【平均年収910万円】日本ホスピスホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収910万円】日本ホスピスホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

日本ホスピスホールディングスは、ファミリー・ホスピスなどを傘下に持つ持株会社です。「在宅ホスピスの研究と普及」をミッションに、末期がん患者や難病患者向けのターミナルケアを提供しています。グループ全体で多くの従業員が活躍し、直近の業績は増収減益となりました。


目次

※本記事は、日本ホスピスホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月25日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。

1. 企業概要:どんな会社?


日本ホスピスホールディングスは持株会社であり、単体従業員数は6名、グループ連結従業員数は1,108名です。

同社グループは、「在宅ホスピスの研究と普及」をミッションに掲げ、連結子会社であるファミリー・ホスピス株式会社を中心に、末期がん患者や難病患者を対象としたターミナルケアを提供しています。これは、自宅で自由に過ごしたいという希望と、痛みや苦しみを和らげてほしいという希望の両方を叶えるケアサービスです。

主な国内グループ会社は、ファミリー・ホスピスなどです。

名称 主要な事業の内容
ファミリー・ホスピス 在宅ホスピス事業

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


日本ホスピスホールディングスは、在宅ホスピス事業を中核とする同社グループの持株会社です。同社グループでは、専門性の高い医療・介護サービスを提供するため、人材の育成と多様な働き方の推進に力を入れています。特に女性の活躍を重視し、働きやすい環境づくりに取り組んでいることがうかがえます。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社単体の平均年齢は50歳代前半であり、平均勤続年数は5年台後半となっています。このことから、一定の経験を積んだ人材が在籍している傾向が見られます。なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 9,098,000円
平均勤続年数 5.83年
平均年齢 50.3歳
単体従業員数 6人
連結従業員数 1,108人
単体のグループ内比率 0.5%


同社グループは、確定給付型の退職給付制度を採用しています。これは、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度です。

同社グループの従業員を対象としており、退職一時金制度では、退職給付として給与と勤務期間に基づいた一時金が支給されます。

なお、退職給付債務は81百万円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


日本ホスピスホールディングスグループは、「在宅ホスピスの研究と推進」をミッションに掲げ、増加する看取り難民の解消を目指しています。このミッション達成のため、人的資本の適切な育成と活用を組織の成長および競争力強化に不可欠な要素と位置づけています。

同社グループは、ホスピス人材の育成と女性の活躍を重点テーマとしています。女性従業員や中途採用者の比率が高いことから、安心して活躍できる環境整備を重視し、看護師の多様な働き方を実現するための新たなやりがいを提供しています。

具体的には、緩和ケアを提供する看護師向けに、終末期ケアの看護師包括教育プログラム「ELNEC-J」や、スギ薬局による医療用麻薬等の薬剤研修を実施し、専門スキルの向上を図っています。さらに、緩和ケア専門家が経営に参画し、看護師や介護士の活躍機会の向上に努めることで、質の高い緩和ケア提供体制を構築しています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データは本記事では取得できていません。

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

指標 数値
女性管理職比率 71.4%
男性育児休業取得率 100.0%

指標及び目標


当社グループの管理職に占める女性労働者の割合70%程度を更に引き上げていくことを目標としています。男性の育児休業取得率は、日本政府が掲げる「2030年までに男性育児休業取得率85%」の早期達成を目指しています。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 71.4%
男性育児休業取得率 100.0%

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


日本ホスピスホールディングスは、在宅ホスピス事業を中核とする持株会社です。末期がん患者や難病患者を対象に、自宅で過ごしたいという希望と、痛みや苦しみを和らげたいという希望を叶えるためのターミナルケアサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは「在宅ホスピスの研究と普及」をミッションに掲げ、超高齢社会における「看取り」の課題解決に取り組んでいます。年間の死亡者数が増加する中で、最期を迎える場所の不足が社会的な課題となっており、同社グループはこのニーズに応える形で事業を展開しています。

収益は、医療保険報酬、介護保険報酬、障害者総合支援法に基づく報酬、家賃等の自費サービスといった多層構造から成り立っています。その大半は医療保険や介護保険などの保険報酬、および障害者総合支援法に基づく報酬です。

同社グループは、在宅での看取りを前提としたホスピス施設の新規開設を積極的に進めており、当連結会計年度においては11施設を新たにオープンしました。これにより、運営するホスピス住宅は全59施設、提供可能室数は2,024室に増加しています。

