【平均年収777万円】ズーム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収777万円】ズーム 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

ズームは、世界中のクリエイター向けにユニークな作品創造ツールを提供する音楽用電子機器の開発・販売事業を展開しています。連結従業員数は187名で、直近期は減収となり、利益は損失を計上しました。事業環境悪化を受け、損益分岐点の引き下げと事業運営の効率化を図る構造改革を進めています。


目次

※本記事は、株式会社ズーム の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


ズームは音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業内容としています。同社グループは「We're For Creators」を基本理念に掲げ、世界中のクリエイター向けにユニークな作品創造ツールを提供しています。

単体従業員数は93名、連結従業員数は187名です。セグメントは音楽用電子機器事業の1つです。

主な国内グループ会社は、(連結子会社)フックアップ(販売代理店業務)などです。

ズームグループは、期中の事業環境悪化を受け、組織再編や不採算領域の整理を含む構造改革を実施しました。これにより、損益分岐点の引き下げと事業運営の効率化を図っています。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


ズームは音楽用電子機器事業を展開する企業です。同社グループは、従業員の能力を最大限に引き出すための人材育成と働きやすい環境づくりに注力しています。多様なキャリアパスと柔軟な働き方を支援する制度を導入し、従業員の定着とモチベーション向上を目指しています。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


ズームでは、従業員の定着とキャリア形成を重視する傾向が見られます。平均勤続年数と平均年齢から、一定の経験を積んだ人材が長く活躍できる環境であることがうかがえます。同社は、従業員一人ひとりの成長を支援し、働きがいのある職場づくりに取り組んでいます。

項目 数値
平均年間給与 7,770,188円
平均勤続年数 9.8年
平均年齢 39.7歳
単体従業員数 93人
連結従業員数 187人
単体のグループ内比率 49.7%


ズームは、従業員の退職給付制度として、確定拠出年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)と確定給付型制度(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる)を採用しています。国内の同社および株式会社フックアップ、海外子会社のMogar Music S.r.l.を含むグループ全体で退職給付制度が適用されています。退職一時金制度も採用されています。ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。確定給付債務は1.9億円となっています。また、確定拠出制度への当連結会計年度の要拠出額は33百万円です。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


ズームは、従業員の最大限の能力発揮と活力ある職場環境の醸成を人材育成の基本方針としています。年1回の自己申告書を通じて従業員の意見をくみ上げ、適性のある人材を管理職として登用しています。具体的には、2025年に技術を極めるプロフェッショナル職とプロジェクトを率いるマネジメント職を選択できる複線型人事制度を導入しました。若手から中堅社員が推進するプロジェクトチームを多数結成し、組織の開発力強化と社員のモチベーション向上を図っています。

社内環境整備においては、誰もが働きやすい環境づくりを目指し、フレックスタイム制やテレワーク制度を整備しています。ITツールを活用した業務効率化、ハラスメント研修の開催、年次有給休暇や産休・育児休業の取得奨励にも取り組んでいます。これらの施策を通じて、職場環境の改善と離職率の低下を目指しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社および連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示データは記載されていません。

育児・介護支援

指標 数値
男性育児休業等・育児目的休暇取得者数 2名
女性育児休業等・育児目的休暇取得者数 2名
育児休業等・育児目的休暇からの職場復帰率 100.0%

人材育成・エンゲージメント

指標 数値
年次有給休暇取得率 99.6%
離職率(会社都合除く) 6.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


ズームは、音楽用電子機器の開発と販売を主な事業内容とする企業です。世界中のクリエイターがユニークでオリジナルな作品を創造するためのツールを提供し、ブランド力の向上を目指しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、音楽用電子機器事業の単一セグメントで事業を展開しています。開発は日本で行い、製品の生産はすべて外部のEMS企業に委託しており、自社工場は保有していません。中国や東南アジアで生産された同社ブランドの製品は、同社を通じて各国の連結子会社や販売代理店に出荷され、最終顧客へと販売される収益モデルです。

主な製品カテゴリーには、ハンディオーディオレコーダー、デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー、マルチエフェクター、プロフェッショナルフィールドレコーダー、ハンディビデオレコーダーなどがあります。また、Mogar取扱いブランド、フックアップ取扱いブランド、Sound Service取扱いブランドといった他社ブランド製品の販売も行っています。近年では、スマートフォンの録音性能向上などにより、汎用的な録音用途の市場構造変化が進んでいます。

