※本記事は、株式会社シノプス の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
シノプスは、在庫に関わる人・もの・金・時間・情報を最適化するITソリューションを提供し、流通業の発展と活性化に貢献しています。需要起点で小売業・卸売業・製造業の流通三層に連携するディマンド・チェーン・マネジメント(DeCM)構築を経営戦略の柱としています。
単体従業員数は110名です。セグメントはsinops事業の1つです。
シノプスは、流通業向けAIサービス「sinops(シノプス)」シリーズをクラウド型、パッケージ販売型、導入支援サービス、サポートサービスの4つの軸で展開しています。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
シノプスは、自社開発のソフトウェアを通じて社会の無駄を削減するというビジョンを掲げるITソリューション企業です。プロフェッショナル人材の育成と獲得に力を入れ、多様な働き方を支援する環境づくりを進めています。従業員が能力を最大限に発揮できるよう、柔軟な勤務スタイルや育児・介護制度の整備にも取り組んでいます。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
シノプスでは、平均年齢が比較的若く、勤続年数も短めであることから、活気ある組織であることがうかがえます。新しい人材が積極的に加わり、キャリアを築いている傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,687,000円 |
| 平均勤続年数 | 4.8年 |
| 平均年齢 | 36.3歳 |
| 単体従業員数 | 110人 |
| 連結従業員数 | - |
| 単体のグループ内比率 | - |
シノプスでは、確定拠出型年金制度(会社が拠出した資金を従業員が運用する)を採用しています。また、一部の従業員には退職金規程に基づく退職一時金制度(非積立型制度)が適用されます。
退職一時金制度はありますが、支給条件や金額の算定方法の詳細は有価証券報告書では確認できないため、就業規則や募集要項で確認する必要があります。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
シノプスは、自社開発のソフトウェア企業として、中長期的な企業価値向上には優秀な人材の獲得と生産性の高いチームづくりが不可欠であると考えています。プロフェッショナル人材の育成と獲得に注力し、多様な人材が最大限に能力を発揮できる働きやすい職場環境づくりを推進しています。
具体的には、労働生産性の向上を目指し、健康経営宣言を策定して労働安全衛生やメンタルヘルスに取り組んでいます。また、ハイブリッドワークの推進や柔軟な勤務スタイルを確立するための勤務時間変更、育児や介護のための制度整備など、多様な働き方を支援する施策を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。男性労働者の育児休業取得率および労働者の男女の賃金の差異は、公表義務の対象ではないため記載を省略しています。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 21.1% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
同社は、流通業向けにAIを活用したITソリューションを提供し、在庫に関わる様々な要素を最適化することで社会貢献を目指しています。需要情報を起点に小売業・卸売業・製造業の流通三層を一気通貫で連携するディマンド・チェーン・マネジメント(DeCM)構築を経営戦略の柱としています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社は「世界中の無駄を10%削減する」をビジョンに掲げ、このDeCMを実現するため、流通業向けAIサービス「sinopsシリーズ」を展開しています。事業は「sinops事業」の単一セグメントであり、主に4つのサービスを軸に展開しています。
具体的には、クラウド型で「sinopsシリーズ」を提供するクラウドサービス、一括販売型のパッケージ販売、導入効果を最大化するためのシステム構築や運用構築を支援する導入支援サービス、そして日常運用を支援するサポートサービスです。同社の収益モデルは、クラウドサービスとサポートサービスがストック型の売上を構成しており、安定的な収益基盤となっています。
主力製品には、需要予測・自動発注サービスのノウハウをクラウド型で提供する「sinops-CLOUD」や、エキスパート法によるAI機能を搭載した小売業向け需要予測・自動発注システム「sinops-R6」があります。また、タブレットで棚割修正が可能な「sinops-Pad」、人時生産性改善・向上を目的とした人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」も提供しています。
さらに、食品バリューチェーン最適化サービスとして、小売業の実績や計画に基づいてAIが算出した需要予測データを卸売業や製造業に連携する「DeCM-PF」のサービス提供も進めています。同社は、食品スーパーマーケット向けの需要予測型自動発注サービスにおいて高いシェアを維持しており、この市場で3年連続シェア1位を獲得しています。
なお、同社は本邦以外の外部顧客への売上高がないため、海外売上は発生していません。当事業年度の販売実績を見ると、クラウド業務が最も大きな割合を占めており、前期から大きく増加しています。パッケージ販売業務も前期比で大幅な増加を示し、導入支援業務とサポート業務も堅調に増加しています。
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社の直近の業績は、売上高、各利益ともに大きく伸長しています。小売業のDXに貢献する需要予測型自動発注サービスの拡販が継続的に進んだことが、業績拡大の主要因となっています。
当事業年度の売上高は前期から増加し、営業利益、経常利益、当期純利益も前期比で大幅な増加となりました。これは、クラウド売上高の拡大に加え、販売費及び一般管理費が減少したことも寄与しています。結果として、売上高の増加率を大きく上回る利益の成長を実現しています。
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
企業の財務基盤は、事業の安定性や将来の成長性を示す重要な要素です。自己資本の厚みや手元資金の状況から、同社の現在地を把握できます。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
自己資本比率やROEは、企業の財務健全性や収益性を測る指標です。手元資金の状況は、予期せぬ経済変動や事業投資への対応力を示します。これらの指標は、従業員の雇用や給与の安定性にも影響を与える可能性があります。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 自己資本比率 | - | - |
| ROE(自己資本利益率) | - | - |
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
キャッシュフローは、企業がどのように資金を稼ぎ、使い、調達しているかを示すものです。営業活動によるキャッシュフローは本業での資金の出入りを、投資活動によるキャッシュフローは将来に向けた投資の状況を、財務活動によるキャッシュフローは資金調達や返済の状況を表します。これらの資金の流れは、企業の成長戦略や財務の健全性を理解する上で重要であり、結果として雇用や給与の安定性、企業の持続的な成長性にも関わってきます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | - | - |
| 投資CF | - | - |
| 財務CF | - | - |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | - | - |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社は、売上高全体に占める食品スーパーマーケット向けの割合が80%以上と高い水準にあります。今後、食品スーパーマーケット業界以外での導入実績を増やす方針ですが、想定通りの事業展開が図れない場合、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、需要予測・自動発注サービス領域では、他社の新規参入により競合が激化する可能性があります。競合企業に対して効果的な差別化が行えない場合、事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社は、組織規模が小さく、特定の役員や従業員への依存があるとしています。病気や怪我、転職等により人材が社外に流出した場合、業務に支障が生じる可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
シノプスは、「世界中の無駄を10%削減する」というビジョンを掲げ、ITソリューションを通じて社会貢献を目指す企業です。在庫最適化を核に、持続可能な社会の実現に貢献する企業風土が特徴となっています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社は「われわれは在庫に関わる“人”、“もの”、“金”、“時間”、“情報”を最適化するITソリューションを提供し、限りある資源を有効活用することで、広く社会に貢献する。」を基本理念に掲げています。この基本理念のもと、「世界中の無駄を10%削減する」というビジョン達成のために、小売業・卸売業・製造業の流通三層の在庫を最適化する流通業向けAIサービス「sinopsシリーズ」を提供しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社は「世界中の無駄を10%削減する」という経営ビジョンのもと、sinops事業を通じて流通三層の在庫を最適化し、社会及び環境へ貢献することを重視しています。中長期的な企業価値向上のためには、様々な分野での優秀な人材の獲得と生産性の高いチームづくりが必須であると考えています。
プロフェッショナル人材の育成と獲得に努め、多様な人材が最大限に能力を発揮できるよう、働きやすい職場環境づくりを推進しています。労働生産性向上に向けては、健康経営宣言を策定し、労働安全衛生・メンタルヘルスに取り組むとともに、ハイブリッドワークの推進や柔軟な勤務スタイル、育児や介護のための制度を整えています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社は、人的資源最大化AIサービス「sinops-WLMS」の展開を重要な経営課題の一つとしています。「人的資源の最大化」の成功事例を創出し、2028年度以降の本格展開に向けた土台を構築する方針です。恒常的な人手不足という市場ニーズに応えるため、2026年1月からは新規事業開発部をWLMS推進部に改称し、経営リソースを集中させています。
また、サステナビリティ経営の推進も重点テーマです。sinopsによる在庫最適化を通じて、SDGs目標12「つくる責任・つかう責任」で謳われる食品ロス削減をはじめ、サプライチェーン全体の無駄を削減する取り組みを進めています。sinops事業を推進することで、地球環境の維持・向上及び持続可能な社会の実現に貢献するとしています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
シノプスは監査等委員会設置会社であり、取締役会は社外取締役を含む複数の取締役で構成されています。これにより、経営の監督機能とガバナンスの強化を図っています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
シノプスの筆頭株主は合同会社南谷ホールディングスであり、同社の代表取締役会長である南谷洋志氏が代表社員を務めています。上位株主には南谷氏をはじめとする複数の個人株主が名を連ねており、創業家が同社の資本構成において重要な位置を占めていることがうかがえます。これにより、特定の株主グループが経営に影響力を持つ体制となっています。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 合同会社南谷ホールディングス | 33.70% |
| 南谷 のどか | 7.53% |
| 加藤 めぐみ | 7.52% |
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は7名(男性7名・女性0名)で構成され、女性役員比率は0.0%です。代表取締役社長は岡本数彦氏が務めています。社外取締役比率は42.9%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 南谷 洋志 | 代表取締役会長 | 1987年10月に同社を設立し代表取締役に就任。2017年12月には合同会社南谷ホールディングスを設立し代表社員を務め、2025年3月より同社代表取締役会長より現職。 |
| 岡本 数彦 | 代表取締役社長 | 2004年4月に同社入社後、執行役員営業部長、取締役技術部長、常務取締役などを歴任。2025年3月より同社代表取締役社長より現職。 |
| 武谷 克裕 | 取締役 管理部管掌 | 新日本製鉄、シンジェンタジャパン等を経て、2020年3月にマジェスティゴルフ常務執行役員CFOに就任。2023年3月同社入社、2024年3月より取締役管理部管掌より現職。 |
社外取締役は、角田吉隆氏(アトムス開業・指名委員長)、木村安壽氏(木村公認会計士事務所開業・報酬委員長)、南山学氏(チアフルプランニング代表取締役社長)です。
同社は監査等委員会設置会社であり、独立した立場の社外取締役が取締役会の議論に積極的に参加し、経営判断や意思決定に貢献することで、監督機能の強化を図っています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬としての譲渡制限付株式で構成されています。基本報酬は月例の固定報酬であり、業績連動報酬は各事業年度の経常利益の達成度合いなどを考慮して算出されます。なお、監査等委員である取締役および社外取締役の報酬は、業績連動報酬を含まず、基本報酬と譲渡制限付株式報酬のみで構成されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(監査等委員及び社外除く) | 3名 | 82百万円 | 27.2百万円 |
| 監査等委員(社外除く) | 1名 | 9百万円 | 8.7百万円 |
| 社外役員 | 3名 | 15百万円 | 5.0百万円 |
役員報酬の総額は1.1億円であり、対象となる役員は合計7名です。
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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