※本記事は、株式会社イーエムネットジャパン の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月31日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
イーエムネットジャパンは、インターネット広告事業を展開しており、クライアント企業のデジタルマーケティングにおける課題解決と利益向上を支援しています。戦略立案から運用、分析、改善までをワンストップで提供しています。
単体従業員数は130名です。同社はインターネット広告事業の単一セグメントで事業を展開しています。
同社はインターネット広告事業の単一セグメントで、営業から広告の企画提案、運用、分析、改善までをワンストップで提供する専任制と、営業と広告運用を分業する体制を敷いています。
2021年6月28日にはソフトバンクによる公開買付けの結果、ソフトバンクがイーエムネットジャパンの親会社となりました。これにより、ソフトバンクグループジャパンおよびソフトバンクグループも間接的な親会社となっています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
インターネット広告事業を展開する同社は、若手社員が中心となって活躍しており、柔軟な働き方を支援する制度を導入しています。人材育成にも力を入れ、多様な働き方を尊重する環境が特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社は、若手社員が中心となって活躍している企業です。平均年齢が比較的若く、勤続年数も業界の特性を反映した傾向が見られます。社員の成長と定着を重視し、働きやすい環境づくりに注力していることがうかがえます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 5,095,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.6年 |
| 平均年齢 | 28.8歳 |
| 単体従業員数 | 130人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
同社は、確定給付型の退職給付制度を導入しています(給与や勤続年数に応じて給付額が決まる制度)。
退職一時金制度も設けています。
ただし支給条件や金額の算定方法は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
同社はインターネット広告事業において人的資本を重要視しており、生成AIなどのデジタル技術を活用できる人材育成に積極的に投資する方針です。
人材育成においては、業務経験を通じた実務経験と研修による学びの機会の二つを柱としています。優秀な人材の定着も経営基盤安定化のために重要と認識し、柔軟な環境整備を進めています。
具体的には、OJTや上長との面談によるキャリア支援、全社員対象の定期勉強会、外部講師を招いた専門研修を実施しています。また、在宅勤務(テレワーク)制度、柔軟な出勤時間(時差出勤)、育児休業・時短勤務制度などを導入し、仕事と生活の調和を支援しています。
特に女性従業員が過半数を占めることから、出産・育児に伴うキャリアブランクを発生させないよう、育児休業の取得促進や復職支援に力を入れています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データです。労働者の男女の賃金差異については、等級別人員構成により差異が生じていますが、賃金の基準は性別に関係なく同一となっています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 48.8% |
| 男性労働者の育児休業取得率 | 100.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(全労働者) | 78.0% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) | 76.8% |
| 労働者の男女の賃金の差異(うちパートタイマー・有期労働者) | 1.7% |
人材育成・エンゲージメント
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性管理職比率(目標) | 45.0% |
| 女性管理職比率(実績) | 48.8% |
| 女性従業員の育児休業取得率(目標) | 100.0% |
| 女性従業員の育児休業取得率(実績) | 100.0% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
イーエムネットジャパンは、インターネット広告事業を主軸に、クライアント企業のデジタルマーケティングにおける課題解決と利益向上を支援する企業です。情報通信技術の発展により増加する情報量の中で、消費者に効果的かつ効率的に最適な情報を提供できるよう、多角的なサービスを展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は、設立以来「クライアントと共に歩む企業」という企業理念を掲げ、インターネット広告事業を単一セグメントとして展開しています。クライアント企業のニーズに応えるため、デジタルマーケティングにおける戦略立案から運用、分析、改善までをワンストップで提供しています。
主力サービスは、検索エンジンの検索結果に表示される検索連動型広告と、ユーザーの属性や興味・関心に合わせて広告を表示する運用型ディスプレイ広告です。これらに加え、ソーシャルメディア広告、動画広告、アフィリエイト広告など、多様なデジタルチャネルに対応したサービスを拡充しています。また、広告主の広告機能内製化の需要に応えるインハウス支援サービスや、運用型広告の運用・営業支援を行う受託業務サービスも提供しています。