同社グループの売上高は、米国ドル建てやユーロ建ての比率が高く、為替変動リスクが経営成績に大きな影響を与える傾向にあります。特に最大の市場である北米市場では、相互関税の影響や個人消費の減退による販売不振が見られました。Thomann GmbHやAmazon.com, Inc.といった特定の顧客への販売実績が、同社グループの総販売実績に占める割合は比較的高い水準となっています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの過去5期にわたる業績を見ると、売上高は直近の2期でほぼ横ばいから減少に転じています。経常利益は前期まで増加傾向にありましたが、当期は損失を計上する結果となりました。親会社株主に帰属する当期純利益も、前期までは利益を確保していましたが、当期は大幅な損失を計上しています。

当期は、米国市場における相互関税の影響や需要減退、スマートフォンの普及に伴う汎用価格帯製品の競争激化などにより、売上高が減少しました。また、のれんの減損損失や割増退職金の支払い、棚卸資産の処分に伴う損失など、合計で10億円弱の特別損失を計上したことが、営業利益以下の各段階利益が損失となった主な要因です。一方で、営業活動によるキャッシュ・フローは増加傾向を示しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 134億円 132億円 179億円 181億円 174億円
経常利益 12.2億円 7.2億円 6.5億円 5.5億円 △2.3億円
経常利益率 9.1% 5.4% 3.6% 3.1% △1.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 8.5億円 3.8億円 89百万円 41百万円 △17.3億円
1株当たり当期純利益(円) 199.56 88.36 20.64 9.41 △398.85

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上高は、前期から当期にかけて増加しています。これは、売上高が減少する中で、連結従業員数が減少したことによるものです。一方、従業員1人あたり営業利益は、前期は利益を計上していましたが、当期は損失に転じています。これは、当期に計上された特別損失や売上総利益の減少が影響していると考えられます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 90.4百万円 93.2百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 2.7百万円 △0.3百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で資金を生み出しているものの、投資活動による資金流出が大きく、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。財務基盤の強化と収益性の改善が課題となっています。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本比率は30.1%となっており、前期から減少しています。これはプライム市場上場企業の製造業平均と比較すると低い水準です。ROE(自己資本利益率)は△27.0%とマイナスに転じており、収益性の改善が課題となっています。手元資金である現金及び預金は30.9億円で、前期から減少傾向を示しています。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 86.2億円 74.2億円
自己資本比率 35.7% 30.1%
ROE(自己資本利益率) 0.6% △27.0%
現金及び預金 33.2億円 30.9億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュフローは602百万円の増加となり、前期から増加しています。これは税金等調整前当期純損失を計上したものの、減価償却費、のれん償却額及び減損損失を計上したことによるものです。投資活動によるキャッシュフローは△690百万円の減少となり、前期から減少幅が拡大しています。これは主に有形固定資産の取得や関係会社株式の取得による支出が要因です。

その結果、フリーキャッシュフローは△88百万円の減少となりました。財務活動によるキャッシュフローは△113百万円の減少となり、前期の増加から減少に転じています。これは短期借入金の純増減があった一方で、長期借入金の返済や配当金の支払いがあったことによるものです。
同社グループは本業で資金を生み出しているものの、投資活動による資金流出が大きく、フリーキャッシュフローはマイナスとなっています。これは事業環境の悪化に対応するための構造改革や資産評価見直しに伴う資金の動きを示しており、今後の収益性改善と資金創出能力の向上が、雇用や給与の安定性につながる重要な要素となります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 585百万円 602百万円
投資CF △242百万円 △690百万円
財務CF 15百万円 △113百万円
フリーCF(営業CF+投資CF) 343百万円 △88百万円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、海外売上高比率が83.3%と非常に高く、為替相場の変動が業績に影響を与える可能性があります。円高は売上高と売上総利益の減少につながる傾向があります。

また、各国の経済状況や市場の動向、特に顧客層の少子化や趣味の多様化、競合他社との価格競争が、同社グループの業績に影響を与える可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、持続的な成長のために新製品開発が不可欠であり、その制約条件となる優秀なエンジニアの確保と育成が重要な課題となっています。優秀な人材の確保や育成が計画通りに進まない場合、競争力の低下や事業計画の遅延により業績に影響を与える可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

同社グループは、当連結会計年度において事業構造改善費用を128百万円計上しています。この費用は事業再編や人員削減等に伴うものであり、転職先を検討する際に留意すべき情報です。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


ズームは、クリエイティブオーディオ機器を通じて「世界中の人々を表現者にする」ことを目指しています。
「進化」と「挑戦」を掲げ、多様な自己表現を支える企業風土を大切にしています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


同社グループは、自分の想いをどんな形であれ表現し、自分らしく生き、人々と交流することが人生をより豊かにするという考え方を基盤としています。このような人々を表現者(クリエイター)と位置づけたうえで、「世界中の人々を表現者にする」企業となることを目指しています。

