【平均年収1006万円】ファンペップ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収1006万円】ファンペップ 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

ファンペップは、機能性ペプチドの研究開発を主軸に、医薬品等の研究開発事業を展開しています。直近の業績は、研究開発投資の増加に伴い損失が拡大しています。


目次

※本記事は、株式会社ファンペップ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ファンペップグループは、医薬品等の研究開発事業を主たる業務としています。大阪大学大学院医学系研究科の研究成果である機能性ペプチドの研究開発を進め、医薬品分野での実用化を目指しています。特に、抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP」を強みとしています。

単体従業員数は15名、連結従業員数は15名です。同社グループは医薬品等の研究開発事業の単一セグメントで事業を展開しています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ファンペップは、医薬品等の研究開発を専門とする企業であり、その事業特性から専門性の高い人材が求められる環境です。従業員数は少数精鋭で、個々の貢献が大きく影響する働き方が特徴と言えます。給与水準や働き方に関する具体的な情報は、以下の各項目で詳しくご紹介します。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


ファンペップでは、平均勤続年数と平均年齢から、比較的経験豊富な人材が長く活躍している傾向がうかがえます。少数精鋭の体制の中で、専門知識を持つ従業員が安定して業務に取り組んでいる様子がうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 10,060,119円
平均勤続年数 6.0年
平均年齢 47.6歳
単体従業員数 15人
連結従業員数 15人
単体のグループ内比率 100.0%


ファンペップは、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する制度)を採用しています。この制度は国内の従業員を対象としています。なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ファンペップは、「ペプチド技術を追求し、人々が幸せに暮らせるように貢献します」というMissionを掲げ、医薬品の研究開発事業を通じてSDGsの「すべての人に健康と福祉を」の達成に貢献することを目指しています。この事業を推進する上で、多様な人材の確保と育成を重要な経営課題と位置付けています。

社員のワークライフバランス実現のため、フレックス勤務制度やリモートワーク体制の構築など、人材確保に向けた各種制度の整備を進めています。これらの取り組みにより、従業員が働きやすい環境を整え、専門性を発揮できるような支援を行っています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは開示されていません。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ファンペップは、大阪大学発の創薬系バイオベンチャー企業として、機能性ペプチドの研究開発を主たる事業としています。大学の研究成果を医薬品分野で実用化することを目指し、製薬会社への橋渡し役を担っています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、医薬品等の研究開発事業を単一セグメントとしており、機能性ペプチドを基盤とした医薬品や化粧品等の開発を進めています。主力は、新規血管新生因子AG30を起源とする機能性ペプチドの研究開発であり、特に抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術「STEP UP」を強みとしています。この技術を活用し、高額な抗体医薬品の代替となるペプチド治療ワクチンの開発を通じて、医療費抑制への貢献を目指しています。

収益モデルは、医薬品の研究開発段階における製薬会社等からの提携収入が中心です。具体的には、契約一時金、研究開発協力金、開発マイルストーンなどがあり、将来の製品上市後にはロイヤリティー収入や販売マイルストーンを想定しています。現在は、化粧品分野向けの機能性ペプチド販売による製品供給収入が主な収益源となっています。

同社グループの事業収益は本邦以外の外部顧客からは得られておらず、海外での収益は発生していません。主要な顧客は株式会社TriBeauteや株式会社ReBeageであり、特定の顧客への収益集中が見られます。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期間の業績は、経常損失および親会社株主に帰属する当期純損失が継続している状況です。直近の2025年12月期は、経常損失が前期から拡大し、親会社株主に帰属する当期純損失も大幅に増加しました。これは主に研究開発費の増加によるものであり、営業活動によるキャッシュ・フローも大幅な支出となっています。一方で、新株式の発行による資金調達も行われています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
経常利益 - △11.8億円 △9.4億円 △9.0億円 △16.3億円
親会社株主に帰属する当期純利益 - △11.7億円 △9.3億円 △8.9億円 △19.1億円
1株当たり当期純利益(円) - △61.04 △39.63 △31.98 △50.20

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり当期純利益(連結)は、2024年12月期から2025年12月期にかけて大幅に減少しています。これは、研究開発投資の増加に伴う損失の拡大が影響していると考えられます。少人数の体制で研究開発に集中している事業構造が反映されており、将来の収益化に向けた先行投資が続いている状況を示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
従業員1人あたり当期純利益(連結) △59.3百万円 △127.4百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


株式会社ファンペップは、医薬品等の研究開発事業を主軸としており、その事業特性上、多額の研究開発投資を要する財務状況となっています。同社グループの財務基盤と資金の流れから、経営の安定性について見ていきます。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は、当期で72.7%となっており、前期の81.6%から減少しています。これはプライム市場の平均と比較して高い水準を示しています。

一方、ROE(自己資本利益率)は当期でマイナス95.3%となっており、収益性が課題となっています。手元資金である現金及び預金は当期末で17.7億円であり、前期から減少しています。

これらの状況は、同社グループが研究開発投資を継続する中で、財務の健全性を維持しつつも、収益性の改善が今後の課題であることを示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 25.5億円 14.6億円
自己資本比率 81.6% 72.7%
ROE(自己資本利益率) - -95.3%
現金及び預金 23.5億円 17.7億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に13.9億円の支出となり、前期の5.4億円の支出からマイナス幅が拡大しています。これは主に税金等調整前当期純損失の計上によるものです。

