ユニフォームネクスト 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ユニフォームネクスト 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

東京証券取引所グロース市場に上場するユニフォームネクストは、インターネットを利用した業務用ユニフォームの通信販売を主力事業として展開しています。最新の業績では、ターゲティングを個人需要から継続性や収益性の高い法人需要へと明確にシフトしたことが奏功し、大幅な増収増益を達成し成長を続けています。


※本記事は、ユニフォームネクストの有価証券報告書(第32期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ユニフォームネクストってどんな会社?


インターネットを利用した業務用ユニフォームの通信販売事業を主たる業務として展開する企業です。

(1) 会社概要


1994年4月に福井県でユニフォーム販売を目的としてワイケー企画を設立しました。2008年以降、飲食店向け、作業服、事務服、医療ユニフォームなどのカテゴリー特化型通販サイトを順次開設し事業を拡大しました。2015年に現在のユニフォームネクストへ商号変更し、2017年に東証マザーズへ上場しています。

従業員数は単体で157名です。筆頭株主は創業者の資産管理会社であるディマウス合同会社で、第2位は創業者の横井康孝氏、第3位は横井亜希子氏となっています。

氏名 持株比率
ディマウス合同会社 38.76%
横井康孝 10.91%
横井亜希子 5.22%

(2) 経営陣


同社の役員は男性6名、女性0名の計6名で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は横井康孝氏が務めています。役員6名中2名が社外取締役(33.3%)です。

氏名 役職 主な経歴
横井康孝 代表取締役社長 1995年平和堂入社。1997年同社入社。2007年代表取締役社長、2019年代表取締役社長営業部管掌を経て2025年より現職。
塚田久治 取締役マーケティング部長 1992年ケイテー情報システム入社。2009年同社入社。WEB事業部長、システム部長、マーケティング部管掌などを経て2022年より現職。
早川光人 取締役管理部長兼物流部長 2002年大和証券エスエムビーシー入社。2015年同社入社。社長室長、執行役員管理部長、マーケティング部長などを経て2025年より現職。
岩田百志 取締役(監査等委員) 1989年レディ美容室入社。福井ダイハツ販売などを経て1995年同社入社。専務取締役などを経て2016年より現職。


社外取締役は、松岡茂(松岡会計事務所所長)、中尾亨(司法書士中尾亨事務所所長)です。

2. 事業内容


同社グループは、ユニフォーム販売事業の単一セグメントにおいて、主に2つの販売チャネルを展開しています。

(1) リテール販売


カテゴリー特化型の自社ECサイトを通じて、日本全国の法人および個人顧客へ商品を販売しています。飲食店向けのフードユニフォーム、医療用のクリニックユニフォーム、事務服のオフィスユニフォーム、現場向けのワークユニフォームなどを展開しています。

インターネットを通じた商品の販売代金を顧客から受け取ることで収益を得ています。自社スタジオでの撮影、Webページ制作、広告運用からカスタマーサポート、物流や加工までの一連の業務を同社が内製化して運営しています。

(2) ホールセール販売


大口注文が見込まれる法人顧客に対し、専門チームが能動的にアプローチを行う事業です。ECサイト経由で獲得した見込み客に対し、電話やメールを用いた提案や対面営業、受注後のフォローアップによる定着化の促進を行っています。

Webマーケティングによる集客力と人的リソースによる営業提案力を融合させ、法人顧客からの高単価かつ継続性の高い受注によって収益を獲得しています。事業の運営は同社が行っており、ユニフォーム管理アプリの導入支援なども提供しています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


直近5期間の業績は、一貫して増収基調を維持しています。利益面では一時的な足踏みが見られた時期もありましたが、直近の期には売上高、経常利益ともに過去最高を更新し、利益率も7.7%へと改善するなど、収益性の向上が顕著に表れています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 51.2億円 63.3億円 74.5億円 83.9億円 98.6億円
経常利益 3.6億円 4.1億円 5.1億円 4.7億円 7.6億円
利益率(%) 7.0% 6.5% 6.9% 5.6% 7.7%
当期利益(親会社所有者帰属) 2.3億円 2.8億円 3.5億円 3.3億円 5.2億円

(2) 損益計算書


売上高の拡大に伴い、売上総利益も順調に増加しており、売上総利益率は安定して推移しています。さらに、法人顧客へのシフトによる投資対効果の向上やコスト構造の改善により、営業利益が大幅に伸長し、営業利益率も大きく改善しています。