中長期的な経営ビジョンとしては、「“進化”と“挑戦”により、より多くの自己表現を支える」ことを掲げています。製品のターゲットユーザーを楽器演奏者だけでなく、広く創造活動をするクリエイターと位置づけ、製品カテゴリーの拡大を図っています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


同社グループは、「クリエイターに品格を伴った価値を提供するという、利他的な動機を基にした行動」を規範としています。創作活動を加速させる魅力的なクリエイティブオーディオ機器の開発を推進し、ブランド価値の向上に努めています。

サステナビリティ関連のリスク及び機会の監視・管理は、コーポレート・ガバナンスの体制と区別せず、取締役会で協議し取り組んでいます。人材育成においては、従業員の最大限の能力発揮のため、年1回の「自己申告書」を通じて意見をくみ上げ、活力ある職場環境や企業風土の醸成に努めています。

適性のある人材を管理職として登用することを基本方針とし、2025年にはプロフェッショナル職とマネジメント職を選択できる複線型人事制度を導入しています。若手から中堅社員を中心にプロジェクトチームを多数結成し、組織の開発力強化と社員のモチベーション向上を目指しています。

誰もが働きやすい環境づくりのため、フレックスタイム制やテレワークの体制整備、ITツール活用による業務効率化、ハラスメント研修の開催、年次有給休暇や産休・育児休業の取得奨励に取り組んでいます。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


同社グループは、現状を「有事」と位置づけ、優先的に対処すべき課題として「市場構造の変化を踏まえた成長戦略の再構築」と「利益を確保するための収益構造の再構築」の二点を挙げています。市場構造の変化に対応するため、2026年は商品企画・技術開発・事業展開を一体で再設計し、成長に向けた取り組みを集中的に進める年としています。

価値提供のあり方の転換と収益源の分散を進めることで、中長期的に安定した成長を実現するための基盤構築に取り組んでいます。また、外部環境の変動を織り込んだうえでも利益を確保できる、より筋肉質で持続可能な事業運営の確立を最優先課題としています。

企業の持続的成長に不可欠な人材育成については、より実務的な育成プログラムを社内で立ち上げるなど、長期的な成長を支援する体制を強化しています。社員一人ひとりのスキル向上とキャリア成長を促進する取り組みを積極的に推進しています。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


ズームは、取締役会と監査等委員会を設置し、経営の意思決定と監督機能、業務執行機能を分離した体制を採用しています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


ズームの筆頭株主は取締役ファウンダーである飯島雅宏氏です。上位株主には事業会社や関連財団も名を連ねており、特定の株主グループが同社グループの経営を支える資本構成となっています。

株主名 持株比率
飯島 雅宏 8.25%
サウンドハウス 8.21%
公益財団法人ズームグループ学術振興財団 8.09%
莅戸 道人 7.36%
DEUTSCHE BANK AG, FRANKFURT 7.09%

(注) 上記のほか、自己株式269,497株があります。

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


ズームの役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役CEOは工藤俊介氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。

氏名 役職 主な経歴
工藤 俊介 代表取締役CEO 2002年4月同社入社、2018年4月CRDO兼リサーチ&デベロップメントディヴィジョン ヴァイスプレジデント、2023年3月より現職。
河野 達哉 取締役CTO 1988年3月同社入社、2016年3月CDO兼エンジニアリングディヴィジョン ヴァイスプレジデント、2023年3月より現職。
山田 達三 取締役CFO 1995年10月監査法人トーマツ入所、2012年6月同社入社 アドミニストレーションディヴィジョン ヴァイスプレジデント、2013年3月より現職。
飯島 雅宏 取締役ファウンダー 1983年9月同社設立に参加、2008年5月代表取締役CEO、2025年3月より現職。


社外取締役は、横山和樹氏(アクセル会計事務所代表・指名報酬委員会委員長)、伊藤勝彦氏(ESTパートナーズ法律事務所パートナー・指名報酬委員会委員)、中野陽介氏(中野公認会計士・税理士事務所代表・指名報酬委員会委員)です。

同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役は全員が社外取締役で構成されています。これにより、取締役会の監督機能と独立性・客観性を強化しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


ズームの役員報酬は、基本報酬、業績連動金銭報酬、非金銭報酬(譲渡制限付株式)の3つの要素で構成されています。社外取締役に対しては、独立性を保つため金銭による固定報酬のみが支給されます。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(監査等委員及び社外除く) 4名 81百万円 20.4百万円
社外取締役(監査等委員) 3名 14百万円 4.8百万円


なお、2025年12月期の業績連動報酬は、連結営業利益が赤字となり不支給基準に該当したため、対象取締役への支給は行われていません。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。


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