【平均年収602万円】フルテック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収602万円】フルテック 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

フルテックは、自動ドア開閉装置の販売から施工・保守まで一貫して手掛け、建具の製造販売も行う企業です。複数のグループ会社とともに事業を展開しており、直近の業績は減収減益となりました。


目次

※本記事は、フルテック株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


フルテックグループは、自動ドア開閉装置の販売・設計・施工・保守サービスを主軸とし、ステンレス建具の製造・販売も手掛ける企業です。自動ドアの新規設置からリニューアル、メンテナンスまで一貫したサービスを提供しています。

単体従業員数は645名、連結従業員数は737名です。セグメントは自動ドア関連事業、建具関連事業、その他の3つです。

主な国内グループ会社は、アートテックス(自動ドア関連事業・建具関連事業)、ワイズ・コーポレーション(その他)などです。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


フルテックは、従業員の定着を重視し、多様な人材の活用とエンゲージメント向上に力を入れている企業です。給与水準や働き方に関する具体的なデータから、同社グループの職場環境の傾向を把握することができます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は平均勤続年数が長く、従業員が安定して働き続ける傾向が見られます。平均年齢も40歳を超えており、経験豊富な人材が多数在籍していることがうかがえます。

項目 数値
平均年間給与 6,015,000円
平均勤続年数 13.7年
平均年齢 40.3歳
単体従業員数 645人
連結従業員数 737人
単体のグループ内比率 87.5%


同社グループは確定給付型と確定拠出型の退職給付制度を採用しています。確定給付型は給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度、確定拠出型は会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

退職給付制度は国内のグループ会社に適用されています。退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。

なお、確定給付制度における退職給付債務は11.1億円、年金資産は14.0億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


同社グループは、「持続可能な社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の好循環を追求し、全てのステークホルダーから信頼され必要とされる企業を目指しています。そのために、人的資本の充実を重要な課題としています。

具体的には、性別や国籍に関係なく実績と能力を重視した人材登用を進め、多様な人材の活用を図っています。また、従業員一人ひとりのエンゲージメント向上にも注力しており、社員への継続的な成長支援として教育研修の拡充やキャリアデザイン支援を行っています。

社員の能力や適性に応じた役割の提供や配置転換、役割・成果・専門性を重視した納得感の高い報酬制度を整備しています。さらに、社員のライフスタイルや価値観に合った就業環境の提供、自発性を生み出す職場組織風土の醸成、健康経営による従業員のウェルビーイング向上にも取り組んでいます。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


連結子会社は法定開示の公表義務対象外のため、提出会社単体のデータを示します。各指標は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」または「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定に基づき算出されています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 4.2%
男性労働者の育児休業取得率 43.8%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 81.0%
労働者の男女の賃金の差異(正規雇用労働者) 81.0%
労働者の男女の賃金の差異(パート・有期労働者) 61.1%

指標及び目標

指標 当期実績 2028年度目標
月平均所定外労働時間 23.5時間 23時間以内
女性管理職人数 5名 9名以上

有報に開示される平均年収は全社平均です。職種・年次・職位ごとの実際の給与水準は、社員・OBOGの給与明細データで確認できます。

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


フルテックは、自動ドア開閉装置の販売から設計、施工、保守サービスまでを一貫して手掛ける事業を主軸としています。また、ステンレス建具の製造・販売も行っており、建物のエントランスを総合的にプロデュースするビジネスを展開しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、自動ドア開閉装置と建具関連製品を主力とし、建物の出入り口に関する幅広いソリューションを提供しています。新規の設置だけでなく、設置後の保守サービスやリニューアル工事にも力を入れており、安定した収益基盤を構築しています。海外での売上高は計上されていません。

自動ドア関連事業

この事業では、ビルエントランスや工場などの自動ドア開閉装置の仕入れ・販売、設計、施工、保守サービスを行っています。既存の自動ドアの保守・修理、取替・改修(リニューアル)も手掛けており、24時間365日のアフターサービス体制を整えています。収益は、自動ドア開閉装置の販売やリニューアル工事、そして定期点検保守契約によるサービス提供から得ています。

建具関連事業

建具関連事業では、ステンレスサッシや強化ガラス、框ドアなどを主力製品として製造・販売しています。これらの製品は、主に自動ドア開閉装置とセットで提供されています。収益は、ステンレスサッシやドアの製造・販売から得ています。運営は、連結子会社であるアートテックスが担っており、札幌工場と盛岡工場で製造を行っています。

