※本記事は、ソレイジア・ファーマ株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月24日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。
1. 企業概要:どんな会社?
ソレイジア・ファーマは、日本、中国、韓国を中心としたアジア諸国で、がん領域の革新的医薬品および医療機器の開発・販売を行うスペシャリティファーマです。悪性腫瘍治療薬の開発・販売を主軸とし、治療に伴う有害事象を軽減し患者のQOL向上に貢献する医薬品・医療機器も手掛けています。
単体従業員数は17名、連結従業員数は22名です。同社グループの報告セグメントは医薬品事業の単一です。
ソレイジア・ファーマグループは、医薬品等候補の権利を導入し、日本や中国などで臨床開発を進め、販売可能な状況に導くことで収益を得ています。自社の臨床開発機能を中心に、外部委託機関と連携してアジア各地域での臨床試験や国際共同治験を実施しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ソレイジア・ファーマは、医薬品開発を専門とする企業であり、少数精鋭の組織体制が特徴です。専門性の高い人材が活躍できる環境が整っており、ワークライフバランスを支援する制度も導入されています。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、平均年齢が高く、平均勤続年数も比較的長い傾向が見られます。これは、専門性の高い分野で経験豊富な人材が長く活躍していることを示唆しており、安定したキャリアを築ける環境であると考えられます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 14,800,000円 |
| 平均勤続年数 | 7.9年 |
| 平均年齢 | 56.0歳 |
| 単体従業員数 | 17人 |
| 連結従業員数 | 22人 |
| 単体のグループ内比率 | 77.3% |
同社グループは、確定拠出型の退職後給付制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を有しています。これは当社グループ全体に適用される制度です。
なお、退職一時金の有無や支給条件、従業員ごとの会社拠出額などは、有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社グループは、持続的な成長のために、年齢や性別を問わない多様な人材の確保と育成を重視しています。少数の専門スタッフを最大限に活用する組織構築を目指し、中長期的な視点での人員確保、育成、組織強化に積極的に取り組む方針です。
具体的には、社員が仕事と生活の調和を図りやすいよう、フレックスタイム制度などの働きやすい制度を整備しています。また、人材確保のため、取締役および社員を対象としたインセンティブ制度を導入しています。
さらに、社内外の機会を捉えた社員教育を通じて、専門知識や経験の次世代への伝達にも力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
同社および連結子会社は、女性活躍推進法および育児介護休業法の規定による公表義務の対象ではないため、法定開示項目は記載を省略しています。
提出会社単体の法定開示データは開示されていません。
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ソレイジア・ファーマは、がん領域に特化した革新的な医薬品の開発と販売を手がけるスペシャリティファーマです。医薬品候補物質の導入から臨床開発、そして販売に至るまでの一連のプロセスを通じて、患者のQOL向上に貢献しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、がん領域の医薬品および医療機器の開発と販売を主たる事業領域としています。医薬品等候補の権利を導入し、日本や中国を中心としたアジア諸国で臨床開発を進め、薬事承認取得後に販売または導出を通じて収益を得るビジネスモデルです。基礎研究や製剤技術の提供による収益化は行っていません。
収益は主に、製品の販売収益、開発の進捗に応じた開発マイルストン収入、販売実績に応じた販売マイルストン収入、およびロイヤリティ収入から構成されています。また、ライセンス契約締結時に契約一時金を得ることもあります。
同社グループは医薬品事業の単一セグメントで事業を展開しており、特定の事業セグメントに区分していません。地域別に見ると、当連結会計年度の外部顧客からの収益は、中国その他地域からの収益が日本を上回る構成となっています。主要な顧客としては、Lee‘s Pharmaceuticals (HK) Ltd.、日本化薬、GenSci Singapore Pte.Ltd.からの収益が全体の一定割合を占める傾向にあります。
| セグメント | 売上収益(2024年12月期) | 売上収益(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 当連結会計年度(自 2025年1月1日至 2025年12月31日) | - | 4.3億円 |
| 前連結会計年度(自 2024年1月1日至 2024年12月31日) | - | 3.2億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの売上収益は、過去5年間で変動が見られますが、直近の当連結会計年度では前期から増加に転じています。税引前利益および親会社の所有者に帰属する当期利益は、過去5期にわたり損失が続いていますが、当連結会計年度においては前期と比較して損失幅が大きく縮小しました。
