※本記事は、株式会社ウィルズ の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年3月26日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は 日本基準 です。
1. 企業概要:どんな会社?
ウィルズは、「上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」をミッションに掲げています。同社グループは、株主管理プラットフォーム事業と広告事業を展開しています。
単体従業員数は92名、連結従業員数は115名です。セグメントは株主管理プラットフォーム事業、広告事業の2つです。
主な国内グループ会社は、ネットマイル(広告事業)などです。
2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?
ウィルズは、企業とステークホルダーを繋ぐことを中核とした事業活動を展開しており、その事業特性から専門性が重視される環境がうかがえます。働き方においては、多様な人材が活躍できる環境整備に注力していることが特徴です。
■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢
同社では、比較的勤続年数が短めであり、年齢構成は幅広い層が活躍している傾向が見られます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 平均年間給与 | 6,285,000円 |
| 平均勤続年数 | 3.3年 |
| 平均年齢 | 39.7歳 |
| 単体従業員数 | 92人 |
| 連結従業員数 | 115人 |
| 単体のグループ内比率 | 80.0% |
退職給付制度に関する記載はありません。
■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方
ウィルズは、経営理念である「MAXIMIZE CORPORATE VALUE」に基づき、人権の尊重を経営の重要課題と位置付けています。ダイバーシティ&インクルージョンを推進し、多様な価値観を会社の成長に結びつける人材の育成と職場環境づくりに注力しています。
人材の多様性を確保し、育成するための方針として、性別・年齢・国籍・新卒・中途採用を問わず、能力を有する人材を積極的に採用しています。また、社員が長く活躍できるよう、働きやすい環境作りにも取り組んでいます。
具体的には、フレックスタイム制度やテレワークの活用、子育てや介護に配慮した制度などを導入し、多様な人材がやりがいをもって働ける組織の構築を推進しています。在宅勤務規程や育児・介護休業規程の整備により、勤務体系の多様化と柔軟な対応ができる労働環境の整備を進めています。
■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標
有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。
法定開示
提出会社単体の法定開示データを示します。男性労働者の育児休業取得率、及び労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく公表義務の対象でないため、公表されていません。
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 管理職に占める女性労働者の割合 | 23.6% |
多様性・登用
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 女性社員比率 | 45.7% |
| 女性管理職比率 | 23.6% |
3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?
ウィルズは、上場企業と投資家をつなぎ、効率的な資本市場の実現と企業価値最大化を支援することをミッションとしています。株主管理プラットフォーム事業と広告事業の二つの事業を展開しています。
■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか
同社グループは、上場企業と機関投資家、個人投資家をクラウド上でつなぐプラットフォームを提供し、情報取得や交換を可能にしています。これにより、上場企業の株主管理やIR活動を支援し、収益を上げています。
株主管理プラットフォーム事業
この事業では、機関投資家マーケティングプラットフォーム「IR-navi」と、個人投資家マーケティングプラットフォーム「プレミアム優待倶楽部」を提供しています。また、顧客企業ごとに異なる株主優待ポイントの合算利用を可能にする「プレミアム優待倶楽部PORTAL」や、サステナビリティソリューションも展開しています。
収益は、ストック型のシステム利用料や株主優待ポイントの利用料、統合報告書などの企画・制作サービスから得ています。この事業は同社グループの収益の大部分を占めており、前期から大きく成長しています。
広告事業
広告事業は、自社媒体におけるWeb広告配信を行う「自社媒体Web広告」と、Webマーケティングのノウハウを活かした「Web広告代理店、及びアドバタイジングゲーム」で構成されています。
収益は、Web広告配信や顧客のWeb広告活動のサポート、ゲームソリューション導入によるWeb広告売上から得ています。この事業は同社グループの収益の一部を占めており、前期からやや縮小しています。
| セグメント | 売上高(2024年12月期) | 売上高(2025年12月期) |
|---|---|---|
| 株主管理プラットフォーム事業 | 48.2億円 | 58.1億円 |
| 広告事業 | 2.6億円 | 2.4億円 |
■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移
同社グループの業績は、過去5期にわたり売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに一貫して増加傾向にあります。特に直近の当期においては、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれも前期から大きく伸びており、収益性も向上していることがうかがえます。
| 項目 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 33.8億円 | 38.2億円 | 44.8億円 | 50.7億円 | 60.5億円 |
| 経常利益 | 5.2億円 | 6.9億円 | 9.1億円 | 10.4億円 | 13.0億円 |
| 経常利益率 | 15.4% | 18.2% | 20.3% | 20.5% | 21.5% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3.5億円 | 4.2億円 | 5.1億円 | 6.7億円 | 8.4億円 |
| 1株当たり当期純利益(円) | 17.92 | 21.03 | 24.39 | 32.45 | 41.41 |
■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る
同社グループの従業員1人あたりの売上高は、当期において前期から増加しています。また、従業員1人あたりの営業利益も同様に前期から増加しており、組織全体の生産性が向上している傾向が見られます。これらの指標の改善は、同社グループが効率的な事業運営を進めていることを示しています。
| 指標 | 2024年12月期 | 2025年12月期 |
|---|---|---|
| 従業員1人あたり売上高(連結) | 45.3百万円 | 52.6百万円 |
| 従業員1人あたり営業利益(連結) | 9.2百万円 | 11.3百万円 |
4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?