同社グループの売上高は本邦以外の外部顧客への売上高がなく、海外事業は展開していません。主要な顧客としては、神奈川県国民健康保険団体連合会、愛知県国民健康保険団体連合会、東京都国民健康保険団体連合会が挙げられ、これらの顧客への売上高が連結売上高の一定割合を占めています。

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの売上高は、直近5年間で継続的に増加傾向を示しています。一方で、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、直近の期において減少に転じました。

これは、ご利用者1人あたりの売上単価が下落し、売上高人件費率が上昇したことや、成長のための組織体制強化に伴う採用費および人件費の増加、医療スタッフへの臨時特別賞与の支給などが影響しています。しかしながら、営業活動によるキャッシュ・フローは増加しています。

回次 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上高(億円) 60.2 78.9 98.7 121.2 141.7
経常利益(億円) 4.2 7.8 10.3 10.1 5.5
親会社株主に帰属する当期純利益(億円) 2.4 4.5 6.8 6.4 2.8
1株当たり当期純利益金額(円) 30.28 56.73 84.81 77.95 33.07
自己資本比率(%) 16.7 17.5 17.7 18.8 19.4
従業員数(人) 550 778 963 1,094 1,108

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたりの売上高は、前期と比較して増加しています。これは事業規模の拡大が進んでいることを示唆しています。

一方で、従業員1人あたりの営業利益は前期から減少しています。これは、売上高の増加に対して、組織体制の強化や人件費の増加といった費用が先行して発生したことが影響していると考えられます。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上高(連結) 11.1百万円 12.8百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 1.2百万円 0.8百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


日本ホスピスホールディングスは、本業で安定的に資金を生み出し、成長のための投資も行いつつ、手元資金を確保している状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの財務基盤を見ると、自己資本比率はプライム市場の非製造業平均と比較してやや低い水準にあります。ROE(自己資本利益率)は前期から低下し、当期はプライム市場平均を下回っています。一方で、現金及び預金は増加傾向にあり、手元資金は厚みを増している状況です。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
純資産 34.5億円 36.8億円
自己資本比率 18.8% 19.4%
ROE(自己資本利益率) 20.9% 7.8%
現金及び預金 15.3億円 20.1億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループの当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは10.5億円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益や減価償却費、未払費用の増加があった一方で、売掛金の増加があったことによるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは△5.1億円の支出となりました。有形固定資産の売却による収入があったものの、有形固定資産の取得や差入保証金の差入れによる支出が主な要因です。財務活動によるキャッシュ・フローは△0.5億円の支出となり、短期借入金や長期借入金の借入れがあった一方で、短期借入金や長期借入金の返済、配当金の支払などがありました。

これらの結果、フリーキャッシュ・フローは5.3億円の収入となっています。本業で安定的に資金を生み出し、成長のための投資を行いつつ、手元資金を確保している状況が示されています。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 8.4億円 10.5億円
投資CF △27.9億円 △5.1億円
財務CF 16.0億円 △0.5億円
フリーCF(営業CF+投資CF) △19.6億円 5.3億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、訪問看護及び訪問介護の医療及び介護報酬に係る法的規制のリスクを認識しています。診療報酬及び介護報酬の見直しにより、大幅な改定が行われた場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、ターミナルケアに特化した施設であることから、想定以上の入居者の逝去や退去があった場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、事業展開のための人員確保についてリスクを認識しています。必要とする看護師及び介護士の採用及び確保ができない場合、または十分な研修等を実施できない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


日本ホスピスホールディングスは、末期がんや難病患者のターミナルケアに特化し、在宅での看取りを支える先進的な事業モデルを全国に広げようとしている会社です。人々の笑顔と尊厳を最期まで支えることを目指し、社会貢献と事業成長を両立させる企業風土が特徴です。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


日本ホスピスホールディングスは、「ホスピスの普及と推進」をミッションに掲げています。ビジョンとして「あなたの笑顔と尊厳をさいごまで支えます」を掲げ、コーポレートスローガンは「すべては笑顔のために ~ For The Smile ~」です。同社グループは、末期がんや難病患者等のターミナルケアに特化したサービスを提供しており、在宅での看取りを含む先進的な事業モデルの構築と人材育成に注力しています。今後は、北海道や三大都市圏に加え、2026年度からは東北及び九州地区へ事業を拡大し、中長期的には日本全国への普及を目指しています。地域ニーズに即応する機動的な事業推進体制を構築し、事業運営効率と収益力の向上を図る方針です。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