これは、バイオベンチャー企業として医薬品の研究開発に多額の先行投資を継続している事業戦略によるものです。営業活動によるキャッシュ・フローもマイナスで推移していますが、当連結会計年度は前期に比べてマイナス幅が改善しています。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益 | 5.6億円 | 10.9億円 | 6.2億円 | 3.2億円 | 4.3億円 |
| 税引前利益 | △24.4億円 | △24.9億円 | △11.3億円 | △19.6億円 | △8.8億円 |
| 税引前利益率 | △436.9% | △228.2% | △184.0% | △620.6% | △204.2% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | △24.8億円 | △25.5億円 | △11.1億円 | △19.4億円 | △8.8億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | △19.04 | △16.77 | △6.62 | △9.77 | △3.69 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたり売上収益は、前期と比較して増加しています。また、従業員1人あたり営業利益は、前期に比べて損失幅が縮小しており、生産性の改善傾向が見られます。これらの指標は、同社グループが事業活動を通じて従業員一人あたりの収益創出能力を高め、収益体質の改善に取り組んでいる状況を示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上収益(連結) | 13.7百万円 | 19.5百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | △84.8百万円 | △39.1百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
同社グループは、医薬品開発への先行投資を継続しており、財務面では成長投資フェーズにあることがうかがえます。現在の財務基盤と資金の流れから、同社グループの安定性を確認します。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
同社グループの自己資本比率は高い水準となっており、前期から減少しています。これはプライム市場の平均と比較しても高い水準を示しています。手元資金である現金及び現金同等物は前期から増加しました。これらの財務状況は、事業運営における一定の安定性を示すものと考えられます。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | 84.9% | 81.7% |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び現金同等物 | 8.9億円 | 13.9億円 |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
同社グループのキャッシュフローは、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなりました。これは主に税引前当期損失876百万円が主要因です。投資活動によるキャッシュ・フローはマイナスで、投資有価証券の取得による支出77百万円が主な要因です。その結果、フリーキャッシュ・フローはマイナスとなっています。財務活動によるキャッシュ・フローはプラスとなり、新株予約権行使による株式発行収入1,458百万円が主要因です。同社グループは医薬品開発への先行投資を継続しており、資金調達によって事業活動を支えている状況です。この資金調達が継続的に行われることで、今後の事業成長と雇用安定性につながる可能性があります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | △10.3億円 | △8.5億円 |
| 投資CF | 0億円 | △0.8億円 |
| 財務CF | 11.8億円 | 14.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | △10.3億円 | △9.3億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは医薬品等の開発を主業務としており、その成功の可能性は他産業に比して極めて低いとされています。開発過程において、臨床試験結果等に起因して開発方針の変更、開発延期、延長又は中止となる場合があります。
また、医薬品等業界は国際的な巨大企業を含む国内外の多くの企業や研究機関等が激しい競争を繰り広げています。競合品の開発進捗状況やその結果によっては、同社グループの製品の優位性を示せない可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループの事業活動は、現在の経営陣や各部門の責任者、構成員に強く依存しています。そのため、常に必要とされる人材の確保と育成に努めていますが、計画どおりに行えない場合は財政状態及び経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ソレイジア・ファーマグループは、日本およびアジア諸国の医療に貢献することを目指し、革新的な医薬品の開発を通じて患者さんのクオリティ・オブ・ライフ向上に尽力しています。少数精鋭の専門家集団として、外部連携を重視しながら、がん治療領域に特化した事業を展開する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