その他の事業セグメント

その他の事業として、喫煙所システム「トルネックス」の販売・設置・保守を行う環境機器事業、入退室管理・セキュリティゲート・防犯対策品を販売するセキュリティ事業、駐輪システム事業を展開しています。また、連結子会社であるワイズ・コーポレーションが組込み系制御基板の開発・設計・製造を行っています。

セグメント 売上高(2024年12月期) 売上高(2025年12月期)
自動ドア関連 84.4億円 86.7億円
建具関連 43.9億円 40.4億円
その他の事業セグメント 9.8億円 8.6億円

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期の業績を見ると、売上高は概ね増加傾向にありましたが、直近の2025年12月期は減少に転じています。経常利益と親会社株主に帰属する当期純利益も、変動を伴いながら推移しており、直近の期は前期から減少しています。

2025年12月期は、自動ドア新規部門および建具関連事業で受注は好調に推移したものの、工期の長い工事物件が多く当期の売上には至らなかったことや、大型物件の反動減が影響し、売上高は前期から減少しました。利益面では、売上総利益は増加したものの、昇給や採用力強化に向けた人材関連投資費用、新基幹システム稼働に係る費用が増加し、営業利益および経常利益は減少しています。また、子会社の事業計画見直しに伴う減損損失を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益も前期から大きく減少しました。営業活動によるキャッシュ・フローは、仕入債務の減少を主因として、前期の獲得から当期は使用に転じています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 115億円 119億円 128億円 138億円 136億円
経常利益 6.7億円 1.6億円 5.0億円 6.8億円 5.3億円
経常利益率 5.8% 1.4% 3.9% 4.9% 3.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 4.4億円 94百万円 2.4億円 4.6億円 2.5億円
1株当たり当期純利益(円) 81.34 17.52 44.56 85.31 46.59

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、2025年12月期に前期から減少しています。また、従業員1人あたりの営業利益も前期から減少する結果となりました。

これらの指標の減少は、売上高の減少に加え、人材関連投資費用や新基幹システム稼働費用などの増加が影響していると考えられます。同社グループは、長期経営ビジョン達成に向けた収益力向上や業務効率化に取り組んでおり、今後の生産性向上への取り組みが注目されます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 19.2百万円 18.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 0.9百万円 0.6百万円

業績データからは見えない「この会社で実際に働くとどうか」は、社員・OBOGの口コミで確認できます。

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


フルテックの財務状況を見ると、同社グループの事業活動による資金の流れは投資を伴うフェーズにあります。これは、将来に向けた投資を積極的に行っている状況を示しています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


フルテックの財務基盤は、自己資本比率がプライム市場の製造業平均と比較して高い水準にあり、安定した経営基盤を示しています。当期の自己資本比率は61.2%となっており、前期の54.7%から増加しました。一方、ROE(自己資本利益率)は当期3.7%で、前期の7.0%から減少しており、プライム市場平均を下回っています。手元資金である現金及び預金は当期末に18.0億円となっており、前期の28.4億円から減少しました。これらの財務状況は、事業活動を支える基盤の安定性と、今後の収益性向上が課題であることを示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 66.9億円 70.0億円
自己資本比率 54.7% 61.2%
ROE(自己資本利益率) 7.0% 3.7%
現金及び預金 28.4億円 18.0億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


フルテックのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に8.7億円の資金を使用する状況となりました。これは主に仕入債務の減少や契約資産・棚卸資産の増加によるものです。前期は7.5億円の資金を獲得していました。投資活動によるキャッシュフローは、当期に2.2億円の資金を使用しており、有形固定資産の取得や定期預金の預入が行われています。前期の投資活動による資金使用額は0.7億円でした。その結果、事業活動と投資活動を合わせたフリーキャッシュフローは、当期に10.9億円の資金を使用する状況となっています。前期は6.9億円の資金を獲得していました。財務活動によるキャッシュフローは、当期に0.5億円の資金を使用しており、短期借入金の増加があったものの、配当金の支払いや長期借入金の返済が行われました。これらの資金の流れは、事業活動における一時的な資金需要の増加と、将来に向けた投資を継続している状況を示しており、今後の事業展開と資金効率の改善が雇用や給与の安定性に影響を与える可能性があります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 7.5億円 △8.7億円
投資CF △0.7億円 △2.2億円
財務CF △5.0億円 △0.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 6.9億円 △10.9億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、競業他社との価格競争が事業活動に影響を及ぼす可能性があると認識しています。また、建具関連事業ではステンレスやスチール等の鉄鋼材料を主要な原材料としており、これらの価格高騰が製品価格にタイムリーに転嫁できない場合、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、採用難の深刻化が経営環境を厳しくしていると認識しています。この課題に対し、優秀な人材の確保と育成が今後の事業成長において重要となります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

