ブリッジインターナショナル 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ブリッジインターナショナル 転職ガイド:有価証券報告書等から読み解く会社の実態

ブリッジインターナショナルグループは、東京証券取引所グロース市場に上場しており、B2B企業の売上成長に向けた改革を支援するサービスを展開しています。主にインサイドセールスのアウトソーシングや最新テクノロジーを活用したプロセス構築、研修事業を手掛けています。直近の業績は減収減益となっています。


※本記事は、ブリッジインターナショナルグループ株式会社の有価証券報告書(第24期、自 2025年1月1日 至 2025年12月31日、2026年3月30日 提出)の公開情報に基づき作成しています。会計基準は Japan GAAP です。

1. ブリッジインターナショナルグループってどんな会社?


企業向け営業活動の分業化やデジタル化を支援し、人材育成までをワンストップで提供する企業です。

(1) 会社概要


2002年1月に法人営業の課題を解決する事業の運営を目的に設立されました。2018年10月に東京証券取引所マザーズに上場し、2021年3月にはアイ・ラーニングを連結子会社化して研修事業に参入しました。2025年10月に持株会社体制へ移行して現在の社名へ変更するとともに、インサイドセールス事業などを子会社へ承継しています。

従業員数は連結で722名、単体で525名です。筆頭株主は創業者の吉田融正氏で、第2位は光通信KK投資事業有限責任組合、第3位は日本カストディ銀行(信託口)となっています。

氏名 持株比率
吉田融正 33.39%
光通信KK投資事業有限責任組合 6.47%
日本カストディ銀行(信託口) 2.60%

(2) 経営陣


同社の役員は男性7名、女性2名の計9名で構成され、女性役員比率は22.2%です。
代表取締役会長兼CEOの吉田融正氏が経営を牽引しています。社外取締役は2名在籍しています。

氏名 役職 主な経歴
吉田融正 代表取締役会長兼CEO 1983年日本アイ・ビー・エム入社。2002年ブリッジインターナショナル設立、代表取締役社長。2025年10月より現職。
髙橋慎介 取締役 1983年日本アイ・ビー・エム入社。エムオーテックス代表取締役社長等を経て2008年ブリッジインターナショナル入社。2021年より現職。
塩澤正枝 取締役 1990年日本アイ・ビー・エム入社。2002年ブリッジインターナショナル入社。常務執行役員等を経て2026年3月より現職。
柿沼務 取締役 1986年日本アイ・ビー・エム入社。2018年ブリッジインターナショナル入社。ブリッジプロセステクノロジー取締役会長を経て2026年3月より現職。


社外取締役は、岡村典(元テン・コミュニケーションズ代表取締役社長)、郡のぶ(元シグマクシスディレクター)です。

2. 事業内容


同社グループは、「インサイドセールスアウトソーシング事業」、「プロセス・テクノロジー事業」、「研修事業」を展開しています。

インサイドセールスアウトソーシング事業


企業向けに見込み顧客に対して電話やオンラインツールを活用した非対面営業活動を代行するサービスを提供しています。専門スタッフが課題やニーズを把握し、具体的な商談段階で訪問営業担当へ引き継ぎます。

月額定額の業務委託契約により収益を得ており、売上の9割以上を既存顧客が占める安定したストックビジネスモデルを構築しています。運営は主にブリッジインターナショナルが行っています。

プロセス・テクノロジー事業


AIをはじめとする最新テクノロジーを活用し、企業のマーケティングや営業活動を支える仕組みの構築・運用を支援しています。データ分析の効率化やクラウドシステムの導入支援などを提供します。

コンサルティングによるフロー型収益に加え、システム構築や運用支援による長期継続的なストック型収益へシフトしています。運営は主にブリッジプロセステクノロジーが行っています。

研修事業


企業向けにデジタル技術を活用できる人材やビジネススキルを持つ人材の育成を支援する各種研修プログラムを提供しています。新入社員向けから階層別、DX推進など幅広く対応します。

各企業のニーズに合わせてカスタマイズした公開講座やeラーニングなどの研修サービスの対価として収益を得ています。運営は主にアイ・ラーニングが行っています。

3. 業績・財務状況


同社の連結業績をデータで分析します。

(1) 業績推移


売上高は順調に拡大を続けてきましたが、直近の2025年12月期は子会社の株式譲渡による連結範囲の変更影響などもあり、ほぼ横ばいで推移しました。経常利益は2024年12月期まで増加傾向にあったものの、2025年12月期は持株会社体制への移行に伴う一時的な費用の増加などにより減益となっています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高 56億円 67億円 70億円 86億円 86億円
経常利益 6億円 9億円 9億円 10億円 9億円
利益率(%) 11.6% 13.2% 13.1% 11.6% 10.1%
当期利益(親会社所有者帰属) 5億円 6億円 6億円 7億円 5億円

(2) 損益計算書


売上高は前年と同水準を維持し、売上原価が減少したことで売上総利益は増加し、売上総利益率も上昇しました。一方で、持株会社体制移行関連費用などの増加により販売費及び一般管理費が膨らみ、営業利益は減少しています。

項目 2024年12月期 2025年12月期
売上高 86億円 86億円
売上総利益 28億円 29億円
売上総利益率(%) 33.0% 34.0%
営業利益 10億円 9億円
営業利益率(%) 11.0% 10.2%