ソレイジア・ファーマグループは、日本およびアジア諸国の医療への貢献を経営基本方針としています。海外または国内の製薬企業やバイオベンチャー企業から有望な新薬候補品を導入し、臨床開発を通じて医薬品市場に製品を供給することを目指しています。
目標とする経営指標は、開発品の価値向上です。中長期的な経営戦略として、悪性腫瘍治療を目的とする医薬品の開発および販売を主たる事業領域としています。悪性腫瘍治療薬の投与や放射線治療によって生じる有害事象を軽減し、患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上が期待できる医薬品および医療機器の開発・販売も事業領域としています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
ソレイジア・ファーマグループは、組織の規模を追わず、少数の専門スタッフを最大限に活用する組織構築を重視しています。中長期的な視点から、必要人員の確保、育成、組織強化に積極的に取り組む方針です。
同社グループのビジネスモデルでは、スタッフと外部専門家、外部委託機関との連携が不可欠とされています。専門性の高い外部との対等な協力関係を築き、同社グループ人材を中心とした最適なチームを構築することを目指しています。
また、年齢や性別を問わない多様な人材の確保・育成、バランスの取れた人材配置、知識・経験の次世代への伝達を不可欠と考えています。社員のワークライフバランス実現のため、フレックスタイム制度などの制度整備を進めています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
ソレイジア・ファーマグループは、優先的に対処すべき課題の一つとして「組織の強化」を挙げています。開発パイプラインの拡充に伴う製品開発活動量の増加や、製品の品質確保、製造・販売に対応するため、適切な人員増加と効率的な組織編制が重要であると認識しています。
年齢や性別を問わないバランスの良い人材配置と、知識・経験の次世代への伝達が不可欠であると考えています。少数の専門スタッフを最大限に活用する組織構築を念頭に、中長期的な視点での人員確保、育成、組織強化に積極的に取り組む方針です。
また、内部統制の強化も重点テーマです。業務執行の妥当性、効率性、企業倫理、法令遵守に留意し、リスク管理およびコンプライアンス管理の徹底を図っています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
ソレイジア・ファーマの取締役会は、社外取締役を複数選任することで、経営の透明性と公平性を確保しています。また、社外監査役も取締役会に出席し、多角的な視点から経営を監視する体制を構築しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主は事業会社である日本化薬です。次いでマルホも上位株主となっており、事業会社が主要な株主として同社を支えていることがうかがえます。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 日本化薬 | 4.55% |
| マルホ | 4.29% |
| MACQUARIE BANK LIMITED DBU AC | 3.20% |
| 楽天証券共有口 | 1.16% |
| 荒井好裕 | 0.60% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は8名(男性7名・女性1名)で構成され、女性役員比率は12.5%です。代表取締役社長は荒井好裕氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 荒井 好裕 | 代表取締役社長 | 1985年4月サール薬品株式会社(現ファイザー株式会社)入社。アムジェン株式会社開発本部臨床開発部長、製品企画部長を経て、2007年9月JapanBridge Inc.(現同社)入社、ジェネラルマネージャー兼開発本部長。2013年2月より同社代表取締役社長。 |
| 宮下 敏雄 | 取締役 CFO 管理本部長 | 1997年9月イノテック株式会社入社。アドモンサイエンス株式会社管理本部長、株式会社そーせい(現ネクセラファーマ株式会社)バイスプレジデント経営企画部長等を経て、2014年1月同社入社、CFO管理本部長。2015年12月より同社取締役CFO管理本部長。 |
社外取締役は、スタンレー・ロー氏(Amsino Medical Group CEO)、栄木憲和氏(エイキコンサルティング合同会社代表社員)、水川二郎氏(LTLファーマ特別顧問)です。
同社は監査役会設置会社であり、株主総会、取締役会、監査役会を設置しています。社外取締役3名が選任されており、独立的な立場で経営の監督や提言を行っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、固定の基本報酬と目標達成度に応じた賞与で構成されています。業務執行を担う取締役と経営の監督を担う非執行の取締役では報酬体系が異なっています。業務執行を担う取締役の賞与は、製品開発品の進捗状況や開発品権利導入・導出の実現状況、予算統制を含む経営安定性状況等により算定されます。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 2名 | 49百万円 | 24.5百万円 |
| 社外取締役 | 3名 | 6百万円 | 2.0百万円 |
| 社外監査役 | 4名 | 10百万円 | 2.5百万円 |
報酬等の総額が1億円以上の役員は存在しないため、個人別の開示は行われていません。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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