投資活動によるキャッシュフローは、当期に1百万円の支出となり、前期の31百万円の支出からマイナス幅が縮小しています。財務活動によるキャッシュフローは、当期に8.1億円の収入となり、前期の11.2億円の収入からプラス幅が縮小しています。これは主に新株式の発行による収入によるものです。

これらの結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期に13.9億円のマイナスとなり、前期の5.7億円のマイナスから赤字幅が拡大しています。同社グループは研究開発に多額の資金を要する事業特性があり、新株式発行による資金調達で事業活動を支えている状況です。この資金調達の状況は、今後の事業展開と雇用・給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF △5.4億円 △13.9億円
投資CF △31百万円 △1百万円
財務CF 11.2億円 8.1億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △5.7億円 △13.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、特定の提携契約への依存度が高く、契約終了や開発遅延が発生した場合には、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、事業収益は新規提携契約の契約一時金や研究開発進捗に伴う開発マイルストーン等に依存するため、当面の業績は不安定に推移する傾向があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは小規模組織であり、事業活動が現在の経営陣や少数の事業推進者に依存する傾向があります。優秀な人材の確保と育成に努めていますが、人材確保や育成が順調に進まない場合、または人材の流出が生じた場合には、事業活動に支障が生じる可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ファンペップは、独自のペプチド技術を基盤に社会課題の解決を目指し、人々の健康と幸せに貢献することを使命としています。研究開発を通じて、世界に「元気」を届けることを追求する企業です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、「ペプチド技術を追求し、人々が幸せに暮らせるように貢献します」をミッションとして掲げています。ビジョンとしては「ペプチドで元気を世界へ」を掲げ、心身の活動の源となる力である「元気」を世界の人々に提供することを目指しています。

ペプチドの研究開発を通じて、人々の健康だけでなく、活力を与えられるような会社になることを目標としています。大阪大学発の創薬系バイオベンチャーとして、大学の研究成果を製薬会社へ橋渡しする役割を担っています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、機能性ペプチドを基礎とする技術領域を強みとし、医薬品の研究開発を中心とした事業を展開しています。主要事業である医薬品の研究開発を、SDGsの「すべての人に健康と福祉を」に貢献するサステナビリティ関連の事業機会と捉えています。

事業推進において、多様な人材の確保と育成を重要な経営課題としています。社員のワークライフバランス実現のため、フレックス勤務制度やリモートワーク体制の構築など、人材確保のための各種制度を整備しています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、機能性ペプチドに関する大学発の技術シーズを医薬品分野に応用し、社会貢献を目指しています。そのための対処すべき課題として、研究開発パイプラインの充実を挙げています。

抗体誘導ペプチドを創出するプラットフォーム技術「STEP UP」に基づき、大阪大学大学院医学系研究科との連携のもと、新規開発品や研究テーマを拡充し、研究開発パイプラインの強化を図る方針です。また、開発品や研究テーマの増加に伴い、研究開発部門の人材拡充も重点テーマとしています。製造や研究開発に関する外部委託を積極的に活用しながら、人材の獲得を進めていく考えです。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ファンペップは取締役会と監査役会を設置しており、社外役員による監督・監査機能を重視したガバナンス体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社の株主構成を見ると、事業会社や投資ファンド、代表取締役社長が上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
塩野義製薬 6.61%
楽天証券 3.52%
SBI4&5投資事業有限責任組合 2.93%
三好 稔美 2.77%
SBI証券 2.23%


発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性8名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は三好稔美氏が務めています。社外取締役比率は40.0%です。

氏名 役職 主な経歴
三好 稔美 代表取締役 社長 1991年森下製薬(現サノフィ)入社、2004年MBLベンチャーキャピタル入社、2006年日興アントファクトリー(現アント・キャピタル・パートナーズ)入社。2013年同社監査役、2015年同社取締役、2020年同社代表取締役社長より現職。
冨岡 英樹 取締役 研究開発部長兼CSO 1997年小野薬品工業入社、2005年アンジェスMG(現アンジェス)入社。2015年同社入社、開発研究部長。2015年同社取締役、研究開発部長。2019年同社取締役研究開発部長兼CSOより現職。
林 毅俊 取締役 管理部長兼CFO 1997年富士総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)入社、2001年メドジーンバイオサイエンス(現アンジェス)入社。2015年同社入社、経営企画部長兼CFO。2015年同社取締役管理部長兼CFOより現職。


社外取締役は、栄木憲和氏(バイエル薬品元代表取締役社長)、原誠氏(住友ファーマ元取締役専務執行役員)です。

同社は監査役会設置会社であり、取締役会と監査役会を設置しています。社外取締役2名と社外監査役3名が客観的な監督・監査機能を担い、独立役員として東京証券取引所に届け出ています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社の役員報酬は、固定報酬である基本報酬と株式報酬で構成されています。業務執行取締役には短期的な業績連動報酬は採用せず、中長期的な企業価値向上を目的としたストック・オプション制度を非金銭報酬として組み合わせています。社外取締役にも、監督機能を損なわない範囲で基本報酬と株式報酬が支払われる方針です。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 3名 35百万円 11.6百万円
社外役員 6名 29百万円 4.8百万円


なお、報酬等の総額には使用人兼務役員の使用人分給与は含まれていません。また、社外役員の報酬等には、2025年6月24日付をもって辞任した監査役1名の報酬が含まれています。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。