※本記事は、株式会社ビーグリー の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ビーグリーは、コミック配信サービス「まんが王国」を主軸とするプラットフォーム事業と、電子書籍・出版事業を展開するコンテンツ事業をグループで手掛けています。ファンとコンテンツを感動とともにつなげるコンテンツプロデュースカンパニーを目指しています。
単体従業員数は86名、連結従業員数は227名です。セグメントはプラットフォームセグメント、コンテンツセグメントの2つです。
主な国内グループ会社は、ぶんか社(総合出版事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ビーグリーは、コンテンツとプラットフォームを通じてクリエイターとファンを繋ぐ事業を展開しています。従業員の働きやすさを重視し、多様な働き方を推進する環境整備に力を入れていることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、若手から中堅層が中心となって活躍しており、比較的安定した勤続傾向が見られます。従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を支援する制度も導入されています。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,240,000円 |
| 平均勤続年数 | 5.2年 |
| 平均年齢 | 36.2歳 |
| 単体従業員数 | 86人 |
| 連結従業員数 | 227人 |
| 単体のグループ内比率 | 37.9% |
なお、退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、「クリエイターとファンを繋ぎ、新たな価値を創造する」というミッションをサステナビリティに関する取り組みの基本方針としています。企業価値の持続的な向上のため、編集者やデータサイエンティストといった専門的知識を持つ人材の確保と育成を重要な課題と位置付けています。多様な視点や価値観を強みと捉え、年齢、性別、国籍に関係なく採用・評価を行っています。
従業員にとって働きやすい環境作りを方針とし、オフィス内のコミュニケーションスペースの設置や、フレックスタイム制度、テレワークによるライフスタイルに応じた働き方を推進しています。また、育児・介護・看護等の各種休暇・休職制度や、入社間もない社員への特別有給休暇の付与も行っています。従業員のエンゲージメント向上にも取り組み、その効果測定を実施しています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社及び連結子会社は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ビーグリーグループは、デジタルコンテンツを核とした事業を展開しており、主に「プラットフォームセグメント」と「コンテンツセグメント」の二つの柱で収益を上げています。ファンとコンテンツを感動とともに繋げるコンテンツプロデュースカンパニーを目指しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、インターネットを活用したデジタルコンテンツ配信サービスと、電子書籍・出版事業を主軸としています。スマートフォンやタブレットの普及を背景に、デジタルコンテンツ市場の拡大を捉え、ユーザーに多様なコンテンツを提供しています。
プラットフォームセグメント
このセグメントでは、コミック配信サービス「まんが王国」や小説投稿サービス「ノベルバ」を展開しています。クリエイターのコンテンツを配信するサービスや環境を提供しており、ユーザー課金サービスとその付帯サービスが主な収益源です。運営は、ビーグリーが行っています。前期と比較して、売上高は減少傾向にあります。
コンテンツセグメント
コンテンツセグメントは、女性向けの漫画ジャンルに強みを持つ電子書籍・出版事業が中心です。デジタルとの親和性が高い作品制作を通じて、ヒット作品の創出に注力しています。収益は、電子書籍、出版、付帯サービスから得ています。運営は、ぶんか社、海王社、新アポロ出版、文友舎が行っています。前期と比較して、売上高は減少傾向にあります。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| プラットフォームセグメント | 118億円 | 106億円 |
| コンテンツセグメント | 66.5億円 | 61.5億円 |
同社グループの売上高は、本邦の外部顧客への売上高が90%を超えており、海外比率は低い状況です。また、特定の顧客に収益が集中している状況は見られません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は直近の期で減少に転じています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も変動があり、直近の期では減少となりました。特に親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に連結子会社の吸収合併に伴う税務上の繰越欠損金承継により法人税等が減少した反動もあり、当期は大きく減少しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 186億円 | 187億円 | 191億円 | 184億円 | 167億円 |
| 経常利益 | 12.0億円 | 16.1億円 | 14.4億円 | 17.3億円 | 13.2億円 |
| 経常利益率 | 6.5% | 8.6% | 7.5% | 9.4% | 7.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4.4億円 | 6.6億円 | 6.9億円 | 13.0億円 | 6.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 74.81 | 111.34 | 114.74 | 220.02 | 122.37 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する結果となりました。これらの指標は、同社グループの収益体質や組織効率の傾向を示すものとして注目されます。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 86.6百万円 | 73.7百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 8.4百万円 | 6.0百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、本業で安定した資金を創出し、事業の維持・拡大に向けた投資活動も行いながら、手元に資金を残している状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの財務基盤は、自己資本比率が前期から増加し、プライム市場の製造業平均に近い水準にあります。ROEは前期から減少していますが、依然として一定の水準を維持しています。手元資金である現金及び預金も増加しており、事業運営に必要な資金を確保している状況です。これらの財務状況は、同社グループが安定した経営を維持していることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 74.9億円 | 80.6億円 |
| 自己資本比率 | 43.3% | 48.6% |
| ROE(自己資本利益率) | 18.1% | 8.8% |
| 現金及び預金 | 51.2億円 | 52.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローはプラスとなっています。これは、税金等調整前当期純利益に加え、減価償却費やのれん償却額、売上債権の減少などが主な加算項目となったことによるものです。
投資活動によるキャッシュフローはマイナスであり、有形固定資産や無形固定資産の取得による支出が主な要因となっています。これは事業の維持・拡大に向けた投資が行われていることを示しています。
財務活動によるキャッシュフローもマイナスとなっており、長期借入金の返済や配当金の支払いが主な資金減少要因です。営業活動で得た資金で投資を行い、さらに借入金の返済や株主への配当も行っている状況です。