同社は、一人の担当者が営業から運用までを一貫して行う専任制と、営業と運用を分ける分業制を併用し、クライアントの多様なニーズに対応できる体制を構築しています。特にPDCAサイクルを継続的に循環させた広告効果の最大化やアクセス解析を得意としています。広告の企画立案やクリエイティブ制作においても、生成AIを積極的に活用し、サービスの品質向上を目指しています。
収益は、これらのインターネット広告に関する企画提案、運用、分析、改善サービスから得ています。特定の顧客への収益集中として、ソフトバンク株式会社への営業収益が同社の営業収益全体の中で一定の割合を占める傾向にあります。海外の外部顧客への営業収益は発生していません。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、営業収益、営業利益、経常利益が増加傾向にあります。これは、積極的な人材採用と教育による販売体制の強化、既存クライアントとの取引深化、新規クライアント獲得への注力、そしてソフトバンク株式会社との協業拡大が寄与しています。
一方で、当期純利益は損失を計上しています。これは、常務取締役CFOに対する長期未収入金に係る貸倒引当金繰入額、訂正関連費用、投資有価証券評価損といった特別損失が主な要因となっています。営業活動によるキャッシュ・フローは使用超過の状況を示しています。
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社では、従業員一人あたりの収益性向上を目指し、効率的な事業運営に取り組んでいます。人材育成にも力を入れ、専門性の高い人材が事業に貢献する体制を構築しています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | - | - |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
株式会社イーエムネットジャパンの経営の安定性について、財務基盤とキャッシュフロー、そして事業リスクの観点から解説します。これらの情報は、転職を検討する上で会社の持続可能性や将来性を理解するために役立ちます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
財務基盤は、自己資本比率やROE、手元資金の状況から会社の安定性を示す指標です。これらの指標は、事業活動を支える基盤の強さや、不測の事態への対応力を測る上で重要となります。入社後の雇用や給与の安定性を考える上で、会社の財務状況は重要な要素の一つです。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
| 現金及び預金等 | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローは、事業活動、投資活動、財務活動を通じて会社がどのように資金を調達し、使用しているかを示します。営業活動によるキャッシュフローは本業で生み出された資金の流れを、投資活動によるキャッシュフローは将来の成長に向けた投資の状況を、財務活動によるキャッシュフローは資金調達や返済の状況を表します。これらの資金の流れは、会社の安定性や成長性、そして入社後の雇用や給与の安定性を判断する上で重要な情報となります。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社はインターネット広告事業の単一セグメントで事業を展開しており、媒体運営会社への依存度が高い状況です。特にGoogle LLCとMeta Platforms, Inc.の2社への取次額(媒体費用)は、2025年12月期において媒体費総額の75.3%を占めています。これらの媒体運営会社の事業方針変更や契約更新ができなかった場合、同社の事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
また、インターネット広告事業は新規参入が多く、M&Aや業務提携により競争力を強化する企業も増加しており、競争環境が激しい状況です。競合との価格やサービス競争の激化により、収益性が低下するリスクがあります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社の事業を継続・拡大していくためには、優秀な人材の確保・定着及び育成が不可欠であると考えています。新卒を中心とした採用を積極的に実施し、教育体制を充実させることで人材の育成・確保に努めています。しかし、優秀な人材の確保・定着及び育成が計画通りに進まない場合や、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、今後の事業展開の制約要因となり、同社の事業活動に影響を与える可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
イーエムネットジャパンは、「クライアントと共に歩む企業」という理念のもと、インターネット広告事業を展開しています。最新のテクノロジーを活用し、デジタルマーケティング業界の専門家育成にも注力する企業です。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
イーエムネットジャパンは、「クライアントと共に歩む企業」という企業理念を掲げています。同社は「クライアント企業へのインターネット広告に関する最新の情報と広告運用の提供」と「日本のデジタルマーケティング業界における専門家の育成」という2つのビジョンを追求しています。
コーポレートスローガン「Beyond the Internet Advertising」のもと、インターネット広告事業に留まらない新たなビジネス展開を通じて、顧客満足度の高いサービス提供を目指しています。生成AI等の最新テクノロジーを活用し、クライアント企業のデジタルマーケティング課題解決と利益向上に貢献しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