財務指標だけでは分からない、実際の残業の実態や職場環境は、社員の声から確認できます。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


フルテックは、自動ドア事業を核に安全で快適なエントランス環境を創造する企業です。同社グループは、持続可能な社会への貢献と企業価値の向上を追求し、全てのステークホルダーから信頼される企業を目指しています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


フルテックは、「豊かになるための集団」「負けてたまるかの拡大発展」「顧客に密着する経営」「新製品新事業の開拓」「会社は永続するもの」という五つの経営理念を掲げています。同社グループは、2024年11月に「Vision 2030」を策定し、「下請け型企業から技術開発型販社への転換」を目指す姿としています。このビジョン達成に向け、2025年から2027年の中期3ヶ年経営計画では、「新商品・新サービスの開発」「保守台数の増強・トータルリニューアルの推進」「企業価値の向上」を重点戦略としています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


フルテックは、経営理念の一つである「会社は永続するもの」を、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上を追求する「ゴーイング・コンサーン」の概念と捉えています。全てのステークホルダーから信頼される企業を目指し、人的資本の充実を重視しています。実績と能力を重視した多様な人材の活用を推進しています。また、社員の継続的な成長支援、能力・適性に応じた役割提供、健康経営の推進などを通じ、従業員エンゲージメント向上に努める企業風土があります。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


フルテックが優先的に対処すべき課題として、人材の確保と育成を挙げています。同社グループは、社内一貫体制を強みとするため、知名度向上による優秀な人材確保と、昇給や健康経営の推進を通じた働きやすい職場環境の整備、人材定着率の向上に努めています。また、バリアフリー・省エネ・非接触といった多様なニーズに応えるため、新商品・新サービスの開発に取り組み、商品開発力の強化を図っています。

会社が掲げる価値観と現場の実態が一致しているかどうかは、社員・OBOGの口コミが参考になります。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


フルテックの取締役会は、取締役と監査等委員である取締役で構成され、経営の基本方針や重要事項の決定、業務執行の監督を行っています。同社は監査等委員会設置会社として、迅速な意思決定と客観的な監視を両立する経営体制を構築しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


フルテックの株主構成を見ると、創業家およびその関連会社が上位を占めていることが特徴です。筆頭株主は有限会社ウェルマックスであり、これは代表取締役会長CEOである古野重幸氏の資産管理会社です。また、古野重幸氏個人やフルテック従業員持株会も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
有限会社ウェルマックス 20.87%
古野 重幸 8.76%
フルテック従業員持株会 6.26%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長社長執行役員COOは古野元昭氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
古野 重幸 代表取締役会長CEO 1980年4月トヨタ自動車工業株式会社(現 トヨタ自動車株式会社)入社。1988年4月同社入社、1990年10月同社代表取締役就任。2025年3月同社代表取締役会長CEO就任より現職。
古野 元昭 代表取締役社長社長執行役員 COO 1989年4月株式会社クボタ入社。1994年4月同社入社、2007年5月同社取締役就任。2025年3月同社代表取締役社長社長執行役員COO就任より現職。
田中 康之 取締役専務執行役員管理本部長兼経営企画室長 1979年4月株式会社北海道銀行入行。2004年5月同社入社、同社取締役就任。2016年6月同社取締役専務執行役員就任より現職。
喜多見 光彦 取締役常務執行役員東京本部長兼開発営業部長 1991年4月同社入社。2014年6月同社取締役就任。2021年3月同社取締役就任より現職。


社外取締役は、荒木啓文氏(元札幌商工会議所専務理事・常勤監査等委員)、尾町雅文氏(尾町雅文公認会計士事務所代表・監査等委員)、岡崎拓也氏(岡崎拓也法律事務所代表・監査等委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、取締役による迅速な業務執行と、監査等委員である社外取締役による客観的かつ中立的な監視を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化を図っています。社外取締役は、独立した立場で取締役会における経営への指摘や助言を行っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


フルテックの役員報酬は、固定報酬である基本報酬と業績連動報酬である賞与で構成されています。業績連動報酬は連結経常利益を指標としており、事業年度ごとの業績向上への意識を高めることを目的としています。監査等委員である取締役の報酬は、監査等委員会が株主総会で決議された限度内で決定しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 1.1億円 28.8百万円
社外役員 3名 14百万円 4.7百万円


なお、上記の退職慰労金は当事業年度に係る役員退職慰労引当金繰入額であります。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

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この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。