結果として、フリーキャッシュフローはプラスであり、本業で創出した資金が投資を上回り、手元に資金が残る健全な状態を示しています。この資金の流れは、同社グループが安定した事業運営を継続し、将来の成長に向けた基盤を築いていることを示しており、雇用や給与の安定性にもつながるものとなっています。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 23.4億円 | 15.4億円 |
| 投資CF | △2.5億円 | △2.2億円 |
| 財務CF | △18.0億円 | △11.4億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 21.0億円 | 13.2億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループの主たる収益源である電子書籍業界は、多数の企業が参入し競争が激化しています。競争がさらに激化し、顧客獲得や定着、顧客単価の維持・向上が想定通りに進まなかった場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、事業運営にあたり、著作権者等の取引先との間で著作物利用許諾契約を締結しています。何らかの事情により契約の更新に支障をきたした場合や著作物の利用料が変動した場合、取扱いコンテンツの減少や原価の上昇により業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
人材・組織に関するリスクの記載はありません。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ビーグリーは、コンテンツとファンを感動とともに繋ぎ、新たな価値を創造するコンテンツプロデュースカンパニーを目指しています。文化の発展に貢献しながら、持続的な企業価値の向上を追求する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは「ファンとコンテンツを感動とともにつなげるコンテンツプロデュースカンパニー」を目指すことを経営方針としています。良質なコンテンツやクリエイターが埋もれることなく、ユーザーが興味を持つコンテンツと出逢えるサービスを生み出すことを目標としています。
さらに、自らもオリジナルのエンターテインメントコンテンツを創出し、文化の発展に貢献することで、企業価値並びに株主価値の増大を図っています。同社グループは、コンテンツを創出または見定め、それに適した方法でユーザーに届ける活動を「コンテンツプロデュース」と定義しています。そのVisionとして「グローバルで通用するコンテンツプロデュースカンパニーへ」の実現を掲げています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、企業価値の持続的な向上のため、編集者やデータサイエンティストといった専門的知識を有した人材の確保及び育成を重要な課題と捉えています。多様な視点や価値観が存在することを強みとし、年齢や性別、国籍に関係なく採用・評価を行っています。
従業員にとってより働きやすい環境作りを社内環境整備に関する方針としています。オフィス内のコミュニケーションスペースの設置や、フレックスタイム制度、テレワークによるライフスタイルに応じた働き方を推進しています。育児・介護・看護等の各種休暇・休職制度や、入社間もない社員への特別有給休暇の付与も行い、従業員のエンゲージメント向上にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、継続的な発展とVisionである「グローバルで通用するコンテンツプロデュースカンパニーへ」の実現のため、いくつかの課題に取り組んでいます。その一つが「有能な人材の育成と確保」です。
経営理念に沿った評価制度の施行、運用の徹底、継続的な改善、インセンティブ制度を含む人事制度全般の充実を図っています。積極的な採用活動や教育制度の充実により、組織でフォローアップできる体制を構築しています。
また、「サービス・企業認知度の向上」も重点テーマです。同社グループの強み・健全性・ガバナンス体制等を戦略的に発信し、認知度及びコーポレートブランドの向上を目指しています。費用対効果を重視したプロモーション・広報活動を推進しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ビーグリーは、取締役会と監査等委員会を設置しており、独立性の高い社外取締役と監査等委員会による監督を通じて、透明性の高いガバナンス体制を維持しています。また、指名報酬委員会を設置し、指名・報酬に関する手続きの公平性・透明性・客観性を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
ビーグリーの株主構成を見ると、筆頭株主は日本テレビ放送網であり、事業会社が上位に名を連ねています。また、代表取締役社長である吉田仁平氏も主要な株主の一人として名を連ねています。複数の事業会社が上位株主として存在しており、同社の事業基盤を多角的に支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本テレビ放送網 | 27.11% |
| 小学館 | 9.74% |
| HAITONG INT SEC-CL AC-15.315(PERCENTAGE) (常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 6.33% |
| 吉田 仁平 | 6.19% |
| 光通信KK投資事業有限責任組合 | 5.15% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
ビーグリーの役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は吉田仁平氏が務めています。社外取締役比率は57.1%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 吉田 仁平 | 代表取締役 社長 | 1994年4月 日商岩井株式会社(現双日株式会社)入社。2004年6月 株式会社モーラネット取締役就任、2006年6月 同社代表取締役就任。2007年6月 株式会社ビービーエムエフ(現同社)入社。2014年2月 株式会社MNH(現同社)代表取締役社長就任より現職。 |
| 安本 洋一 | 代表取締役 副社長 | 1992年7月 株式会社ザテレビジョン入社。2013年4月 株式会社ブックウォーカー代表取締役社長就任。2019年7月 株式会社KADOKAWA取締役常務執行役員就任。2026年3月 同社代表取締役副社長就任より現職。 |
社外取締役は、佐藤俊介氏(CEORY代表取締役社長兼CEO)、久保真一郎氏(日本テレビ放送網社長室経営企画部)、吉田広明氏(弁護士法人北浜法律事務所パートナー・監査等委員)、大橋敏彦氏(大橋公認会計士事務所所長・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、独立性の高い社外取締役4名と監査等委員会が経営の監督機能を担っています。これにより、経営における透明性の高いガバナンス体制を維持しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
ビーグリーの業務執行取締役の報酬体系は、固定報酬としての基本報酬、短期インセンティブとしての業績連動報酬、中長期インセンティブとしての株式報酬の3項目で構成されています。これは、業績達成へのインセンティブと、株主との株価変動メリット・リスクの共有を目的としています。監査等委員である取締役および社外取締役の報酬は、基本報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 1名 | 42百万円 | 41.5百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 10百万円 | 10.2百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 20百万円 | 6.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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