イーエムネットジャパンは、経営方針を深く理解し、協調性と高い倫理観を持つ人材を重視する企業風土です。コンプライアンスへの高い意識と、デジタルテクノロジーの進化に対応できる人材の育成に努めています。
同社は、変化の激しいインターネット業界で活躍できる多様性のある従業員が、誰もが活躍できる社会の実現に向けた取り組みを推進しています。また、サステナビリティを重視し、人類、社会、経済、地球環境の持続可能性を考慮した企業価値向上を目指しています。
公正性・透明性を確保するため、コーポレート・ガバナンスと内部管理体制の強化にも取り組んでいます。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
イーエムネットジャパンは、事業環境の変化への適応を重要課題と認識しています。新技術や市場変化に対応するため、デジタルテクノロジーの新技術への投資や人材育成に取り組み、サービス開発に繋げています。
また、経営方針を深く理解し、協調性と高い倫理観を持つ優秀な人材の採用・育成を重点テーマとしています。コンプライアンス意識が高く、デジタルテクノロジーの進化に対応できる人材の育成に注力しています。
さらに、企業規模拡大に伴う内部管理体制の強化、コーポレート・ガバナンスの強化とコンプライアンス体制の整備・向上が重要な課題です。過去の不正行為を厳粛に受け止め、内部統制システムの再構築と信頼回復に努めています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
同社は監査等委員会設置会社であり、取締役会は社外取締役を含む7名で構成されています。この体制により、経営の透明性・公平性の確保と監督機能の強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
同社の株主構成を見ると、筆頭株主はソフトバンクであり、事業会社が主要な株主となっています。上位には海外の証券保管振替機関名義の株主も並び、その中にはEMNET INC.が実質的に所有する株式も含まれています。特定の事業会社や関連会社が上位を占める資本構成となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| ソフトバンク | 40.91% |
| KSD-MIRAE ASSET SECURITIES(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) | 20.43% |
| KSD-KB.(常任代理人 シティバンク、エヌ・エイ東京支店) |
8.60% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は山本臣一郎氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 山本 臣一郎 | 代表取締役社長 | 1995年コーパック・インターナショナル入社後、ダブルクリック、トランス・コスモス等を経て、2010年EMNET INC.上席常務執行役員に就任。2014年同社常務取締役、2016年取締役副社長を経て、2016年11月より同社代表取締役社長に現職。 |
| 藤平 大輔 | 取締役 | 1999年ソニー入社後、ソフトバンクBB等を経て、ジェネレイト代表取締役CEO、インキュデータ代表取締役社長兼CEOなどを歴任。2021年4月よりソフトバンク法人統括デジタルマーケティング本部本部長に現職。2021年8月より同社取締役に現職。 |
| 福山 広樹 | 取締役 | 2007年オーバーチュア入社後、ヤフー等を経て、サーチライフ取締役、ソウルドアウト取締役などを歴任。2023年10月よりLINEヤフーソフトバンクシナジー推進部長、ソフトバンク法人統括デジタルマーケティング本部広告事業統括部長に現職。2025年3月より同社取締役に現職。 |
| 中西 優友 | 取締役 | 1999年DDI東京ポケット電話入社後、ウィルコム、ソフトバンク等を経て、2023年9月よりAXSEED取締役、2025年4月よりソフトバンク法人事業企画推進統括部長、2025年6月よりIDCフロンティア取締役に現職。2026年3月より同社取締役に現職。 |
社外取締役は、西村訓仁氏(元インフォーマ グローバル マーケット ジャパン代表取締役社長・常勤監査等委員)、上野正博氏(SUIM代表取締役社長・監査等委員)、落合出氏(医療法人社団ミッドタウンクリニック会員制医療運営部門医師・監査等委員)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、監査等委員である取締役が取締役会の議決権を有することで、経営に対する監督機能を強化しています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の取締役の報酬は、固定報酬、賞与、ストックオプション、退職慰労金で構成されています。業務執行取締役には基本報酬と業績連動報酬が支給され、業績連動報酬としての賞与は営業利益の目標達成度合いに応じて算出されます。社外取締役には基本報酬のみが支払われる体系です。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 2名 | 60百万円 | 30.0百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 17百万円 | 5.7百万円 |
なお、取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の対象となる役員の員数には、在任している無報酬の取締役3名が除かれています。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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