項目 2024年12月期 2025年12月期
売上高 83.9億円 98.6億円
売上総利益 30.9億円 36.3億円
売上総利益率(%) 36.8% 36.8%
営業利益 4.5億円 7.5億円
営業利益率(%) 5.4% 7.6%


販売費及び一般管理費のうち、広告宣伝費が10.7億円(構成比37.2%)、給料及び手当が6.1億円(同21.3%)を占めています。

(3) セグメント収益


主力であるオフィスワーク部門においてファン付き作業服の販売が伸長したほか、法人顧客の開拓により高単価な受注が増加しました。また、ホールセール部門はオンラインセールスの強化等により大幅な増収を達成し、全体の成長を牽引しています。

区分 売上(2024年12月期) 売上(2025年12月期)
サービス部門 27.8億円 28.8億円
オフィスワーク部門 47.9億円 56.6億円
ホールセール部門 8.2億円 13.1億円
連結(合計) 83.9億円 98.6億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標


本業が低迷し、事業の見直しが迫られる事業検討型のキャッシュ・フロー状況です。

項目 2024年12月期 2025年12月期
営業CF 7.3億円 -1.0億円
投資CF -0.1億円 1.1億円
財務CF 3.7億円 -1.4億円


企業の収益力を測るROE(自己資本利益率)は14.4%で、財務の安定性・安全性を測る自己資本比率は71.8%であり、いずれも市場平均を上回っています。

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社は、ミッションとして「ワークライフをハッピーに!」を掲げ、ユニフォームを通じて日本で働く人々のワークライフをより良いものにすることを使命としています。また、ビジョンには「ユニフォームの常識を変え、日本の働くを変える」を設定し、働く人々がいきいきとやりがいを持てる環境の創出を目指しています。

(2) 企業文化


同社は、バリュー(価値観)として「困難にワクワクする。」「アイデアを実現する。」「人を喜ばせる。」の3つを掲げています。高い成長意欲を持って困難な状況に挑戦し、突破口を切り開くアイデアを最後までやり切ること、そして期待を超える価値を提供して喜びを生み出す行動様式を重視しています。

(3) 経営計画・目標


同社は、イノベーションを創出し続けることで、中長期的な目標として時価総額250億円の達成を目指しています。また、収益の継続的な拡大を経営の指標として位置づけており、「売上高」「アクティブユーザー数」および「売上高経常利益率」を重要な数値指標として掲げて事業を推進しています。

(4) 成長戦略と重点施策


同社は、購買体験、ブランディング、サプライチェーン、セールスなど9つの分野で変革を推進する方針です。重点施策として、ウェブサイトの利便性向上を通じた新規顧客の獲得、顧客属性に応じた適時適切なフォローによる定着率の向上、物流の内製化による納期の短縮、商品提案力の強化、および専門知識を有する人材の育成等に取り組んでいます。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社は、「ワークライフをハッピーに!」という経営理念のもと、従業員が活躍できる働きがいのある職場環境づくりを重要な経営戦略として位置づけています。理念の浸透を図るための勉強会を定期的に開催するほか、短日・短時間勤務制度の拡充やリモートワークの導入などを通じて、性別を問わず多様で柔軟な働き方を支援しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年12月期 30.8歳 5.9年 4,380,789円


※平均年間給与は賞与及び基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 7.7%
男性育児休業取得率 83.3%
男女賃金差異(全労働者) 47.2%
男女賃金差異(正規雇用) 64.6%
男女賃金差異(非正規雇用) 108.6%

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) インターネット通販市場の競争激化


インターネット通販市場の拡大に伴い競争が激化しており、新規参入事業者による新たな高付加価値サービスの提供などが行われた場合、同社の競争力が低下し、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 取扱商品の価格競争


複数の事業者がインターネット上で価格情報を公表しているため、取扱商品を販売する他の通信販売事業者が増加した場合、一部の商品が価格競争に陥り、収益力の低下を招くリスクがあります。

(3) 顧客情報の漏洩リスク


インターネットによる販売活動を通じて個人事業主を含む多くの顧客情報を保有しています。厳重な管理を行っていますが、万が一情報の漏洩等が発生した場合、社会的信用の低下により事業に影響を及ぼす可能性があります。

(4) システムおよびネットワークの障害


受注の多くをインターネットに依存しているため、自然災害や外部からの不正アクセス、取引量の増大等により基幹システムやネットワークに障害が発生した場合、販売機会の損失等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。