占めています。売上原価については、食材の仕入価格や為替変動の影響を受けやすい構造となっています。
■(3) セグメント収益
経営サポート事業は、出退店サポートの契約数増加や外国人材紹介サポートの伸長により増収増益となりました。飲食事業はベトナム事業が牽引し売上高は横ばいを維持しましたが、人員増強や不採算店舗の整理関連費用の発生により大幅な減益となっています。
| 区分 | 売上(2024年12月期) | 売上(2025年12月期) | 利益(2024年12月期) | 利益(2025年12月期) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 経営サポート事業 | 29億円 | 30億円 | 5億円 | 5億円 | 15.1% |
| 飲食事業 | 35億円 | 34億円 | 1億円 | 0.4億円 | 1.3% |
| 連結(合計) | 63億円 | 65億円 | -0.2億円 | -0.7億円 | -1.1% |
■(4) キャッシュ・フローと財務指標
同社は、営業活動によるキャッシュ・フローが前期の収入から使用に転じた一方、投資活動では有形固定資産の取得等で資金を使用しました。また、財務活動においても、長期借入金の返済等により資金が使用されています。
| 項目 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 営業CF | 2億円 | -0.1億円 |
| 投資CF | -2億円 | -0.7億円 |
| 財務CF | -2億円 | -2億円 |
4. 経営方針・戦略
同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。
■(1) 経営理念
同社グループは、「『成長を志す人財』と『変革(挑戦)を志す組織(企業)』と共に、新しい価値を創造し続け、常に成長し続けます。」を経営理念としています。また、国内のサービス業の成長をサポートすることを第一に、「夢をカタチに!和食を世界に!」という企業スローガンを掲げています。
■(2) 企業文化
すべてのステークホルダーに役立つため、全社一丸となって業務に邁進する姿勢を重視しています。また、個々の従業員が同社の理念や目的を理解し共感できる環境を整備することで、様々な形態での働き方を受け入れ、一人ひとりの能力を最大限に発揮できる働き甲斐のある企業風土の醸成を目指しています。
■(3) 経営計画・目標
企業価値を持続的に高めていくことを経営上の重要課題と認識し、セグメント別の売上高および売上高営業利益率を重要な経営指標としています。加えて、経営サポート事業においてはストック収益額を、飲食事業においては直営店やライセンス店舗を含む店舗数を事業成長を測る目標数値として掲げています。
■(4) 成長戦略と重点施策
経営サポート事業と飲食事業の連動による独自の「プラットフォーム」を形成し、事業間シナジーを活かした収益創出モデルの確立を進めます。出退店支援や外国人材紹介サポートなどのサービスを拡充するとともに、飲食事業では国内の不採算店舗の整理とブランド強化、および海外成長市場への展開を重点的に推進します。
5. 働く環境
同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。
■(1) 人材戦略・方針
社会・組織の課題を解決できる人材を育成するため、個々のレベルアップと能力発揮の環境整備を推進しています。コンプライアンスや情報セキュリティなどの全社研修に加え、外部講師による幹部育成研修や資格取得報奨金制度などを導入し、国籍に関係なく多様な人材が活躍できる労働環境の構築に取り組んでいます。
■(2) 給与水準・報酬設計
同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。
| 項目 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 平均年間給与 |
|---|---|---|---|
| 2025年12月期 | 31.2歳 | 2.0年 | 3,962,000円 |
※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。
■(3) 人的資本開示
同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率 | 25.0% |
| 男性育児休業取得率 | 0.5% |
| 男女賃金差異(全労働者) | 80.5% |
| 男女賃金差異(正規雇用) | 81.2% |
| 男女賃金差異(非正規雇用) | 80.3% |
6. 事業等のリスク
事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。
■(1) 法的規制等の対応
経営サポート事業における中古品の売買は古物営業法の規制を受けており、法改正や盗品買取りによる無償回復対応が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、飲食事業では食品衛生法や食品リサイクル法の規制を遵守していますが、万一食中毒等の問題が発生した場合、営業停止や信用の低下を招くリスクがあります。
■(2) 原材料の調達と原価高騰
飲食事業の主力食材である鰻は、稚魚の漁獲量減少や絶滅危惧種指定による資源枯渇のリスクを抱えています。さらに、米や野菜などの食材不足、天候不順、市場価格や為替相場の変動により仕入価格が高騰した場合、売上原価が上昇し、同社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
■(3) 取引先の信用と貸倒れ
物件情報サポートでは顧客から保証金を預かっていますが、顧客の破産や賃料滞納、原状回復費用の未回収などが発生するリスクがあります。また、内装設備サポートのリース取引においても、取引先の倒産等によるリース料の回収困難や、悪質な空リース等の不正契約に巻き込まれた場合、想定以上の貸倒損失が生じる恐れがあります。
■(4) 有利子負債への依存と金利変動
店舗出店や出店サポートのための資金を主に金融機関からの借入により調達しており、総資産に占める有利子負債の割合が比較的高くなっています。今後の金融政策の変更等により有利子負債の金利が上昇した場合には、資金調達コストが増加し、同社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。



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