販売費及び一般管理費のうち、給料及び手当が5億円(構成比25%)、業務委託費が3億円(同14%)を占めています。

(3) セグメント収益


インサイドセールスアウトソーシング事業は大型案件の獲得などに注力し増収となりました。研修事業も新卒研修が好調に推移し売上を伸ばしています。一方、プロセス・テクノロジー事業は子会社の株式譲渡に伴う連結除外の影響を受け、減収となりました。

区分 売上(2024年12月期) 売上(2025年12月期)
インサイドセールスアウトソーシング事業 45億円 46億円
プロセス・テクノロジー事業 18億円 16億円
研修事業 23億円 24億円
連結(合計) 86億円 86億円

(4) キャッシュ・フローと財務指標

ブリッジインターナショナルは、営業活動によるキャッシュ・フローで収入を得ており、これは主に事業活動から生み出された利益によるものです。投資活動によるキャッシュ・フローでは支出があり、これは主に子会社株式の売却や無形固定資産の取得に関連しています。財務活動によるキャッシュ・フローでも支出があり、これは配当金の支払いと借入金の返済によるものです。

項目 2024年12月期 2025年12月期
営業CF 10億円 5億円
投資CF -3億円 -2億円
財務CF -6億円 -3億円

4. 経営方針・戦略


同社が掲げる経営理念と、それを実現するための企業文化、および今後の具体的な成長戦略について解説します。

(1) 経営理念


同社グループは、「B2B企業の売上成長に向けた改革を支援するEnd to Endのサービスを提供します」を経営方針に掲げています。社会の構成員として経営の透明性を確保し、ステークホルダーとの信頼関係を強化しながら企業価値を持続的に向上させることで、社会に貢献することを使命としています。

(2) 企業文化


同社グループは、テクノロジーの進歩の中でも最終的な価値創出の源泉は「人と人とのコミュニケーション」にあるという価値観を重視しています。テクノロジーと人材の融合による営業高度化を支援することを強みとしており、従業員が共通の目標やミッションを共有して行動できる健全な組織文化の醸成に努めています。

(3) 経営計画・目標


同社グループは、継続的な安定した収益確保を目指すにあたり、「売上高」及び「営業利益」を重要な経営指標と位置づけています。人的資本の最適化を測る定量的な指標として、従業員数や離職率、女性人材率、従業員の平均在籍期間に関する目標数値を設定して取り組んでいます。

(4) 成長戦略と重点施策


同社グループは、既存顧客との取引拡大と新規顧客の獲得により収益基盤の強化を図ります。インサイドセールスアウトソーシング事業では外資ITや国内IT、金融などの業界に注力し大型案件を獲得します。プロセス・テクノロジー事業ではAIなど最新技術を活かした営業支援を展開し、研修事業ではリスキリングに対応した非エンジニア向けコンテンツを強化します。

5. 働く環境


同社の人材戦略と、給与水準や働きやすさに関する指標を解説します。

(1) 人材戦略・方針


同社グループは、人的資本を価値創造の源泉と位置づけ、その強化と最適化を継続的に図ることで持続的な成長を実現する方針です。優秀な人材を確保するため公正な選考を行い、継続的な成長を促す教育機会を提供するとともに、業績評価制度や市場水準を考慮した報酬制度を整備して定着率の向上とキャリア形成を支援しています。

(2) 給与水準・報酬設計


同社(単体)従業員の平均年間給与はグロース市場の平均を大きく下回る水準です。

項目 平均年齢 平均勤続年数 平均年間給与
2025年12月期 37.3歳 6.7年 3,961,000円


※平均年間給与は基準外賃金を含みます。

(3) 人的資本開示


同社は以下のような人的資本・多様性の開示を行っています。

項目 数値
女性管理職比率 26.9%
男性育児休業取得率 0.0%
男女賃金差異(全労働者) 74.6%
男女賃金差異(正規労働者) 74.9%
男女賃金差異(非正規労働者) 90.8%


また、同社は「サステナビリティ」等のセクションにおいて、法定開示以外の指標も掲載しています。例えば、離職率(10.9%)、女性人材率(67.9%)、従業員の平均在籍期間(6.7年)などです。

6. 事業等のリスク


事業環境やシステムに関連する主なリスク要因を概観します。

(1) 事業経営環境に関するリスクの変化


就業人口の減少や雇用流動化を背景に顧客の投資マインドが上昇していますが、経済情勢や景気動向により顧客企業の営業・マーケティング投資が減退した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) システムトラブルによるリスク


サービス提供は通信ネットワークに依存しており、予測不可能なアクセス増加やサイバー攻撃、従業員の過誤などによりシステム障害や情報漏洩が発生した場合、信頼失墜や損害賠償を通じて業績に影響を与える可能性があります。

(3) 知的財産権の侵害におけるリスク


サービスの名称や会社名について商標登録を行い、顧問弁護士を通じて第三者の権利侵害リスクを調査していますが、万が一権利侵害が発覚した場合、損害賠償請求や使用差し止め請求を受け、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 契約不適合責任及び品質保証引当金に関するリスク


システムソリューションにおいて品質管理を徹底していますが、提供した製品やシステムに想定以上の不具合が生じ、顧客に損害を与えた場合、補修費用の増加や信用低下を招くリスクがあります。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。