ウィルズグループの財務状況は、安定した基盤を維持しつつ、成長に向けた投資も行われていることを示しています。本業で着実に資金を稼ぎながら、将来への投資も進めている状況です。
■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み
ウィルズグループの財務基盤は、自己資本比率とROE(自己資本利益率)からその健全性がうかがえます。手元資金も確保されており、事業運営の安定性につながっています。
| 指標 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 純資産 | 21.4億円 | 26.0億円 |
| 自己資本比率 | 50.0% | 53.5% |
| ROE(自己資本利益率) | 33.7% | 35.6% |
| 現金及び預金 | 28.9億円 | 31.4億円 |
同社グループの自己資本比率は当期で53.5%となっており、前期の50.0%から増加しています。これはプライム市場の製造業平均46.8%、非製造業平均24.2%と比較しても高い水準を示しています。
ROE(自己資本利益率)は当期35.6%と、前期の33.7%からさらに向上しました。プライム市場平均の9.4%を大きく上回る高い収益性を示しています。
現金及び預金は当期末で31.4億円となり、前期末の28.9億円から増加しています。潤沢な手元資金は、不測の事態への耐性や今後の事業展開における柔軟性につながるものです。
■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ
ウィルズグループのキャッシュフローは、本業で安定的に資金を生み出し、それを成長投資に充てている状況を示しています。営業活動によるキャッシュフローは増加しており、事業の収益力が堅調に推移していることがうかがえます。投資活動によるキャッシュフローは前期のプラスから当期はマイナスに転じており、無形固定資産の取得など、将来に向けた投資が行われていることが分かります。
フリーキャッシュフローはプラスを維持しているものの、前期からは減少しています。これは本業で得た資金を投資に回しつつも、依然として自由に使える資金がある状態を示しています。財務活動によるキャッシュフローは、短期借入金の返済や自己株式の取得、配当金の支払いなどにより、資金が減少しています。これらの資金の流れから、同社グループは本業で安定した収益を上げ、成長のための投資を行いながら、財務の健全性も維持していることがうかがえます。
| 項目 | 2024年12月期(前期) | 2025年12月期(当期) |
|---|---|---|
| 営業CF | 10.7億円 | 13.8億円 |
| 投資CF | 7.5億円 | △4.1億円 |
| 財務CF | △3.6億円 | △7.3億円 |
| フリーCF(営業CF+投資CF) | 18.3億円 | 9.7億円 |
■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント
① 継続企業の前提に関するリスク
継続企業の前提に関する特記事項はありません。
② 事業構造・収益性に関するリスク
同社グループは、株主管理プラットフォーム事業のサービスを主に上場企業等のIR担当部門や経営企画部門等の間接部門に提供しています。経済情勢や事業環境が悪化した際には、間接部門の経費が削減される傾向にあるため、業績に影響を及ぼす可能性があります。
IRコンサルティング業界は参入障壁が高くない業界であり、競合会社におけるサービス品質の向上や革新的技術の出現等により、競争環境が激化した場合には、同社グループの競争優位性が薄れ、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材・組織に関するリスク
同社グループは、高い専門能力を有する人材の確保及び育成が不可欠と認識しています。人材確保や流出防止のための施策が奏功せず、人材の確保及び育成が進まない場合、あるいは人材が流出した場合には、事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 雇用安定性・リストラ
解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。
5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?