日本ホスピスホールディングスは、末期がんや難病患者等のターミナルケアに特化し、在宅での看取りを含む先進的な事業モデルの構築と人材育成に注力しています。同社グループは、入居者を第一に考えた生活の質ときめ細かいケアサービスの提供を重視し、ホスピスチーム作りを進めています。創業以来、緩和ケアの「品質」にこだわり、医療従事者の手厚い配置や専門看護師の積極採用を通じて、高い専門性を追求する企業風土があります。また、女性従業員や中途採用者の活躍を重視しており、多様な働き方を実現できる環境整備に取り組んでいます。人的資本の育成と活用を組織の成長に不可欠と考えています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


日本ホスピスホールディングスは、事業展開に伴う課題として、ターミナルケアサービスの地域・関係者への理解浸透を重要視しています。提携医との関係構築も課題です。

人材の確保と育成も重点テーマです。看護師や介護士の適時適切な採用・配置に加え、管理者クラスの人材確保が早急な課題です。専門性の高いケアを提供するため、OJTや終末期ケアの包括教育プログラム「ELNEC-J」を通じたスキルアップ施策を積極的に行っています。

質の高いサービス提供と事業拡大のため、内部管理体制の強化も図っています。内部統制体制の構築、ガバナンス強化、情報セキュリティ、

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


日本ホスピスホールディングスは、「すべては笑顔のために」をコーポレートスローガンに掲げ、ホスピスの普及と推進を目指しています。同社グループは、監査役による会計監査と業務監査、および社外取締役を置くことで、業務執行の適正性とガバナンスの強化を図っています。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


日本ホスピスホールディングスの筆頭株主はスギホールディングスであり、事業会社が主要な株主として同社グループを支えています。スギホールディングスとは資本業務提携を締結しており、同社株式を保有しています。その他、野村證券やDEUTSCHE BANK AG, SINGAPOREといった金融機関も上位株主として名を連ねています。

株主名 持株比率
スギホールディングス 18.99%
野村證券 9.30%
DEUTSCHE BANK AG, SINGAPORE A/C CLIENTS(NON TREATY) 4600600(常任代理人株式会社みずほ銀行) 8.40%
日本カストディ銀行(信託口) 3.96%
BBH CO FOR ARCUS JAPAN VALUE FAND(常任代理人株式会社三菱UFJ銀行) 3.96%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は8名(男性6名・女性2名)で構成され、女性役員比率は25.0%です。代表取締役社長CEOは高橋正氏が務めています。社外取締役比率は60.0%です。

氏名 役職 主な経歴
高橋 正 代表取締役社長CEO 1984年4月三宿工房入所、1991年5月マニフィールド取締役就任、2008年8月ユーミーケア代表取締役就任、2017年1月同社代表取締役社長就任、2024年4月同社代表取締役社長CEOより現職。
加藤 晋一郎 取締役副社長CFO 1998年10月太田昭和監査法人入所、2006年4月Avantec Vascular Corp. CEO就任、2015年9月ナースコール入社執行役員管理本部長就任、2017年1月同社常務取締役管理本部長就任、2024年4月同社取締役副社長CFOより現職。


社外取締役は、荒川暁氏(J-STAR在籍)、田村恵子氏(大阪歯科大学大学院看護学研究科開発準備室 室長/特任教授)、冨田孝行氏(スギホールディングス ターミナルケア推進PJリーダー)です。

同社は監査役会設置会社であり、社外取締役と監査役による経営の監視・監督機能を重視しています。これにより、経営の健全性と透明性の確保を図っています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


日本ホスピスホールディングスでは、役員の報酬は株主総会で決議された総額の範囲内で、個々の役員の業務内容や職責を考慮し、代表取締役が社外取締役と意見交換の上で決定しています。取締役には譲渡制限付株式報酬制度が導入されており、企業価値向上へのインセンティブと株主との価値共有を目的としています。監査役の報酬は、株主総会で定められた限度額内で監査役会が協議して決定しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
取締役(社外除く) 2名 50百万円 25.0百万円
監査役(社外除く) 1名 5百万円 4.8百万円
社外取締役 1名 1百万円 1.0百万円
社外監査役 2名 5百万円 2.4百万円


※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。