ウィルズは、上場企業と投資家をつなぐプラットフォームを提供し、効率的な資本市場の実現と企業価値の最大化を支援する会社です。持続可能な社会の実現にも貢献しながら、多様な人材が活躍できる組織を目指しています。
■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか
同社グループは、『MAXIMIZE CORPORATE VALUE』をスローガンに掲げています。これは「上場企業と投資家を繋ぐことにより効率的な資本市場の実現と上場企業の企業価値最大化を支援すること」をミッションとしています。
この経営理念には、「効率的な資本市場の形成」と「上場企業の企業価値最大化」という二つの想いが込められています。これらを通じて、企業が得られた収益を社会に還元し続けられる好循環な社会を生み出すことを目指しています。
■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー
同社グループは、人権の尊重を経営の重要課題と認識し、ダイバーシティ&インクルージョン推進に注力しています。多様な価値観を会社の成長に結びつける人材の育成や職場環境づくりに取り組んでいます。
性別・年齢・国籍・新卒・中途採用を問わず、能力を有する人材を積極的に採用する方針です。各ステークホルダーからの信頼に応えられるよう、真摯に事業を展開し、新たな社会価値の創出に取り組むことが求められています。
■(3) 経営課題と今後の重点テーマ
同社グループは、優秀な人材の採用と育成を優先的に対処すべき課題の一つとしています。専門性の高い人材の確保と、OJTや座学教育を通じた金融市場への理解促進に取り組んでいます。
役割等級制度に基づいた期待役割と評価基準の明確化により、従業員が積極的に挑戦できる環境を整えています。また、コーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の強化も重要な課題です。
営業管理体制やバックオフィス業務体制の整備を推進し、経営の公正性や透明性を確保するための内部統制の強化に取り組んでいます。新規事業の創出も重点テーマであり、事業規模の拡大と収益基盤の多様化を図っています。
株主管理プラットフォーム事業におけるブロックチェーンを活用した株主優待共通コイン「WILLsCoin」の提供や、バーチャル株主総会の推進等の株主総会プロセスの電子化、電子議決権行使プラットフォーム「WILLsVote」のサービス提供など、新規事業による収益基盤の多様化を目指しています。
6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?
株式会社ウィルズは監査役会設置会社であり、社外取締役と社外監査役を配置することで、経営の監督と監視を強化しています。
■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か
筆頭株主は代表取締役社長CEOの杉本光生氏です。同氏の資産管理会社であるSUGアセット株式会社も上位株主として名を連ねています。また、専務取締役CFOの蓮本泰之氏も上位株主の一人です。
| 株主名 | 持株比率 |
|---|---|
| 杉 本 光 生 | 30.11% |
| 蓮 本 泰 之 | 14.00% |
| SUGアセット株式会社 | 6.53% |
(注)発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対する所有株式数の割合は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか
同社の役員は10名(男性9名・女性1名)で構成され、女性役員比率は10.0%です。代表取締役社長CEOは杉本光生氏が務めています。社外取締役比率は28.6%です。
| 氏名 | 役職 | 主な経歴 |
|---|---|---|
| 杉本 光生 | 代表取締役社長CEO | 1991年株式会社リクルートコスモス入社、1992年株式会社インテリジェンス入社、1993年アイ・アールジャパン株式会社入社、1997年株式会社ストラテジック・アイアール入社、2004年同社設立、代表取締役社長CEOより現職。 |
| 蓮本 泰之 | 専務取締役CFO コーポレート本部長 | 2001年三菱商事株式会社入社、2013年株式会社ローソン出向、2017年同社常務取締役CFO就任、2018年同社コーポレート本部長就任、2019年同社専務取締役CFOより現職。 |
| 加藤 正明 | 常務取締役 コーポレート コミュニケーション 本部 共同管掌 | 1980年小柳証券株式会社入社、1986年株式会社インターナショナル・コミュニケーション・ストラテジーズ入社、1988年株式会社アイ・アールジャパン入社、2000年アレックス・ネット株式会社(現同社)設立、代表取締役就任、2018年同社常務取締役より現職。 |
| 山本 章代 | 常務取締役 コーポレート コミュニケーション 本部長 | 1990年株式会社インターナショナル・コミュニケーション・ストラテジーズ入社、1991年株式会社アイ・アールジャパン入社、2000年アレックス・ネット株式会社(現同社)取締役就任、2022年同社コーポレートコミュニケーション本部長就任、2023年同社常務取締役より現職。 |
| 貝田 敏明 | 常務取締役 営業本部長 | 1990年野村證券株式会社入社、2020年野村リサーチ&アドバイザリー株式会社、2021年野村證券株式会社帰任、2023年同社執行役員就任、2023年同社営業本部長就任、2023年同社常務取締役より現職。 |
社外取締役は、青山洋一氏(株式会社エム・エイチ・グループ代表取締役)、鈴木行生氏(野村ホールディングス取締役)です。
同社は監査役会設置会社であり、社外取締役2名と社外監査役3名を選任することで、経営の健全性と透明性の確保に努めています。
■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計
同社の役員報酬は、月額報酬、役員賞与、および新株予約権報酬で構成されています。報酬水準は他企業との比較や業績を考慮し、役位別の基準額に基づいて設定されています。社外取締役および監査役には、独立した立場を考慮し、月額報酬のみが支給されています。
| 区分 | 人数 | 総額 | 1人あたり平均 |
|---|---|---|---|
| 取締役(社外除く) | 5名 | 1.6億円 | 32.0百万円 |
| 社外取締役 | 2名 | 9百万円 | 4.3百万円 |
| 社外監査役 | 3名 | 11百万円 | 3.6百万円 |
※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。



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